審査員の予想を超える力作ぞろい―「PlayStation Mobile GameJam 2013 Summer」2日目の模様&制作されたゲームの直撮りムービーをお届け

審査員の予想を超える力作ぞろい―「PlayStation Mobile GameJam 2013 Summer」2日目の模様&制作されたゲームの直撮りムービーをお届け

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デジタルハリウッド大学は、7月20日から21日にかけて「PlayStation Mobile GameJam 2013 Summer」を開催した。1日目と同様、会場内や発表会の模様をお伝えするとともに、参加者たちが制作したゲームのムービーをお届けする。

1日目のレポートを掲載しているが、まずは簡単にイベントの概要をおさらいしておこう。「PlayStation Mobile GameJam 2013 Summer」は、事前応募によって選ばれた参加者たちで即席チームを組み、PlayStation Mobile向けのゲームを約30時間かけて開発するというもの。開発のテーマは「Warm App 心あたたまるゲーム」で、物理的にでも心情的にでも、どんな風に温かくなってもいいという、参加者の発想を重視したものになっていた。

チームはプランナーやデザイナー、プログラマーといった役職がなるべくバランスよくなるよう組まれ、各チーム4~5名で編成されていた。イベントは7月20日10時からスタートし、翌日21日の18時までに最終的な作品を発表することが目標。大まかなスケジュールは下記の通り。

「PlayStation Mobile GameJam 2013 Summer」のスケジュール
7月20日(土)

10:00 主催挨拶、イベント案内、チーム編成、テーマ発表
10:10 ゲーム制作スタート
18:00 中間発表I

7月21日(日)

11:00 中間発表II
16:00 ゲーム制作終了 審査開始
17:00 完成発表 表彰式

会場を移して行われた2日目は、深夜までゲームを作り続けていた人も多いようで、企画を練っていた時と比べるとみな口数が少なく、個々で作業に没頭している様子が伺えた。お菓子や栄養ドリンクが置かれ、雑然としてきた机を見ると、まさにゲーム開発現場といった雰囲気を感じてもらえるだろう。

2日目の朝に行われた「中間発表II」では、どのチームも実機、もしくはPCのシミュレーター上で実際にゲームが動いている場面を披露できるほどに開発が進められていた。

各チームが制作したゲームの詳細については、最終発表の内容をもとにお伝えするが、初日の発表段階ではできないと思っていたものが実現可能で、より表現の幅が広まったというチームもいれば、唯一絵を描けるデザイナーが体調不良で2日目を欠席してしまい、苦境に立ちながらも開発を続けているチームもあった。

また、初日に行われた中間発表の内容を見て、用意していなかったプレゼン資料を作ったり、猫をテーマにした企画が被ってコンセプトを少し変えてみたりと、ほかのチームの様子を見てより良い方向へ進もうとしていることが感じられた。

この中間発表IIでは、参加者のサポートやイベントの進行を務めていた、デジタルハリウッド大学大学院で講師を務める香田 夏雄氏の作品がサプライズで発表された。内容は、炎が揺らめいているところに人形のようなものが落ちていったり、そこから浮かび上がったりするだけのシンプルなもの。

ただ、人形の動きには物理演算を使っていたり、炎はオリジナルのポイントスプライトシェーダで表現していたりと、技術的にはかなりこだわって作られている。イベントの業務をこなしつつ、ひっそりとこれだけのものを作っていたことに驚かされた人も多かったように思う。

ちなみにSCEチームの発表もあったのだが、謎のマスコットキャラクターや、仕様書の一部が公開されるだけにとどまり、1日目と同様「乞うご期待」で引っ張って終了に。

ここから約4時間、最後にチューニングなどが行われて作品提出となる。完成発表の前には各チームのテーブルを審査員たちが回り、最終的にできたものをチェックしていた。

審査を担当するのは、2日間を通してイベントに関わっていたソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアの多田氏、デジタルハリウッドの香田氏、PLAYISM(プレイズム)というインディーズゲームのダウンロード販売を行っているアクティブゲーミングメディアの伊藤氏、そして特別審査委員である上田文人氏の4人。

(左から)プレゼンを受ける香田氏、伊藤氏、上田氏、多田氏。

審査員を前に緊張している人もいれば、熱くプレゼンをしている人、PS VitaだけでなくAndroidに転送して動いている状態のものを見せている人など、当然ながらチームごとの様子は異なっていた。各チームからゲームの説明を受けつつ、審査員たちが実機を手に取ってプレイしている姿も見受けられた。

完成発表のプレゼンテーション

ここからは、最終発表の内容をお伝えしていこう。各チームが制作したゲームの内容と合わせ、実際に動いているところをムービーで撮影させてもらったので、その動画も掲載する。未完成の部分があったり、不具合が残っていたりするのだが、30時間でこれだけのゲームが作れるのかということを感じ取ってもらえればと思う。

なお、撮影場所は会場の真っただ中で周囲の声が入っているため、動画の音はオフにしている。BGMやボイスにこだわっている作品もあったので、音をオフにするのはもったいないと思うのだが…その点ご了承いただきたい。

あと、操作に集中して画面がずれてしまったり、しっかりとゲームシステムを把握しきれていないままプレイしていたものもあるので、見苦しいプレイがあるのもご容赦いただきたい。

Aチーム

Aチームは、電車内で席を譲り合うことをゲームにした「席譲神(セキユズルノカミ)」を制作。本作はプレイヤーが神様となって、車内で座っている人と立っている人を入れ替え、次の駅にたどり着くまでにどれだけ席を譲れるかを目指すというもの。年配の人に席を譲ったり、異性同士で席を譲ると高評価など、乗客同士には相性が設定されていることが特徴だ。

今後は、プレイヤーが高得点を目指したくなるよう、ランキング機能を実装したいという。ほかにも、遠くにいる人と席を入れ替えようとすると、空いた席の近くにいる人に座られてしまうため、席を譲るタイミングが狙えるようにしたり、ステージごとに特徴を付けていきたいなど、自分たちで課題も上げていた。

Bチーム

Bチームの「母猫を訪ねて300メートル」は、100匹の子猫を操作し、障害物を避けながら母猫のもとにたどり着くことを目標とした、縦スクロール型のゲーム。ステージには車やマンホールといったさまざまな障害物があり、どれかに当たると子猫が昇天してしまうため、方向キーによって加速・減速、左右への移動していくこととなる。

100匹の子猫を引き連れるという要素は実装できず操れるのは1匹のみだが、方向キーによって加速・減速、左右への移動といった機能が実装されていた。こちらも未実装機能ではあるが、ボタンを押すことで隊列を変更させ、上手く子猫を導けるようにする内容も考えられていた。

Cチーム

Bチームと同じく猫をテーマにしたCチームは、「I am back!」という2D横スクロールアクションゲームを制作。さまざまな障害物を回避しながら進んでいくというものを目指していた。最終的に完成までは漕ぎ着けられなかったが、猫がジャンプしたり、なぜか猫が子猫を発射するというギミックなどが実装されていた。

このチームは深夜テンションで仕様を大きく変え、多くのエラーと戦うことになったというが、チーム内での意見は上手くまとめることができたのでは、と感想を述べていた。必要なものを洗い出す前に制作を始めてしまい、事前の計画性がなかったなど、しっかりと反省点を踏まえていた。

Dチーム

最終発表までプレゼン資料を作らずゲーム制作に没頭していたDチームは、プレイヤー同士が力を合わせてゲームを攻略する、マルチプレイのパズルゲーム「ESCAPE PENGUINS!(脱出ペンギン)」を制作。PS Vitaを二人で持ち、一つの画面に表示されているキャラクターを同時に操作し、ステージにある赤いボタンを二人が同時に押せばクリアになるというもの。

ゲーム内には未実装だが、氷のダンジョンに閉じ込められたペンギンを脱出させるという、ストーリーや世界観設定が作られていた。その設定と合うよう、パズルのステージは床が氷となっているので、一度動き出すと何かに当たるまで止まらないという仕様になっていた。相手プレイヤーにぶつかっても動きが止まるので、プレイヤーをギミックとして活用してクリアするステージも用意されていた。

Eチーム

今回のイベントのテーマである「Warm App」をWorm Upと捉え、虫(ワーム)が登っていくというゲームを作ったEチームのタイトルは、ずばり「TRANSWARMER」(トランスウォーマー)。本作はPS Vitaを縦に持ち、アナログスティックでイモムシを操作し、尺取虫のように伸び縮みしながら移動させていく。下から迫ってくる火や、燃えた葉っぱを避けつつ上を目指し、最終的にはキレイな蝶になることが目標となっている。

最初から最後までネタ的な姿勢を貫いたEチームだが、最初の発表段階からイモムシの動きが作られており、しっかりとゲーム内でも表現されていた。まだ火の当たり判定が上手くいっていなかったり、障害物の葉っぱの画像が表示されない状態ではあるものの、イモムシの操作感にかなりこだわって制作してきたことが感じられた。

Fチーム

Fチームの「Grow」は、荒れた大地に飛んできた種をフリック操作で誘導し、種が落ちるべきポイントまで運んでいくゲーム。種をうまく運ぶと大地が少しずつ豊かになっていき、自然の変化に合わせて次のステージでは葉っぱが舞っていたりと、世界観の設定に合わせたギミックが増えていくのが特徴。

フリック操作で風を起こして種を運ぶという設定なのだが、画面のどこをフリックしても風を起こせるため、非常に気持ちいい操作感が実現されていた。チーム内のサウンドディレクターがBGMを制作しており、ステージによって全て曲を変えているというのも印象的だった。

Gチーム

Gチームは、江戸時代の長屋をコンセプトに、隣人同士の助け合いを表現した「長屋 ~わびさび~」を制作。デザイナーが2日目に体調を崩してしまうという状況だったというが、メールでデータのやり取りをしたりと、逆境に立たされながらも最後まで諦めずに開発を進めていた。

残念ながら完成にはいたらなかったが、ゲームの根幹部分は作られていた。長屋がマス目で表現され、マスに人を配置しておき、スタートのボタンを押すと開始地点から順に配置した人が隣へと一定の数だけ進んでいく。そして隣人に接触すると“連鎖”となって次の人が進んでいき、最後までつなげられるとクリアという感じ。配置できる人の種類によって進むマス数が異なるので、どこに配置すればいいかを考えるパズル的要素が強い内容だ。

Hチーム

Hチームが作った「My Darling」は、今回のイベントでは唯一の育成ゲーム。現実の動作に近いプレイ感覚、例えば体に触るのはタップ、なでるのはスワイプといったように、クマとインタラクティブに遊ぶことができ、プレイによって心温まるものを目指して開発された。

チームメンバーの子供の声を録音してゲーム内に実装していたり、キャラクターも背景も3Dで作られているため、視点操作が可能といった点が印象的だった。ゲームを続けていくとキャラクターが成長して動作や言葉を覚えたり、成長して条件を満たすとレベルアップしてコインが手に入り、コインを使って部屋のアイテムや洋服を買えるなど、長く遊ぶためのモチベーションもすでに考案されていた。

SCEチーム

最後まで引っ張り続けていたSCEチームが作った「THE 指摘」。これは、これから社長と共に他社のお偉いさんと会食だが、社長の姿に違和感があり、心を鬼にしておかしなポイントを指摘するというもの。

鼻から毛が出ていたり、ズボンのチャックが空いているといった指摘ポイントが用意されており、指摘した後のプレイヤーのセリフもユニークだったのだが、居たたまれなかったのか「はい、滑りましたね」と、SCEの浅野氏は早々に発表を切り上げていた。

ちなみに、中間発表IIで披露された謎のキャラクターは出てこなかった。会食を成功させるために指摘されて消えてしまったのかもしれない。

表彰式

全チームの発表が終わり、いよいよ表彰式に。評価ポイントは「Warm App 心温まるゲーム」のテーマに合っているか、ゲームとしてのオリジナリティがあるか、そして完成度の三点が審査された。

3位に選ばれたのは、テーマと完成度で評価されたAチームの「席譲神」。続いて2位に選ばれたのは、Fチームの「Grow」だ。Fチームの作品はテーマ性とオリジナリティが評価され、世界観や完成されたBGMは審査員の中でも満場一致で高い評価だったという。

そして見事1位に選ばれたのは、Dチームの「脱出ペンギン」。ストーリーやステージ選択など実装されていない部分はあったものの、ゲーム本編のロジックが完成されており、全9つ用意されたステージもレベルデザインや遊びとして非常によくできていたことが選出の理由となっていた。

この後は表彰式が執り行われ、各審査員がイベントを振り返って総評した。中でも特別審査員の上田氏は「30時間のイベントという内容を聞いていたので、ほとんどゲームができていないのではないかと思っていましたが、程度の差はあっても想像よりできていたので驚きました。30時間でゲームをゲームを作るということは、今後モノを作っていくうえですごく役立つと思います」とコメント。最後にSCEの社内でもやってほしいと笑いながら話していた。

優勝チームには秀和システムの「PlayStation Mobile SDK プログラミング入門」書籍とPS Vita本体が人数分贈られた。
1位に輝いたDチームのメンバー。
最後は審査員や参加者総出で記念撮影。
30時間のイベントを終え、疲労困憊ながら最後は「オーッ!」の掛け声で締めくくりに。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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