ブロッコリーは本日4月18日、新作トレーディングカードゲーム(TCG)「Z/X(ゼクス)Zillions of enemy X」発表会を開催、TCGの今後の展開をはじめ、コンシューマゲームやオンラインゲームなど「ゼクス」プロジェクトに関する発表を行った。
イベントの冒頭では、ブロッコリー取締役制作本部長 内野秀紀氏と、日本一ソフトウェア代表取締役社長 新川宗平氏が開催の挨拶を述べた。まず内野氏は、本発表会に先駆け、実際にカードゲームショップのスタッフなどに「ゼクス」をプレイしてもらい、ルールなどのブラッシュアップを実施してきたという。
さらに4月末からは、一般ユーザー向けに全国100店舗以上で体験会の開催を予定しているとのことで、「ユーザーの皆様からも意見をいただき、一緒に『ゼクス』を作ってきたいと思います」と述べた。
次いで新川氏は、「ゼクス」のプロジェクトに関わるにあたり、「家庭用ゲームで培ってきたノウハウを最大限生かしていきたい」と意欲を見せた。また、プロジェクトに関わる各社と協力し、新しい試みやイベントも実行し、「ゼクス」を5年10年と長く続けていきたいとも話していた。
開会の挨拶のあとには、「ゼクス」プロジェクトに関するプレゼンテーションへと移り、本プロジェクトの展開やプロローグ、世界観設定などの紹介が行われた。
プロローグ
今からそう遠くない未来。
世界5ヶ所に突如出現した異世界への門<黒点(ブラックポイント)>
その門が開いた直後、それぞれの門の先から異形の生物の侵攻が開始される。
異形の生物はそれぞれの門の先にある5つの世界の住人であり、5つの世界は異なる時間軸における地球の未来の姿だった。
侵攻の目的はひとつ。5つに分かれてしまったために衰退した自分たちの未来を生き残らせるため、特異点となっているこの次元で、ほかの異世界の未来を断つ事にあった。
異世界の住人達の持つ人知を超えた力の争いに否応なく巻き込まれる人類。
絶望的な状況を覆したのは、1枚のカード型デバイスだった。
反撃の手段を手に入れた人類は、ある者は自らの野望を実現さえるため、ある者は生き残るため、ある者は大切なものを守るために、デバイスを手に戦いの輪に飛び込んでいく。
日本の地域ごとに設定された5つのエリアと各エリアのキャラクターたち
北海道・東北地方(緑)
植物がすべてを飲み込もうとしている未来。ありとあらゆるものが植物に取り込まれており、人類も半ば寄生されている。
関東地方(黒)
暴走した死の概念が支配している未来。死こそが何よりも優先とされ、殺し合いを続けた結果、消滅の危機に瀕している。
中部・北陸地方(青)
科学技術の発展に狂騒している未来。高度に発達した技術により、人と機械の境、物質とデータの境が失われつつある。
近畿・四国地方(白)
精神生命体へ進化しようとしている未来。精神力の強さが翼の形に具現化した天使たちを信奉している。
中国・九州地方(赤)
肉体的に退化した人類が、新たな器を作り出そうとしている未来。実験と称し、生み出した器たちを戦い競わせている。
「ゼクス」について
コンセプト
ルール
1対1の対戦形式で3×3のスクエアを巡って戦う。5つの世界に基づいた様々な能力を持ったカードを使いこなし、勝利を目指していく。
フリーカードについて
オフィシャルから無料で配布されるカード。配布形態は3種類。全国100か所以上で開催される体験会や公式イベントに参加すると構築済みデッキがもらえ、全国店舗にて配布される冊子からカードを切り抜いてスリーブに入れて使用することもできる。また、公式サイトでもフリーカードのデータが無料でダウンロードできる。
地域密着型TCG
「ゼクス」では日本が5つのエリアに分割されている。日本全国をゲーム内勢力に例えることで、地域とそこにある店舗を盛り上げる狙いがあるようだ。
ストーリーイベント
ストーリーイベントは、イベントに参加したユーザーの戦績がストーリーに反映されるイベントのこと。イベントは全国5地区にて開催が予定されている。
ユーザー参加情報発信型ソーシャル公式サイト
「ゼクス」公式サイトでは、個人のページを持つことができる。個人ページでデッキを構築し、そのレシピを公開することも可能。ほかのユーザーとのコメントを通じて交流を図ることもでき、大会後はレポートを兼ねたストーリーが公開予定となっている。
店舗コミュニティゼクス公認ギルドシステム
公式サイト等から公認ギルドに登録することで、ブロッコリーが店舗のコミュニティ形成を支援するシステムのこと。
プロモーション展開
集英社の「Vジャンプ」とのコラボが決定。まずは5月21日発売予定の7月号に4ページの記事が掲載され、それを皮切りに毎号複数ページの記事掲載や、Vジャンプ限定特典、さらなるコラボ企画も進行中だという。
店舗イベント
「ゼクス」の商品第一弾発売前に、全国の店舗にて発売直前大会が開催される。この大会は、第一弾発売前に無料で手に入るフリーカードで参加できる。後日公式サイトにて詳細が告知される予定だ。
商品情報第一弾は7月27日発売
「ゼクス」第一弾「異形との邂逅(仮)」が7月27日に発売される。プレゼンテーションの序盤にもあるが、フリーカードと比べると、収録カードは背景にイラストが使用されたものになる。
ゲスト陣によるトークセッション
概要の説明後には、日本一ソフトウェアの新川氏をはじめ、ガマニアデジタルエンターテインメント商品開発部部長 市﨑裕康氏、遊宝洞代表取締役社長 廣木克哉氏、遊宝洞ゲームデザイナー 八ッ塚俊一氏、集英社 Vジャンプ編集部編集長 兼 最強ジャンプ編集部編集長 伊能昭夫氏、ブロッコリー プロデューサー 久保田俊介氏が登壇し、TCG「ゼクス」の開発におけるコンセプトなどを語った。
まずは久保田氏が、本TCGの開発経緯についてコメント。TCGを始めたり遊び続けるには、カードを揃えるためのお金、一緒に遊ぶ友達、覚えなければいけないルールなど、多数のハードルがあることを話題にあげ、「いかにハードルを下げるかと考えた結果、無料で触れてもらうところから始めてみようと思い、フリーカードシステムを制作しました」と述べた。
このシステムを受け、廣木氏「TCGは繰り返し遊んでもらうこと、何回も対戦して自分のデッキを調整し、また新しい対戦を楽しんでもらうことが魅力」と話し、テンポよく繰り返し遊びたくなるものを念頭に置いたという。
また、実際にゲームデザインを担当した八ッ塚氏は、無料で始められて敷居が低いという企画意図があったため、それを踏まえ、まずはルールを覚えやすくしようと思ったという。その一方で、「TCG業界では手札シャカシャカといったことが話題になりますし、操作することを多くしようと思いました」とコメント。周りで見ている場合も、ゲーム中にたくさん動かしている方が楽しく見えるのではないか、という意図もあるようだ。
また、プラットフォームやタイトルなど、具体的な内容については明かされていないが、コンシューマーゲームを担当する日本一ソフトウェアの新川氏は、「せっかくやるならコンピュータゲームでしかできないことをやりたいと考えています」と述べた。具体的には、カードのレベルアップや合成といった要素を検討しているところだという。
こちらも現段階では詳細が不明だが、オンラインゲームを担当することになったガマニアの市﨑氏は、オンラインゲームで出来ることを追求していきたいコメントしたほか、同社が海外にも支社があることを踏まえ、「コミュニケーションをとるという意味では、カードゲームに国境はないと思っています」と述べ、世界展開にも意欲を見せていた。
続いては、本作とタイアップを行うVジャンプ編集長の伊能氏は、自分たちだけでは届かないものがあるとし、発表会に集まった各社を前に「普段なかなかカップリングしづらいメンバーですが、各社で協力してこそ成功に導けるのではないか」と自らの考えを示した。
Vジャンプとしては、本作を広めていくことが役割と考えているようで、コミック展開も予定しているとのこと。そして7月21日に東京、28日に大阪で開催される「最強Vジャンプフェスタ」に「ゼクス」が出展することも、この場で明かされた。
発表会の最後には、ブロッコリー取締役社長 森田知治氏が登壇し、閉会の挨拶を述べた。森田氏は「ゼクス」が同社にとって久しぶりの新作カードゲームであるとし、「ショップやディーラー、卸業界、そしてユーザーの皆様の意見を取り入れ、『ゼクス』が日本を代表するようなゲームにまで育てていきたい」とコメント。最後には「こんなものがあったらいいな、というアイディアがあれば頂きたいと思っています」と、広く意見を取り入れていく姿勢を見せ、発表会を締めくくった。