バンダイナムコゲームスは、今後発売を予定しているPS3用ソフト「テイルズ オブ ゼスティリア」の世界観や登場キャラクター、新たなスクリーンショットなどを公開した。
本作は、「テイルズ オブ」シリーズ20周年を記念して開発されている最新のマザーシップタイトル。「ゼスティリア」の語源となる「zest(情熱、熱意)」をテーマに、魅力的なキャラクターたちが織り成す、壮大なストーリーが描かれる。
今作でキャラクターデザインを担当するのは、いのまたむつみ氏、藤島康介氏、奥村大悟氏、岩本稔氏の4名という豪華布陣だ。また、アニメーションは「テイルズ オブ エクシリア」「エクシリア2」でもお馴染みのufotableが担当している。
ゲームシステムはまだまだ明らかになっていない部分が多いものの、冒険心を刺激する広大で起伏のあるフィールドや、シリーズでお馴染みの「LMBS(リニアモーションバトルシステム)」を進化させた戦闘システムなど、気になるポイントもいくつか挙げられている。
12月12日に行われた発表会では、世界観や主人公キャラクターの情報も公開されたが、それらの内容を改めて紹介していこう。
世界背景
ハイランド王国とローランス帝国という二つの強国が支配権を争う大陸「グリンウッド」。幾度となく戦乱を巻き起こしながら、一方で狩りや農業、商業、芸術など、さまざまな営みを逞しく脈々と受け継いでいく人間たち。そうした彼らの生活には、それぞれが抱く信仰が大きな影響を与えていた。
――昔ながらの伝承を受け継ぐことを至高とするもの
神の言葉をまとめたとされる聖典を奉るもの
民族としての誇りこそが信仰の源たるもの――
異なる信仰が多様な文化を生み、文明は発展と拡大を得た。ところが、不思議な共通項が一つ。グリンウッド大陸のいずれの信仰にも「天族」と呼ばれる神秘の存在が語られるのである。
天族は目に見えず、触れられもしないが、超常の力を用いて世界のあらゆるものに影響を及ぼしていると語られた。人々はそんな天族を、敬い、畏れ、忌避し、崇拝していたのである。
誰も目にしたことのない天族。その不可視のはずの存在があらゆる信仰の中でかくも語られるのは、人の世にごく希に現れる、天族と交信することができると訴える者たちの影響であった。
彼らは天族と契約し、その「穢れのない心身」を天族の住処である「器」として捧げることで、天族の力を借り受け操ることができた。人並外れた力を発現して見せるその姿は、他の民衆にとって神のようにも悪魔のようにも映った。
人はいつしか、天族と交信する者たちを畏敬の念を持って「導師(どうし)」と呼ぶようになる。そして導師を「神の力を与えられた救世主」として天族と同様に信仰の対象とし、世が窮すると、導師の出現、導師による救済を祈り求めるようになっていった。
舞台となる大陸と二大勢力
グリンウッド大陸
グリンウッドは、気候変化に富み、多彩で豊かな自然を持つ広大な大陸である。一部には大湿原や火山といった過酷な環境も存在している。
現在の文明は千年以上の歴史を数えるが、各地にさらに過去の文明が残した遺跡が点在している。その中には、現代では解明できない不思議な力によって築かれたものもあり、歴史や技術の伝承は断片的なものが多い。
ハイランド王国
国土の大部分が山地や高原で、豊かな緑と水に囲まれた美しい国である。昔ながらの信仰や様式を重んじる文化を持っていたが、現在は人々の生活や信仰が多様化し、かつての伝統は薄れつつある。政治の実権も王族と貴族の手を離れ、王の名の下に新たに整備された官僚組織が握っている。アリーシャが属する国。
ローランス帝国
グリンウッド大陸で最も広大な土地を治める大帝国。国土の大部分は肥沃な平野で、それが巨大な軍事力を支える基盤となっている。首都は大陸一の規模と文化を誇る大都市だが、辺境部は開発が遅れており、中央と辺境の格差はかなり大きい。
以前は皇帝が絶対的な権力を持っていたが、現在は古い伝統を誇るローランス教会が発言力を増し、精神面のみならず政治面においても大きな影響力を発揮している。
プロローグ
長い時が流れたのち。人々が立ち入らぬ森の奥深くに、伝承に語られる「人と天族が暮らす理想郷」を彷彿とさせる村、「天族の杜(もり)」があった。グリンウッド大陸に「穢れ(けがれ)」が広がるようになって久しいこの時代に、天族の杜はいまだ穢れの影響を受けずにいた。
この地で拾われた子・スレイは、幸いにも周囲の慈しみに恵まれ、またある理由から外界と隔絶した生活を送ってきたことにより、穢れのない純粋な心を持つ青年として成長していた。
スレイが村の外に出ることを禁じられていたのは、外界に存在する穢れによって生まれた魔物「憑魔(ひょうま)」の餌食とならないようにするため。高い霊応力(れいのうりょく)を持っていたスレイは憑魔に狙われやすい。村の住人は憑魔の恐ろしさをスレイによく語り聞かせていたため、スレイもその禁を破ろうとはしなかったのである。
天族の杜は外界と遠く隔てられた、いわば聖域である。そんな限られた土地でスレイができる遊びといえば、偶然手に入れた書物「天遺見聞録(てんいけんぶんろく)」を読むことと、村の近くにある古代遺跡の探検ぐらい。
スレイは遺跡をたびたび訪れ、やがて古代の出来事に興味を抱くようになっていった。天遺見聞録にある「太古の時代、人は天族を知覚し共に暮らしていた」という伝承も決して夢想話ではなく真実ではないかと考えるようになり、遺跡で何かを見つける度に古代の世界に想いを馳せる日々がスレイの日常となった。
そんなスレイが飽きもせず遺跡を探検していたある日、彼は遺跡の崩落に巻き込まれ、地下へと落下してしまう。遺跡地下から抜け出すため歩き回るスレイは、気を失って倒れている一人の少女を発見。少女は自分と同様に崩落に巻き込まれたようで、スレイはすぐさま手を差し伸べた。
少女は大きな怪我もなく無事意識を取り戻したものの、手荷物を全て失い、帰り方も分からなくなってしまった様子。スレイは一旦自分の村へ来ないかと誘いをかけ、少女を連れて遺跡を脱出した。
なんとか天族の杜へと帰還したスレイ。はじめは警戒の様子を見せていた少女も、スレイの心遣いに触れて次第に緊張を解き、自分があの遺跡を訪れた理由、十数年前から世界各地で人智の及ばない災厄が起きている外の世界の実情、そしてアリーシャという己の名をスレイに告げるのだった。
登場キャラクター
スレイ
「オレ、世界中の遺跡を探検したいんだ。
古代の歴史には、人と天族が幸せに暮らす
知識が眠ってるって信じてるから」
性別:男性
身長:175cm
武器:片手用の儀礼剣
CV:木村 良平
キャラクターデザイン:藤島康介
子どもの頃に偶然手にした「天遺見聞録」と呼ばれる古代遺跡の記録本をきっかけに、古代遺跡に興味を持つようになる。以来、古の物事に想いを馳せ続け、今は古代のロマンを探求することが大きな夢となっている。
心優しく、いつも自然体で、感情を素直に表現する。甘すぎる一面もあるが、その純粋で前向きな性格が周囲を惹きつける魅力となっている。
アリーシャ
「『騎士は守るもののために強くあれ。民のために優しくあれ』。私は見てみたいんだ。穢れのない故郷を! 」
性別:女性
身長:161cm
武器:長槍
CV:茅野 愛衣
キャラクターデザイン:奥村大悟
ハイランド王国の王位継承権の末席に位置する王女。元々は明るく女性らしい性格だが、自らを姫ではなく国に尽くす一介の騎士として捉えており、堅苦しい男性言葉を話す。母親の身分が低いため王族としての扱いも悪く、王国の権力を握る大臣たちからも煙たがられている。
生来の優しさから、災厄や戦乱が溢れる世界をなんとかしようと奔走するが、そのことが益々アリーシャの王国内での立場を難しくすることになっている。世界で発生する災厄に対処するため、その手がかりを求める旅の最中、事故にあったところをスレイに助けられる。