カプコンの「戦国BASARA」シリーズを舞台化した「戦国BASARA3 -咎狂わし絆-」が、4月25日よりEX THEATER ROPPONGIにて開幕。その初回公演に先駆けて行われたゲネプロ(公開リハーサル)の模様をお届けしよう。
舞台「戦国BASARA」シリーズは2009年の初演以来、10万人を越える累計観客動員数を記録するなど抜群の人気を集めている作品だ。8作目となる本舞台には、シリーズ最多となる21武将が登場。東京を皮切りに名古屋、大阪で公演が行われるほか、千秋楽公演の模様を全国の映画館で生中継するライブビューイングも実施される。
上演に先立って、まずはキャスト陣の紹介が行われた。最初に挨拶した徳川家康役の広瀬友祐さんは「今日から5月18日の千秋楽まで、キャストとスタッフが一丸となって頑張っていきますので応援よろしくお願いします」とコメント。石田三成役の中村誠治郎さんは「お客様に殺陣・芝居を通して、さまざまなものを伝えられるように頑張っていきます」と述べた。
今回が2度目の出演となる伊達政宗役の滝川英治さんと真田幸村役の吉岡佑さんは「前回の自分を超えることを目標に最高のパフォーマンスを目指して頑張っていきたいです」、「成長した幸村をお見せできればいいなと思っています」とそれぞれ挨拶。そのほか「精一杯面白いものをお客様にお届けしたい」(猿飛佐助役の村田洋二郎さん)、「女子は3人だけなので、いいスパイスになれるよう頑張ります」(鶴姫役の川村ゆきえさん)など、キャスト全員が本舞台への意気込みを語った。
構成・演出・振付を担当した西田大輔氏と「戦国BASARA」シリーズのプロデューサーであるカプコンの小林裕幸氏も挨拶。西田氏は舞台「戦国BASARA3」からの3年半を振り返りつつ「今回の作品はひとつの区切りであり、集大成であると思います。いいメンバーが揃ったので、あとは最後までケガなく頑張るだけです」とコメントした。
小林氏は「ゲームのほうはすでに「4」が出ていますが、今年は家康をプッシュしていきたいので、この舞台や新作のアニメなどで「3」もいろいろ展開していきます」と「3」を題材にした理由を説明。さらに「スタッフ、キャスト一同かなりいいチームワークで、素晴らしい舞台になると思います」と語るなど出来映えに自信を見せた。
家康と三成を軸とした熱きストーリーが展開
ゼネプロの内容も簡単に紹介しておこう。物語の舞台となるのは関ヶ原の合戦前夜。絆の力で天下を目指す徳川家康は伊達政宗、長宗我部元親らとの同盟締結を進めようとするが、家康を主君・秀吉の仇と憎む石田三成もまた家康を倒すべく仲間を集めていた。家康につくか、三成につくか、それとも……武将たちは同盟関係をめぐって、さまざまに揺れ動くことになる。
このように今回のストーリーは、天下分け目の決戦を前にした武将たちの苦悩や葛藤を描いた群像劇となっている。ストーリーの中心となるのは家康と三成だが、そのほかの武将たちにも数多くの見せ場があり、誰のファンでも十分楽しめるだろう。
もちろん、本シリーズの最大の魅力である激しいアクションは今回も健在。家康役の広瀬さんが「全員が命がけでやっています」と語るだけあって、キャストたちが舞台を縦横無尽に駆け回るスピーディーな殺陣は驚異のひとこと。現れる敵を次々に倒していく、多数を相手にした大立ち回りや複数の武将が入り乱れての乱戦、火花を散らす1対1での激闘など、さらに磨きがかかった迫力のアクションの数々を楽しめる。
個人的には輪刀を華麗に操る毛利元就の殺陣、三好三人衆の三位一体の攻撃、鉄球を振り回す黒田官兵衛のアクションなどが特に印象に残った。また、徳川家康VS石田三成、伊達政宗VS真田幸村といったお約束というべき宿命のバトルや女性武将である鶴姫、雑賀孫市らの華麗な立ち回りも要注目だ。
熱きバトルの合間に展開されるコミカルなシーンの数々も見どころのひとつ。もっとも目立っていたのが小早川秀秋で、ゲームを彷彿とさせる天海との軽妙なやり取りはもちろん、バトルの合間に見せる情けないポーズやとぼけた動きの数々で会場を大いに沸かせていた。
シリーズ恒例の宴会芸のコーナーも先頃終了した某有名バラエティのパロディをはじめ爆笑シーンの連続。特に、普段はシリアス一辺倒の毛利元就や大谷吉継らの宴会芸は抱腹絶倒すること間違いなしだ。
そのほか、野菜にこだわりを見せる片倉小十郎や雑賀孫市を口説こうとする前田慶次、ラブラブぶりを見せつける前田利家とまつの夫婦など、「BASARA」ファンがニヤリとしてしまうシーンも盛りだくさん。涙あり、笑いあり、感動ありの一大巨編となっているので見に行かれる方は楽しみにしておこう。
出演者・配役一覧(順不同・敬称略)
- 広瀬友祐(徳川家康役)
- 中村誠治郎(石田三成役)
- 滝川英治(伊達政宗役)
- 吉岡佑(真田幸村役)
- 松村龍之介(真田幸村役)
- 吉田友一(片倉小十郎役)
- 村田洋二郎(猿飛佐助役)
- 八神蓮(長曾我部元親役)
- 小谷嘉一(毛利元就役)
- 横山真史(黒田官兵衛役)
- 谷口賢志(天海役)
- 宮下雄也(小早川秀秋役)
- 高橋光(風魔小太郎役)
- 新田健太(大谷吉継役)
- 八代みなせ(雑賀孫市役)
- 川村ゆきえ(鶴姫役)
- 金田進一(三好三人衆・長兄役)
- 遠藤誠(三好三人衆・次男役)
- 白崎誠也(三好三人衆・三男役)
- 伊阪達也(前田慶次役)
- 真佐夫(前田利家役)
- 別府あゆみ(まつ役)
※真田幸村は東京公演のみダブルキャスト
公演期間
東京公演
2014年4月25日(金)~5月6日(火)全17ステージ
会場:EX THEATER ROPPONGI
名古屋公演
2014年5月10日(土)~11日(日)全3ステージ
会場:中日劇場
大阪公演
2014年5月15日(木)~18日(日)全6ステージ
会場:シアターBRAVA!
入場料金
全席指定 前売7200円(税込)