バンダイナムコゲームスより2013年12月19日に発売されたPS Vita用ソフト「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ The Battle Pentagram」。そのプロデューサーを務めた富澤祐介氏へのインタビューをお届けする。

本作は、昨年10月26日に公開された「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語」(Blu-ray/DVDは4月2日に発売予定)が興行収入20億を突破するなど、多くのアニメファンを唸らせた「魔法少女まどか☆マギカ(以下、まどか☆マギカ)」を題材とした、本格3Dアクションゲーム。

「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 始まりの物語/永遠の物語」で語られたストーリーをベースに、両作品のOPや変身シーン、背景美術などを収録しつつも、「5人が協力してワルプルギスの夜を倒す」というアニメでは描かれることのなかったストーリーが展開、「ガンダム バトル」シリーズ、「マクロス30 銀河を繋ぐ歌声」などで知られるスタジオアートディンクが開発を手がけていることからも注目を集めた。

発売後も大きな反響を得ている中、本作のプロデューサーを務める富澤祐介氏に、開発の経緯や発売を迎えての感想を聞いた。

発売後のプレイを通して広がった反響

――本作の制作の経緯についてお聞かせ下さい。

富澤祐介氏
富澤祐介氏

富澤氏:実際の企画が始まったのは2年ほど前になります。TV版をベースにPSPで「魔法少女まどか☆マギカ ポータブル」というタイトルをリリースしたのですが、、ほぼその制作が終わる頃に、次もなにか出来たら、と思い、今回開発を担当していただいたスタジオアートディンクさんと相談をはじめていました。

前作はダンジョンRPGとなっていたのですが、発売後のユーザーさんからのアンケートなどで3Dのアクションゲームもやりたいという要望が高かったことと、3部作というかたちで劇場版のプロジェクトが企画されているという話を伺いまして、そのタイミングにアクションゲームとして企画をしてみようじゃないかということでスタートしました。そこから紆余曲折ありつつ、劇場版のスケジュールに合わせて開発も進めていったということになります。

――発表はTGSの直前でしたが、そちらのタイミングを意図してのものだったのでしょうか?

富澤氏:劇場版の公開時期が最終調整に入っており、我々としてもそこに上手く合わせようと考えた時に、あまり前々から発売時期を確定させるのが難しい面がありましたので、そういった意味で発表のタイミングはギリギリになりました。

――その時点で開発のほうは順調に進んでいたのでしょうか?

富澤氏:時間がかかったという意味で順調と言っていいのかはわからないのですが、開発チームとのやり取りというのは充実したかたちで制作は出来ましたね。12月発売ということもあって発表のタイミングで大方は仕上がっていて、中身に関しては手ごたえを感じながら作っていましたし、劇場版の盛り上がりのタイミングに合わせて垂直立ち上げ的に発表した流れとなります。

――劇場版新編の公開を間近に控えた時期の発表となりましたが、当時はユーザーからどのような反響がありましたか?

富澤氏:正直発表直後は新編公開直前のタイミングということもあったので、多くのファンの方はゲームよりもまず劇場版の中身が気になるという流れだったと思います。そういった意味では、発表直後よりも劇場公開後の方が徐々に注目は高まっていったのではないかと思います。

劇場版3部作の前編、後編をベースとしたオリジナルの物語という立ち位置のタイトルですが、「まどか☆マギカ」のファンの方には新編が公開になった上でゲームの立ち位置はどこなのか、というように全体的に世界観を考察される方も多いので、ストーリーが気になるという方は発売前からいらっしゃいました。

ゲームのチュートリアルとして、「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 始まりの物語/永遠の物語」をベースとした物語を
追体験できる。

アクションに関してはそれほどPVでしっかり見せられたわけではないですし、試遊もかなり限られた範囲での出展だったので、ユーザーさんからしてみると、プレイしてみないとわからないといった状況だったのではないかと思います。

劇場版は衝撃的な内容でしたが、このゲームはキャラクター同士が仲良くして、そして最強の敵を倒すというシンプルな構成であえて組んでいるので、そこに対して癒やしを求めるわけでないですが(笑)、対になるような方向性の作品となっているので、発売後にプレイされてからの反響のほうがより強くはありました。

――もともと個性的な魔法少女5人のアクションの差別化、という点で気を使ったところはありますか?

富澤氏:5人それぞれの武器がありますので、まずその個性の再現というのをできる限り目指しました。その上で、あまりにピーキーにしてしまってこのキャラじゃなければクリアできないといった明らかな差は持たせないような設計にしていきました。

このゲームはアクションゲームではあるのですが、多くは普段ゲームは遊ばないけれど「まどか☆マギカ」が好きだからこのゲームを買うというユーザーさんが大半だろうなと思っていましたが、実際に発売後の購入者の方からいただいたアンケートの結果を見てもその通りでした。

そういった方に「好みのキャラクター以外でないとダメです」といったことを提示してしまうのがすごく嫌だなと思っていまして、とにかくいろいろなユーザーさんの思いのままにまずは遊んでもらえるという入口にしないと、実際に遊んでもらった際にアニメファンの方々には届きにくいだろうなという思いが強くありました。なので、個性や成長していく部分についてはキャラらしさを設計していますが、アクションについてはどのキャラも同じコマンドで気持ちよく技を出せるといった部分を共有しています。

――アクションゲームにありがちな、ボタン操作の組み合わせも少なかったので遊びやすかった印象があります。

富澤氏:デフォルトでいうと盾を使うときぐらいで、ある意味行動も絞り込んでいるところはあります。空中で技を出せるといったマニアックなものを入れつつも、最初の触り味として何をしたら何ができるのかわからない、といった部分は排除して直感的に4つのボタンとL・Rボタンでロックオンを含めて、サクサクと敵を倒していける入口作りの配慮はあります。

“魔女を華麗に倒したい”というキャラクターゲームとしてのひとつの正解

――アニメに出てきた魔女たちや、作中でやられ役だった使い魔たちを敵として形作るにあたって、意識した点はありましたか?

富澤氏:ベースになったのはPSPで出した「まどか☆マギカ ポータブル」で、同じように魔女および使い魔を作るにあたって、RPGとしてではあるのですが、3Dダンジョンだったこともあり、モーション含めモデルの設計を一回はしておりましたので、今回はそれを本当の3Dアクションとして落としこむという作業がメインになりました。前作の時に一体一体どういった行動をするのかといった資料を頂いたりしていたので、そこをベースに出来たのは大きかったかなと思います。

“お菓子の魔女”の噛み付き攻撃のような、絶対に欲しい部分はしっかりと入れ込んだ上で、あとは魔女からインスピレーションとして受けた部分を開発チームのオリジナルでも作らせていただたりして、全体の攻撃のバランスを取ったりしていました。作っている時は難しくはありつつも楽しい作業なので、そこでいかにらしくて強い魔女を作れるかというのはやりがいのある課題だったと思います。

ハコの魔女戦で画面全体が急に砂嵐になったりといった場面もありますが、一部のユーザーさんからは「これは不具合ですか?」という質問が寄せられたこともありましたね。「これはユーザーインターフェイスごと消える技なんです」と(笑)。

――確かに最初に見た時には驚きましたね(笑)。

富澤氏:全消しするというのはトリッキーですよね(笑)。

――ゲームが進むにつれて、キャラクターたちが少しずつ強くなっていく中でのプレイも面白かったです。

富澤氏:ある意味、最初は力押しせざるを得ないくらい向こうの攻撃力を、特に魔女は強めに設定しているので、何とか乗り切ってもらっているところだと思いますが、Sランクを目指して自分がどんどん成長していける感覚を持ってもらおうというのが割と主眼にあったので、最初はボコボコにされたものの、最後はティロ・フィナーレ一発!みたいなところまで強化できるようになっています。

これもスタジオアートディンクさんのゲームデザインに沿った、いわゆる限界突破的な感じで自分の成長した先に一方的な展開て敵をボコボコにできるというような、素直にレベルアップをして、魔女を華麗に倒したいというユーザーさんの想いに素直に応えられるひとつのかたちなのかなと思っています。

僕らとしてもこれまでこういったゲームデザインのものはあまり作っていなかったのですが、「好き勝手やりたい人にはこういう遊び方もありなんだね」という一人プレイが主体のキャラクターゲームとしてのひとつの正解があることに気づいて、本作にもそれを落としこんでいます。

――シナリオに関して、日常的に描かれる会話によって、アニメでは描かれないキャラクター同士の関係を見ることができますが、イメージする上で心がけた点はありましたか?

富澤氏:ストーリーに関しては監修をしていただいていましたが、ifのお話という前提がありましたので、その枠の中でどのようなことができるのか、という点は作る側としてはいろいろと考えました。

その上で今回目指したかったのは、プレイヤーの思い描く組み合わせで魔法少女同士の絆を深めて、そしてゲームとしてもより強くなっていくということで、ゲームのレベルデザインとしても大事だと思っていましたので、かたちとしては素直なキャラクター同士が仲良くなっていくというものにしました。

「まどか☆マギカ」は、時に暗くなったり、キャラクターがいなくなってしまったりと衝撃的な部分を持っている作品にはなりますが、今回のゲームでは5人が絆を深めあって“ワルプルギスの夜”を倒すというシンプルでありつつも、プレイヤーのモチベーションとしては非常にわかりやすい最終目標を用意するということは、最初に決めていました。

途中で誰かが強制離脱するといったことは基本的にはせず、一方、キャラクター同士が仲良くなることは全てプレイヤーの努力次第で行っていくという軸をはっきりと提示したかったので、日常的な会話や仲良くなった時のご褒美のシチュエーションなど、全てがそれを感じてもらうためのピースとして設定しています。なので時には甘々な話が続く時もあるのですが、プレイヤーとして夜の辛い戦いをクリアした結果としてはすごく気持ちいいはずなので、そのあたりは意図している部分です。

「まどか☆マギカ」の原作ではありえないような、“ワルプルギスの夜”をみんなで、しかも熱い展開で倒すといったものも単品で提示されると「何それ?」という話になってしまうのですが、多くのプレイヤーの方はそれまでの努力に見合った結果としてすごく喜んでいただいていると思います。

――私は一周目に杏子でプレイして、戦闘で毎回パートナーを別にしてプレイしていたので、レベルが上がらずに後半は特に苦労しました(笑)。

富澤氏:一周目を万遍なく遊ばれる方はそういうかたちに陥るんじゃないかと思うので、一周目は気に入った組み合わせで遊んでもらうのが進めやすい作りにはなっています。ただ、どちらが不正解という作りにはしたくなかったので、5人を少しずつ育てていくことでクリアできるようにするために裏でレベルアップができる「輪廻の魔女結界」も用意しています。

――開発を手がけられたスタジオアートディンクさんについて、富澤さんから見てこだわりを感じたポイントがあればお聞かせ下さい。

富澤氏:バンダイナムコゲームスにとってのスタジオアートディンクさんといえば、「ガンダムバトル」シリーズだったり、「マクロス」だったりといった硬派なアクションゲーム、しかも成長要素がすごいという作品を作る、職人気質なゲームメーカーというイメージがひょっとしたらあるかもしれません。

今回は「まどか☆マギカ」という可愛い女の子が登場しつつ、アクションはするという題材をお願いするにあたって、3Dアクションということで「ガンダムバトル」シリーズの成長要素のような実績のあるレベルデザインを期待していましたし、それを5人の女の子のアクションとして、さらに成長の軸としてストーリーもしっかり絡ませたいというオーダーもしたので、それに応えていただくために初期から中盤にかけてはかなり試行錯誤がありました。

我々もオブザーバーとして、企画デザインやアクションの監修など多岐に渡って共同でやっていますが、さすがスタジオアートディンクさんだなと思ったのが、最終的な調整ですね。レベルデザインからしても、「今回のユーザーさんはこういう人たちなので入口はこうであるべきだし、最終的にはやりたい放題できるようなスタジオアートディンクさんらしい育成要素を期待しています」と話して、スタジオアートディンクさんの領分として設計していただきましたが、プレイしていて気持ちよく階段を登れるようなところに収まったのはさすがだなと、バランス調整も含めてこだわりを感じました。

そしてスタジオアートディンクのスタッフさんは「まどか☆マギカ」好きな方ばかりが集まっていて、モーションの細かいところであったり、パラメーターのちょっとした差といったところでもキャラクター表現を意識して作っているという点は、ユーザーさんも気づいてくださるんですよね。「ここ、よくわかってるじゃん」という意見を見ると、僕もそうですが、おそらくスタジオアートディンクも「よし!」と思っているのではないでしょうか。

ベースとしてはオーソドックスな作りのゲームではありますが、そういった部分をしっかりと組み込めたことでキャラクターゲームとしてはすごく正解に近いものに仕上がっていると思いますし、僕はスタジオアートディンクさんとは初めてのお仕事でしたが、期待に応えていただいて満足しています。

――これまでスタジオアートディンクさんが作られた3Dアクションはロボットが登場するものでしたが、今回のようなキャラクターを扱う上での苦労などはあったのでしょうか?

富澤氏:やっぱり最初はいつも固いモデルを作るのに対して、今回は柔らかいモデルを作るということで苦労されたようです。ただ、ここでもらしいなと思ったのが、ほむらが時を止めてアクションするといったメモリの処理的に厳しいような部分に関しても、スタジオアートディンクさんが「ここはどうしてもやりたいから任せてくれ」と言って、最終的に上手くまとめていただいたりと、「まどか☆マギカ」としてアクションゲームを作るのなら、という点ですごくプライドを持って作っていただいたというのは我々としても嬉しいですね。

ご褒美としての温泉エンドは作りたかった

――今だから言えるエピソードなどありましたらお聞かせください。

富澤氏:各フェーズで難航したこともたくさんあったのですが、発売後のユーザーさんの反応が予想以上に良くて、それまでの苦労が報われたと私も思っていますし、スタッフもユーザーさんの意見を拝見して、次への糧になっていると思います。

――発売当初から初回限定版が品薄になったというお話もありましたよね。

多数の特典を収録した初回生産の限定BOX
多数の特典を収録した初回生産の限定BOX

富澤氏:そこに関しては初回に出荷する数が足りていなかったという状況もあると思いますが、やはり「まどか☆マギカ」ファンの方々全体としても、劇場版公開以降、にわかに熱が高まっていたと思います。その中でリリースさせていただいて、ソフトはないというところでご迷惑をおかけしつつも、蓋を開けてみたらゲームの方は真逆のスイートで熱い物語だったというところで話題になったと思います。

プレイしていただいたユーザーさんからは、劇場版を含めたこの世界の立ち位置というところまで物語として考察していただいたり、楽しんでいただいたりしているのを見ると、僕らもユーザーさんの思いの中でいろいろなゲームの遊び方、楽しみ方が多様にあるのを感じられて嬉しく思います。

そして、このキャラクター同士の組み合わせが好きという熱い想いを持っている方に応えられたのも嬉しいですし、全体の物語としてifのものでありつつも、こういった結末を見たかった、そしてそれを自分の手でやれたというところで充実度を感じているというご意見を聞くと作ってよかったと思います。

シナリオはスタジオアートディンクさんと我々の共同で進めていったのですが、最後は絶対に気持ちのいい終わり方にしたいなと思ったところに、温泉エンドを入れ込んでみました。そのためにマミさんのマンションを全壊させてしまったのはちょっとやりすぎだったかもしれませんが(笑)。

――発売のタイミングでも新編がまだロングランで上映されていたので、いい意味で気持ちの切り替えになったと思います。

富澤氏:特に狙っていたわけではなくて、我々も新編を見て驚愕しましたね。大きな世界観として、TVアニメ後のほむらと魔獣との戦いの流れの中でこんな話もあったかもという設計にはしているので、劇場版を含めた1つの置きどころをユーザーさんが見つけてくださっているというのは図らずも嬉しいところかなと思います。

――TVアニメ、劇場版と展開しつつ、さまざまなメディアミックスが行われてきた「まどか☆マギカ」における、ゲームの役割というのはどのように考えていますか?

富澤氏:いろいろなアニメのゲーム化がありますし、それぞれ役割というのは違うと思いますが、こと「まどか☆マギカ」に関して言うと、魅力的な世界観や物語がすごく強いドライバーになっている作品だなと思うので、あの先の読めないストーリーを次はゲームでと言われると、「いや、アニメで見たいよ」と思うのが多くの「まどか☆マギカ」ファンの方の真実なんじゃないかなと思いますし、僕自身もそこはそう思います。

原作であるアニメを見て「まどか☆マギカ」を好きになった方が、ゲームではどんなことがやりたいんだろうというところを特に今作では突き詰めて企画をスタートさせたので、原作の良さを壊したり、その先をとってしまうような作品ではなくて、見た後に残るユーザーさんの思いに素直に応えてあげるというのが、ゲームとしての「まどか☆マギカ」のあり方としては適切なのではないかなと今は思っています。

具体的には、まどかを実際に動かすというのはゲームでないと出来ないことですし、いろんな時間軸があるという設定ありきではありますが、ifの枠の中でアニメでやることはないであろう枠内での遊びは「まどか☆マギカ」のゲームとしてあっていい領域なのかなと。

前作「まどか☆マギカポータブル」でもアニメではできないこと、という方向で頑張ってみて実際に楽しんでいただけたのですが、もっとゲームとして遊びたかったというところが抜けてしまった部分が不満の声としてあったので、そこからの振れ幅として今回は逆のアプローチをしてみて、ユーザーさんがアニメの「まどか☆マギカ」への強い愛情の先にあるゲームとして遊びたいことを見つめ続けていくことが大事かなと思い、制作しました。

――新編というかたちで新たなストーリーが描かれた劇場版を経て、これから「まどか☆マギカ」ワールドをゲームという側面からより広げていけるとしたら、どのような展開をしていきたいですか?

富澤氏:僕も新編を見ましたが、これをそのままゲームにすることは相当難しいなというのが正直な気持ちです。というのも、新編の中身って理路整然と設計されていて、キャラクターの役割から何からカッチリと設計されているので、あれを崩すことはほぼ不可能だと思っています。

なのであの新編をそのままゲーム化、というのは現状では考えにくいとは思っていますが、一方でその後の世界でまた何か自由度を持ってやれることがあるのかもしれないと思っています。ただ、それも本編であるアニメがこの後どうなっていくのか、それ次第で追随していくゲームとして求められるものは決まってくるのではないかと思います。

先々に向けては、今後の「まどか☆マギカ」においてゲームがあっていい場所というのを見つけられたら、またゲームの企画を考えていくことになるのかなと思いますし、まだまだずっと続いていくコンテンツだと思うので、長い目で楽しみにしながらまたチャンスがあればと考えております。

――ご自身が考える「まどか☆マギカ」の魅力をお聞かせ下さい。

富澤氏:新編を見て改めて思ったのが、世界がどんどん変わっていくドラスティックな楽しさと、そこで変わらずに登場する5人のキャラクターたちがどんどん魅力的になっていくという両軸があることで、そこはほかにはない魅力だと思います。大体世界が変わると新キャラがどんどん出てきて、最初のキャラクターはただパワーアップしていくだけということになりがちなのですが、「まどか☆マギカ」はそういったプロットからは完全に外れていると思います。

論理性を含めたところでキャラクターを輝かせ続けるというのは非常に困難な部分だと思うのですが、それを苦労しながら構築されているというのが見ている側からするとすごいなと思うところですし、これから変わっていく世界の中であのキャラクターたちがどう輝くのか、というのはファンは楽しみになると思うんですよね。そういった意味では変わりながらもより魅力的になっていくコンテンツとしてすごく楽しみにしていますし、この先にも期待しています。

――魅力を持たせたまま作品を続けていくという点では、「まどか☆マギカ」に限らず、ゲームとして展開していく上でも難しいのではないでしょうか?

富澤氏:それはまさに我々が常にそういう問題に直面しているからこそそういう感じ方をするのかもしれないのですが、ストーリーも含めてゲームとして同じ軸として続けていくことの難しさ、そして変えた時の難しさというのは常にそのバランスが求められていると思っています。

アニメはあくまでも物語を語るというフォーマットですが、その中でもキャラクターの魅力をずっと出し続けるための工夫だったりといった部分で、非常に参考になる分野だと思います。

――まだプレイしていないものの興味を持っている方、すでにプレイしている方それぞれにメッセージをお願いします。

富澤氏:まず我々がこの作品で目指したのは、アニメのファンの方の気持ちに応えたいというキャラクターゲームとしての基本に立ち返ってのゲームデザインになっています。

“キャラゲー”というといろいろな捉えられ方をする言葉かもしれませんが、そこで素直に楽しんでもらえるキャラゲーのあり方を目指したものなので、「まどか☆マギカ」ファンの方にはぜひ機会があれば遊んでみてもらいたいという自信をもって出している作品です。

これを機会にPS Vitaを買ったという嬉しいお話もいただいていますし、おかげさまでプレイしていただいた方には概ねご好評をいただいているというところもありますので、まだいろいろな理由が手を出していないという方もいらっしゃるとは思いますが、お近くになければダウンロード版もございますので、ぜひPS Vitaをお持ちの方は手にとって楽しんでいただきたいです。

多くの「まどか☆マギカ」ファンの方は新編をご覧になっていると思いますし、その上でこのゲームを遊ぶとまた感慨がある部分もありますので、ストーリー好きの方もそのあたりを気にしながらもプレイしていただけるとより楽しんでもらえるかなと思います。

やり込んでいる方はまだやり込んでください(笑)。かなり強めのやりこみ要素も用意していたのですが、それもコアな方はどんどんとクリアしているので、嬉しい半面まだまだいけたかなという思いもありますけれども、それだけ楽しんでいただけているのは嬉しいことでもあるので、これからの方もそこまでハマってもらえると嬉しいです!

――ありがとうございました。

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ The Battle Pentagram

バンダイナムコゲームス

PSVitaダウンロード

  • 発売日:2013年12月19日
  • 12歳以上対象
  • PS Storeダウンロード版

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(C)Magica Quartet/Aniplex・Madoka Movie Project
(C)NAMCO BANDAI Games Inc.

※画面は開発中のものです。

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