「アイドルマスター SideM」(以下、「SideM」)のキャラクターデザインを担当した曽我部修司氏とののかなこ氏、そして両氏が所属するクリエイティブユニット・FiFSによる初の「SideM」イラスト展「スリー・ワン・ファイヴ」。初の大阪での開催決定を祝し、3月30日で終了するVOL.5をスペシャルフォトレポートで振り返る。
目次
これまでの「SideM」とはがらっと異なる雰囲気で描きおろされた49人のアイドルの姿が話題を呼んだ「スリー・ワン・ファイヴ」。2024年7月にVOL.1から数えて5回目となる今回は、これまで4回に分かれ登場していた315プロダクションのアイドルたちが全員集合! さらには「スリー・ワン・ファイヴ」イラストの設定画や過去にFiFSが手掛けた公式イラストの展示、そしてここでしか見ることができないインスタレーションなど、VOL.4までとは比べ物にならないぐらいにスケールアップしており、まさに集大成と呼ぶにふさわしい展示になっている。
それらのスケールアップに凝縮されたクリエイションによって記念すべき「SideM」10周年イヤーをいっそう加速させた本展、4月からは「『スリー・ワン・ファイヴ』VOL.5 OSAKA MiX」として大阪でも開催されることが発表され、まだまだ目が離せない。しかも大阪では一部展示内容が変わるらしい……つまり大阪では大阪だけの、東京とはまた異なる体験があるということ。だからこそ今、改めてこの東京会場でのVOL.5を写真とともに振り返りたいと思う。
ただし、写真と現物はまったく違うと断言できる。なのでこの記事が、既に東京会場に来られた方にとっては展示の思い出を心に刻むためのものに、「大阪なら行ける! 行く!」と心に決めた方にとっては期待を膨らませるためのものになっていてほしいけれど、何より、会場に足を運ぼうか迷っている方にとって、一歩を踏み出す後押しに少しでもなればとても嬉しい。この「スリー・ワン・ファイヴ」でしか表現できない空間をぜひご自身の身体で見て、聴いて、感じてほしい!
FiFSの曽我部修司氏とののかなこ氏に「スリー・ワン・ファイヴ」や「SideM」の話を伺ったロングインタビューはこちらから。
※実際の展示とは細部が異なる可能性がございます。
※撮影禁止エリアについてはぼかし加工をしております。
“315”のエントランス
東京会場はラフォーレ原宿6Fにあるラフォーレミュージアム原宿。5Fから階段を昇って入るのだが、今回はその階段も「スリー・ワン・ファイヴ」的クールなデザインに! ここから上はすべて「スリー・ワン・ファイヴ」の空間なのだと予感させ、早くも鼓動が高鳴りじっとしていられなくなる最高のスタートだ。


ミュージアムに入ると、曽我部氏のキャプションとFiFSが制作したプライドフルブルー(「SideM」5周年記念衣装)を身に纏うアイドルたちのイラストがお出迎え。アイドルたちからの“M@KE YOU PROUD”の言葉とともに、「スリー・ワン・ファイヴ」は始まる。


何度見ても“315”の「スリー・ワン・ファイヴ」イラスト
そしてさらに一歩進んで次の瞬間、まず目に飛び込むのは……眩しい光を放つアイドルたち49人の姿!

VOL.1~4で披露された、「スリー・ワン・ファイヴ」のために仕立てられた黒い衣装(=プライマルブラック)に身を包んだアイドルたちが光る大きなパネルは、思わずハッと息を呑むほどの力強く美しい存在感。VOL.1~4までで見てきた姿だけれど、アイドルたちの立つ場所、そしてその光景を出力する手段が違うだけでここまで印象が変わるのかという驚きと、アイドルたちの光に圧倒される感動は絶対にご自身で体感してほしい。「プロデュースせねば!」と思った、アイドルの光に目を奪われた感覚ってきっとこんな感じ?

なおアイドルたちが投影されているのは、合成繊維の裏に仕込まれたLEDが発光することで、やわらかさと近未来感が同居した独特の光を灯す「オクタルミナ」というパネル。写真では伝わりにくいけれど曽我部氏・のの氏いわくパネルのサイズは高さ2.35m×横6mと超大型で、なんと今回のための特注品とのこと! その意味でも見逃せない展示だ。




近づいてよく見てみると、表面を覆う合成繊維の凹凸も見てとれる。こだわり抜いて描きおろしたアイドルたちのイラスト、一切妥協をせず最高の形で出力する「スリー・ワン・ファイヴ」だからこそ、展示ごとの素材の質感もじっくり楽しめる。
そんなアイドルたちの大きな光が照らす空間を囲む壁面には、VOL.1~4までで公開されてきた「FACE」シリーズが49人分勢揃い。光るパネルと同じく「スリー・ワン・ファイヴ」のプライマルブラック姿のアイドルたちがバストアップで描かれているこのシリーズは、「見つめ合ってほしい」がテーマ。プリントしたイラストのうえにアクリルを貼り合わせた“フォトアクリル”という加工がされており、瞳の奥まで見えそうなアイドルたちのイラストにアクリルの艶めき・煌めきによる高揚と緊張感が加わり、テーマ通りアイドルたちと見つめ合っているかのような感覚にさせる。一度は直視してほしい作品。
そしてコーナーにはプライマルブラックの設定画と、衣装デザインを担当したのの氏による全ユニット分の衣装解説も。10年を「SideM」とプロデューサーとともに歩んできたFiFSの愛と情熱とセンスが詰め込まれた衣装のこだわりを知ったうえで見ると、プライマルブラック衣装の味わいにより深みが増すので、こちらも必見!




FiFSと「SideM」の歩みがひと目でわかる公式イラスト展示
プライマルブラックを身に着けたアイドルたちをたっぷり堪能したら、「FACE」シリーズの展示とは逆の壁に。すると「SideM」最初のCDシリーズ「THE IDOLM@STER SideM ST@RTING LINE」のユニット別イラストや、「アイドルマスター SideM LIVE ON ST@GE!」のキービジュアル、そして現在の315プロダクションアイドルたちのユニットビジュアルが壁一面にズラリ。

すべてFiFSが手掛けた公式イラストで、FiFSと「SideM」との10年の歴史が贅沢にも見渡せる展示だ。アイドルたちの変化はもちろんのこと、FiFSの絵柄の変遷も感じられる。各シリーズの展示のキャプション内で曽我部氏が綴る当時のこだわりや想いと合わせて観ると、10年寄り添ってくれたこのイラストたちがさらに大事に思えてくるはず。
10年をともにしてきた、今のアイドルたちの“315”の姿
展示室を一周すると、「アイドルマスター SideM GROWING STARS」のために色鮮やかに描かれた天ヶ瀬冬馬・天道 輝・天峰 秀が誘うように次の道が。


中に入ると、2023年に制作された同じく天ヶ瀬冬馬・天道 輝・天峰 秀のイラストの特大サイズ展示と、「スリー・ワン・ファイヴ」で掲げられた“OUR PASSION IS HERE.”の言葉がさらに熱を帯びて“OUR PASSION IS HERE. FUTURE BEYOND FOREVER AND EVER.”と綴られた展示。その後ろを振り向くと……。

「アイドルマスター SideM 10th Anniversary GREATEST PASSION!!!!!!!!!!」のキービジュアルが16ユニット分! パッションを絶やさなかった10周年の今を視覚的に感じられる、アイドルたちの華やかで堂々とした現在の姿は改めて並ぶと壮観だ。エントランスからここまでアイドルたちの光をしっかりはっきりと感じ、「SideM」の始まりから今までの歩みを振り返ったあとで眺めるからこそ、いっそう熱いものがこみあげた方も多いのでは。
そしてさらに進むと、VOL.5東京会場でしか見られない特別な展示へと進むことに……。
「スリー・ワン・ファイヴ」が提示する、ひとつの“315”な未来の可能性
そこには、これまで見てきた「スリー・ワン・ファイヴ」衣装の白いバージョン(=プライマルホワイト)に身を包んだ笑顔の49人が! 今回のために作られた映像をバックに、今回のために作られた音楽とともにステージさながらの照明に照らされるアイドルたちの存在と輝きを感じるこのインスタレーションは、ステージがある今回の会場だから表現できたもの。特注素材を用いた等身大パネルでイラストのギリギリまでカットされているため、また照明を当てる想定で光の加減も考慮して加筆されているため、照明に照らされることでより強くアイドルたちの存在感が立ち上るのだ。アイドルたちが“いる”ことを強く感じる特別なインスタレーションだ。

また、衣装もただ全身を白にしたのではない。
プライマルブラックでチェック柄だった部分には「THREE・ONE・FIVE」の頭文字T・O・Fを組み合わせたロゴや「10」を意味する「十」や「X」が散りばめられた金色の布地を使用、また黒だったボタンも金色に変更している一方、衣装の一部には黒を残していたり。アイドルそれぞれによって黒から白のアレンジの仕方が異なる点も見どころだ。
それに何より、やっぱり49人の「笑顔」が素晴らしい。ウインクをしたり大きく笑っているアイドルもいれば微笑んでいるアイドルもいて、ちゃんと49通りの笑顔がある。10年間のアイドルたちとプロデューサーたちの歴史をずっと見守ってきたFiFSだからこそ表現できたこの笑顔、大阪でも開催されることで多くのプロデューサーたちに届くことがとても嬉しい。
今までの展示で提示されてきた「SideM」とプロデューサーたちとの10年の歩みの先で、今のアイドルたちに合わせて仕立てられた新たなステージ用衣装・プライマルホワイトを纏った49人。大阪で今度はひとりひとりゆっくり観られる展示になるそうなので、髪の毛の艶から手足の先まで、FiFSが丹精を込めて描きあげた姿をぜひ細部まで目撃してほしい。
そんなステージを出た先では、ステージ裏にあるバックステージ(楽屋)エリアを活かした東京会場だけの仕掛けが。実際のステージパフォーマンスでも楽屋として使われる部屋で16ユニット分の楽屋花とVOL.5のTシャツを身につけたSDアイドルたちのアクリルスタンドが出迎えてくれる仕掛けは、非常に「アイドルマスター」らしい。またこのエリアにはメッセージボードも用意されており、来場した方々がしたためた「スリー・ワン・ファイヴ」やFiFSへの熱い想いの数々がさらに胸を熱くさせる――そんな、最後まで「アイドルマスター」の大事なコアである“アイドルとプロデューサーの関係”を大事にした展示だった。
そこを抜けると物販エリアに入り、VOL.5は終了。
2024年7月のVOL.1から半年以上かけてたどり着いた、ついに315プロダクションのアイドルが全員揃ったVOL.5。10年以上「SideM」と走ってきたFiFSが「SideM」とそのプロデューサーたちのために特別に創り上げたイラストとこの空間が、東京に加えついに大阪でも開催されるということで、お時間が合う方はその身で感じてみてほしい。大阪でもきっと大阪でしか味わえない体験があるはずだ。
開催概要

「アイドルマスター SideM × FiFS イラスト展『スリー・ワン・ファイヴ』VOL.5」
公式サイト
https://perspect.co.jp/event/315/vol5/
<日程>
2025年3月14日(金)~3月30日(日)
<開催時間>
11:00〜20:00(※19:15最終入場)
<会場>
ラフォーレミュージアム原宿
東京都渋谷区神宮前1-11-6
「アイドルマスター SideM × FiFS イラスト展『スリー・ワン・ファイヴ』VOL.5 OSAKA MiX」
公式サイト
https://perspect.co.jp/event/315/osaka/
<日程>
2025年4月25日(金)~5月11日(日)
<開催時間>
11:00〜20:00(※19:15最終入場)
<会場>
大阪・なんばパークスミュージアム
大阪府大阪市浪速区難波中2-10-70 なんばパークス 7F
THE IDOLM@STER(TM)& (C)Bandai Namco Entertainment Inc.
※画面は開発中のものです。
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