アメリカ・LAにて2013年6月11日~13日まで開催された「E3 2013」の会場内に、SEGA of Americaから2013年夏配信予定の横スクロールアクションゲーム・PS3/Xbox 360/PC「Castle of Illusion Starring Mickey Mouse」が出展されていたので紹介しよう。

本作は、1990年にメガドライブで発売され好評を得た「Castle of Illusion Starring Mickey Mouse(アイラブミッキーマウス ふしぎのお城大冒険)」のHDリメイク作となる。開発を担当するSega Studios Australiaによって、大幅に強化されたグラフィックが最大の見どころだ。ここでは、そんな本作のプレイレポートをお届けしたい。

魔女の城に捕らえられたミニーマウスを助けるため立ち上がったミッキーマウスを操作して、「虹の架け橋」を作るために必要な7つの宝石を集める旅に出る、というのが大まかなストーリー。

試遊は、魔女の城からスタート。城は、中世ヨーロッパの「いかにも」な感じの内装だが、デフォルメされた鎧が飾ってあったりして、不気味というよりは、どこかメルヘンチックさを感じさせる。さて、城からステージへと突入するためには、奥の部屋にある扉の先を行く必要があるのだが、ここでは3つあるうちの2つに鍵がかけられているため、必然的に左の扉へ入ることに。

そしていよいよステージが始まった。そこには、先ほどの城からは想像も付かないほどカラフルな世界が広がっており、まるでオモチャ箱のような雰囲気。ステージには、オモチャの兵隊やピエロらしき敵が登場するのだが、どのキャラクターも非常に愛らしく、倒すのが可愛そうになるほどだった。(きっちり倒したけど)なお、肝心のHDによるグラフィックは非常に美しく、ディズニーの幻想的な世界観をより活かしているという印象。メガドライブ版を経験したことのあるユーザーがプレイしたら、グラフィックの進化具合に驚くこと請け合いである。

ちなみに筆者は、恥ずかしながら、メガドライブ版「Castle of Illusion Starring Mickey Mouse」をプレイしたことがない。しかし、元々が非常にシンプルなゲームデザインのため、特に苦労することなく、すんなりとゲームに入り込めた。それもそのはず、操作は基本的に、jamp(飛ぶ)、throw(ショットアイテムを投げる)、Move(動く)という3つのアクションで構成されているので、ものの数十秒もプレイすれば、あっと言う間に慣れてしまうのである。8bitや16bitゲーム機のアクションゲームは、説明書を読まずとも簡単にプレイできるという手軽さがあったが、メガドライブ版を元する本作にも、そんな手軽さが継承されているのだろう。

さて、肝心のプレイフィールだが、筆者的には「古き良きアクションゲームの時代を思い出させてくれた作品」というのが率直な意見。3Dアクションゲームには3Dアクションゲームの良さがあるが、それと同時に、2Dアクションゲームには2Dアクションゲームの良さがあるというのを今更ながら再認識できた。ジャンプで敵を踏みつけて倒す感覚や、足場を踏み外してなかなか先に進めないもどかしさなど、当時のアクションゲームを知る人からすれば「あったあった!」と思わずニンマリしてしまうに違いない。筆者も、2Dアクションゲームにはガッツリ慣れしたしんだ世代なので、郷愁に包まれながらしみじみとプレイ。「良い作品は、いつの時代でも色あせない魅力を持っているんだなあ」と心の中で呟いてしまった。

また、「ミニーがさらわれた」という本来なら切迫した事態にも関わらず、それを忘れてしまうほど(ミニーに失礼だが)、ファンタジックで、心を和ませてくれる要素が本作にはある。「2Dアクションゲーム」として一級品なのはメガドライブ版の評価を見れば明らかだが、作品全体の評価を引き上げている要因としては、はやりディズニーが持ち得る、だれにもマネできない魅力的な世界観があるからこそだろう。

ちなみに、まだ1ステージプレイしただけなので詳しくは分からないが、アクションゲームとしての難易度は、特に難しくもなく優しすぎることもないという印象である。アクションゲームとしての出来の良さと、ディズニーが持つ優しい世界観を併せ持った本作。日本国内での配信はまだ決まっていないようだが、国内にも熱心なファンがいる作品なので、ぜひとも配信してほしいものだ。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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