開発のエピソードから次回作の話まで!PS3/PS Vita「メモリーズオフ ゆびきりの記憶」&「メモリーズオフ6 Complete」のプロデューサー・柴田太郎氏にインタビュー

開発のエピソードから次回作の話まで!PS3/PS Vita「メモリーズオフ ゆびきりの記憶」&「メモリーズオフ6 Complete」のプロデューサー・柴田太郎氏にインタビュー

PS3 PS Vita

担当:

5pb.よりPS3/PS Vita用ソフト「メモリーズオフ ゆびきりの記憶」および「メモリーズオフ6 Complete」が6月27日に発売となる。ここでは発売に合わせて実施した、プロデューサーの柴田太郎氏へのインタビューの模様をお届けする。

「メモリーズオフ」シリーズは、1999年にプレイステーションで第1作が発売されて以来、14年にわたってシリーズ展開が行われている恋愛アドベンチャーゲーム。ヒロインとの恋愛模様だけにとどまらず、どこかリアリティを感じさせるストーリーや、神奈川県の江ノ島周辺を舞台のモチーフとした統一の世界観などにより、今なお多くのユーザーに支持されているタイトルだ。

10周年を記念してXbox 360で発売された「メモリーズオフ ゆびきりの記憶(以下、ゆびきりの記憶)」のPSP版が発売されて以降、約2年間にわたってコンシューマゲーム機でのリリースがなかったが、今回は「ゆびきりの記憶」に加え、前作「メモリーズオフ6 ~T-wave~(以下、6Tw)」と「メモリーズオフ6 Next Relation(以下、6NR)」をセットにした「メモリーズオフ6 Complete(以下、6 Complete)」がPS3とPS Vitaで発売されることとなり、筆者を含め、喜んだファンも多いのではないだろうか。

シリーズ初となるPS3とPS Vitaでの発売はもちろんのこと、前作からこれだけ間が空いているということで、正直なところ次回作についても大いに気になるところ。そんなわけで、今回は「メモリーズオフ」シリーズのプロデューサーを務める柴田太郎氏に、移植の経緯や今後の展開について話を聞いた。

当初はPS3版「ゆびきりの記憶」のみの予定だった

――コンシューマ機向けとしては、PSP版「ゆびきりの記憶」以来2年ぶりの発売となりますが、今回のPS3とPS Vitaへの移植の経緯についてお聞かせください。

柴田太郎氏
柴田太郎氏

柴田氏:「ゆびきりの記憶」のPSP版が出てから早い段階でPS3への移植の話はしていました。ただその当時、ほかの移植タイトルなどをやっていたので手が回らず、プログラマーも科学アドベンチャーシリーズなどでなかなか手が空いていない状態でした。

そして昨年の夏頃にスケジュールも空いたのでPS3版を始めようという話になりました。最初は「ゆびきりの記憶」だけの予定で始まったのですが、Xbox 360版製作時のHD素材を利用出来るのであればという理由で「6Tw」と「6NR」をセットにしたものを作ろうということになって、2本同時に進めることになりました。

その途中で、PS Vita版「STEINS;GATE(以下、シュタインズ・ゲート)」などをやっていたプログラマーから「PS Vitaもできるよ」という話が出まして、「じゃあやりましょうか」という割と即決でPS Vita版も作ることになりました。

そこから発売までの間もほかのラインのスタッフの出入りがあったので、当初、今年の1月や2月に出せればいいと思って進めていたものが、結果的にここまでかかってしまいました(笑)。

――PS Vita版を出すことを決めた段階で、PS3と同時に発売することは決められていたのでしょうか?

柴田氏:そうですね。同時に発売して、セーブデータの互換を出来るようにしようと考えていました。

以前から弊社の志倉(科学アドベンチャーシリーズの企画も手がけるMAGES.代表取締役社長 志倉千代丸氏)が、同じスクリプトを使って複数のハードで動くのが理想的なかたちと言っているのですが、その考えの中にはセーブデータの互換もあったんです。

PS3とPS Vitaで互換を取るための仕組みはすでにソニー・コンピュータエンタテインメントさんのライブラリにあったのですが、実際にその機能を使うには両機種版ともに買っていただくことになってしまい敷居が高くなってしまう。どのくらいの方が利用できるのかとも思いましたが、「せっかくだからテストを兼ねてやってみようよ」ということで、互換を入れての両機種移植というかたちで進めてきました。

――今回のPS3、PS Vitaへの移植にあたっての苦労や、開発における違いはありましたか?

柴田氏:スクリプトについては少し手直しをしただけで済みましたが、昔に作った作品だったので、クリアしてトロフィーを全部取ってみたりといった部分が大変でしたね。

あと「6 Complete」に関しては、完全に分量ですね。「6 Complete」は立ち絵の量がすごく多くて、ボイス数も多い作品だったので容量がどんどん増えていってしまって(笑)。当初PS Vita版は2GBのROMを予定していたのですがそれじゃ入らないという話になりまして、結局4GBのROMを使うことになりました。

――「6 Complete」は2タイトル分収録しているということで、なおさら容量が大きくなりそうですね。

柴田氏:しかも今回、PS3版の方が10GBぐらいの容量になってしまって、それでも2タイトルで同じデータなどは削除しようとしたのですが、なかなか減らすことができなくて(笑)。

それおtセーブデータ互換を入れる際に、弊社ではほとんどやっていなかったネットワーク周りの仕様を入れていたので、プログラマーにとっては初挑戦でもあり、「これをやらなくてはダメ、あれをやってはダメ」という決まり事を正確に入れこむ部分では苦労していましたね。また、少し苦労しましたが基本的にPS3とPS Vitaはほぼ同じ演出で動いているので、PS Vita版もリッチな感じでプレイできると思います。

「メモリーズオフ6 ~T-Wave~」

「ゆびきりの記憶」に関しては、移植を決めた時にPSPの限定版に同梱した「ふたりの風流庵」を、ボリュームを増したフルバージョン(今回追加される「ふたりの風流庵 ぷらす」)にして入れようという話がありました。

最初はファンディスクを作ろうかという考えもあったんです。その時は“風流庵”という舞台を使って「ゆびきりの記憶」の中では描けなかったシチュエーションをいろいろと描いていこうと考えました。そして結果的にPSP版の特典というかたちで出した時に、作る側として割と面白く作れたというのもあったのでPS3にも収録しようと決めました。

ただ、PS3で出す時にあのままの分量で持っていくのは物足りないし、ファンディスクほどのボリュームにするのもそれはそれで無理な事情もありましたので、その代わりにファンディスク並に手をかけたグラフィックの枚数だったり、立ち絵の別服装だったりを用意して進めていき、容量はPSP版の2.5倍ぐらい、ボイス数も6000ぐらいのボリュームのあるタイトルになりました。

ボイス数は比べにくいかもしれないですが、「メモリーズオフ AfterRain(以下、AfterRain)」がそのぐらいですね。一番最初の「メモリーズオフ(以下、1st)」が確か7~8000ぐらいだった気がするので、割とあるなと(笑)。ただ、シナリオ的に見るとほぼ会話だけで進むシナリオになっていて、地の文が少ない分、少し文章的な量としては少ないと思いますね。

――ただ、それが丸々追加されるというのはかなりのボリュームですね。

柴田氏:はい。移植をしていく中で、こちらもPS Vitaの容量調整が非常に難航しまして。なんとか2GBで抑えたいと思っていたのですが、こちらはぎりぎりのところでなんとか抑えられました(笑)。それでもカットしたものは特にないのでご安心ください。

「メモリーズオフ ゆびきりの記憶」

――PS VitaはROMの容量も多いのかなと思っていたのですが、それでもROMに収めるのは難しいのですね。

柴田氏:ROMの容量が2GBと4GBの2種類しかなく、2GBのROMといっても全部の容量を使えるわけではないということと、画面が広くなっている分、PSPより絵に対しての容量を使ってしまうんです。PSPは一枚1GBぐらいでやっていますが、それの2倍だからといってそのまま入るわけではないので。

全体的にリッチになっていますし、PS Vitaの解像度はPSPの4倍なので、絵に関してはPS Vitaに移植する時にPSPと同じデータで作ったら、単純計算で容量が4倍になるはずです。実際は圧縮率などいろいろな要素があるのでそう単純にはいかないですし、ボイスに関してはあまり変わらないのですが。

フォトモードはキャラクターと一緒に撮影するコンセプトで用意

――そうした容量の話もある中で、PS Vita版にはさらにフォトモードが追加されていますが、こちらはどうして入れようと思ったのでしょうか?

柴田氏:「ゆびきりの記憶」を作っている時には聖地巡礼などのお話も出てきて、過去にPS2でプリンタで画面を映す機能を追加していたりもしたので(2008年に発売された「ユア・メモリーズオフ~Girl’s Style~」)、「じゃあキャラクターと一緒に撮影できるモードを作ればいいじゃん」と思ったのがきっかけです。

これが面白く出来れば、似たようなものをiPhoneやAndroidに提供できるかなと思って作ってみたのですが、これが思いの外いろいろなことができるようになっていまして。(実機を操作しながら)まず拡縮が出来るのと、キャラクターを2体まで立たせることが出来ます。

――キャラクターの立ち絵はほぼひと通り用意している感じでしょうか?

柴田氏:全部の種類は難しいのですが、特徴的な表情のものやプリクラみたいなフレームを含めて全部で130種類ぐらいを用意しています。絵は2つまで出せ、プライオリティを変えることもできます。出先で使ってもらえたら嬉しいなという機能です。

――メモオフファンですと、聖地巡礼されている人も多いので嬉しい機能だと思います。

柴田氏:そうですね。なので江ノ島とかで撮影して、PS VitaからTwitterに直接投稿していただけたら面白いと思います。今回が初めてだったので、インターフェースについても今後は弊社のほかのタイトルでやる場合には、もう少し直感的でわかりやすくできればとは思っています。

先月発売された「這いよれ!ニャル子さん 名状しがたいゲームのようなもの」でもやっているんですが、そちらはどちらかというとフォトフレームみたいな感じになっています。今回のメモオフの場合はキャラクターと一緒に撮ろうというコンセプトで、インカメラとの切り替えもできるようになっています。

――これだけでもかなり遊べる内容になっていますね。

柴田氏:画像的にネタバレが多いので、クリアしないと遊びにくいかもしれないですね。フォトモードの画像に関しては進行度に応じたフラグ管理をしていないので、全ルートクリアしてないとすごいネタバレになる画像もあるので、そこは注意してください(笑)。

――PS Vita版に新機能が追加されている一方で、PS3版ではCDを同梱した限定版が発売されますが、それは差別化したということなのでしょうか?

PS3「メモリーズオフ ゆびきりの記憶」<br />限定版パッケージ
PS3「メモリーズオフ ゆびきりの記憶」
限定版パッケージ

柴田氏:どちらかというと、最初に企画を通していたのがPS3版だったということがあって、PS Vita版はオプションみたいな感じで考えていたんです。その後にPS Vitaの値下げがくるとは想像していなくて……。その時にはすでに商品仕様を固めてしまっていたので、PS Vitaに関しては、今回は通常版のみの発売となりました。

その代わりと言うわけではないのですが、どちらかのパッケージ版を購入していただいた方には、もう一方のダウンロード版が少しお買い得な価格で購入できるシステムを用意しています。詳しくは発売日に告知する予定なので、そちらもチェックしていただければと思います。

あとPS Vita版はPSPと違ってROMもカードなので、読み込みがすごく早くて非常に快適です。PS3版はインストールはないのですが、それでも結構なスピードで動いてくれているので、快適さ的には同じぐらいですね。

――先ほども少しお話しましたが、「6 Complete」のように本編とファンディスクをひとつのパッケージとして発売するというのはシリーズを通してあまりなかったように思うのですが、分けて発売するということは考えていなかったのでしょうか。

柴田氏:最初は確かに考えもしたのですが、iPhone版を比較的安く提供していることですとか、Xbox 360の廉価版が出ているということがありまして、「6Tw」の本編だけを移植してPS3で発売するとなると、価格を抑えざるを得ない状況でした。

そうなるとコスト的な部分も厳しいということで、「6NR」も全部ひとつにまとめることで6,800円(※税抜価格)という価格に抑えれば、廉価版を2本買うのとほぼ同じ感覚になりますので、これで発売できると判断しました。実際は分量も多いので、わりと辛いんですが(笑)。

今までは単純にこういった機会がなかったと言ったほうが早いかもしれませんね。「AfterRain」はPSPに移植する時に3本セットにしようという考えがあったのでいいのですが、例えば「メモリーズオフ#5 とぎれたフィルム」と「メモリーズオフ#5 encore」はワンセットで出すタイミングがありませんでした。

今回は後発の移植ということもあったので、既存のタイトル2つを入れて、今までやっていなかった方に「セットでいかがですか?」というアプローチですね。今までプレイしてきた方に関してもハードウェア的な部分があると思いますので、以前PS2で遊ばれた方については、ぜひHDのメモオフをやってもらえればというところでPS3版を用意させていただいた感じです。

「メモリーズオフ6 Next Relation」

――限定版の内容は「ゆびきりの記憶」と「6 Complete」で少し内容が変わってきますが、まず「6 Complete」でついてくる「6Tw」と「6NR」のサウンドトラックCDについてお聞かせください。

柴田氏:「6Tw」はPS2版、「6NR」はPS2、Xbox 360版の発売の時に限定版にサウンドトラックがついていたのですが、当時はボーカル曲がゲームサイズだったり、当時限定版を買えなかった人はもうすでに買えなくなっていました。

今回はせっかくの機会なので全部まとめたサウンドトラックにして、ボーカル曲のほうも最新のものを除いた、全てをフルコーラスで入れられましたので、今まで買い逃していた方に対するアフターケアという面もあります。それと今ではなかなかサウンドトラックを単品で売ることが難しくなってきているので、特典ではあるものの、普通のCDと同じような装丁にしています。

――「ゆびきりの記憶」の限定版では、サウンドトラックCDのほかに新作のドラマCDがつくということですが、どういった内容になっているのでしょうか?

柴田氏:方向性的には一昨年にコミケで出させていただいた「ささやきCD」のような内容で、ヒロインと2人きりのシチュエーションを楽しんでもらうCDになっています。前回はちなつ、霞、織姫先生だけだったのですが、今回はヒロイン全員が登場します。あとから「何で亨はないんですか?」と言われましたが、本当に欲しいのかと(笑)。

「6Tw」以降で主人公たちの友人として登場する佐賀亨(写真下)。

――それは言われそうですね(笑)。

柴田氏:わりとボリュームもありまして、なんだかんだで60分くらいになっています。最初は1キャラ10分ずつぐらいのもっと少なめなイメージで作っていたのですが、わりと豪勢な感じになっていると思います。

――両タイトル共にボリューム感のある特典になっていますね。

柴田氏:発表した頃は一部で、Xbox 360についていたサウンドトラックCDの復刻版みたいな表現になってしまっていたのですが、正確には復刻版というよりは、リニューアル版に「ふたりの風流庵 ぷらす」の楽曲も追加した、まさに「Complete Audio Collection」になっていると思います。

――今回も「メモオフラジオ」(インターネットラジオステーション<音泉>にて隔週月曜更新の「ちなつとまひろのメモオフラジオ!~ふたりで風流庵~」)をやられていますが、その経緯についてもお聞かせください。

柴田氏:一番最初のメモオフラジオの時は、「6NR」の頃から始まりそのまま「ゆびきりの記憶」までやらせていただきました。その後PSP版の「ゆびきりの記憶」の時に数回やらせていただいたので、それに近いかたちで今回は“帰ってきたメモオフラジオ”的な感じでやっています。

移植ではありますが、しばらく新作も出していませんし、ファンの皆様もやきもきしている中で「移植だけどこれだけいろいろやってますよ」ということと、次回作も一応考えているので、そこへの繋ぎ的な意味を含めてのラジオ展開をしようと。

――今回は、前回に引き続いての井ノ上奈々さん(仙堂麻尋役)に加え、新たに鹿野優以さん(天川ちなつ役)が出演されていますよね。

柴田氏:前回井ノ上さんと一緒に出ていた弊社の恩田(“4丁目の恩田”こと恩田博之氏)が今は社内の別の仕事をしていることもあり、今回は「ゆびきりの記憶」ということで鹿野さんと、前回に続いて井ノ上さんにお願いしました。

井ノ上さんはこの2作品だとあまり関係がないのですが、前回メモオフラジオをやっていただいていたので、その流れをそのまま引き継ぎつつ、「ゆびきりの記憶」にもつながるコンビでやっていただいています。

番組のカラーが180度変わるというのもおかしな話になってしまうので、井ノ上さん続投で鹿野さんに入っていただいて、よりキャッキャウフフなメモオフラジオになっているのではないかなと思います。

次回作は“修羅場”か“ほわほわ”で振り切る!?

――昨年ごろから御社のPS3、PS Vitaタイトルがすごく増えている印象があるのですが、その背景についてお聞かせいただいてもよろしいでしょうか。

柴田氏:PS Vitaに関しては単純に機種移行ですね。去年まではPSPでしっかりとやっていますが徐々に少なくなってきていたこと。そして作っている側がハードウェア性能の部分で辛くなってきていたことが背景としてありました。

PS Vitaの数はそれなりに出てきていましたし、本体が値下げしてから作り始めても遅いということもありまして、携帯機に関してはPS Vitaに切り替えようという意図で進めています。

PS3についてはもう単純にハードウェアが円熟期に入っているのでユーザーさんもすごく多くなってきていました。Xbox 360に関しては濃いユーザーさんはいらっしゃるのですが、PCからの移植ということになると、PSハードを期待されるユーザーが多かったので。

――PCからPS3への移植となると、解像度の問題などが気になるところだと思うのですが、いかがでしたか?

柴田氏:その部分はやはりあって、PSPに移植する上では何の問題もないのですが、HD機に移植するとなると、解像度が足りないというケースもあります。

元のサイズをすごく大きく作っているメーカーさんの場合は何の問題もなくコンバートできるのですが、原寸の素材しかないものもまれにありますので……。メモオフでも過去の素材を流用する必要が出た場合に突き当たる問題ですね。

――移植含め、御社ではアドベンチャーゲームをたくさん出されていますが、PS Vitaでアドベンチャーゲーム、特に恋愛アドベンチャーゲームを展開する上での魅力はどのあたりにあると思いますか?

柴田氏:単純に解像度がPSPの縦横2倍というのは大きいですね。それとやっぱり色もくっきりと出るので、解像度としてはPS3より一回り小さいものの、画面が締まって見えることを考えるとPS3とも遜色ないと思います。そういう点で文字も読みやすくなっているので、非常にアドベンチャーゲームに向いたハードに仕上がっていると思います。

PS Vitaに関しては早い段階からプログラマーが開発機材を触っていましたので、PS Vita版をやろうという話になった時に比較的早く動きが始まりました。「STEINS;GATE」のPS Vita版でいろいろなことをやっているので、問題点はそこで出尽くしているのではないかなと思います。

あとはどこまでタッチに対応させるかという点は難しいですね。やろうと思えばすべてタッチで出来るのですが、僕らはどうしても「ボタンがあるじゃないか」と思ってしまうんですよね。タッチでしかできないことを入れるとPS3では表現できなくなりますし。そのほかですと、通信機能とかもわりと使いやすく作られているので、ギャルゲーに限らず、いろいろなことがしやすいハードだなと思います。

市場的に新機種へ入れ替わるのにはわりと時間がかかるのですが、その後必ず伸びてくるハードだと思っていましたし、ようやく普及期が来たかなという感じなので、基礎研究をやっておけたのはよかったと思います。

――先ほどチラッとお話にあった次回作など、シリーズとしての今後の展開についてお聞かせください。

柴田氏:新作に関しては結構前からああでもないこうでもないという感じでやってはいるのですが、そろそろ本格的に企画を動かし始めたいと思っています。

ハード的にはPS Vitaは安定期に入ってくるかと思いますが、PS3なのか、それとも次世代機なのかというところは悩ましいところではあります。年内に出るということはないと思うのですが、2014年にはお目にかけたいなと思っています。

メモオフシリーズはもうすでに10数年の歴史がありますので、どのタイトルから触れたかによって、ファンの皆様の中でもいろいろなメモオフ像があると思います。製作側としてもタイトルごとにテイストが違うので、「これが“メモリーズオフ“だ!」というのをなかなか打ち出しにくくなって来ていました。その中から「“メモリーズオフ”とは何なのか」というところを一度見直しつつ、新しいメモオフの方向性を探っているところです。

シリーズ全ての作品に登場する稲穂信<br />(画像は「ゆびきりの記憶」)
シリーズ全ての作品に登場する稲穂信
(画像は「ゆびきりの記憶」)

ただ、「メモリーズオフ」シリーズというところもあるので、舞台はあの付近でいきたいと考えていますし、稲穂信がどういう風に出てくるかもポイントだと思っています。やはり「メモリーズオフ」に信がいないと、スパイスのないカレーみたいな感じになってしまいますし。あとは次回作の信がいくつなのかというところも気になるところですよね。

「6Tw」や「ゆびきりの記憶」の頃ですとゲーム中の時間としては初代から数年しか経っていませんが、実際の時間は10年以上経っていて、例えば「ゆびきりの記憶」の世界では本当はスマートフォンは出てきていないはずなのですが、キャラクターがスマートフォンを使ってることにしたり、PCをその時代のレベルにしたり、Twitterが普及しているような表現を入れたりしています。

「メモリーズオフ 2nd(以下、2nd)」の時がちょうど日韓ワールドカップぐらいの時期で、世界観的にも同じくらいだったので外の世界とゲームの世界がいい具合にコラボ、リンクしていたのですが、徐々にそれが離れていってしまったので、それを気にせずもっとリンクさせようという話はしています。年表を作ったこともあって、考えが凝り固まっている部分もあるのでそれを解きほぐしつつ、企画を練っているところですね。

――シリーズファンとしては予定していると聞けるだけで嬉しいです。

柴田氏:先ほども言ったように「メモリーズオフ」の定義自体があやふやなものになってしまっているので、これをもって「メモリーズオフ」といえるものを再定義しつつ、新たな「メモリーズオフ」を出していきたいなと思っています。

――来年発売されるとして、「ゆびきりの記憶」から4年ぶりの新作ということになりますね。

柴田氏:そうですね。なのである意味、僕の中では「『メモリーズオフ8』とは言わず、『メモリーズオフ』でいいじゃん」という気分でもあります。

――シリーズとしてまた仕切り直すということでしょうか?

柴田氏:仕切り直すというか、新しい基準点にできればいいなとは思っています。新しいユーザーさんが「ゆびきりの記憶」をやられた後に、次はどこからプレイしていいのかわからないというお話がどうしてもありまして。作っている側としては最新作をやってくださいという話にはなるのですが、ファンの皆様としては「1st」からやったほうがいいという意見もあると思います。

それはとてもありがたいのですが、これまでに7作品あるので「1st」からプレイして「ゆびきりの記憶」まで来るのに何ヶ月かかるんだろうという感じで、私がその立場になったら途中で諦めちゃうかもしれない。なので、「メモリーズオフ」に関しては今出ている最新作を気に入っていただければ、その後どこをやっていただいてもいろんなテイストがあるので大丈夫だと。今回出る「6 Complete」と「ゆびきりの記憶」も、テイストが真逆に近いくらい違いますので。

――どちらから遊ぶかによって印象もガラッと変わるでしょうね。

柴田氏:「修羅場がなければメモオフじゃない!」と言われるのですが、修羅場とはっきりと言えるようなシーンが出てくるタイトルを冷静に考えると実はあまりなぁと。「2nd」の「健ちゃんは黙ってて!」というのが一番インパクトがあったとは思うのですが、「ゆびきりの記憶」みたいにもっと命に関わるような修羅場もあったりするので、人によって修羅場の定義も違ってくるのではないかと。

次回のメモオフが修羅場なものになるのか、それともほんわかふんわりなものになるのかはまだ固まっていないのですが、もし修羅場になるのだとしたら、もうとことんまで修羅場にしたいです!

――(笑)。どちらに転ぶにしても、振り幅を大きくしたいということですか?

柴田氏:どちらにするにしても思い切り振りたいところですね。もちろん修羅場なものになったとしても、胃がずっとキリキリしているようなシナリオにはならず、ほんわかしたり萌える場面がありつつもどれだけよい修羅場を入れるのかが勝負になるのかなと思います。

――その話を聞くだけで、どちらの方向性になっても楽しみになりますね。

柴田氏:あと次回作に向けてというわけではないのですが、「ふたりの風流庵 ぷらす」での信のところで、次のタイトルに使えそうなシチュエーションをちょこちょこと入れているので、そのうちの何が次に採用されていくのかというのを想像しながら、見ていただけると非常に面白いと思います。

「ゆびきりの記憶」に関してはアフターストーリーを作ろうと思えばいくらでも作れると思うのですが、各キャラクターごとにアフターストーリーを作ろうとした瞬間、全員エンディングの時系列も違ったりと、今までのメモオフの中でもアフターストーリーが作りやすそうに見えて作りづらかったので、そこを避けてしまった部分はありますよね。

あと「ふたりの風流庵 ぷらす」は、どちらかと言うと詩名とリサの「なんでこんなシチュエーションがなかったの?」というのを補完するシナリオというイメージがあります。実は「ふたりの風流庵」は、後からシナリオを単品で追加できるような作りにしたいな……という考えがあって、それをiPhoneなどで提供できると面白いと思っていたのですが、それも音声がつくことでコスト的に厳しいかなと。行き先を色々選ぶことができるのはその名残なんです。

「ふたりの風流庵 ぷらす」

――最後に読者の方へのメッセージをお願いします。

柴田氏:「ゆびきりの記憶」に関しては2年ぶりの新シナリオということでいろいろと面白いことをやっているので、今まで本編を楽しんでいただいた方にもすごく楽しめるのではないかと思います。

「6 Complete」に関しては、完全にお買い得版として今回作らせていただいています。実は「6Tw」に関しては「1st」を意識して作っていまして、“Complete”というのもドリームキャスト版の「メモリーズオフ Complete」から来ていますので、原点回帰型のメモオフという方向でぜひ遊んでいただければと思います。あとクロエ先輩をPS Vitaで持ち運んでいただければよろしいんじゃないかなと(笑)。

そして新作に関しては鋭意いろいろ企画を進めておりますので、長い目でお待ちいただければと思います。

――ありがとうございました。

メモリーズオフ ゆびきりの記憶

5pb.PS3パッケージ

  • 発売日:2013年6月27日
  • 価格:7,140円(税込)
  • 15歳以上対象
メモリーズオフ ゆびきりの記憶

メモリーズオフ ゆびきりの記憶 限定版

5pb.PS3パッケージ

  • 発売日:2013年6月27日
  • 価格:9,240円(税込)
  • 15歳以上対象
メモリーズオフ ゆびきりの記憶 限定版

メモリーズオフ ゆびきりの記憶

5pb.PS3ダウンロード

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メモリーズオフ ゆびきりの記憶

メモリーズオフ ゆびきりの記憶

5pb.PSVitaパッケージ

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  • 価格:7,140円(税込)
  • 15歳以上対象
メモリーズオフ ゆびきりの記憶

メモリーズオフ ゆびきりの記憶

5pb.PSVitaダウンロード

  • 発売日:2013年6月27日
  • 価格:7,140円(税込)
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メモリーズオフ ゆびきりの記憶

メモリーズオフ6 Complete

5pb.PS3パッケージ

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メモリーズオフ6 Complete

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メモリーズオフ6 Complete

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メモリーズオフ6 Complete

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  • 発売日:2013年6月27日
  • 価格:7,140円(税込)
  • 15歳以上対象
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メモリーズオフ6 Complete
(C)2010-2013 MAGES./5pb./CYBERFRONT
(C)2008-2013 MAGES./5pb./CYBERFRONT

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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