角川ゲームスが2014年3月20日に発売したPS3用ソフト「モット!ソニコミ」は、ニトロプラスのライブマスコットガール・すーぱーそに子をヒロインに据えた恋愛コミュニケーションゲームだ。ここでは、本作のプレイレポートを紹介しよう。
最近ではTVアニメが放送されたのでご存じの方も多いと思うが、「すーぱーそに子」は、ニトロプラスのライブマスコットガールとしてデビューした18歳の女の子。ゲーム以外にも音楽CD、コミカライズ、グッズと多方面で活躍しているのだ。
そして3月20日に発売された「モット!ソニコミ」は、プレイヤーがプロのカメラマンを目指す“キミ”となり、新人グラビアモデルであるそに子をトップグラビアアイドルに育成していく恋愛コミュニケーションゲーム。PC用ソフトとして登場した「ソニコミ」をパワーアップさせたもので、そに子を思いのままに撮影できる「フリー撮影モード」など、さまざまな追加要素も搭載した注目作だ。
すーぱーそに子とのコミュニケーションがストーリーのカギを握る
本作は大きく分けて、そに子との交流を深めていく「アドベンチャーパート」と、クライアントの依頼に合わせた衣装を考え、さまざまなロケーションで写真を撮影していく「撮影パート」の2種類を繰り返して進めていく。まず「アドベンチャーパート」は、駆け出しのアイドルであるそに子はもちろん、スーツ姿に般若の面を付けたマネージャー、日本グラビア界を席巻するそに子のライバル的存在・アンジーなどなど、個性的なキャラクターとの会話を楽しみながら物語が展開する。
ここではオーソドックスなアドベンチャー形式で進行する「通常モード」と、そに子と主人公がコミュニケーションをとる「ソニコミモード」があるのだが、どちらのモードでも、プレイヤーはさまざまな選択をすることになる。一般的なセリフの選択はもちろん、時にはそに子の体のどこかへタッチしなければいけないことも。どこを触るかはプレイヤー次第…ではあるものの、選択によっては好感度が上下し、その後のストーリーにも影響を及ぼすので、慎重な判断をしたいところ。とはいえ、そに子が思わず驚く姿も一見の価値ありなので、いろいろと試してほしい。
ちなみに「ソニコミモード」では、「タッチ(触る)」「トーク(話す)」のほかに「ルック(見る)」という選択肢が現れることも。「ソニコミモード」で登場するすべての選択肢に言えることだが、行動の選択には時間制限があり、じっくり考えすぎると何もできなくなってしまうので注意しよう。
余談だが、アドベンチャーパートで登場するそに子のファンションもぜひ注目してもらいたいポイントのひとつ。日が変わるごとにさまざまな表情を見せてくれるそに子に癒やされること間違いなしだし、写真撮影をする際の、ファッションコーディネートの参考になることも。プレイしていると、そに子を育成するだけでなく、そに子から教わることもたくさんある作品に思えた。
コーディネートを考えて、いざ撮影スタート!
アドベンチャーパートを進めていくと、やがてクライアントが現れ「こんな写真を撮ってほしい」という依頼が舞い込んでくる。依頼は「宣伝のイメージガール」であったり「雑誌のグラビア」であったりと千差万別。プレイヤーは、依頼に合ったそに子のコーディネートを考えて、写真撮影に臨むのだ。
コーディネートできるのは、アウターやトップス、ボトムスといった服はもちろんのこと、キャップやバッグといったアクセサリー類、さらには髪型など多岐にわたる。そして、コーディネートを考える際にチェックしてもらいたいのが、服装の属性を確認できる「ポジションゲージ」だ。ポジションゲージは左右に「MAINSTREAM」「SUBCULTURE」、上下に「GENKI」「OSHITOYAKA」が割り振られており、例えば派手なデザインのTシャツを着ると「GENKI」方向にアイコンが移動したりと、そに子がどんな印象になっているかを瞬時に把握できる優れものだ。
そに子の衣装が決まったら、撮影するロケーションを決めて、いよいよ撮影がスタート。本作での撮影は「シューティングモード」という名称になっており、その名の通りシューティングゲーム感覚でシャッターを切っていくのだ。
ここではまず、そに子の周囲にターゲット(青色のリング)が出現、その輪に緑のリングが近づいていくので、ぴったり重なって、ピンクになったら撮影しよう。ターゲットは「PERFECT」から「BAD」までの5段階評価が用意されており、「PERFECT」を取るにはタイミングよくリングを撮影するだけでなく、フォーカスポイント内にしっかりとそに子を抑えることが重要だ。
ターゲットをいかに上手く撮るかで最終的な評価が決まるのだが、シューティングモードのスタート直後はなかなかターゲットが出現せず、思うように数を稼げない。しかし、着実に撮影をこなしているとそに子のテンションゲージが上がっていき、MAXに近いときに話しかけるとポージングが大胆になっていく。この状態だとターゲットの出現数や得点も増加するのだ。その代わり、ターゲットの出現場所が散らばるほか、そに子自身も積極的に動き回るようになるので、撮影の難度はかなり上がる印象だった。
また、撮影時に気をつけたいのがそに子の体力。体力は時間が経過するだけでも徐々に減っていくが、低評価の写真を撮影することも疲労をためる原因になってしまう。体力が0になるとそこで撮影は終了、そうなると全体の評価も期待できないので、適度に休憩させてあげることが肝心だ。しかし、休憩中も撮影時間は刻々と過ぎていくので、残り時間が少ない場合は強行してしまうのも作戦のひとつ。
どうしても上手く撮影できない…という人は、△ボタンを押すと発動するAPS(オールポイントショット)を活用してみよう。これは使用回数に制限があるものの、ボタンを押すだけで画面上に表示されているターゲットを「PERFECT」で打ち抜ける、非常に便利なアクション。そに子のテンションが上がると大量のターゲットが同時に出現することもあるので、ここぞというタイミングで使ってみよう。
ちなみに、ターゲットは時間が経過すると消えてしまうが、テンションゲージがMAXに近いときに開ける「コミュニケーションコマンド」を利用する間はターゲットが消えない親切設計。このコマンドでは先述の「話しかける」「休憩」のほか、ポーズ変更も行える。そに子のポーズは撮影場所によってさまざまなので、新しい撮影場所が解放されたら、ひと通り試してみるといいだろう。
たくさんの表情が見られる「すーぱーそに子」ファン必見の作品
筆者はひとまず1周プレイしてみたが、会話や写真撮影の結果で細かくストーリーが分岐している模様。筆者自身も、終盤はナース姿のそに子を堪能できたりと、思いもよらない展開を楽しむことができた。
また、撮影モードの得点に応じて、そに子のライバルであるオウカが看板娘をつとめる「オウカショップ」で使えるゲーム内通貨・ソニコインが獲得できる。ソニコインでは新規衣装やパーツの追加購入が可能で、通常のストーリーモードでは獲得できない限定の衣装も存在する。魅力的な写真を追求したい人には、見逃せない要素だ。
そして何より、全モードを通して純真無垢なそに子との会話を楽しめることは、本作最大の魅力だと思う。何事にも一生懸命取り組み、仕事をがんばるそに子の姿に癒されっぱなしだった。新規要素が多い作品なので、PC版をプレイした人にも、そしてTVアニメからファンになった人にも、ぜひぜひ体験してもらいたい。
最後に、限定版の特典内容にも触れておく。こちらも豪華な内容となっているので、これからの購入を検討している人は併せて確認してほしい。