ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)より2025年6月26日発売予定のPS5用ソフト「DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH」(以下、「デススト2」)。小島秀夫氏率いるコジマプロダクションが手掛けている本作のレビューをお届けする。

目次
  1. 基本的には前作「デススト」からの進化作品
  2. 難易度選択で、とにかくストーリーだけ楽しみたい人でも快適にプレイ
  3. サムは様々な要素を経て成長していく
  4. 序盤からバイクに乗れるのが嬉しい
  5. 波乱に満ちたストーリー
  6. 正当進化でありつつ前作を超えてきた
「DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH」レビュー:難易度を変えればアクションが苦手でも快適にプレイ!世界中のプレイヤーから「いいね」を集めたくなるの画像

今回はSIEから発売前にコードを提供いただいてのプレイとなる。残念ながらストーリークリアまではたどり着けなかったのだが、その上で本作を楽しんだうえでのレビューになることをご了承願いたい。ストーリーについては基本的にネタバレをしていないが、まっさらな気持ちでプレイしたい人は、後から読んでもらえれば幸いだ。

基本的には前作「デススト」からの進化作品

まずお伝えしたいのは、本作は「2」というタイトルからもわかるように、前作の初代「デススト」ありきのタイトルとなっている。

一応本作のタイトル画面で前作のあらすじを確認できるようにはなっているのだが、その内容は前作をプレイした人向けで、前作を遊んでいない人がいきなりこのあらすじで前作の「デススト」のストーリーを把握しようというのは少々難しくなっている。ということもあって、できればまず「デススト」からのプレイを推奨したいところだ。

「DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH」レビュー:難易度を変えればアクションが苦手でも快適にプレイ!世界中のプレイヤーから「いいね」を集めたくなるの画像
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まず、前作「デススト」は、【ハマれるまでに少々時間を要する】ゲーム性となっており、面白さを感じられるまで、ストーリー、システム面の両方で難しい部分があったのは確かである。面白さを感じられるようになるまで、恐らく最低でも5時間、長いと10時間ほど遊ばないとならず、その前にプレイをやめてしまったという人もいるのではないだろうか。

しかし本作では、前作のそういった部分を見事に昇華し、物語の前半からいきなり驚く展開が差し込まれていたり、システム面でも快適さが増しており、前作のように「何時間もプレイしないとなかなか面白さがわからない」ことがなくなっているように感じられた。

難易度選択で、とにかくストーリーだけ楽しみたい人でも快適にプレイ

本作の難易度は、「Story」「Casual」「Normal」「Brutal」の4つ。デフォルトは「Normal」だが、そこからもう少し簡単にした「Casual」、とにかくストーリーを中心に楽しみたい人向けの「Story」、手ごたえのある難易度の「Brutal」となっている。

恐らく大半が「Normal」~「Brutal」でプレイをするのではないかということ、筆者がアクションゲームが下手ということもあり、今回はあえての「Story」を選択してみた。

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というのも「デススト」では、人間が死に、その遺体を放置すると対消滅(ヴォイドアウト)を起こしてしまうということもあって、前作ではいかに敵(人)を殺害せずに戦闘を行うかで結構苦労をしたので、今回はそのあたりも含めての難易度「Story」選択である。

とはいえ、難易度「Story」でも対人戦は非殺傷武器で戦わなくてはならないのだが、難易度「Story」では素手での格闘でも多くの敵を倒せるようになっており、言ってしまえば殴るだけで安全に敵を倒すことができるので、対消滅のことを気にせずにバトルできるのがとても良かった。

もちろん、ここについては「数発殴るだけのバトルではつまらない」など賛否両論あってしかるべき部分だと思うのだが、世の中には「物語は楽しみたいけれど、敵が怖い」という人種もそれなりにいるので、ここは目をつむってほしいところだ。

当然ながら難易度「Story」であろうと、武器を使ってのバトルもできる。例えば銃の利点は少し離れたところにいる敵にも攻撃できるところなのだが、本作の敵は前作よりも感知反応が広いように感じられた。そのため、まず銃で先制する、という手法は少々使いにくかった。

だが銃ならあっさり敵を倒せてしまうという利点もあるので、「まず近づく時点で怖い」という人は銃をメイン武器にしていくといいだろう。

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さらに大型BT(ボス)との戦いについても触れていこう。大型BTごとにギミックがあるのは前作と同様なのだが、基本的には難易度「Story」だと血液グレネードを投げているだけで割と簡単に終わってくれる。

これは筆者が前作で大型BT戦に慣れていた、というのもあるかもしれないが、感覚的には血液グレネードを3~4回投げれば大型BTすら倒せてしまう、くらいの雰囲気である。

なので言ってしまえば、ボスのギミックまで理解する必要があまりない。自分がダメージを受けるとパニックになってしまう筆者でも、全く問題なく大型BTを倒すことができるようになっているので、そこは安心してプレイしてほしい。

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なお、小型のBTは配達を進めるとアサルトライフルでダメージを与えられるようになるのだが、小型BTとは今回あまり戦闘になる機会がないように感じられた。なので、戦闘が苦手という人でも小型BTのことはあまり気にしなくていいだろう。

特にバイクなどの乗り物に乗っているときは、小型BTはほぼ振り切ることができた。小型BTとの戦闘を避けたい人は、なるべく徒歩ではなく乗り物に乗るようにしておくと良い。

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難易度「Story」では、ストーリーや配達にがっつり集中できるようになっていて、筆者としては大変有り難い。特に、ストーリーが進むと、前作でいうクリフ戦のようなバトルも発生するため、より焦りが増してしまうような人には、ぜひとも難易度「Story」をおすすめしたい。

ちなみに難易度はゲーム中ほぼいつでも変えられるので、難しいと感じたら難易度を落としてみる、とかでも良いだろう。

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サムは様々な要素を経て成長していく

本作では、サムに新たな成長システムが追加されている。例えばバトルをしたり、重い荷物を持ち歩いたりすると、それに対応したステータスがあがっていくようになった。どうやら上手く星型を描けるようにステータスを上げていけるのが最善のようだ。

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さらにスキルツリーもあり、カイラル通信をつなげていくことでポイントを取得できる。他にもサムを強化する要素は細かくあって、バトルでも格闘のレベル、ハンドガンのレベル、ライフルのレベルなどがあり、レベルに応じて攻撃力が上がっていったりもし、自分好みのサムを作り上げていくことができそうだ。

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序盤からバイクに乗れるのが嬉しい

本作では、荷物の重量やバランスをうまく調整しつつ、不安定な地面を進んでいくことになるので、斜面や川では両足でふんばりながら、サムと揺れる荷物とのバランスを取らなければならない。転倒すると荷物が損傷して評価が下がってしまうので、時にはロープや梯子なども駆使して進んでいかなければならない。

こういった交通インフラなどの建造物の数々は、オンライン「ソーシャル・ストランド・システム」を通じて、世界に共有されるのが、「デススト」のおもしろいところだ。

自身で設置した梯子が世界のどこかで誰かの役に立っているかもしれないし、世界のどこかで誰かが設置したロープに自分が助けられる場面もある。

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さらには道路だけでなく本作ではモノレールを、世界のみんなと一緒に整備していくことになる。ただ、これらの整備には非常に膨大な資源が必要になり、ユーザーは素材集めに励むこととなる。

なお筆者は前作「デススト」では平日昼間の夫が働いている時間に筆者がひたすら素材集めをして道路を作り、夫が帰ってきたらできあがった道路を使ってクエストやストーリーを進めていく、という夫婦二人体制で遊んでいたのだが、本作も恐らくその形を取ることになるだろう。それでもクリアには1カ月ほどかかったので、前作よりさらに交通インフラに割く時間が増えそうな本作は果たしてどれほどの時間がかかるのか、戦々恐々といったところである。

少々話が逸れたが、サムを取り巻く環境は前作よりさらに進化しており、夜は露骨に視界が悪くなったり、天候変化などの自然環境や、「ゲート・クエイク」なる地震など、様々な要素がサムの配達をスムーズに進ませてくれないので、インフラ整備は一層重要な要素となっているように感じた。

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ちなみに前作では乗り物の入手までにはそれなりの時間がかかったが、本作ではアッという間にバイク(トライクルーザー)に乗れるようになったのが、うれしい。前輪がふたつ、後輪がひとつという、いわゆる「三輪車」で、バイクよりも安定感があり、とても運転しやすい乗り物だ。

もちろん荷物もそれなりの量を積み込めるようになっており、より運ぶことに特化した乗り物になっている。

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嬉しいのは、早く乗れることだけではない。前輪がふたつという安定性のおかげで、トライクルーザーに乗って走ったまま、あちこちに落ちている荷物を拾えるようになった。上手く使えば、追ってくる小型BTを振り切りつつ落ちている荷物を回収することもできる。

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波乱に満ちたストーリー

前述したが、本作は物語の前半からいきなり驚く展開が差し込まれている。筆者も、「え!?」となる場面が序盤から押し寄せ、プレイヤーの感情をさらっていってしまう。ただ、その体験には、やはり前作「デススト」の踏襲はあったほうがいい、と感じた。

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なお、本作は前作「デススト」から11ヵ月後となっており、ストーリーとしては完全に“続編”である。前作で一緒に旅をしたルーを始め、フラジャイルやデッドマンといった前作のキャラクターたちも登場する。

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隠れ家で暮らしていたサムとルーの前に、ある日突然フラジャイルが現れたところから物語は始まる。フラジャイルは、「跳ね橋部隊」という組織の一員として活動しており、フラジャイルは、サムにメキシコへの配送を依頼する。そして物語はメキシコを経てオーストラリアへと飛び、オーストラリアでも様々な個性豊かな人物や出来事が、サムを待ち受ける。

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本当にざっくりとした話で申し訳ないが、これは自身でプレイして、場面ごとに様々な感情を得てほしいと思うからに他ならない。

ただ、現在公開されているトレーラーにて、「事前に得ていても良い情報」はわかるので、「ほんの断片的にでも良いからストーリーを知りたい」という人は、こちらを見てほしい。(とは言え、このトレーラーからも「なんだって!」という情報は登場するので、本当にまっさらな気持ちでプレイしたい人は見ないほうが良い)

さらに、現在公開されているトレーラー以外に、発売日の6月26日には180カットあるファイナル・トレーラーが公開されることが、小島秀夫監督のポストからわかっている。少しでも情報を得たい人は、こちらを待っていてほしい。

「我々は繋ぐべきではなかった」という、前作を否定するかのような言葉は筆者のプレイでもまだ明らかになっていないが、その真意が早く知りたくて仕方がない。一体、本作を通じて、プレイヤーは何を繋がされているのだろうか。恐ろしさもありつつ、プレイする手が止まらないのは事実である。

正当進化でありつつ前作を超えてきた

本作には、明確に他のプレイヤーと一緒に遊ぶ「オンラインプレイ」的な要素はない。そして今回、先行でプレイさせていただけるという状況でもあったため、そこまで世界のみんなに助けられた、というほどではなかったのだが、それでも他の誰かが置いていったロープに安堵したり、コンテナボックスから必要な資材をいただいたりすることができ、助かる場面もあった。

筆者は難易度「Story」を選んでいる時点でお察しの通り、前作「デススト」でも率先して国道を復興させていったりするよりは、割と受け身に既に敷かれた施設を利用する側のほうだったが、今回は鈍臭いながらも一生懸命どこかの誰かの役に立てるように頑張ったこともあって、享受する側も良いが、供給する側に回って世界中のプレイヤーからたくさん「いいね」をもらえるように人助けをするのも良いと感じた。

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また、前作がイベントシーン以外ほぼ無言で進む旅だったのに対して、本作では「ドールマン」というしゃべる人形が相棒として旅に連れ添う。ドールマンはかなりおしゃべりなほうなので、前作の静寂な旅に比べると、本作はかなり賑やかな旅といえる。

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あの前作でのルーとの静謐な旅も尊くはあったものの、筆者は本作の一変した雰囲気も非常に楽しませてもらっている。繰り返しになるが、前作「デススト」を踏襲してからプレイしてほしい、という筆者の気持ちは変わらないものの、より遊びやすくなった新たな「デススト」をもっとたくさんの人に遊んでもらいたい、という気持ちもまぎれもなくあるので、困ったところである。

続きものだからこそ、「デススト2」から入った人が「デススト」に興味を持ってくれるかもしれない、という期待を込めて、「デススト2」をどうかプレイしてみてほしい。そこにはきっと驚愕の体験が待っているはずだ。

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人生のうちの40年以上をゲームと共に生きる、人生の大半をゲームに捧げた、北の大地に住むライター。JRPGが主食。スクウェア・エニックス、トライエース、フロム・ソフトウェア、カプコン、アトラス、任天堂、ファルコム、タイプムーンあたりに目がない、ソシャゲも山のように嗜む雑食ゲーマー。ゲーム音楽やコラボカフェ、2.5次元なども大好物。北の大地に移り住む前は数多くのイベントに通い詰めた、イベント大好き人間です。

note:https://note.com/rinaasami/n/nb31a2e54c31f

※画面は開発中のものです。

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