5月28日より日本向けに正式リリース開始した、ダークファンタジーMMORPG「レイヴン2」のプレイレポートをお届け。プレイ感想を中心に本作ならではの魅力に迫っていく。

目次
  1. 「これぞダークファンタジー」という舞台と物語が味わえる
  2. カジュアルな操作体験はハードルが低く遊びやすい
  3. プレイヤーが「どう向き合うか」によって表情を変える

ネットマーブルがリリースしたMMORPG「レイヴン2」は、すでに韓国や台湾、香港などで大ヒットを記録しており、PC、iOS、Android向けに配信されている。

今回は重厚なダークファンタジーという世界観と、カジュアルに楽しめる操作感を中心とした感想を通して魅力をお伝えしたい。なお、筆者はPC版でプレイを行った。

「これぞダークファンタジー」という舞台と物語が味わえる

「レイヴン2」は神と悪魔などが実在し剣と魔法で戦うような、ハイファンタジーな世界観が特徴で、山岳地帯に位置する王国「ベルシア」から物語がはじまる。「エル」という神を崇める「エリアン教」が広く信仰されているが、かつて導きを受けた聖女「ベロニク」を教団が歪んだ欲望で魔女へ貶めたことによって、ベロニクが最期に言い残した呪いの啓示が世界に浸透してしまった。その影響か、悪魔の証とされる「烙印」を持ち特殊能力が扱える人間が、誕生するようになったという設定だ。

ネットマーブルの新作MMORPG「レイヴン2」は説得力が感じられるダークファンタジー世界とユーザーフレンドリーなシステムによる間口の広さが魅力!の画像

プレイヤーはそんな烙印が刻まれた者が集まる王国の特務隊「カラス」の新米として、数々の任務をこなしながら自らのような隊員を集めていくことになる。ストーリーの序盤から、エリアン教より異端者とされた集落が焼き滅ぼされたり、村人を助けるために力を使った「烙印持ち」が迫害の末死亡したりといった、容赦がない展開がつづく。またベルシアの王子と王女も烙印を所持しており、王位を狙う対立貴族にスキャンダルとして取り上げられないように、秘密裏に対処するなどの政治劇にも焦点があたる。

ネットマーブルの新作MMORPG「レイヴン2」は説得力が感じられるダークファンタジー世界とユーザーフレンドリーなシステムによる間口の広さが魅力!の画像

まずゲームをプレイしてはじめての感想は、Unreal Engine 5を採用したグラフィックがあまりに美しいということだった。鮮やかに舞う血しぶきに赤に染まる金属の質感、おどろおどろしい謎の儀式など引き込まれるようなカットシーンが多い。残虐シーンや官能シーンも多く、iOSでは対象年齢が「17+」と設定されているのに納得するほどだ。そのように徹底されたビジュアル表現は、月並みな表現だがまさしく重厚だと言え、「ダークファンタジー」というジャンルにふさわしい説得力を持っていた。またシリアスがストーリーの大半を占めつつも、主人公と行動を共にする悪魔「グリエル」との会話は軽妙なものも多く、重いシナリオの息抜きとして機能している。

ネットマーブルの新作MMORPG「レイヴン2」は説得力が感じられるダークファンタジー世界とユーザーフレンドリーなシステムによる間口の広さが魅力!の画像

そして本作はタイトルからもわかるように「続編作品」だ。1作目「レイヴン」は2015年より韓国で配信され、日本でも2017年までサービスが続いていた。気になるユーザーも多いと思うが、前作を知っていなければ十分に楽しめないということはなく、実際に筆者も「レイヴン」は未プレイだがシナリオの理解で詰まることはなかった。プレイヤーの分身である主人公も、他の地域からやってきたという設定で舞台についてよく知らないため、NPCが説明をするという形を通して世界観に馴染むことができる。

そしてゲームをはじめていきなり広大な大地に投げ出される訳ではなく、メインストーリーを追っていくことでベルシア王国から「デロン」「ロメルン」という他国へと徐々に舞台が広がっていくため、ユーザーフレンドリーなシナリオ構成だと言えるだろう。なお正式リリースに際して日本語フルボイス対応も行われ、違和感のない丁寧なローカライズとあわせて日本ユーザーへの没入感を高めていた。

カジュアルな操作体験はハードルが低く遊びやすい

次に、「レイヴン2」の肝とも言えるシステム部分について触れていきたい。今回のプレイでは、日本配信にあわせて実装された8番目の新クラス「デスブリンガー」をチョイスした。また、キャラメイクの才能がないためデフォルト顔ではじめたが、性別や目の色や化粧などのパーツを細部までいじることも可能だ。

ネットマーブルの新作MMORPG「レイヴン2」は説得力が感じられるダークファンタジー世界とユーザーフレンドリーなシステムによる間口の広さが魅力!の画像

またクラス選択がガチャではない点も注目したい。他のMMORPGではランダムで引き当てたクラスに就くというシステムが多いが、本作のガチャ要素は外見衣装の「聖衣」と、ペットの「使い魔」に限定されている。

これらは高ランクになるだけステータスの向上などの恩恵があるが、クラス自体はゲーム開始時に選択したもので固定のため、運が悪かったからといって大きくプレイフィールが左右されることはない。ガチャに必要な召喚書もストーリーや、デイリークエストにあたる「特務隊教範」を繰り返すことで獲得できるためリセマラなども不要だ。そのため、ゲーム開始時点で外見や武器などの好みで選ぶことをおすすめしたい。

ネットマーブルの新作MMORPG「レイヴン2」は説得力が感じられるダークファンタジー世界とユーザーフレンドリーなシステムによる間口の広さが魅力!の画像

そして、本作独自の育成要素として「ヘブンストーン」が存在する。こちらはレベルに応じて解放されていく全6個のスロットに、近接・遠距離・魔法などの効果を持つヘブンストーンに宿ったスキルを付与していく。

クラス固有のスキルとは異なり、たとえば遠距離攻撃クラスのキャラクターに近接スキルを付けることが可能。プレイヤーごとに好きなスキルを設定することができるため、バトルにおいてもっともオリジナリティを生み出せるポイントだ。使用時にランダムで強化値が決まるため、自分だけのスキルセットを構築する楽しさも感じられた。

ネットマーブルの新作MMORPG「レイヴン2」は説得力が感じられるダークファンタジー世界とユーザーフレンドリーなシステムによる間口の広さが魅力!の画像

ゲームの進め方は基本的に他のMMORPGと同じく、クエストとバトルをくり返しながらストーリーを進めていくが、本作の操作パートはほぼ自動化が可能なのが特徴。画面右上に表示されるクエスト一覧をクリックorタップすることで、対象の敵を倒したり必要なアイテムを収集したり、最終的には目的地にまで向かってくれる親切仕様だ。チュートリアルでも装備やアイテム自動使用のやり方を丁寧に教えてくれるため、本作に関しては「なにをすれば良いのかわからない」瞬間が存在しない。

ネットマーブルの新作MMORPG「レイヴン2」は説得力が感じられるダークファンタジー世界とユーザーフレンドリーなシステムによる間口の広さが魅力!の画像

また、放置可能だからといって、バトルに力が入っていないかと問われるとそうではない。本作には攻撃時に一定確率で敵を即座に倒せる「処刑」システムが存在し、発生すると追加経験値などの報酬増加も得られる。このシステムのおかげで単調になりがちなMMORPGのバトルにメリハリが生まれており、放置可能ゲームだが「手動でもプレイしてみようかな」と思える一因になっている。

さらに本作の最たる独自要素として、ギルド対抗戦のGvG「古代城塞」が存在する。こちらは各サーバーを代表する最大6ギルドに所属する各50名、計300名のプレイヤーが参加する大規模コンテンツだ。報酬のクリスタル(無償通貨)を勝者が総取りできるため一攫千金を狙えるが、あくまでボスへ最後の一撃を加えたギルドが勝つ仕様である。そのためゲームが上手い人だけが楽しめるのではなく、バトル操作に不安があっても諦めなければ貢献可能なのが、エンドコンテンツへの参加ハードルを下げているだろう。

プレイヤーが「どう向き合うか」によって表情を変える

ここまで「レイヴン2」のゲーム内容について紹介してきたが、一通りプレイしてみた感想としては、シンプルなストーリーテリングやユーザーフレンドリーなシステムなど、ストレスが少ない「間口の広さ」が最大の魅力だと感じられた。

また、入門しやすさだけではなく、プレイヤー個人の遊び方によっても体験が大きく左右されると感じた。それはクラス選択や「ヘブンストーン」を用いたカスタマイズ要素にも反映されているが、なによりユーザーが「レイヴン2」に「どう向き合うか」によって変化するのだろう。

本作はPCおよびスマートフォンで配信されており、クロスプレイにも対応している。最大8時間ゲームを起動していなくても自動的に狩りを行う「オフラインモード」もあり、たとえば出先や職場ではオフラインモードの進捗を確かめつつキャラクターの育成をして、家に帰ってからは腰をすえてコンテンツを進めるといった遊び方もできる。

放置ゲーという側面も強いためサブとして別ゲームの合間にプレイするのもしやすいだろうし、メインゲームとしてどっぷりとダークファンタジーの世界観にひたるのもおすすめだ。そうした幅広い遊び方を許容してくれるのが本作だと感じ、MMORPGとしての懐の広さを実感した。読者もそれぞれどのように「レイヴン2」に向き合うか、考えてみるのも良いだろう。

RPGとADVが好きなフリーのゲームライター。同人ノベルゲームは昔から追っているのでそこそこ詳しい。面白ければジャンル問わずなんでもプレイするのが信条。

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