バンダイナムコゲームスより1月17日に発売となったPSP用ソフト「デジモンアドベンチャー」。デジモン15周年プロジェクト第3弾として制作された本作のプレイレポートをお届けしよう。
1999年から2000年にかけて放送されたTVアニメ「デジモンアドベンチャー」は、異世界デジモンワールドへ突如として放り出された子供たちが、現実世界へ帰るための冒険を繰り広げ、そして異世界で出会ったデジモンや仲間との関わりの中で、子供たちの成長がドラマチックに描かれていく。
物語の中で少しずつ明かされる子供たちの過去や抱える家族問題、そして異世界へ迷いこんだ理由など、巧みな伏線が随所に張り巡らされており、大人も楽しめる工夫が多く盛り込まれた作品となっていた。本作は、そんなTVアニメの世界をドラマチックRPGとして表現。選ばれし子どもたちとデジモンの冒険物語がPSPでよみがえるぞ。
本稿では、「デジモンアドベンチャー」の世界観を表現するためのさまざまな工夫や、それだけでは終わらない本作ならではの楽しみ方などを、放送当時にアニメを視聴していた筆者がゲーム序盤をプレイしてみての感想を交えつつ、紹介していこう。
アニメのエピソードを順を追って楽しめる!
本作では、子ども会のサマーキャンプに来ていた太一たち7人の子どもが、突如デジタルワールドにたどり着くところからゲームが始まる。そこで出会ったパートナーデジモンと共に旅をする中で、さまざまな出来事に遭遇していくこととなる。
ゲームは、プレイヤーがファイル島の全体マップから、遊びたいエピソードを選択するかたちで進行。メインとなるエピソードのひとつひとつはアニメの物語を追体験するかたちで進行し、アニメを見ている人はもちろん、見ていない人でも十分に「デジモンアドベンチャー」のストーリーを追うことができる。
なお、選択画面でLEADERと表示されたキャラクターは、そのエピソードのメインキャラクターとなり、必ず参加することとなる。物語全体で、さまざまなキャラクターのエピソードが描かれるのだ。
フィールドでは野生のデジモンが徘徊しており、接触するとバトルに突入。プレイヤーは、3人のメンバーを選び、それぞれのパートナーデジモンとともに、バトルに臨むこととなる。
バトルでは、画面下のタイムライン上に表示されたアイコンの、左端側から順に行動することとなる。この時に注意してほしいのが、次の行動への待機時間で、強力な技ほど間隔が長くなるので、闇雲に強力な技を使うのではなく、相手の行動のタイミングなどにも注目しよう。
そしてもちろん、デジモンの醍醐味と言えば進化。本作ではアニメと同様、特定のイベントをクリアすることでパートナーデジモンたちは進化できるようになる。
進化することで攻撃力、防御力がアップし、さらに強力な技が使えるようになるので、成長期では手強い相手でも、成熟期になれば形勢逆転といった、本作ならではのバトルが楽しめる。ただし、進化にはSPが必要となるので、こちらも状況に応じて使うようにしよう。
また、フィールドの途中で発生する会話などを通して、仲間たちとの絆の強さを表したキズナランクを上げることができる。キズナランクが上がることでバトル中、仲間との連携攻撃「キズナコンボ」が発生しやすくなるので、会話で発生する選択肢は慎重に選ぼう。
そして、エピソードの最後には、さまざまなイベントが発生し、強力なデジモンとのバトルに挑むこととなる。エピソード選択、冒険、バトル、そしてイベントと、シンプルな流れでテンポよく「デジモンアドベンチャー」の世界を体感できるのが本作の大きな魅力と言えるだろう。
ゲームならではの遊びもふんだんに用意
アニメの追体験だけでは終わらないのも、本作ならではの大きなポイント。アニメで描かれたエピソードであっても、選択肢によってその後の選択を左右するif要素が用意されていたり、ゲームオリジナルのサブイベントが楽しめたりと、プレイヤーだけの「デジモンアドベンチャー」をプレイすることができる。
また、エピソードを進めていく中で出現する「デジタルダンジョン」では、ダンジョン内の敵を倒すことで経験値やアイテムを稼いだり、仲間たちの強化が可能となっており、冒険に行き詰まった時には重宝すること間違いなしだ。
そして、最後のデジタルダンジョンではシリーズ歴代アニメの主人公との共闘や対決、さらに15周年記念デジモンの「ハックモン」「ガンクゥモン」も登場するということなので、本編だけでなく、ぜひデジタルダンジョンの制覇も目指そう。
このほか、育成の手段として、さまざまな効果を持つデジピースをスキルパネルにはめ込むことで、パートナーデジモンを強化することができる。デジピースの組み合わせによっては、アニメのイメージと大きく異なるデジモンにすることも可能な、ゲームならではの成長要素と言えそうだ。
冒険心をくすぐられるストーリーを堪能しよう
筆者もまだゲームの序盤しかプレイできていないのだが、遊べるエピソードの豊富さに、ついつい当時見ていたアニメの内容を思い出しながら、プレイに没頭していた。
筆者をはじめとした20代半ばの人たちにとっては、「デジモンアドベンチャー」が馴染み深いという人も多いと思う。そういう人にこそ本作をプレイしてほしいし、もちろん、そうでない人も子どもたちとデジモンの冒険を通して、幼かった頃の冒険心がくすぐられることだろう。
最近ワクワクすることが少ないという人はこの機会に、ぜひ本作に触れて、子どもたちやパートナーデジモンと一緒に、デジモンワールドの世界を冒険してみてはいかがだろうか。