Epic Gamesは、「Unreal Fest Orlando 2025」にて「State of Unreal 2025」を実施した。
目次
今年の「State of Unreal」は、CD PROJEKT REDによる技術デモからスタートし、「ウィッチャー4」のデモが公開され、新たなウィッチャーの物語で活用される最先端の技術の一部が紹介された。
その後もUnreal Engine 5.6の情報が披露され、大きなパフォーマンスアップグレードによって、この技術デモで披露されたような大規模なオープンワールドを現世代のハードウェアでスムーズに動作可能になることなど発表されている。
「State of Unreal 2025」の内容はアーカイブからもチェックできるので、詳細が気になる人はこちらもあわせてチェックしてほしい。
以下、発表情報をもとに掲載しています
「The Witcher 4」Unreal Engine 5 技術デモ

3年前にUnreal Engine 5がリリースされたとき、CD PROJEKT REDはエンジンの大規模オープンワールドサポートを実現するために協力すると声明を出しました。State of Unrealでは、これまで協力してきた結果を共同で発表しました。
「The Witcher 4」Unreal Engine 5 技術デモでは、プロのモンスタースレイヤーのシリがモンスターの討伐依頼中にKovirという初公開の地域を探索する様子を追います。この技術デモでは、高速ジオメトリ ストリーミング プラグインによるオープンワールドの高速読み込みなど、5.6のオープンワールド関連の強力な新機能の数々を、PS5を使って、レイトレーシング有効の60fpsで実際に動かしていち早くお見せします。
活気あるValdrestの市場をシリが散策する場面では、高忠実度のキャラクターがたくさんいたり、MLデフォーマなどの視覚効果が使われていたりする負荷の高いシーンを5.6でどのように処理しているのかを説明します。さらに、高速かつメモリ効率良くフォリッジの密度と忠実度を実現する方法としてUE 5.7でのリリースが決まっているNaniteフォリッジを紹介します。
UE 5.6:オープンワールドの魔法とエンジンファーストのアニメーション
Unreal Engine 5.6がダウンロード可能になりました! 今回のリリースでは、現世代のコンソール、ハイエンドPC、最新モバイルデバイスで毎秒60フレームを維持しながら、超高忠実度かつ大規模なオープンワールドをビルドできるよう支援することを主要な目標のひとつとしました。
オープンワールド機能の他にも、アニメーションやリギングのワークフローを、外部DCCツールとの往復をしなくてよい「エンジンファースト」な形へと大きく前進させています。さらに、MetaHumanの作成がエンジン内で完結できるようになり、制作のスピードと効率性が大きく向上しました。Unreal Engine 5.6のブログ記事で新機能についてお読みください。
Unreal Engine 5.6のブログ記事
https://www.unrealengine.com/ja/news/unreal-engine-5-6-is-now-available
MetaHuman 5.6:現時点で最強のデジタルヒューマンツールセット

デジタルヒューマンフレームワークであるMetaHumanは、MetaHuman 5.6をもって早期アクセスを終了し、Unreal Engineに完全に統合されました。Unreal Engine EULAが更新され、MetaHumanのキャラクターとアニメーションがUnityやGodotなどの任意のエンジンと、Maya、Houdini、Blenderなどのクリエイティブソフトウェアで使用できるようになったため、MetaHumanを見かける場所が増えることが予想されます。

MetaHuman Creatorの忠実度はアップしています。マテリアルが強化され、スキャンデータベースが大きくなり、スキャンデータを処理するモデルが改善されたことや、新しい制作ワークフローで顔、ボディ、衣装に利用できるオプションの幅が大きく広がることが理由です。また、MetaHuman Animatorでほとんどのカメラやオーディオからリアルタイムアニメーションを生成できる機能も提供されるほか、DCC向けの新規プラグインの追加やFabマーケットプレイスとの統合でMetaHumanエコシステムが広がります。MetaHumanの最新のブログ記事で最新情報についてご確認ください。
MetaHumanの最新のブログ記事
https://www.metahuman.com/ja/news/metahuman-leaves-early-access-with-a-feature-packed-new-release
Unreal Editor for Fortnite:新規IP、AIが組み込まれたデベロッパーアシスタントなど

UEFNがリリースされて2年余りですが、稼働中のクリエイター制作の島の数は260,000、プレイヤーによるプレイ時間は112億時間以上に上り、7.22億米ドルがサードパーティのクリエイターに支払われました。
Epicは、クリエイターが利用できるツールとIPを引き続き充実させていきます。6月17日から、LEGO Brick Editorを使用してブロック単位でレゴの体験を構築できるようになります。他にも楽しみな新規IPがUEFNに登場します。6月27日に「イカゲーム」が追加予定で、その後「アバター 伝説の少年アン」と「スター・ウォーズ」のIPが続きます。



「スター ウォーズ」については、フォートナイト バトルロイヤルの最新シーズン「ギャラクティック・バトル」で、プレイヤーが話しかけると対話型AIを使用して応答するダース・ベイダーのNPCが登場しました。この学びを活かして、基盤となるテクノロジーをクリエイターコミュニティに共有する予定です。今年の後半には、UEFNでAIを搭載した魅力的な独自のNPCを構築できるクリエイター向けの新ツールがリリースされます。State of Unrealのステージデモで披露したように、クリエイターは新ツール、ペルソナの仕掛けを使用して、プレイヤーが話しかけることのできる人格を持ったキャラクターを作成できます。今後それをさらに発展させて、クリエイターがNPCの挙動と会話を制御できるだけでなく、コアとなるゲームそのものも制御できるようにしていきます。
Epic Developer Communityでベータ版を利用できるようになったEpic Developer Assistantも、クリエイターに役立つAIツールです。このAI付きアシスタントはUEFNプロジェクトで使用できるVerseコードの作成を支援するために開発されました。質疑応答のほか、ワークフローガイダンスやスニペットの提供もできるので、フォートナイトの島の開発プロセスがスピードアップします。今すぐお試しください!

最後に紹介するのは、6月7日にリリースされるシーングラフ(ベータ版)です。シーングラフはUEFNの新しい基盤レイヤーで、エディタとランタイムビューが統合されており、Verseを通じてすべてのシーン要素にアクセスできるようにします。このエディタでは、エンティティが階層的に整理され、高速で柔軟なワールド構築を実現します。管理が楽になるように、繰り返し使われるアイテムはプレハブに変換されます。ランタイム時には、プラットフォームの移動からライトのプロパティ変更まで、Verseコードでシーンを動的に変更できます。シーングラフは、UEFNの未来を切り開く原動力になるように一から徹底的に設計されました。
ブログ記事でUEFNの最新情報と予定されている改善点をご確認ください。
https://create.fortnite.com/news/state-of-unreal-2025-highlights-for-fortnite-creators?team=personal
Epicエコシステム全体について
RealityScan 2.0がこれから数週間のうちにリリース予定で、「RealityScan」という名前でデスクトップバージョンとモバイルバージョンが統合されます。RealityScan 2.0にはAIを活用したマスキング、スマートな画像のアライメント、空中レーザースキャンのサポートなど、新機能が充実しています。CD PROJEKT REDはRealityScanを使って自然のオブジェクトを高忠実度でキャプチャし、「The Witcher 4」Unreal Engine 5 技術デモで活用しました。
また、今夏からEpic Games LauncherでFabが利用できるようになり、デベロッパーがFabコンテンツを入手してワークフローに統合するのが簡単になることも発表されました。最近LociがEpicに加わりました。LociのAI技術がFabに統合され、今後数か月のうちに、アセットへの自動タグ付け、セマンティック検索、IPモデレーションの改善が実現します。
Epic Games Storeの今後の更新情報

Epic Games Storeがリリース以降、デベロッパーとパブリッシャーパートナーに支払った金額は21億ドルを超えます。モバイル向けには70本のすばらしいゲームのライブラリがあり、今日までに4000 万インストールを達成しました。2025年末には、インストール数は7,000万に達する勢いです。パブリッシャーにとって好条件を提示するために、初期収益分配率を変更し、最初の100万ドルまでは0%、それ以降は12%としました。

Netmarbleが、Epicファーストランプログラムの一環として2025年10月に「MONGIL: STAR DIVE」をPC向けEpic Games Storeで独占リリースすることを発表しました。その後間もなくモバイル向けにもリリースされるので、モバイル向けEpic Games Storeにもご注目ください。
事前ロード機能が9月にリリースされます。PCとモバイルで友人にゲームをプレゼントできるギフト機能もホリデーシーズンに合わせて実装される予定です。また、2025年第3四半期には、AndroidとiOSのデベロッパーとパブリッシャー向けにEpic Games Storeのセルフパブリッシング機能が解放されます。

7月には、PCとモバイルゲームのアプリ内購入用のショップを、デベロッパーが簡単に立ち上げることができるEpic Web Shopsが利用できるようになります。Epic Web Shopsを利用すると、業界トップクラスの収益条件の恩恵を受けることができるうえ、プレイヤーに特典やEpic報酬といったさらなる付加価値を提供できます。
ソーシャル機能が改良され、PCプレイヤーとモバイルプレイヤーがつながることができるようになります。ゲームに関係なく使えるボイスチャットやテキストチャット、パーティ機能のほか、サードパーティ製ゲームに使える強力なゲーム招待機能も提供されます。これらが構成要素となり、いくつかの革新的なソーシャル機能がストアに今後実装される予定です。
来年もお楽しみに
重大ニュースとお知らせは以上です。State of UnrealをUnreal Festで開催したのは初めてで、とても楽しい時間になりました。
来年またコミュニティの皆さんと盛大なイベントを開催して、Epicの最新ニュースを発表するのを待ちきれません。また皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。
※画面は開発中のものです。
本コンテンツは、掲載するECサイトやメーカー等から収益を得ている場合があります。
コメントを投稿する
この記事に関する意見や疑問などコメントを投稿してください。コメントポリシー