5月4日・5日にWACCA池袋で開催された、2024年6月に発売されるアニメ「彼女、お借りします」とのコラボグッズ「ときめきミステリー」の先行体験イベントの模様をレポートする。
「ときめきミステリー」は、2人のプレイヤーがそれぞれ「彼女、お借りします」の主人公・木ノ下和也とヒロインのどちらかを担当して進めるマーダーミステリー作品だ。
マーダーミステリーと聞くと殺人事件を連想する人も多いと思うが、本作ではそのような物騒な要素は抑えられており、マーダーミステリーが好きな人はもちろん、アニメや原作漫画で「彼女、お借りします」を知る人も楽しめるようになっていた。

ふたりでキャラクターになりきって物語を進めることが重要
本作をプレイするプレイヤーは2人と述べたが、これに関しては男女が揃っていなくても構わない。会場を見渡してみると実際に様々な人が楽しんでいた。ただ、やはり主人公とヒロインのデートを描くストーリーなので、カップルで遊びに行くのが一番のオススメだ。

今回は4人のヒロインの内から水原千鶴編を体験できたのだが、七海麻美編、更科瑠夏編、桜沢墨編の全てでストーリーが異なる。千鶴は一番オーソドックスな印象だが、麻美編なら和也が翻弄されるようなシナリオ、瑠夏編なら和也への好意が非常にわかりやすいシナリオ、墨編なら口下手な墨と会話は少ないながらも一日を楽しむシナリオになるとのこと。

また、シナリオは原作サイドもチェックしているそうで、筆者もアニメや漫画から「彼女、お借りします」を知っていたが、最後まで違和感なく体験できた。プレイヤーの選択によって結末が変わるマルチエンディングなので、その詳細をここで記すことは出来ず申し訳ないのだが、ぜひ原作やアニメからのファンの人も購入してみてほしい。


ゲームの進行方法は、基本的にふたりのプレイヤーが互いにシナリオブックを交互に読み進めていく形。ここでポイントとなってくるのが、キャラクターになりきることだ。確かに気恥ずかしさはあるのだが、だからといって抑揚もなくただ朗読しているだけでは味気ない。そこはゲームを最大限に楽しむためだと割り切ってチャレンジしてみよう。
途中で相手と相談して答えを探したり、別行動したりするパートもあるので、和也なら和也、千鶴なら千鶴の心境を把握しつつ相手の今の感情を予想してみるのも面白いかもしれない。

千鶴編ではLINEアプリを使った謎解きゲーム要素などがあるのだが、ほかのヒロインのシナリオでも同様に筆記用具などが必要になることもある。購入した際はその点をお忘れなく。

殺人事件に身構えてしまう人でもプレイしやすいマーダーミステリー
以下では、制作を担当したマダミスHOUSEのクマ氏のコメントをお届けする。
――マーダーミステリーと聞くと殺人事件を思い浮かべてしまうのですが、ラブコメものでデートをするというのは珍しいように思います。制作しようと考えたきっかけを教えてください。
クマ氏:元々マーダーミステリー作品は制作していたのですが、これは殺人事件の登場人物のひとりとして真犯人を探すというゲーム性でして、「金田一少年の事件簿」をテーマにした作品なども作っていました。その中で、殺人だけでなくいろいろな作品の世界の登場人物として物語を楽しめるというのは、作品のファンにとってはとても楽しいことだろうなと気づきまして。
「彼女、お借りします」は制作チームも好きな作品で、実際に自分が主人公の和也となって、相手がヒロインとなってデートすることになったら、自分自身がキャラクターとして好きな作品の世界に浸れるようで楽しいだろうなと思って作り始めました。

――原作の良さはどんな部分に感じられましたか?
クマ氏:原作はレンタル彼女というものにお金を払ってデートをして、そこから疑似的な恋愛をスタートして仲良くなっていくという流れです。手に入れたくとも手に入れられないもの、フィクションが段々リアルになっていく切り替えに魅力を感じたので、そういったところが遊びながら楽しめたらいいなと思っていました。
――ヒロイン4人分のシナリオや謎解きを用意する際に苦労はありましたか?
クマ氏:おっしゃる通り、やっぱりキャラクターによって良さが違うので苦労はありました。原作をチェックしていて「自分がもし和也くんだったら、もっと瑠夏に対して仲良くしてあげたい」と思うことが多々ありまして。そういった思いを和也として実現できるので、ファンのみなさんが見たい展開を実現できるように制作しています。
たとえば七海麻美というヒロインがいるのですが、原作から和也の目線では何を考えているかわかりづらい。仲良くなりたいけれどどうしたらいいかわからないし、元々付き合っていたのにフラれた理由もわからない。なので、千鶴とデートしているけれど本心はどうなのだろうとか、本作ではそういったドキドキ感を重視しています。和也目線で考えた時に、相手がどう思うのかを考えると作りやすかったですね。

――今回の反応次第では別の作品でもこういった試みは考えているのでしょうか?
クマ氏:マーダーミステリーは今まで殺人事件を題材にしており、「金田一少年の事件簿」は元々そういった要素があるので入りやすかったのですが、今回は恋愛とミステリーを組み合わせた物語体験を重視しています。そのおかげで、デートを楽しむという今までにない体験に仕上がったのではないかと思っています。
別にデートでなくとも冒険だったりでも構わないのですが、殺人事件を題材にしていると作品によっては商品化しづらかったりすることもありまして。今回はそもそもが恋愛ストーリーなので、そこを基準とすることでどんな作品でも対応できるなと思っています。
今回は「彼女、お借りします」で恋愛ストーリーになっていますが、上手くいけばこういった作品世界に入ってキャラクターとして物語を体験できるゲームをたくさん制作していけるのではないかとも考えています。
――自分も今回がマーダーミステリー初体験で殺人事件の印象が大きかったのですが、思った以上に女の子とデートするようなシナリオとの親和性が高いなと感じました。
クマ氏:やっぱり殺人事件となるとちょっと身構えてしまったり、犯人になったらどうすれば良いのか迷ってしまうんです。ですが本作は単純にキャラクターになりきってデートを楽しむ作品なので、プレイするハードルがすごく下がっているところがあります。なのでこれを機会に、キャラクターになりきって物語を体験する楽しみを多くの人に伝えていけたら良いなと思っています。

――最後に、本作を遊びたいと考えている方へのメッセージをお願いします。
クマ氏:「ときめきミステリー」の「彼女、お借りします」は、恋人同士で遊んでもいいですし、友達同士で遊んでも構いません。ふたりでキャラクターになりきってデートする内容なので、遊びながら仲良くなれると思います。本作を通して疑似的にデートをして、どこに向かうかを相談したりしても楽しいと思います。
原作を知らない方でも楽しめますが、Amazonプライムなど各種配信サイトでアニメが配信中だったりもするので、もしよろしければアニメを見ていただいて気になったら遊んでいただければと思います。
あとは、殺人事件だとちょっと身構えてしまう方も、デートをするくらいだったら楽しめるかな? みたいに、気になる方はぜひ遊んでみてください。

池袋ミステリータウン ホームページ
https://mysterytown.jp/
(C)宮島礼吏・講談社/「彼女、お借りします」製作委員会2023
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