5pb.より2012年8月30日に発売される「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」は、2011年に放送された同名アニメを原作としたアドベンチャーゲームだ。ここでは、発売を間近に控えた本作のプレイインプレッションをお届けする。

目次
  1. あらすじ
  2. キャラクター
  3. ゲーム画面や音声から伝わる“アニメの世界観”
  4. ゲームとして楽しむための仕掛けの数々
  5. 本編以外でもキャラクターたちの魅力を堪能!

「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(以下、あの花)」は、2011年4月~6月にノイタミナほかにて放送されたTVアニメ。先日劇場版の制作が発表されるなど、今後の展開にも期待の集まる作品だ。

今回5pb.より発売される本作は、アニメで描かれたストーリーをベースに、オリジナルエピソードも交えて展開されるアドベンチャーゲームとなっている。ここでは、発売に先立ち、本作をプレイしてみて感じたゲームのポイントを紹介しよう。

と、その前にまずは本作のあらすじとメインキャラクターを紹介する。

あらすじ

めんま(本間芽衣子) の死をきっかけに疎遠になってしまった“超平和バスターズ”の5人。それぞれが別々の生活を送っていたある日、引きこもり気味のじんたん(宿海仁太)の元に、死んだはずのめんまが現れた。

「お願いを叶えてほしい」というめんまの言葉をきっかけに、離れ離れになっていた仲間達が再び集まる。それぞれの想いを胸に、めんまとかけがえのない夏を駆け抜ける――

通常版パッケージイラスト 限定版パッケージイラスト

キャラクター

じんたん(宿海仁太)

CV:入野自由
幼少期CV:田村睦心

幼馴染6人の中心的存在。しかし、めんまと母の死、高校受験の失敗があり、軽い引きこもり中。めんまの願いを叶えるため、疎遠になっていたメンバーと連絡を取り始める。仲間想いで友達の危機を放っておけない性格。

めんま(本間芽衣子)

CV:茅野愛衣

色白でどこかはかなげな印象を与える少女。天真爛漫な性格で、6人の中ではマスコット的存在。幼少期に亡くなるが、自分の願いをかなえてもらうため、じんたんの前に現れる。しかし、本人は願いの内容を覚えていない。

あなる(安城鳴子)

CV:戸松遥

じんたんの同級生。外見は派手だが、実は高校デビュー。昔は自分の容姿にコンプレックスを持っており、正反対のめんまを羨ましいと思っていた。めんまが死んだのは、自分のせいだと思っており、罪悪感を抱いている。

つるこ(鶴見知利子)

CV:早見沙織

ゆきあつと同じ高校に通う優等生。趣味は読書をすることで、絵を描くのが得意。観察力に優れており、ゆきあつがめんまに執着していることに気付いている。あまり周囲に興味がないように見えるが、実際は違うようだ。

ゆきあつ(松雪集)

CV:櫻井孝宏
幼少期CV:瀬戸麻沙美

顔も良く、育ちも良いので小さい頃から苦労したことがない。しかし、幼少期から常に2番手だったため、じんたんに対抗心やコンプレックスを抱いている。自分のした行為が、めんまの死に繋がっているという罪悪感にとらわれている。

ぽっぽ(久川鉄道)

CV:近藤孝行
幼少期CV:豊崎愛生

昔は体が小さくてみんなの弟分だったが、今は立派に成長し、世界を放浪している。超平和バスターズの秘密基地が住み家。じんたんの言葉を信じ、めんまの願い事を叶えるため積極的に行動する。

ゲーム画面や音声から伝わる“アニメの世界観”

本作ではアニメのキャラクターデザイン・総作画監督を務めた田中将賀氏が監修を行ったキャラクターイラストに、こちらもアニメの場面を切り取ったような背景が挿入され、アニメの醸し出していたどこか淡く繊細な世界観を描いている。

また、ベースとなるストーリーも基本的にはアニメの時系列に沿って進められ、アニメをすでに観ている人にとっては懐かしさを覚え、本作で初めて「あの花」に触れる人にとってはこのゲームを通して物語を追体験できる内容となっている。

加えて、本編はフルボイスとなっており、ちょっとした場面でもキャラクターたちの感情が注ぎ込まれている。筆者個人としてもキャラクターたちの感情の機微が作品の大きな特徴のひとつであると思っているので、本作のポイントのひとつとして挙げておく。

それと細かいところで嬉しかったのが、ゲーム序盤のタイミングで流れるOPムービー。こちらはアニメと同じものになっているので、ここで一気に作品の世界に惹きこまれた。ゲームをプレイする際にはぜひそちらにも注目してほしい。

ゲームとして楽しむための仕掛けの数々

もちろん、それだけではただのアニメの焼き増しに過ぎない。本作では、作品をより楽しむべく、アニメでは描かれなかったifのストーリーを収録している。

プレイヤーは、会話中に出現する選択肢、または主人公・じんたんの行動を決めるマップ移動により、ゲームオリジナルのストーリーへと分岐していく。

例えば、じんたんとめんまが秘密基地に向かい、そこでぽっぽと出会う場面があるが、ここで秘密基地ではなく小学校に向かうと、アニメでは描かれなかった小学校時代のエピソードを楽しむことができる。

こうしたかたちでアニメでは深く掘り下げることのなかった過去の日常であったり、アニメとは違った選択をすることで大きく異なった展開が描かれ、ゲームだけのストーリーをプレイヤー自身が紡いでいくのだ。

また、じんたんが、めんまとの会話で「キーワード」を思い出したり、「超平和バスターズ」のメンバーを訪ねたりするたびに思い出が更新されていく「おもいでマップ」に情報が乗ると、キャラクターたちが過去を思い出す「カットバック」が発生する。

こちらもキャラクターたちの成長の背景が垣間見えるものとなっており、より一層本作を楽しめる要素となっている。

画面上にこの赤い花が散りばめられるとカットバックが発生。
それぞれのキャラクターが過去の一場面を振り返る。

本編以外でもキャラクターたちの魅力を堪能!

1日の終わりには、じんたんの部屋でめんまと触れ合うことのできるお部屋パートが登場。ここでは、3Dモデルで4頭身になっためんまが、その日にあったことを振り返ったり、部屋を歩き回ったり、お菓子を一緒に食べたりなどなど、さまざまなコミュニケーションが楽しめる。

ここでの会話で、新たなキーワードを獲得することができるが、なんといってもこのパートでは可愛らしいめんまが感情豊かに動きまわり、じんたんとなったプレイヤーがそのやり取りをダイレクトに堪能できる点が魅力。もちろん毎日のシチュエーションは異なっているので、めんまとの新鮮なやり取りを思う存分楽しもう。

そしてもうひとつ、アニメ公式サイトの企画「きょうのめんま」がゲーム内にも登場。こちらはお部屋パートのあと、一日の内容に沿ってめんまが「何か」をつぶやくというもの。基本的にはめんまのみだが、ストーリーの進行状況によっては他のキャラクターも登場する。

一度聴いた内容はおまけ内の「きょうのめんま」から何度でも再生できるので、もし気に入った内容があれば、何度でも堪能してはいかがだろうか。

これまで紹介した内容はもちろんのこと、本作ではマルチエンディングが採用されており、まさにゲームでしか楽しめない「あの花」が待っている。プレイヤー自身の選択によって、めんまの「お願い」を叶え、ここでしか見れない結末を見届けよう!

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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