スクウェア・エニックスは、「ファイナルファンタジーVII リバース」のオーケストラコンサート「FINAL FANTASY VII REBIRTH Orchestra World Tour」を開催。ここでは、パシフィコ横浜で9月7日に行われた神奈川公演の模様を届けする。

忘らるる都までの旅路を音楽で辿る――「FFVII リバース」オーケストラコンサート 9月7日公演をレポートの画像

「FINAL FANTASY VII REBIRTH Orchestra World Tour」は8月のLA公演を皮切りに、アジア、ヨーロッパ、アメリカなどで開催するワールドツアー。植松伸夫氏作曲のテーマソング「No Promises to Keep」をはじめ、ゲーム本編の名曲をオーケストラで生演奏する。会場の大型スクリーンには大迫力のゲーム映像が映し出され、ファンはバスターソード型のコンサートライトを振りながら演奏の感動を伝えていた。

まずはゲーム冒頭に流れた、知っているようで知らないミッドガルの惨状と共に「The Unknown Journey Continues」を披露。ここで一体、何が起きたのか――プレイヤーが抱いた不安や好奇心をさらにかき立てるように、激しい重低音や緊張感のあるコーラスが会場を包む。

スクウェア・エニックスのコンサートではお馴染み、指揮を担当したアーニー・ロス氏の挨拶の後は「FFVII REBIRTH Opening」。振り返るのは英雄だった頃のセフィロス、オリジナル版をプレイしていれば分かる違和感を抱えた“クラウド”、まだあどけないティファの出会いだ。後に待つ悲劇も感じさせるような鋭さを内包しつつ、壮大なメロディが広がっていく。

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「FFVIIメインテーマ Battle Edit」ではミドガルズオルムやスカーレットなど、道中で立ちふさがった強敵たちとの戦いを金管楽器の響きが彩る。「広がる世界 -グラスランド~ジュノン~コレル山-」「星を巡る旅 -コレル砂漠~ゴンガガ~コスモ~ニブル-」で思い返すのは、美しく蘇った広大なフィールドや、その土地での数々の出会い。グラスランドエリアに足を踏み入れた際の解放感、何でも屋として請け負ったクエストの行方、大いに道を惑わせてくれたゴンガガエリアの森、コスモエリアの雄大な風景、複雑な感情になるニブルヘイムなど、プレイヤーごとにさまざまな思い出が蘇ったことだろう。

ここからは、ゲーム本編の中でもとくにユニークだった出来事の楽曲へ。「クイーンズ・ブラッド」はムーディーな雰囲気から始まるが、負けられない戦いらしい高揚感を与える曲だ。第八神羅丸でパーティメンバーや縁のあるキャラクター、果てはレッドXIIIと戦うことになったのも忘れがたい思い出のひとつ。「忠犬スタンプ REBIRTH メドレー」ではクエストに登場した可愛らしい動物の映像も流れ、これを聞かずにはいられない「ルーファウス歓迎式典 -新社長の歌-」も合わせて力強いコーラスが響き渡る。式典中はボタン操作に忙しかったため、今回の映像でやっとフォーメーションをじっくり見ることができたプレイヤーも多かったのでは。

「太陽の海岸 -コスタ・デル・ソル-」は、すぐにあの海岸の情景が思い浮かぶリズムに酔いしれながらキャラクターたちの水着姿も堪能。重厚で疾走感のある「ヘリガンナーカスタム」ではヘリガンナーカスタム戦に、タークスとのバトル映像も加わる。「終わりゆく世界 メドレー」では切ない旋律の中、諦めずに奮闘するザックスの姿が胸を締め付ける。「星降る峡谷 -コスモキャニオン-」は異国情緒を感じさせる賑やかなサウンドをオーケストラでも丁寧に再現し、ナナキと父・セトの物語で涙を誘う。

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コンサート後半は、ゴールドソーサーが来客を歓迎する「Welcome Dance -ハダカノココロ-」からスタート。ユフィたちのダンスやディオのパフォーマンスを受け取ったあとは、より一層華やかになった「ウェルカム・トゥ・ゴールドソーサー」へ。「OVELESS 組曲 -女神の贈り物-」では映像にエアリスが登場し、実際にオーケストラの生演奏を聞きながらミュージカルを観劇しているような気分に浸れる。コンサートライトが淡い黄色を放った「No Promises to Keep LOVELESS Ver.」は、まさに本編のエアリスを象徴するような演出に。今にも伸びやかなボーカルが聞こえてきそうな中、盛大な拍手が送られた。

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「ガリアンビースト」では、まだ本編では謎多きヴィンセントをフォーカス。獰猛な魔獣の因子を解放し、たたみ掛けるような音色とコーラスが荒れ狂った戦いの記憶を呼び起こす。「J-E-N-O-V-A LIFE 交響曲」はエアリスのテーマのフレーズから静かに始まり、印象的なメロディを重ねながら終盤のバトルを駆け抜けていく。最後は、落ち着いた立ち上がりと美しいコーラスが、セフィロスという圧倒的な存在を表現しているかのような「リバース=セフィロス 交響曲」で締めくくられる。

鳴りやまない拍手に応えたアンコールは、誰もが期待したであろう「片翼の天使 -再誕- メドレー」。そして、続けて「エアリスのテーマ -星に帰る- メドレー」へ。エアリスとの共闘や眠りの森での会話などを見送りながら、本コンサートは終了。2024年2月に発売したばかりの「ファイナルファンタジーVII リバース」の続きをプレイできるのは今しばらく先となるだろうが、この物語を最後まで見届けたい――改めてそんな気持ちになる公演だった。

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11月6日には、9月8日公演の模様を収録した音楽商品「FINAL FANTASY VII REBIRTH Orchestra World Tour LIVE 2024.09.08」の発売も決定。LOVELESSのポスター柄ステッカーやメガジャケットが付属する特典も用意されているので、気になったファンは早めの予約がオススメだ。

FINAL FANTASY VII REBIRTH Orchestra World Tour 9月7日公演セットリスト

<第一部>
M01 The Unknown Journey Continues
M02 FFVII REBIRTH Opening
M03 FFVII メインテーマ Battle Edit
M04 広がる世界 -グラスランド~ジュノン~コレル山-
M05 星を巡る旅 -コレル砂漠~ゴンガガ~コスモ~ニブル-
M06 クイーンズ・ブラッド
M07 忠犬スタンプ REBIRTH メドレー
M08 ルーファウス歓迎式典 -新社長の歌-
M09 太陽の海岸 -コスタ・デル・ソル-
M10 ヘリガンナーカスタム
M11 終わりゆく世界 メドレー
M12 星降る峡谷 -コスモキャニオン-

<第二部>
M13 Welcome Dance -ハダカノココロ-
M14 ウェルカム・トゥ・ゴールドソーサー
M15 LOVELESS 組曲 -女神の贈り物-
M16 No Promises to Keep LOVELESS Ver.
M17 ガリアンビースト
M18 J-E-N-O-V-A LIFE 交響曲
M19 リバース=セフィロス 交響曲

<アンコール>
Enc.1 片翼の天使 -再誕- メドレー
Enc.2 エアリスのテーマ -星に帰る- メドレー

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