日本最大規模の「ポケットモンスター」関連イベント「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2025」(通称「PJCS2025」)が2025年6月21日(土)、22日(日)に神奈川・パシフィコ横浜で開催される。

目次
  1. 若手とベテランがうまく融合しているチームが多いのも特徴です(ちょもす)
  2. 「ポケモン」の予備知識がある人が多いからこそ、入りやすいのが「ポケモンユナイト」(れふ)
  3. 「ポケモン」の世界観を意識した実況を心がけるようにしています(水上)
  4. プロに準ずる実力を持つ「L.L」VS「夢へ羽ばたく」は要注目のカードです(水上)

ゲーム、ポケモンカードゲーム、「ポケモン GO」、「ポケモンユナイト」の4部門で熱戦が繰り広げられる本イベント。普段「ポケモンユナイト」の公式実況解説を務めるRefu(れふ)さん、水上侑(みなかみ ゆう)さん、ちょもすさん、インタビュアーを務める宇内梨沙さんの4人が大会の見どころについて語った。

「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2023」から新たに創設された「ポケモンユナイト」部門。初回はコロナ禍もありオンラインでの開催となったものの、同「2024」では客席からの熱い声援を受けた選手たちが躍動! プレイヤーだけでなく現地勢、さらに配信を楽しむ視聴者も加わり、熱狂の渦に巻き込んだ。

今回初めてインタビュアーを担当する宇内さんに、実況解説経験者の3人から「PJCS」の魅力を引き出してもらった。

(写真左から)Refuさん、宇内梨沙さん、ちょもすさん、水上侑さん
(写真左から)Refuさん、宇内梨沙さん、ちょもすさん、水上侑さん

若手とベテランがうまく融合しているチームが多いのも特徴です(ちょもす)

――そもそも「PJCS2025」はどんな大会なのでしょう?

ちょもす:「ポケットモンスター」の日本最大規模の大会で、各部門の上位入賞者(チーム)には今年8月にアメリカ・カリフォルニア州アナハイムで開催される「ポケモンワールドチャンピオンシップス2025」への出場権が与えられます。「ポケモンユナイト」部門は、決勝に残った8チームのうち、上位3チームが出場権を得ることになっています。

――「ポケモンユナイト」部門ならではの魅力を教えてください。

ちょもす:「ポケモンユナイト」は、いわゆる「チーム戦」なので、試合中にメンバー同士の絆の強さが垣間見えることもあると思いますし、より応援したくなる気持ちが強くなるのではないかと思います。

――会場に行くのは今回が初めてなのですが、対戦はどのような形で行われているのでしょう?

ちょもす:あくまで昨年度の情報になりますが、ひとつの大きなフロアで各部門の対決が行なわれています。各ブースのステージイベントそれぞれに、ギャラリーが集まっているようなイメージでしょうか?

観戦者が「『ポケモン GO』の対戦が一段落したから、『ポケモンユナイト』のステージに行ってみよう」みたいな感じで、各ステージを行き来できるのも、本大会の魅力のひとつだと思います。

――各チームのメンバーの入れ替えが激しいと聞いたことがあるのですが、それでも応援したくなる理由はどこにあると思いますか?

ちょもす:選手ごとに固定ファンがついているというのもあるので、いわゆる「生え抜き選手」がいるようなチームに対する声援はほかに比べて大きいように感じます。

逆に、「Aというチームを応援していたけど、好きな選手がBというチームに移籍してしまったので、どちらを応援していいのかわからない」という方もいるようですね。

――個人的には、女性選手がどのくらい活躍しているのかも気になります。

ちょもす:そこまで多くはありませんが、ファン層で言うと、女性の方が多いんじゃないかと。

昨年ハワイで行われた「ポケモンワールドチャンピオンシップス2024」でも解説させていただいたのですが、選手の応援うちわを持った女性ファンが複数人来場しているのを見かけました。

「ポケモン」の予備知識がある人が多いからこそ、入りやすいのが「ポケモンユナイト」(れふ)

――「PJCS」の魅力についてお聞かせください。

れふ:一番大きいのは、やはり「全国規模の大会」というところでしょうか。「ポケモンユナイト」部門に関しては、近年は会場自体の盛り上げ方も変わってきました。「eスポーツ」の大会がショーのような見せ方をしていますが、それに近いものを感じますね。「個人やチームを応援しよう」という人たちの熱い思いがこの流れを作ったのではないかと推察します。

――具体的にブレイクしたきっかけとなった出来事はあったのでしょうか?

れふ:2022年3月に開催された国際大会「Pokémon UNITE Winter Tournament FINAL」で「銀河団」という名前のチームが決勝まで進んだのですが、当時は日本勢が海外勢に対してかなり劣勢だったんです。

日本チームが次々に敗れていく中、決勝に残った「銀河団」を、日本チームのメンバーが応援するシーンがドキュメント映像として公開されていて、他の種目にはないような感動を与えてくれるのが「ポケモンユナイト」、という認識を植え付けた出来事だったと思います。

――「ポケモンユナイト」において、他のMOBAゲームにないような魅力を感じる部分はありますか?

れふ:「ポケモン」には歴史がありますし、人気のコンテンツなので、予備知識を持っている人が多い、というのは大きいでしょうね。技の名前を聞くだけで、どんな効果があるのかが分かりますし、0から色々覚えなければならない作品に比べ、圧倒的にとっつきやすいと思います。

ちょもす:ポケモンたちを自由に動かせるのが単純に楽しいですよね。これは多くの人に分かっていただけることだと思います。

それと「ホロウェア」と呼ばれる着せ替え要素も大きいですね。見た目を好みに変えられる要素も「ポケモンユナイト」に惹かれる要因ではないかと。

「ポケモン」の世界観を意識した実況を心がけるようにしています(水上)

――本大会の見どころを改めて教えてください。

水上:現地参加の方に限ってのお話になってしまうかと思いますが、まずは会場の雰囲気を楽しんでほしいですね。

昨年の大会ではポケモンたちのシルエットが浮かんだ暗い通路が設置してあり、そこを抜けると本会場にたどり着く……という演出がありました。ポケモンの世界観を感じられると思います。

ちょもす:見逃すともったいないので、ぜひ正門から入ってください(笑)。

――以前、オンラインで配信を観たことがあるのですが、一般視聴者が優しいコメントで初心者を迎えてくれるのがうれしいです。

水上:僕らは実況中、ずっとコメントをチェックできないので、本当にありがたいですよね。実況者の篠原光さんが視聴者に対して「コメント欄で教え合ってあげてね」とずっとお願いしてきたので、それが実ったのかもしれません。

――皆さんが実況で意識していることは?

れふ:先の展開を予想して、驚きや感動を共有できるよう、誘導するようにしています。観ている側としても、楽しみを共有しやすいと思いますし、盛り上がるような実況を心がけています。

水上:驚きや楽しさ等、感情を素直に表現する事は大事にしています。観戦者の間にはどうしても知識の差がありますし、初心者の方にも「詳しい事は解らないけど、盛り上がっていて楽しいな」と思ってくれたらいいな、と。

ちょもす:僕は「ポケモンユナイト」以外のゲームも解説をやってきたので、競技者としての目線も入れようと意識しています。これだけ大きな大会は年に1度しか開催されませんし、同じゲームを同じメンバーでプレイし続けるのは奇跡的なことだと思っているので、彼らをリスペクトする気持ちを持って実況しています。

水上:その試合で活躍したポケモンの「ポケモン図鑑」に書いてある事を実況に混ぜたりと、「ポケモン」の世界観を大事にした実況を心がけています。「ポケモンユナイト」の視聴者には「ポケモン」の世界そのものが好きな方も沢山いると思うので、そういう所にも届いたら良いなと思っています。

――本大会の注目ポイントを改めてお願いできますか?

水上:一番のトピックスは、日本一決定戦であるのと同時に、世界大会の出場権を獲るための戦いであることでしょう。果たして世界に羽ばたく3チームはどのチームになるのか? 注目していただきたいですね。

プロに準ずる実力を持つ「L.L」VS「夢へ羽ばたく」は要注目のカードです(水上)

――注目のチームを教えて下さい。

れふ:「REJECT」です。元々強かったチームですが、最近はさらに強さの幅が広がった印象があります。一方、対戦相手の「ENTER FORCE.36」は直近の学生大会で優勝し、5月の予選大会では「REJECT」に勝利してPJCS進出を決めました。そんな両チームがいきなり当たります。個人的にはこのマッチアップがとても楽しみですね。

また、両チームとも発売1周年のタイミングで発表された「ドードリオ」を使うのがうまいんです。

水上:本大会では先攻が1匹、後攻が2匹、次に先攻が1匹……という形でポケモンを選んでいくのですが、先にドードリオを選んでしまうと、ドードリオ対策できるポケモンがたくさん選ばれてしまう可能性もある。「(その試合では使えなくなる)使用禁止枠」に入れてしまう可能性も出てくるんですよね。その駆け引きも見どころのひとつです。

――使用ポケモンの選び方についても注目点とのことですが、どのように楽しめばよいのでしょう?

れふ:お互いに手の内を知ったもの同士の対戦だと、どのような戦略をとってくるのかがある程度分かるので、得意なポケモンを「使用禁止枠」に入れることも多いです。実況・解説がそのあたりのことを教えてくれると思います。

水上:「ポケモンユナイト」部門は、1試合10分で行われます。1試合目は環境重視の選び方をすることが多い傾向があり、2試合目は1試合目で活躍したポケモンを覚えておくと、「いまの10分間でこのポケモンを相手にするのが大変だったんだな」というのがわかると思います。

ちょもす:使用ポケモンが変わっても、自分たちがやりたい形があり、相手チームのやりたいことをどれだけやらせないか? というのがベースにあると思います。「AXIZ」VS「BURNING CORE TOYAMA」は、他チームとは別の視点から作戦選択をするチーム同士がぶつかるので、面白い試合になると思います。

水上:「L.L」VS「夢へ羽ばたく」にも注目しています。プロチームが6チーム残っているのに対し、この2チームがプロに肩を並べている。特に「夢へ羽ばたく」の選手たちは、今年になって初めて名前を見た選手も多い、新たな強豪チームです。どちらのチームも「PJCS」初参戦の選手がほとんどで、だからこそどんな試合になるか予想が難しく、楽しみにしているマッチです。

「QTDIG∞」や「AXIZ」の選手には、昨年もPJCSで戦い、けれどWCSには届かなかったという選手も多いので、とても強い気持ちで大会に臨んでくると思います。

――今年はどんな戦いになりそうですか? 引き続き、具体的なチームも挙げつつ教えて下さい。

ちょもす:昨年の世界王者「FENNEL」がベスト8に残れないところに、日本のレベルの高さを感じます。

そんななかで、注目したいのは「AXIZ」です。メンバー構成の変化を経て、いまの形が個人的に一番しっくりきているように見えます。メンバー同士が一度離れて、また一緒になったという経緯があるのですが、今の完成度がすごいんですよね。要チェックです!

水上:実績を見るならやはり「ZETA DIVISION」。2024年シーズンに頭角を現し、「PUACL2024」でも優勝している。「EUIC」という海外の大会で準優勝し、今年開催されたプロリーグ「PUACL2025」では、序盤は苦戦したものの、最終的に4位でフィニッシュしました。

元「IGZIST」のTomy選手が移籍加入し、「新生ZETA DIVISION」としては2回目の公式戦です。どんな戦いをするのか楽しみですね。

れふ:どのチームも「ZETA DIVISION」は注目チームとしてマークしていると思います。ともあれ、どこが優勝してもおかしくない、群雄割拠の状況ですね。

水上:オンラインでは全体の楽しさを味わえますし、現地観戦なら、席によっては選手同士の声も聞こえてくるかもしれません。ぜひ臨場感を味わっていただきたいです。

――最後に、一言メッセージをお願いします。

れふ:推しチームを見つけたら、ぜひSNSで「#(ハッシュタグ)」をつけて応援していただきたいです。一緒に盛り上がりましょう!

水上:会場では、客席の声援の熱量に圧倒されるかもしれません。でも、臆せずに声を出して楽しんでほしいです。最高峰の戦いを全力で見届けてください。

ちょもす:日本チームの躍進に、今や世界中がマークしていると思います。連覇がかかる日本の代表チームが決まる瞬間を見届けることができるのは本当に幸せなことだと思うので、ぜひご注目ください!

「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2025」公式サイト
https://www.pokemon.co.jp/ex/pjcs/2025/

アニメ・声優・ゲームをメインに、エンタメ情報をお届けするWEBサイト「れポたま!」で記事を紹介しつつ、他メディアにも出没する神出鬼没系(?)ライター/カメラマン。「ラジオ・スポーツ(特にプロ野球)・鉄道」の三本柱を中心に、面白いトピックスを見つけるべく、日々アンテナを張っている。

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