エレクトロニック・アーツが2013年3月7日に発売を予定しているPC用ソフト「シムシティ」。今回、1月26日から28日の期間中に行われたβテストに参加したので、そのプレイレポートを紹介しよう。
「シムシティ」は、Maxisレーベルが開発を手掛ける都市開発シミュレーションゲーム。前作に当たる「シムシティ4」以来、実に約10年ぶりとなる新作だ。
本作では新エンジン「GlassBox」を導入したことで、都市のデザイン、発展の仕方に応じて、個々のシムの生活に影響が及ぶように進化している。また、「ティルトシフト技法」によるグラフィック表現を採用したことにより、まるでミニチュアを動かす感覚で遊べるようになった。
今回筆者は、1月26日から28日に実施された本作のβテストに参加し、果たしてどのような進化を遂げているのか、実際に体験したので、そのプレイレポートを紹介する。なお、今回のレポートの内容は、製品版とは異なる可能性があるので注意してほしい。
冒頭の1時間を何度でも遊べたβテスト
「シムシティ」のβテストは、まずシステムを把握するためのチュートリアルを20分ほど進めたあと、ゲームの冒頭部分から1時間を自由に、何度でもプレイできるという内容だった。
チュートリアルはある程度完成された街で行われ、道路の敷き方などの基本的な操作方法から、消防署・警察署といった重要施設を建設する際のポイント、さらには各データの見方まで、こと細かに教えてくれた。今回のβテストは全編英語だったが、文章だけでなく矢印などでも誘導してくれたので、迷うことはなかった。
チュートリアルを終えると、いよいよ一から街を作り上げていくことに。今回用意されていたマップは山や丘といった起伏がほとんどない平野で、代わりに隅のほうに海岸が存在していた。地形を気にせずサクサクと街を作っていける、初心者向けのマップといえるだろう。
街を作るにあたり、まずは道路を整備しなくてはなにも始まらない、ということで、早速街のメインストリートを敷いていくことに。本作の道路作成には直線、曲線、円形といったツールが用意されているほか、不規則な道を自由に作成できるフリーハンドツールもある。また、平行の道を2本同時に作る、便利なツールも存在していた。
中でも自由に道を描くフリーハンドツールは特に便利で、施設の間の細い路地や、地形に沿った街道など、これまでのシリーズではなかなか作れなかった道路を、ペンで描くように楽々と作れるようになっていた。
また、一度道路を作ると、その周囲には方眼状のグリッドが表示される。このグリッドを目安に道路を整備していけば、簡単に左右対称の街並みを作れる。
道路をある程度整備し終えたら、続いて本作の最も基本的な部分である、住宅施設・商業施設・工業施設を建設していく。これらの施設は、道路の側面をドラッグするだけで手軽に行える。入り組んだ路地や複雑なカーブを描いた地域でも、隙間なく建設していくことが可能だ。
そのため、これまでのシリーズにあった「上手く施設を建設できないから、道路から作り直す」というケースもなくなっており、ストレスなく楽しめた。
データの可視化でさらに遊びやすく
次に行うことといえば、住民の暮らしに欠かせない水道や電気などの敷設だ。これらの施設を建設する際には、どこに配置すれば効率よく水や電気を住民に送り届けられるのか、1つの施設でどれだけの距離をカバーできるかなどのデータがすべて確認できるので、参考にしながらプレイしていきたい。
確認できるデータはあらゆる施設に用意されており、例えば公園を建設するときには住民の幸福度が表示され、ゴミ処理施設を建設するときには、ゴミが集まりやすい地域が一目で判別できるほか、風向きまで分かるようになっている。風の吹く方向に住宅地があれば当然匂いによる非難の声が高まってしまうので、常にチェックしながら建設を進めることが重要だ。
住民の幸福度はスマイルマークで表現されている。 | 電気が届いているか、一軒ごとに確認できる。 |
どこに水道施設を置けば広範囲を | 効率よくゴミを収集できているかを確認することも可能。 |
カバーできるかも一目瞭然。 |
ちなみに、本作では過去のシリーズにあった、電線や水道管を配備する要素は省かれている。筆者は前作「シムシティ4」で、電柱をどのように建てていくか頭を悩ませたものだが、今回は一段とプレイしやすくなっている印象だ。
さらに、風力発電所のスペース内に風車を増設するなど、限られた敷地の中でもエネルギーの供給量を増やせるようになったのも嬉しい。
また、ゲームをプレイしていると時折、街中から吹き出しが浮かび上がってくることも。この吹き出しをクリックすると、住人の声をダイレクトに聞くことができる。この中には「水が届いていない」など、ヒントとなる意見もあるので、市長であるプレイヤーは極力見逃さないように気を配るといいだろう。
住民の生活のチェックから思わぬヒントを得ることも
本作では、街の住人それぞれが独自の考えを持ち生活している。そして、住人の1人を「FOLLOW」することで、どのような生活を営んでいるかを追いかけることができる。1人の住人に注目していると、すれ違う人と話をしたり、店の中に入って買い物をしたりと、本当に生きているかのように動き回っているから驚かされる。
また、人がどのように移動しているかを見ることで、より効率的な道路の作り方や、各施設のバランスなどを把握できる。
一般市民以外にも、警察官やゴミ収集車をFOLLOWすることも可能なので「警察署を増やしたのに犯罪が減らない」「ゴミが一向に回収されない」などの問題が起こったときには、一度どのように移動しているかチェックすることをおすすめする。道路がしっかりと行き届いておらず、同じところをグルグル回っていた…など、意外なヒントを発見できるかもしれない。
試行錯誤しながら街を作る達成感は健在!製品版にも期待が持てる内容に
βテストは1時間が過ぎると自動的に終了し、再度スタートすると最初の何もないマップからやり直す仕様になっていた。しかし、試行錯誤を繰り返しながら街を作り上げていく達成感は、これまでのシリーズと同様に健在。また、グラフィックの表現にこだわっているだけあって、街が成長していく様子を見ているだけでも楽しいと感じられる仕上がりになっていた。
また、今回紹介した、電線や水道管の建設が省かれたり、さまざまなデータが見やすくなっていたりと、全体的に初心者でも楽しめる親切さがあった。「シムシティ」シリーズをプレイしたことがない人にも、ぜひ触ってみてもらいたい。
一方、βテストではいくつかの道路や施設が建設不可能になっていたり、高額すぎて1時間では建設できない建物も存在した。また、本作ではフレンドや他のユーザーと相互協力的に都市を発展させられるマルチプレイモードが導入される予定だが、こちらもβテストでは未実装だった。
これらの要素を体験できなかったことは残念ではあるが、製品版に期待したいところ。筆者も発売された際には、改めてがっつりプレイする予定だ。
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