セガは本日3月8日、東京・秋葉原にあるソフマップ秋葉原 アミューズメント館 8Fイベントスペースにて、ニンテンドー3DS用ソフト「初音ミク and Future Stars Project mirai」の発売記念イベントを開催した。

本イベントでは、会場に「初音ミク and Future Stars Project mirai」の試遊台が設置されており、プレイした方には体験版にてARカードとして使用できる参加認定書をはじめ、特製使い捨てカイロや特製ポストカードなどが配られていた。また、秋葉原の特定の店舗に掲示されているポスター内のQRコードを読み取ると、携帯電話用壁紙がもらえるといった特典が要されていた。

会場には様々なイベントに登場して大きな注目を集めたあの初音ミクの姿も!

なお、会場には本作のプロデューサー・大崎 誠氏とディレクター・高部 元志氏も訪れており、発売を迎えた心境などを伺うことができたので、その内容もお届けする。

――まずは発売を迎えた心境をお聞かせください。

大崎氏:最初作っているとき、本当に出るのかなって思っていたので、すごい感慨深いですね。この業界に入って19年目ですが、こんなにたくさんの方に来ていただけるタイトルは滅多にないので、やっぱりミクさんすごいなと。これも皆様の応援あってのことだと思うので、感謝しております。

――本当に出るのかと思っていたのはどういう理由からなのでしょうか?

大崎氏:どういうゲームを作っていいのか全く分からなかったんです。その理由というのも、「Project DIVA」があったので、まったく同じものを作ってしまうと「じゃあ『DIVA』でいいじゃないか」となってしまうので、「mirai」はどうするべきか考えている時間が長かったですね。

高部氏:もっと色んな層の方に遊んでほしいとか、もっと「初音ミク」を知ってほしいなという思いがあったので、それに合わせて選曲からゲーム性までチューニングしてきました。ただ、それだけだと今まで「DIVA」をプレイしてきた人が「ちょっと雰囲気が違うんじゃないかな?」と感じてしまうかもしれませんが、製品版をプレイしていただければ、色々と仕込んでいるんだなと感じてもらえる仕上がりになっていると思います。

大崎氏:3DSには色んな機能がありますし、当然裸眼での3D立体視にフィーチャーしようという考えはありましたが、それだけでいいのか、どうフィーチャーするのかの問題もありました。

高部氏:「ミク=未来」というキーワードにピンときて、未来ガジェットでパッケージングすることが決まってからは早かったですね。

大崎氏:それがまとまるまでは、本当に大丈夫なのかという苦しい時間が長かったですが、デザイナーがすごく頑張ってくれたことも大きいですね。最初にPSP風のモデルを出したんですが、「これは違うな」と思って頭身を下げ、今のねんどろいどになりました。

それでも、ただねんどろいどにするだけじゃなくて、パッと見でねんどろいどになるよう質感にもこだわりました。ねんどろいどの姿が見えた瞬間に、「ミクさんをこういう風に動かしたい」という気持ちが出てきたので、最初に絵が出来上がったのは大きいと思います。

高部氏:あとはデザイナーだけでなく、ソフトの開発からしても3DSは色々といじりたくなるハードなんですよ。任天堂の岩田社長がやられている「社長が訊く」でも、3DSの技術のショーケース的なところがありますねと言われたのですが、まさにそういう狙いで作っていました。

大崎氏:開発はプログラマーが意外と好きにやっていまして、気づいたら「あれ、それ入っちゃったの?いいじゃん、分かってるね!」みたいに進むところもありました。音声認識とかも、昔から触っていたけどしっかり動いた経験がなかったので、本当にできるのかと思ったんですが、今回は単純に「すっげえ」と思ってしまうぐらい感動的に動きました。

各要素をプログラマーが実装してくれないとゲームは最終的にできないので、プログラマーが色んなことにチャレンジしてくれたのが大きかったですね。

――キャラクターのポリゴン数はどれくらい使っているのでしょうか?

高部氏:具体的な数字は出せませんが、メインキャラクターではかなり使っているほうだと思います。ソフト開発のものが「これじゃ動かないからもう少し減らして」というぐらいのこだわりで作っていたので、そこにも愛が表れていた感じがします。

大崎氏:元AM2研ということもあり、スタッフはとりあえずできること、入れられるものを突っ込むんですよ。後々削ることになってしまう部分もあるのですが、ステージやキャラクターも、まずは「どこまでいけるのか」というベストを目指して作っていきます。

――顔認識の要素も製品版に実装されているのでしょうか?

高部氏:ルームでのカメラモードが3つあり、1つはアナログスライダーで普通に動かせるのですが、それ以外にもオプションでフェイストラックというものに切り替えることができます。そうすると、プレイヤーのいる位置をインカメラで追っていきますので、カメラアングルだけでなく、ミクさんの視線もプレイヤーを追ってくれるようになります。上から見れば、ミクさんの上目使いの視線も楽しめると思います。

――音声認識はどこで使われているのか教えてください。

高部氏:まずはメインメニューでのモード選択です。リズムゲームと言えばリズムゲームに飛ぶようになっています。一番便利なのは選曲の時ですね。曲が増えてくると「あの曲どこにあったっけ?」ということが増えてくるので、曲名を喋ると表示一覧がカーンと回ってその曲まで移動してくれるので、非常に便利だと思います。PV視聴の時にも使えるようになっていますよ。

大崎氏:「本当に分かってるの?」と思うぐらい、すごい勢いでタラララッ!と回っていどうするので、ちょっと驚きます(笑)。これはぜひやっていただきたいですね。

高部氏:ある意味ARよりも未来感がありましたね。

――ほかに「これはよくできた!」という機能があれば教えてください。

高部氏:先ほど申し上げたルームでのカメラモードのうち、ジャイロセンサーを使っているものもあります。これを使うと、本体を持った自分が左右を向くとカメラアングルが変わるんですが、惟一このモードでは、強引ではありますが縦置きにもできるので、新鮮な気持ちでマイルームを眺められるというのがありますね。

あと、背景にも色々仕込んだりしていることもあります。マイルームで言えば加速度センサーですね。3DS本体をちょっと揺らすとミクさんがバランスを崩すようなモーションを取ってくれたり、何度も繰り返していると怒られてしまったりとか。ほかにも背景のオブジェクトで揺れるものがあったりします。

大崎氏:発売前になってしまいますが、ひな祭りですとか、現実の時間とリンクして出てくるものもあるんですよ。単に見るだけじゃなく、揺らしてみると面白いことがあったりするので、長く見ていただければと思います。

高部氏:プレイヤーの方の誕生日にも面白いことが起きているかもしれないです。ただこれらの要素はささやかなものなので、あまり大きすぎる期待をしてもらうと困ってしまいますが(笑)。

――次に日付イベントのようなものが起きるのはいつごろでしょうか?

高部氏:4月になると、入学シーズンということで華やかな色になったりします。6つあるうち、部屋によっても演出が違ったりするので、チェンジして楽しんでほしいですね。

――最後にファンの方へメッセージをお願いします。

大崎氏:PSPの開発チームも言っていますが、ミクさんのゲームを作る上で一番重要なのは、可愛くなくてはどうしようもないので、間違いなく可愛くできています。ゲームとしても、開発の最後まで「これじゃダメだ」と思うところを直して変えていますし、簡単なところからやり応えあるところまで、しっかり作っています。

元々アーケードの開発に携わってきたので「遊んでいればいつか上手くなる」というように、上達が感じられるゲームになっていると思います。3DのPVにも細かいネタを仕込んでいまして、コスチュームに紐付いていない曲、例えば「ファインダー」とかを見てもらうと、ファンの方なら分かってもらえるものがあったりするので、色々探してほしいと思います。

高部氏:買ってすぐのうちは、曲を解禁するためにゲームをプレイすることが多いと思いますが、PVの部分にも力を入れています。AM2研初の、コンテから起こして作っているものも多いので、3DPVクリップ集としても楽しめるように作っています。

あとはすれちがい通信でコメントの編集もできますので、外に持ち出してほかの人とすれちがい、自分の弾幕を作っていただければと思います。

大崎誠氏

初音ミク and Future Stars Project mirai ぷちぷくパック

セガ

3DSパッケージ

  • 発売日:2012年3月8日
  • 全年齢対象
  • ねんどろいど ぷち 初音ミク Project mirai Ver.、Project mirai ぷくぷくデコシール、Project mirai ぷくぷくクリーナー同梱
初音ミク and Future Stars Project mirai ぷちぷくパック

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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