2024年10月24日に発売される「Call of Duty: Black Ops 6」(以下、BO6)のオープンベータテストが、9月7日~9月10日にかけて開催された。本稿では「BO6」のマルチプレイに一足早く触れたうえでのレビューをお届けしよう。
オムニムーブメントによってより速く滑らかな動きが可能に
今回のオープンベータテストで体験できたのはマルチプレイヤーのみ。6対6でかつ復活ありのモードを集めた「コアモッシュピット」に、6対6で復活もあるが、後述の「スコアストリーク」がなしでかつ小規模マップを舞台に戦う“フェイスオフ”、あらかじめ指定された装備を使って2対2の対戦が楽しめる“ガンファイト”、マルチプレイでの初歩的な動きが学べる“訓練コース”の4種が開放されていた。
ゲームモードはチーム同士で戦うものが中心で、キル数を競う「チームデスマッチ」、陣地を占領してポイントを得る「ドミネーション」、一定間隔で位置が変わる陣地を奪い合う「ハードポイント」のほか、互いに標的にされたひとりのプレイヤーを倒してスコアを稼ぐ「キルオーダー」、倒した敵から手に入るタグを回収する「キルコンファームド」などがあった。
今回の試遊で出てきたマップはいずれもやや狭く、ルールを問わず接敵する時間が早ければ頻度も多い。とくに陣地を奪い合うドミネーションやハードポイントは、互いに激しい撃ち合いと投てき物の応酬で、静かな状態のほうが珍しいお祭り状態と言える。操作キャラクターの動きも機敏で、相手を撃ってから倒せるまでの時間である「キルタイム」もやや短い。スピード感のある密度の濃い試合が楽しめたのが印象的だった。
なかでも際立っていたのが「オムニムーブメント」という新システム。360度全方位へのスムーズな移動が可能になり、前後左右へのダッシュやスライディング、ダイブもできる。障害物から飛び出したり、逆に隠れたりしながら撃つのは「コールオブデューティ」シリーズではおなじみなので、こうした動きが強化されるのはうれしいところ。
とはいえ、スライディング中の射撃や咄嗟のダイブといったアクションは、敵をかく乱したり不意を突くという点では優秀だが、反射神経や判断力が問われる分、扱いがとても難しい。ジャンプしながら撃ったりするのもそうだが、状況に反応して瞬時に判断し、直後に複数の動作を並行してこなすのにはかなりの慣れが要るため、本作のオムニムーブメントは、初心者からすれば腕を上げるための壁になりそうな気はする。
筆者が今回プレイした限りでは、オムニムーブメントを活用せずとも成績上位につけることはできたので、別段必須というわけではないようだった。製品版にも実装されるかは不明だが、オープンベータテストで触れられた訓練コースでは、オムニムーブメントを含めた基本動作を学べるので、慣れないうちはここでじっくり動作を確認するのがいいだろう。
アシストもキル判定、勝ちに行くほど報酬を得やすいスコアストリークといった各種仕様も印象的
正確な狙いや立ち回り、それらを可能にする技量など、マルチプレイで勝つためにはさまざまな能力が問われるが、いっぽうで初心者に優しいシステムも搭載されている。
ひとつ目は、ダメージを与えていた相手を別の味方が倒した場合、こちらの判定はアシストではなくキルになるという点。つまり1ダメージでも与えておけば、対象が倒された際に自分もそいつをキルしたという扱いになる。そうなるとキル数が自然と増えていくため、1回死ぬまでに何人倒せていかを示す「キルデス比」も、これでだいぶ良くなるはずだ。
初心者向けとして挙げられるシステムのふたつ目はスコアストリーク。「コールオブデューティ」(以下、CoD)シリーズには「ストリーク」という報酬があり、敵の位置をミニマップに移す「UAV」、指定した場所を砲撃する「迫撃砲」、攻撃ヘリの射手として上空から敵を掃射する「ヘリガンナー」など、ストリーク自体にもさまざまな種類がある。
ストリークを得る方法は、「CoD」シリーズでは2種類ある。ひとつ目は連続でのキル数で、ふたつ目が連続で獲得したスコア。前者は「キルストリーク」で、後者が「スコアストリーク」と呼ばれている。キルストリークの場合は純粋に連続でのキル数が求められるため、ルールを問わず、ただ敵を倒せるプレイヤーがストリークを得やすい。
対してスコアストリークは、敵を倒すのはもちろん、ドミネーションやハードポイントなら陣地を占領する、キルコンファームドならタグを回収するといった、ルールに合った行動をする際にも得られるスコアを基準にしているので、敵をなかなか倒せないというプレイヤーでもストリークを得られる可能性が大いにある。ルールに沿えば試合にも勝ちやすくなるので、なにかとお得だ。
アシストのキル判定やスコアストリークというシステムによって、初心者にとって本作が遊びやすくなっているのはもちろん、ストリークを手に入れてキル数を稼ごうと思って動くほど、結果的にスコアを求めてルールに沿って動くようになり、試合も活発になっていく。こうした仕様は「BO6」以前のシリーズ作品からすでに存在していたが、それらを最新作にも変わらず導入しているのは、いちファンとしてもうれしいところだった。
ガンスミスで銃を細かくカスタマイズ可能
距離を問わず柔軟に使えるアサルトライフルに、近距離に強いサブマシンガンやショットガン、圧倒的な装弾数が魅力のライトマシンガン、中遠距離に強いマークスマンライフル、遠距離から正確に攻撃できるスナイパーライフル、機動力に優れるハンドガン、航空機にも対処可能なランチャーと、今回のオープンベータでは8種の銃種を確認できた。
距離や状況によって銃種ごとの強みは異なるが、「ガンスミス」というシステムを活用すれば、それぞれの性能を細かくカスタマイズすることができる。照準を合わせるための「サイト」や、装弾数や再装填の時間などに関係する「マガジン」など、パーツであるアタッチメントを変えられるカテゴリは全部で9個。サイトだけでも10種以上のアタッチメントが用意されており、バリエーションは豊富だ。とはいえ、アタッチメントを装備できる枠は基本的に5個なので、9種のカテゴリのなかから実際にカスタマイズできるのは5つまでになっている。
とくに「バレル」や「ストック」は、銃の性能に大きな影響を及ぼす。重く長いバレルやストックを付ければ、反動は抑えられるが機動力は下がり、逆に短く軽いものに換装すると、機動力は高まるが射程距離は落ちて反動も激しくなる。アサルトライフルをサブマシンガンのようにもできるし、逆にサブマシンガンをアサルトライフルのようにもできる。アタッチメントの構成次第で、その銃の長所や短所すら変えられるのが、ガンスミスのおもしろいところだろう。
オムニムーブメントによって実現した全方位へのスムーズな動きによって、試合全体がよりスピーディーなるだけでなく、味方が倒した敵にダメージを与えていただけでキル判定になったり、ルールに沿うと得やすいスコアをもとに報酬のストリークを手に入れるシステムなど、初心者に優しい部分も多い印象を受ける。製品版が発売された際は、ぜひFPSの初心者たちにも触れてみてほしいと思える1作だ。
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※画面は開発中のものです。
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