バンダイナムコゲームスが2012年11月1日に発売を予定しているPS3用ソフト「テイルズ オブ エクシリア2」の東京ゲームショウ2012出展バージョンを試遊してきたので、そのプレイレポートをお届けする。
本作は、2011年9月に発売された「テイルズ オブ エクシリア」の続編タイトル。前作で2つに分かれていた世界、リーゼ・マクシアとエレンピオスがひとつとなってから1年後の世界を描いた、“選択が未来を紡ぐRPG”だ。
プレイヤーは主人公・ルドガーとして、就職先への出勤初日に見知らぬ少女・エルを助けたことでとある事件に巻き込まれ、多額の借金と世界の命運を背負っていくこととなる。
ゲームショウで出展されていたバージョンでは、分史世界と呼ばれる可能性の世界(パラレルワールド)を旅している場面をプレイすることができた。本作では正史世界を守るため、この分史世界を壊していかなければならないのだが、可能性の世界というだけあって、前作とはキャラクター同士の関係性が違っていたり、場合によっては死んでしまったキャラクターが登場することもあるのだ。
今回のプレイ範囲では、アルヴィンの叔父にあたるジランドが、スヴェント家の次期当主として登場。彼からは、エレンピオスで人工的に野菜や果物を作る工場のエネルギー源として、大精霊アスカを捕獲したという話を聞かされる。アスカは過去の「テイルズ オブ」シリーズにも登場したことのある精霊であり、この名前が出たのは会場でプレイした人たちにとって、ちょっとしたサプライズだったのではないだろうか。
アスカが登場したのは分史世界の中であり、正史世界でも登場するのか気になるところ。とはいえ、試遊ではアスカが分史世界の「時歪の因子(タイムファクター。分史世界の核となるもので、これを破壊するとその分史世界が消滅するというもの)」ではないかとされ、アスカの撃破を目指して進むこととなる。
プレイ開始時に、前作でダブル主人公として登場したジュードとミラのどちらをパーティーに入れるか選択できた。成長して医者や研究者っぽい雰囲気が感じられるジュードも気になったのだが、筆者はミラを選択。試遊後に周りでプレイしている人を何人か見た限りでは、男性はミラ、女性はジュードと、それぞれ異性のキャラクターを選んでいる割合が高かった印象だ。
戦闘は、基本的な操作は前作とほとんど変わらないため、シリーズをプレイしたことがある人であればすんなりと入り込めるだろう。変更があったのは、主人公のルドガーが持つ3種類の武器「双剣」「ハンマー」「双銃」を戦闘中に切り替えられる「ウェポンシフト」が行えるようになっていること。
通常の戦闘ではなかなか使用する場面が少ないかもしれないが、単に武器の性質が変わるというものではなく、それぞれ違う武器となっているのがポイント。例えばそれぞれ属性の違う武器にしておくことで、敵が今装備している武器に付いた属性に耐性があれば、別の武器に切り替えて戦うといった戦術が有効になってくる。
敵のHPが高いボス戦で弱点を付ければ特に有効だろうし、複数出現した敵が別の弱点を持っていた際にも、ウェポンシフトの有用性が感じられそうだ。
また新たな要素として、戦闘中の画面右下に表示されているゲージが溜まった状態で左右のスティックを押し込むと、ルドガーが変身して戦う「骸殻(がいかく)」を使うことができる。変身中はルドガーひとり対敵全員となり、ウェポンシフトも使えなくなるのだが、特殊な「槍」で戦うことができる。
変身中はHPやTP、ACの概念がなくなるので好きなだけ攻撃に専念できるのだが、変身直後から骸殻ゲージと呼ばれるものが減少していき、ゲージがゼロになると元の状態に戻るようになっている。一時的に自分のHPを気にしなくていい代わりに、ダメージを受けるとゲージが減少していくので、いかにダメージを受けずに立ち回れるかが重要となりそう。
戦闘ではほかにも、すでに新要素として発表されている2種類の「共鳴術技(リンクアーツ)」を実際に確認できた。前作ではゲージが溜まって共鳴術技を発動するには特定の技の組み合わせが必要だったが、今作では誰とリンクしてどの技を使っても「コモン共鳴術技」を発動させることができるのだ。
さらに、特定の組み合わせによっては前作での共鳴術技にあたる「ユニーク共鳴術技」が発動するので、いろんな共鳴術技を試したいという人はこれまでと同じように楽しめるし、コモン共鳴術技があるのでアクションが苦手な人はより手軽に発動できるようになっている。
戦闘終了後のリザルトもバリエーション豊かで、キャラクターがグリグリと動いて賑やかなだけでなく、戦闘に参加できないエルも姿を見せてくれる。アルヴィンが銃と剣が合体する武器を自慢するのに対し、エルが冷たいツッコミを入れるシーンには思わず笑ってしまった。
もちろん、フィールドで見られるシリーズでお馴染みのロングチャットも収録されているし、前作で採用されたショートチャットも健在。ショートチャットでは、キャラクターたちがリアルタイムに呟くだけでなく、ドアの鍵がないから探してみようといったヒントを得ることもできるようになっていた。
こうした初心者をサポートする要素で間口を広くしつつも、先に述べたウェポンシフトや2種類の共鳴術技のように、本作の特徴のひとつである戦闘をさらに楽しめるようにも工夫がなされていることが感じられた。続編ということで極端に大きな変化はないが、着実に進化しているシリーズ最新作の発売を楽しみに待とう。