【Road to 閃の軌跡】PS3/PS Vita「英雄伝説 閃の軌跡」プレイレポートをお届け！グラフィックやゲームシステムの進化だけではない“軌跡シリーズ”の新たな系譜

いよいよ発売を間近に控えた軌跡シリーズ最新作「英雄伝説 閃の軌跡」。前回はまとめ情報として、これまでに公開されてきた舞台やキャラクター、ゲームシステムをおさらいしてきましたが、今回は発売前に筆者が序盤をプレイしてみて感じた、本作ならではのポイントをお届けします。

学院生活と特別実習、二軸で楽しめる序盤

基本的なチュートリアルを兼ねた冒頭のプロローグ部分が終わると、主人公・リィンがトールズ士官学院へ入学するところから物語が始まる本作。特科クラス《VII組》のメンバーとの出会いが描かれる序章を経て、章仕立てのストーリーが展開していきます。

ゲーム序盤では、一章につき、リィンたちが学院生活を送る中で迎える自由行動日と、《VII組》独自のカリキュラムである特別実習によってゲームが進行。ここでは、それぞれの行動のサイクルと、その楽しさについて触れておきましょう。

まず自由行動日ですが、こちらは学院生活という、これまでの軌跡シリーズにはなかった新たな楽しさを提供する要素となっています。彼らは学生なので、当然のことながら部活動や委員会に属していて、放課後や自由行動日には各々の行動をとります。

そんな中、リィンはサラの陰謀（？）とトワのお願いによって、生徒会の仕事を手伝うことに。その仕事がさまざまな依頼に応えるというもので、これまでのシリーズで言うところのクエストに当たります。

もちろん、自由行動日の時間中はただ依頼をこなすだけではなく、各章の行動時に付与される絆行動ポイントを使い、仲間たちとの仲を深める絆イベントを発生させることができます。

絆イベントはそのキャラクターと仲を深める様子がダイレクトに感じられるのはもちろんですが、そこで絆を深めておくことで後述の戦術リンクにも繋がってくるので、単純にお気に入りのキャラでもいいですし、まんべんなく選ぶのもいいかもしれません。

ただ、絆を深める場面は他にも存在するので、あまり深く考えなくても十分に楽しめます。かくいう筆者も女の子ばかり…ゴホゴホ。

クエストはこれまでと同様、必須のものとフリーのものが用意されています。それらをクリアし、自由行動日を締めるのは旧校舎の探索。謎だらけの空間を仲間とともに踏破していく、ストーリーとどう関わっていくかも気になる別軸の楽しみがあります。

一方の特別実習では、リィンたちが2班に分かれて各地で用意された依頼をクリアしていく、という内容になっています。その中で事件に巻き込まれていくのは、ある意味で軌跡シリーズを通した鉄板の展開と言えるでしょう。

ここでひとつ印象的だったのが、各地の移動に鉄道を使っている点。もともとオズボーンによって鉄道網が張り巡らされたというのは情報としてはありましたが、もともとゼムリア大陸内の大きな割合を占める大国ということもあるため、街同士の基本的な移動は鉄道で、街道を通っての移動はあまり多くはないようです。

街の外にも施設などはあるため、依頼を達成していくためには街とつながる街道を通る必要があり、そこにはこれまで通り、多くの魔獣が出てきます。依頼の中には大型魔獣が登場するものももちろんあるため、万全の準備で臨みましょう。

釣りをはじめとした遊びの部分は健在

今作でも、これまでと同様に釣りが登場します。今回は指定されたボタンを連打し、時間内に「Get!」のところまでルアーを持っていくと釣ることができます。

また、釣るときに餌は必要なくなったものの、同じ釣り場で釣れる回数には上限が設定されています。その釣り場でもっと釣りたいと感じた時にはゲーム進行の中で手に入る撒き餌を使って、魚を釣り場に集めてみましょう。

魚を釣ると、その種類や大きさによって「釣果ポイント」が手に入りますが、この釣果ポイントは、さまざまなアイテムと交換することができます。いろんな種類の魚を釣ることで「釣師ランク」が上昇し、交換できるアイテムのラインナップも豪華になっていくので、釣り場を見つけた際にはぜひ活用しましょう。

さらに、本作では特別実習に赴く際など、列車内で「ブレード」というカードゲームで対戦することができます。互いに手に持ったカードを出し合って、数字の合計が大きいほうが勝ちというシンプルなルールですが、相手が直前に出したカードを無効にする「ボルト」、相手のカードと入れ替える「ミラー」などのカードにより、終盤まで気の抜けないゲームを楽しむことができます。

戦術リンクが生み出す戦闘のテンポ感

本作でも、画面左側に表示されるAT（Action Time）バーの行動順に従って味方と敵が行動する戦略型コマンドバトル「ATバトル」を採用していますが、これまでよりもフィールドの移動範囲が狭まっていて、より状況が把握しやすくなっています。

そして戦闘時に大きな効果を発揮するのが、今作で新たに追加された戦術リンクです。今作では、キャラクターごとに【斬】【突】【射】【剛】という4タイプの攻撃属性が存在、敵の弱点となる属性を攻撃することで、相手が体勢を崩す「体勢崩し」の発生確率がアップします。

例えば、【斬】属性が弱点の相手であれば、【斬】属性が強いリィンとほかのキャラクターを組み合わせることで体勢を崩し、リンクアタックを発生させやすくします。

リンクアタックにはいくつかの攻撃パターンがあるものの、序盤では追撃しか選択できません。ただし、これだけでも2回攻撃できるということなので、より相手に効率的に攻撃を加えることができます。

また、魔法攻撃が効きやすい相手に対して、魔導杖を武器にするエリオット、エマとリンクすることで、自身だけだと少ないダメージを強力にするなど、戦術リンクを活用することで戦略の幅は大きく広がります。

加えて、先ほど触れたキャラクター同士の絆である「リンクレベル」を上げることにより、「リンクアビリティ」と呼ばれるキャラクターごとに異なる能力が発動するようになります。こちらも戦闘では役立つ能力となってきますので、普段からキャラクター同士の絆を深めておくといいと思います。

そのほか、アーツについては仕組みは変わっても遊びの基本はそのままですし、クラフトに関しても各キャラクターごとにクセのある能力が用意されていたり、細かいところですとアーツ、クラフトの発動を解除する固有クラフトがほぼ全てのキャラクターに用意されているのは嬉しいところです。

ここで紹介したのは、ゲームの魅力のほんの一部ですが、これまでのファンの方に言っておきたいのは、グラフィックやゲームシステムがどれだけ変わっても、軌跡シリーズの魅力は損なわれていないということです。その点については、ぜひ実際にゲームを触って体感してもらえればと思います。