Robloxは、カリフォルニア州サンノゼで9月6日に開催した年次イベント「第10回Roblox 開発者会議」にて、同社の目標と新サービス、新機能を発表した。
目次
以下、発表情報をもとに掲載しています
ロブロックス、「第10回Roblox 開発者会議」で、世界のゲームコンテンツ収益シェア10%獲得の目標を発表
~開発者が作品から収入を得る新たな方法や音楽発見機能など、新しいサービスや新機能も多数発表~
クリエーター、インフルエンサー、企業ブランド関係者コミュニティの聴衆を前に、基調講演を行ったロブロックスのCEO兼共同創業者であるデヴィッド・バズーキは、同社は将来的に、世界のゲームコンテンツ収益シェアの10%の獲得を目指すことを発表しました。
ロブロックスCEOデヴィッド・バズーキは次のように述べました。
ロブロックスCEOデヴィッド・バズーキ
「デイリーアクティブユーザー数10億人の達成に向けた過程で、世界のゲームコンテンツ収益の10%がロブロックスの経済活動システムを経由し、ロブロックスコミュニティ内で分配されるようになると考えています。この目標を達成するために、当社は3つの重要な領域に注力します。それは、クリエーターが作品を通じて人々を結びつけるための支援、クリエーターによるロブロックス上でのビジネス構築の支援、そしてクリエーターのロブロックス上での作品とユーザー数の規模拡大の支援です」
2024年第2四半期(2024年4~6月)時点で、世界でのロブロックスのデイリーアクティブユーザー数は7,950万人でした。同四半期に、ロブロックスが利用可能な各地域におけるデイリーアクティブユーザー数は前年同期比で2桁増加し、アジア太平洋地域では31%、日本では56%増加しています。
クリエーターが作品を通じて人々を結びつけるための支援
RDCでロブロックスは、友達になっているユーザー同士がスムーズにグループを結成して、お気に入りのバーチャル空間を見つけて一緒に参加できる新機能「パーティ」の導入を発表しました。
このパーティ結成機能を使うと、9歳以上の友達グループはテキストチャットで、電話番号を認証済みの13歳以上の友達グループはボイスチャットで、ロブロックスのバーチャル空間の中でも外でもコミュニケーションをとることができます。パーティ結成機能を使うと、友達同士が自動的に同じ公開サーバーに割り当てられます。ロブロックスは、まずテキストチャットで、次に音声チャットのパーティ機能を年内にリリースする予定です。
さらに、ロブロックスは、ユーザーがロブロックス上で新しい音楽を発見し、没入感のあるオーディオバーチャル空間で時間を過ごし、アーティストとつながることを支援する計画を発表しました。同時に、アーティストがロブロックス上でリスナーのリーチを広げてファン基盤を育成し、コミュニティを構築するための強力な新しい方法を提供することにより、アーティストを支援します。
RDCで発表されたロブロックスのメインサイト上の新機能には、「再生中の楽曲(What's Playing)」と「人気楽曲ランキング(Music Charts)」があり、これらによりユーザーは、ロブロックスコミュニティで人気、または人気急上昇中のバーチャル空間や、ブレイク中のアーティストの楽曲を見つけることができるようになります。それぞれ、今年中と、2025年に利用可能になる予定です。
また、ロブロックスは音楽配信サービス「DistroKid」との連携を開始しました。これにより、ロブロックス上で楽曲を公式の簡単な方法でアップロードおよび共有できる手段を対象となるアーティストに提供します。クリエーターは、DistroKidによって提供される無数の楽曲を使用して、制作したバーチャル空間をさらに充実したものにできます。
デヴィッド・バズーキは次のように述べました。
デヴィッド・バズーキ
「当社のビジョンの一部は、ロブロックスが有機的で没入感のある、音楽を発見する場になることです。今年末までに、エレクトロニック、ポップ、ダンス、ロック、カントリー、ラップ、ヒップホップなど、ジャンルを超えた多数の楽曲がロブロックスで利用可能になる予定です」
ロブロックス プロダクト、クリエーター・サービス、クリエーター・コンテンツ部門 シニア・ディレクター グレッグ・ハートレルのコメント:
「当社は、音楽と創造力が育まれる環境を提供することで、ロブロックスがデジタル音楽に関する発見とエンゲージメントにおける次世代のトレンドの最前線に立つことを、ビジョンとして掲げています。ロブロックスは、アーティストがエンゲージメント率の高い大規模なコミュニティと深くつながり、ファン基盤を構築していくための、唯一無二の機会を提供します。ユーザーがバーチャル空間で新しい音楽を発見したり、ファンハブ(ファン向けの交流場所)や音楽鑑賞パーティでアーティストとつながったりできるようになるなど、ロブロックスはファンとの交流やコミュニティ構築を行う新たな方法を生み出し、アーティストが革新的な方法でファンと関わることを可能にします。このような没入型の選択肢を提供することで、アーティストはファンとのつながりを深め、思い出に残る瞬間を作り出すことができます。そのような思い出は、ロブロックス上でのエンゲージメントの拡大にもつながるでしょう」
ロブロックスの音楽ゲーム「RoBeats」開発者 @spotcoのコメント:
「『RoBeats』は、最高の音楽を見つけてプレイヤーに届けることを目標としています。これまで、ライセンスを取得して音楽を利用するには、世界中のミュージシャンやレーベルに働きかけ、複雑な契約を交わすという、手作業のプロセスが必要でした。私たちを含むすべてのロブロックスの開発者にとって、音楽ライセンスがより便利でアクセスしやすいものとなる未来に、心を躍らせています。アーティストは自分の音楽をファンに届けることができ、私たちは誰からも愛される曲を届けることで、バーチャル空間とロブロックスコミュニティ全体を豊かなものにすることができます」
クリエーターによるロブロックス上でのビジネス構築の支援
RDCでロブロックスは、クリエーターによるロブロックス上でのビジネス拡大に役立つ以下のような新機能とプログラムを発表しました。
対象となるクリエーターが、自身のバーチャル空間内で直接、物理的な商品を販売できる機能は、2025年初め頃に利用可能になります。既に、ウォルマートやe.l.f.Beauty、ワーナー・ブラザースなどのブランドが、ロブロックス上でインターネット通販のテストを実施しました。これを可能にするために、ロブロックスは様々なeコマースプラットフォームとの連携を行う計画を各社に共有しており、提携を行う最初のパートナーシップはeコマースプラットフォームのShopifyと発表を行いました。
これにより、Shopifyで物理的な商品を販売しているクリエーターが、ロブロックス上のバーチャル空間内で同じ商品を販売できるようになります。ロブロックスは年内に、このソリューションを一部のクリエーター、企業ブランド、eコマースパートナー企業とともに試験的に導入する予定です。
・デスクトップ版で有料バーチャル空間へのアクセス権を購入する際の価格を、開発者が円やドルなどの通貨で設定できる機能を実装します。バーチャル空間には価格帯に応じて収益のうちの50%~70%が支払われます。
本機能は、まずデスクトップ版での購入について今年展開され、その後、他のサポート対象デバイスに拡大される予定です。
・価格推奨をする「価格最適化」ツールは、バーチャル空間のユーザーの一部を対象に価格テストを実施し、最も高い割合のユーザーにとって、最も魅力的となるような価格戦略を特定するものです。
ロブロックスは今後数ヶ月のうちに、すべての開発者が本機能を利用できるようにする予定です。
・近日中に、「地域別価格推奨」機能の試験運用を開始します。国などの地域によって購買力に差があるにもかかわらず、現在、開発者がアイテムを販売する際に全世界共通の単一価格にする必要があります。
国ごとに価格を最適化する機能があれば、開発者は地域の経済状況に合わせて価格設定ができる上に世界市場にも対応したバーチャル経済活動を作り出すことができます。
・「クリエーターアフィリエイトプログラム」を、試験的に開始します。当プログラムでは、クリエーター、インフルエンサー、開発スタジオが、ロブロックスに新規ユーザーを集客した場合に報酬が支払われます。
クリエーターは、自身のバーチャル空間への固有のリンクを作成し、そのリンクを用いて登録を行いRobux(ロバックス)の購入があった場合、該当するユーザーが登録後の最初の6カ月間にRobuxを購入して発生した収益の一部がクリエーターに支払われます。本プログラムは、初期バージョンへの応募の受付を開始しており、来年には対象となるすべてのクリエーターが応募できるようにすることを目指しています。
デヴィッド・バズーキは次のように述べました。
デヴィッド・バズーキ
「当社が成長するにつれて、活気に満ち繁栄するロブロックスの経済活動システムに参加しているクリエーターは、ユーザー数の増加と収入獲得機会の増加から、直接メリットを受けることになります。クリエーターに報酬を与える当社の方式はうまく機能しており、クリエーターが当社のプラットフォームで成功するビジネスを構築できるよう、常に新しい方法を模索しています」
クリエーターによる作品とユーザー数の規模拡大の支援
RDCでロブロックスは、ロブロックス・プラットフォーム上で制作中に発生する生成関連作業を、効率的に行えるようにする3D基盤モデル(AI)開発のインキュベーションプロジェクトの初期デモも公開しました。当モデルは、オープンソースで、テキストだけでなく画像なども処理できるマルチモーダルでとなる予定で、テキスト、動画、3Dアセットのプロンプトを通じて3D生成に対応させる予定です。ロブロックス・プラットフォームのシステムに統合される際には、すべての開発者が自身のバーチャル空間内で利用できるようになります。
「アシスタント」、「AI 駆動テクスチャ生成」、「アバター自動設定」のような生成AIツールの提供開始により、ロブロックスの開発者はすでに、基本的な作業に費やす時間を減らし、クリエイティブな作業に、より多くの時間を費やすことができるようになっています。当モデルにより、開発者はクリエイティビティをさらに発揮する機会を得ることができるようになります。
デヴィッド・バズーキは次のように述べました。
デヴィッド・バズーキ
「当社は、「アシスタント」、「AI 駆動テクスチャ生成」、「アバター自動設定」のような生成AIを開発してロブロックスに組み込んできました。しかし、これらは当社が計画していることのほんの一部に過ぎません。当社は、ロブロックスのバーチャル空間が、リアルタイムでのバーチャル空間制作がゲームプレイと連携することを可能にするような、幅広い生成AIの機能を利用できる素晴らしい未来のビジョンを持っています。そして、これらの機能がロブロックスのプラットフォーム上ですべてのユーザーが利用できるようにリソース効率の高い方法で実現する予定です」
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