「イーグレットツー ミニ」の収録作品や、古いアーケードゲームを残すことについて、高田馬場ゲーセン ミカド 店長・池田稔氏とキバンゲリオン・石黒憲一氏に話を聞いた。基板を実機で動かし続ける難しさから、当時のゲームセンターの思い出、今回の収録作品への思いまで聞いた。(制作協力:タイトー)
基板の保管や修理、ブラウン管の寿命など、古いゲームを動かし続けるには課題が多い。一方で、かつてのゲームセンターには、知らない作品と偶然出会う楽しさがあった。2人が語る思い出からは、復刻ハードだからこそ残せるものと、今だからこそ実機で体験できるものの両方が見えてくる。
池田氏は、高田馬場ゲーセン ミカドの店長を務める。石黒氏はゲームセンターを中心とした娯楽の歴史を調べ、ゲームの移植や書籍の制作、アニメ『ハイスコアガール』の時代考証などにも携わってきた。今回は『イーグレットツー ミニ』の収録作品やミカドでの連動イベントをきっかけに、ゲームセンターの過去と未来まで話を聞いた。

――まず、読者向けに簡単な自己紹介をお願いできますか。
池田:ゲーセン ミカドの社長兼、高田馬場ゲーセン ミカドの店長の池田です。ゲーセン ミカドは今年で20周年ということで、20年こんな商売やってます。よろしくお願いします。
石黒:娯楽関係、特にゲームセンター関係の歴史を調べてます。30年以上前ですけど、浅草などにあった「ゲーム博物館」という企画があって、そこで基板の設営をやっていたことがあります。その後はPlayStationと、PlayStation Portableの『ナムコミュージアム』の資料提供や、ゲーム基板からの移植、「裏ドルアーガ」などの仕様制作を担当しました。本だと『セガ・アーケード・ヒストリー』のアドバイザーや資料提供ですね。あとアニメ『ハイスコアガール』で時代考証などをやってきました。
古いアーケードゲームを動かし続ける難しさと、復刻ハードの意味
――リアル店舗で古いゲームを稼働し続けたり、新しい基板を入れたりするは、大変ですよね。おふたりから見て、『イーグレットツー ミニ』のようなミニ筐体の意義や存在についてどう思いますか?
池田:基本的に、基板ってデカいんでね(笑)。僕らは、もう30年、40年前から集めてますけど、置いておく場所もない。ここ(注:ゲーセン ミカドの事務所。何枚もの基板がむき出しで置いてあった)見てもらえればわかると思うんですけど、とんでもない感じになっちゃうんですよ。
昔は壊れたら、「安いからもう1枚買ってきて、部品取って」みたいなのでずっと来てたんですけど、いまは弾数自体が減ってるし、プレミアもついちゃってるんで、それすら難しい状況になっています。基板はね、大変です(笑)。
――そこはかなり厳しくなってるんですね。
池田:そう。だから『イーグレットツー ミニ』に関しては、場所も取らないし、お手軽ですし。何よりもデザインがかっこいいんで、部屋に置いておきたくなるというか、リアルのゲームセンターみたいに何台も置きたくなる(笑)
石黒:古いゲームってブラウン管を想定して作られているから、液晶じゃそのまま映らないものがあるんですよ。日本のアーケードゲーム・ゲームマシンって世界的に見ても魅力的だったので、海外の方が欲しがって現存率が下がっています。昔の家電とかは、壊れるのが当たり前じゃないですか。ゲーム基板も同じように壊れるんですよね。それを、現代のお店で動かすというのはかなり難しいですよね。
――基板自体が様々な理由でレアになり、実機を見たり遊んだりする機会も減っているということですね。
石黒:ほぼなくなっちゃいましたけど、東京とかであればゲームセンターはある場所にはある……かもしれないので、実機を見る機会や、当時品を見れるのは幸せかもしれないですね。
池田:『イーグレットツー ミニ』はお手軽に体験できるってことですよね。ゲームセンター行くのって結構めんどくさいじゃないですか。時間作って、電車に乗って、ゲームセンターに行って。それで、両替機にお金入れてお金崩して、コインを入れて3分で死ぬみたいな。敷居高いですよ(笑)。
そういう意味では、『イーグレットツー ミニ』があればパッとできる。風呂場でもトイレでもできる。よくないですか?(笑)
石黒:子どもの頃にゲームセンターに行く理由の1つに「見たことないものを見たい」というのもあったんですよ。自分の好きなものだけじゃなくて、知らなかったものに偶然出会う。それがゲームセンターの面白さだったと思うんですよ。だから、知るきっかけとか、学びのきっかけにつながるのは面白いかなと思いますね。

100タイトルが並ぶ“卓上ゲームセンター”――知らないゲームと出会う面白さ
――今回、ユニバーサルとアイレムのゲームが追加されます。さまざまなメーカーのゲームが並ぶことで、“卓上ゲームセンター”らしさも増していると思います。
池田:このハードらしさで言うと、やっぱり圧倒的なソフトの数ですよね。ミニ筐体系ってほかにも色々あるじゃないですか。その中でも『イーグレットツー ミニ』は追加分も含めると、100タイトルとか遊べちゃうっていうのは、単純にすごいなって思います。
我々が小学生のときってさまざまなゲームセンターに行くんですよ。同じ店に決めて通い続けるんじゃなくて、巣鴨のキャロットに行って、池袋のゴリラに行ってとか、なんか徘徊するんですよ、ゲームセンターを。
――徘徊するんですね。
池田:なぜかというと、ラインナップが微妙に違うんですよね。お店ならではのクセみたいなのがあって、「タイトーのゲームやるんだったらここ」「ここはコナミが強い」みたいな。小学生なりに、なんとなくわかっているから、都内をぐるぐると徘徊するんですよ。
そういう欲求を100タイトルあれば満たしてくれる。あと、ゲーマーのおじさんたちって、ないものねだりみたいなところがあって(笑)。100タイトルあっても「あれがない」「これがない」って気持ちが出てきちゃうんですよ。
――言いがちですよね(笑)。
池田:なくて当然だろって(笑)。でも、タイトーさんはそれに応えていて『イーグレットツー ミニ』はソフトが増えていく。しかも、今度はメーカーの壁まで越えてくるという。そこはすごいなと思います。
石黒:個人的には、ゲームセンターっていう遊び自体が僕にとってはアウトドアだったんですよ。さまざまなところを回ってたんで。ゲームセンターで強くなるっていうのにカリスマを感じていたんですけど、ゲームセンターのゲームって、そもそも巡り合えるかどうかが運なんですよね。
今は“ゲームセンターで強くなる”っていう時代ではないのかもしれません。だから『イーグレットツー ミニ』でゲームを知って、上手くなったり、あのときできなかったことに挑戦してみたりするのは魅力があります。
『イーグレットツー ミニ』をきっかけにネットで話が盛り上がったり、旅行先にゲームセンターがあったら一緒に探してみたり。僕の中ではゲームはあくまできっかけなので、それを酒の肴にして当時を振り返ってみたり、仲間とつながれたら面白いですよね。
池田:疎遠になってる『チーキーマウス』がめちゃくちゃ上手いやつと、また会えるかもしれない(笑)。
石黒:すごく上手い人がいたんですよ(笑)。もう『チーキーマウス』が置いてある店なんてないから、思いを馳せるのもいいですよね。SNSのハッシュタグでもつながるきっかけになる。すべてのゲームがソーシャルなものになり得ると思ってるんですよ。
ゲームセンター自体が叩かれていた時代が長いので、当時のゲームを知らないのは当たり前だと思うんです。だから『イーグレットツー ミニ』をきっかけに挑戦する人がいてもいいと思っています。

初移植タイトルから幻の一本まで――2人が語る思い出のアーケードゲーム
――今回のタイトルで、おふたりが「これは」と思う1本、思い入れのある1本を挙げるとしたらどのタイトルでしょうか。
池田:今回のタイトルだと、アイレムの『サンダーブラスター』が非常にいいなと思いました。初移植っていうところもそうなんですけど。連打するとボムが撃てるんですよ。
簡単そうじゃないですか。「連打すればいいんじゃん」「ボムすぐ撃てるじゃん」って。でも、激ムズなんですよ、そんなに世の中、甘くない(笑)。
石黒:連射装置があれば簡単そうじゃないですか。でも、そうでもない(笑)。そこに気づくのが面白い。
池田:『サンダーブラスター』は、いまミカドでもずっと稼働してるゲームで、ファンの方がいるんですよ。うまくやると、ピタッと1周でカンストして終わるんですよ。そういうことを目指すエンドコンテンツみたいなのもあるんで。結構インカムもいいんです。
連射するとボムが撃てて、間口が広そうに見える。でも、やると激ムズっていう。僕の中では激推しですね。難しい難しいって言っちゃいましたけど、面白いので、非常にやり込みがいがある。
――ほかのタイトルはいかがでしょうか。
池田:もうひとつが『ミスター・ドゥ対ユニコーン』。当時すごい出回ってて。小学生のときの話なんですけど、僕の同級生から2、3歳上の先輩たちまで、みんな上手いんですよ。それで、僕は一番チビなんで、自分の順番が回ってこないんですよ(笑)。
毎日のようにさまざまな場所で見ているにも関わらず、プレイしていないので全然上達しないんですよ。
こういう、世代なのに全然遊べないゲームが何タイトルかあって、「これ取るとボーナス」とか、何やればいいとか、全部頭に入ってるんです。でも、やったことはない(笑)。そういうタイトルが、いくつかあるので、今回の収録で、俺はやり込みますよ。やっとユニコーンと戦える(笑)。
――リベンジできるのも復刻の良いところですね。
池田:『ミスター・ドゥ』シリーズで一番好きなのが『ミスター・ドゥ対ユニコーン』。好きだけど、あんまりやってない(笑)。見た目もゲーム性も「これ一番面白そうだな」ってずっと思ってたんですよ、曲もいいですしね。あんまりやったことないのに、思い入れだけはある。だから積年の恨みを今回(笑)。
――石黒さんはいかがですか?
石黒:アイレムだと、まず『アンダーカバーコップス』ですね。これが出たときって、まだインターネットもなかったから、ゲームセンターや雑誌自体がコミュニティになっていました。まずローザってキャラが、すごい魅力的で。「臭そう」とか言われてて(笑)。
池田:ちょっとワイルドでね(笑)。
石黒:イラストとかですごい盛り上がったんですよ。今はネットの時代で、イラスト描いてる人も当時よりはるかに増えてるので、やったことない人にもかなり魅力的なタイトルかなと思いますね。
ユニバーサルだと『レディバグ』ですね。これも女の子のキャラなんですけど、1980年初頭って喫茶店がゲームセンターになったところって多かったんですよ。そこにテーブル筐体が置いてある。
喫茶店って窓ガラスが多いじゃないですか。それで、光が入ってきちゃうから、ゲームのパンフレットとかを窓にベタベタ貼ってたんですよ。その時に『レディバグ』の女の子のイラストを見て、「わあ、すごい」って。そういう記憶がありますね。

――ほかのタイトルはいかがでしょうか。
石黒:あと『スナップジャック』ですね。当時、めちゃくちゃうまかったと思うんですけど、夢の中で何度か行ったことあるような場所というか、よくわからない不可解な世界なんですよ。
空にひょうたんとかやかんが飛んでいて、自機は車という設定なんですけど、のどちんこがあるし、不思議で、かなりシュールな世界観でしたね。
石黒:ユニバーサルって、主に観光ホテルとか、ゲームセンターの前身ともいえるような場所にロケーションを持っていたんです。『ミスター・ドゥ』はタイトーが国内販売を独占していたんですけど、それ以外は流通が違うんです。だから、やったことがない人のほうが多いと思います。
池田:そう。『ミスター・ドゥ』シリーズ以外って、あんまりゲームセンターに入ってないもんね。しかもネットがない時代だから、「ここ行けばあるよ」って情報も共有できない。
池田:アイレムのベルトスクロールアクションだと『野球格闘リーグマン』とか『アンダーカバーコップス』があって、当時のベルトスクロールアクションの花形ってカプコンだったんです。そして、ほかのメーカーはそれを擦るんですよ(笑)。格ゲーが乱造された時代には『パーフェクトソルジャーズ』があって。『イーグレットツー ミニ』のアイレムの軸にはケレン味があって、ユニバーサルは特殊なルーツがあるゲームメーカーなので『ミスター・ドゥ』以外のタイトルは謎多き存在なんですよ。そういったタイトルをみんなに遊んでもらうという二軸感はあると思いますね。ゲームセンターっぽいよね、「え、そっちに行くの?」みたいな(笑)。

石黒:90年代初頭って、もう頭の中が波動拳みたいな時代で、格ゲーで忙しかった(笑)。
池田:そうそう。僕ら高校生くらいなんですけど、ストIIってお金かかるじゃないですか、だから小遣いのリソースをストIIにほぼ食われてて。だから、意外と『リーグマン』とか『アンダーカバーコップス』って、遊んでる回数が少ないんですよ。でも実際面白いじゃないですか。それを今、気軽に遊べるっていうのは非常に大きいですよね。
石黒:格ゲーはコマンドが難しかったですけど、『リーグマン』とか『アンダーカバーコップス』はコマンド技はあるけどすぐ出るんですよ。だから、当時格ゲーに入れなかった人にも人気あったと思うんですけど、それは30年以上前でネットがない時代だったわけです。なので、今プレイすることで知ることとか、思うことも出てくるでしょうから、話題性はあると思います。
当時、僕のまわりに輸出業者の方がいたんですけど、「『リーグマン』の基板を集められない?」って言われたんですよ。海外需要がすごく高かったから、「これは無くなるな」と、早急に確保しなければマズイと思ったんですよ。
池田:『リーグマン』は国内ではあんまり残ってないですね。
石黒:日本って湿度が高いし、基板はかさばるけど場所がない。だから維持すること自体が難しいんです。一方で、海外には日本のものを欲しがる人が多い。そうなると、ますます日本には基板が残らなくなるんですよね。
池田:海外にも『リーグマン』を遊びたい人がたくさんいると思うので、『イーグレットツー ミニ』で遊んでほしいですね。

復刻されたゲームを今度は実機で――ミカド連動イベントで起きたこと
――ミカドでは、収録タイトルを実機で稼働させる連動イベントもやっています。前回の反響はいかがでしたか?
池田:前回、全部稼働させてみたら、当時ガチでやってたような人たちがちらほら来たんですよ。
石黒:前回のタイトルで、『ブギーマナー』を入れてほしいって言ったのは僕なんです。
池田:『ブギーマナー』を「遊んだことないから遊んでみたい」って人もいるし、当時めちゃくちゃ遊んでた人もいる。そういう人たちが集まってて、普段見ない人がいるなっていう印象はありましたね。
石黒:あれ、横画面なのに基板の映像が逆に出るんですよ。180度逆に出る。だから、そのままだと稼働しづらいんですよ。昔、古い基板を動かしてる店はかなりあったんですけど、横画面でモニターを逆にしなきゃいけないので、そういう事情で営業しづらかったゲームですね。
石黒:しかも、真のエンディングが判明したのが実稼働からかなり後なんですよ。奥の深いゲームなのに、誰も知らないんですよ。だから、個人的には知ってほしかった。
池田:実際遊ぶと面白かったんで、『ブギーマナー』を目当てに来てくれた人、多かったですね。
石黒:40面くらいあって、さすがにゲームセンターではきついんですけど、『イーグレットツー ミニ』ならセーブもできるから、知ってもらうにはいいなと思って、どうしてもってお願いしましたね。
池田:さっき言った通り、ユニバーサルはゲーム自体がレアなので、前より話題になるかもしれないですね。『スナップジャック』もそうなんですけど、僕自身も実機で見たことないタイトルもいくつかあるので楽しみですね。
石黒:『スナップジャック』はスコアアタックやってたんで自信あったんですけど、『チーキーマウス』は、自分がお店やってたときに格ゲーのプレイヤーたちがこぞって面白がってやってくれたんですよ。
最終的にネズミだらけになっちゃうし、「ペストラッシュ」っていうペスト菌が連続する面があって、人間が目で追えないぐらいネズミが速くなる(笑)。面白いゲームでしたね。
じっくりやるゲームもあれば、頭使わないで数分ボタン叩くようなゲームも息抜きにはいいと思いますね。

池田:僕も今回のイベントのタイトルが全部揃っているところは見たことないので、特にユニバーサル系は楽しみです。
「いまはまだ、本物で遊べる時間」アーケードゲームを未来へ残すために
――最後に、古いゲームを今後どう残していきたいか。そして、レトロゲーム復刻やアーケードシーンに期待することを聞かせてください。
池田:作られていないパーツもあるし、部品の供給の問題もあるし、しかも、そろそろブラウン管に寿命が来つつある。そういう理由で、ミカドみたいなゲームセンターも、おそらく有限性があるんじゃないかと思っています。
全部が完璧な形で、10年後、20年後に存在してるかどうかっていうのは誰もわからないですよね。そういう意味では、次世代に繋げないといけない部分が出てくる。
ただ逆に言えば、「いまはまだ、本物で遊べる時間」でもあるんですよ。だから、こういった企画と連動して、市場がどんどん先細っていかないように、盛り上げていきたいですね。
なんでそんなこと思うかっていうと、80年代から90年代の日本のゲーム、アーケードゲーム含めて、世界トップだったわけじゃないですか。インベーダーからずっと日本がトップだった。
今、ミカドに来る外国人のお客さんも、子どものころ日本のゲームしか遊んでなかった、みたいな人が多いんですよ。タイトーさんやカプコンさんやコナミさん、ナムコさんのゲームで育ったから、日本のゲームへの思い入れがすごく強いんです。
だから昔のタイトルの掘り起こしも含めて、戻しましょう、日本をゲームのトップに(笑)。「バック・トゥ・ジャパン」を目指したいですよね。
そのためには、やっぱゲームセンターもミカドも生き残っていかないといけないし、『イーグレットツー ミニ』もたくさん売っていかないといけないし、いろんな人に広めていく必要がある。そんな活動の一端を担えたらいいなと思っています。
――ありがとうございます。石黒さんはいかがですか。
石黒:日本人が、ゲームセンターを含めてゲーム産業を盛り上げてきた。そこにはいろいろなクリエイターがいたので、そのような人たちの記録を残して、ただゲームというよりは産業資料として知るきっかけになるといいなと思ってます。
あと、歳を取ってくると新しいものに挑戦しなくなってくるんですよ。知ってるものしかやらないし、同じことしか言わないし、体を動かすこともしなくなる(笑)。
だからゲームをきっかけに、知らないことを知ったり、「あのゲームセンターって今どうなってるんだろう」って見に行ったり、体を動かすきっかけにもなる。それは、健康にもつながるんじゃないかなって思いますね。私にとってゲームセンターはアウトドアなので。

池田:石黒くんが昔から言っているんですけど、バブル景気ってゲーム業界が作ったという説があって。
石黒:要は半導体ですよね。半導体を作っていた会社には、ゲーム用に作っていた半導体があったし、量産工場が増えたのもゲームマシンがあったからだと思うんです。
例えば、日本の裏側のブラジルから昔の基板を輸入すると国産の部品が乗ってるんですよ。それだけ電子立国だったわけです。
ゲームをきっかけに産業が潤って、遊んでいる人が楽しかったのなら、それは悪いことだとは思わないですね。
池田:実際、あの頃のゲームハードの進歩って日進月歩だった。発売時期が1年違うと、グラフィックスの質とか、拡大縮小回転といった機能の実装、同時に鳴らせる音色の数などが上がっていくんですよ。
なので、石黒くんのその説ってすごく好きで、ゲームが売れてたから日本の産業が発達したんじゃないかなって。
石黒:ゲームは試行錯誤ができるんですよ。というのも、ゲームとともに並んでいたのが車の産業なんですけど、車で挑戦して失敗すると人が死んじゃうじゃないですか。ただ、ゲーム(遊び)はクリエイターが挑戦できるんですよ。それによって産業が潤ったと思うんですよ。
『イーグレットツー ミニ』のように復刻であったとしても、新しく作らなきゃいけないことはたくさんあるし、量産もしなきゃいけない。だからパーツメーカーも潤うんですよね。そういう日本の凄さみたいなのを考えるきっかけにつながれば面白いなって思うんですよ。
池田:僕らがレトロゲームの話をすると、「日本はまだいける」みたいな話になってきちゃうんですよ(笑)。そればっかり考えて30年、40年、この商売やってるんで。「ICひとつとっても負けるわけにはいかない」って思っちゃうんですよ(笑)
石黒:工場や物流、板金など、ゲームはいろんな産業に繋がっているので、ゲームが売れることで複数の業界が潤う。『イーグレットツー ミニ』はダウンロードではなくて、物として存在する筐体なのでその分苦労もあるし、流通も大変だとは思うんですけど。
池田:最後のアナログマシンみたいな感じですよね。それが売れたら面白いじゃないですか(笑)
――そうですよね。今日はありがとうございました!
高田馬場ゲーセン ミカド in オアシスプラザ
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EGRETⅡ mini(イーグレットツー ミニ)公式サイト
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