スクウェア・エニックスより発売中のPS4/PS3/Xbox 360/PC用ソフト「Thief」のプレイインプレッションを掲載。ここではPS4版を使用し、ゲームの流れやシステムなど、“盗み”に焦点を置いた本作の魅力を紹介していくぞ。
※本タイトルは、CERO「Z」指定タイトルとなります。それに伴い本記事にも激しいバイオレンス表現及びグロテスクな表現が含まれる画像・動画が掲載されておりますので、18歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。
「Thief」は、盗賊・ギャレットを操作し、さまざまな場所に隠されている宝を、巧みな技術を駆使して盗み出していく一人称視点のステルスアクションゲーム。本作は1998年にPC用ソフトとして世に送り出された「Thief: The Dark Project」をはじめとするシリーズのリブート版(再起動)という位置付けで制作されたため、オリジナル版の魅力をそのままに、最先端のステルスアクションを堪能することができる。
物語の冒頭は、とある仕事がきっかけで、1年間の眠りについていたギャレットが目を覚ますところから展開していく。1年という時間を経た世界で彼を待ち受けていたのは、変貌した街の姿。圧政、貧困、謎の奇病が蔓延するなど、街は暗い空気に一変していた。彼は街に何が起きているのかを知るため、再び闇へと身を投じることとなるのだ。
主人公は“マスターシーフ”の異名を持つギャレット
ゲームでは、プレイヤーは“生きるために盗むのではなく、盗むために生きる”と豪語するアンチヒーロー・ギャレットを操作し、「Thief」の世界へと没入していくこととなる。
チャプター導入部ではプレイヤーの肩慣らしということか、男が眠りこけている部屋から仕事開始。ベッドに横たわる男は起きるのか、それとも起きないのかが分からないため、ここは盗賊初心者らしくコソコソと仕事をこなしていくことに。
本作は一人称視点で進行するため、プレイヤーは画面に映っている視界の中からお宝を見つけ出す必要がある。獲得可能なオブジェクトは画面上で分かりやすく光っていたり、時々キラめいたりしてくれる。そのため、平面に存在するものに限ってはそれほど目を凝らし、集中し過ぎるほどに注視しなくて済むのが嬉しいところ。
また、宝はそれぞれに価値(GOLD)が付随している。アンティークな物品やコインの山積みといった大物ともなるとそれなりの額だが、スプーンやらティーカップといった一見可愛らしい小物にも2GOLD、4GOLDと値がついている。本作では基本的に獲得したGOLDでアイテム購入&アップグレードを図るため、何気ない食器やグラスでも一切合切いただいていくのが、プレイヤーとしても盗賊としても正しい姿である。
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| 盗める宝は周囲のオブジェクトに対して明るく見えるほか、範囲内に入ると獲得するための□ボタンが表示される。 |
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| 小物だからと侮るなかれ。GOLDはお金や経験値のような存在なので、見逃すと「あと1GOLD!」を味わってしまう。 |
目ぼしいものを盗み切ったら、逃げよう。被害者と主義主張を戦わせるのはシーフとしてどうかと思う。ということで、眠り男にグッバイしながら移動アクションを交えた逃走劇が幕開け。本作は「走る」だけで、進行方面にある多少の障害物や空間などをスムーズに時にはダイナミックに処理してくれるので、ただ走っているだけでもムービーシーンかと思うほど臨場感あふれるゲーム画面が展開する。
また、進行路を鍵のかかった扉に阻まれてもご安心を。「自分、盗賊っすから」と言わんばかりのピッキングを炸裂させていこう。本作における扉や金庫などのピッキングは、左スティック360度の“どこかの角度”に当たりがあり、それを見つけ出してボタンを押し、幾つかの鍵穴を固定していくというもの。要は、スティックをグリグリしてると当たりでブルブルするのだ。なんともいえないこのブルブル感は、ぜひとも体験してほしい。
なお、ピンの固定に失敗すると物音が鳴ってしまう。それにより人が寄ってきたら目も当てられない。状況によってはピッキングというアクション自体に速度が要求される場面もあるので(敵の巡回など)、自身の操作技術を追求することも一つの攻略手段となる。
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| ピッキングは鍵の種類により要求難易度が全く変わってしまう。ただし、後述するスキルでフォローすることも可能だ。 | |
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| 鍵穴から扉の向こうを覗くことも可能。視点も左右できるが、事前にこの映像を見ていたので、震えてきやがった…。 | |
盗賊をのさばらせておくものか…と立ち塞がる者達
もちろん、ゲーム中であろうと盗賊が真っ当な定職でないことは明白である。そのため、ギャレットの仕事を阻止しようと、警備兵に私兵に暗躍者と、ゲーム中ではさまざまな相手が襲い掛かってくる。プレイヤーに残された手段は…当然スニーキングやハイディングを駆使したステルス行動だ。
敵に見つからずやり過ごすには、素早く動ける短距離移動「クイック移動」を駆使して、相手の死角に回り込むことが重要だ。物陰から物陰に移動する時や、気付かれないように人の後ろを通る時にも便利な代物だが、水場やガラス片が散らばる場所など、足場によっては無駄な音を立ててしまうため注意が必要となる。
また、障害物や曲がり角の前では隠れ通路を覗き込むことも可能。見張りが多い場所や視界が取れない場所でこまめに使用し、相手の視線や動向を探ろう。加えて、ロッカーに体ごと隠すこともできるので、緊急時のために周囲のオブジェクトを把握しておくのも重要だ。
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| MAPは高低差も含めて立体感に富んでいる。目的地の方向と距離は画面上の白いマークで常に確認できるので安心。 | |
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| 重要なのは進行路と敵の視界。 | 暗い場所で相手の背後を取るのが鉄則。 |
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| 一人称の高低差ということで高所は慎重になりがちだが、本作では自動で止まってくれるので操作上も安心。 | |
なお、お宝がある住居や施設などに潜入する経路は複数備わっているので、正面突破が難しい時は屋根を伝って高所から潜入したり、物陰に隠れながら潜入するなど、多彩な方法を取ってみよう。相手やオブジェクトの位置、アイテムを駆使することでも状況が変化するので、プレイヤー自身もゲーム的にも定型のパターンに沿った攻略法に固執することはない。壁を叩いて注意をひきつけるも、そこらじゅうに落ちているビンを敵に投げつけるも、手段はプレイヤー次第ということだ。
赤くなったら戦争するしかないじゃないか…
本作では「ギャレットがどう見えているか」「相手にどう見られているか」というステルス性をある程度把握することが可能だ。画面左下に備わっている「ライトジェム」は周囲の明るさに応じて強く光る。そのため、ライトジェムが暗くなっている場所では敵に見つかりにくく、光っている場所では敵に見つかりやすいという、身動きをとるための指標になる。なお、PS4版ではライトバーとも連動しているので、PS4版の人は手元で確認するのも良しだ。
さらに、ギャレットが相手からどんな印象を持たれているのかは、相手の頭上に表示されるマークで知ることができる。相手がこちらの存在に気付くと頭上に目の形のマークが表示され、白→黄→赤の順に警戒度が高まっていく。マークが赤になるほど自分をアピールしてしまうと相手が襲い掛かってくるので、これはもう戦争しかねえ…。
「Thief」は何もステルス要素だけをフィーチャーした作品ではない。潜入し、盗み、脱出する過程で起きる対人問題に対して、はじめから好戦的な盗賊として戦うためのシステムも用意されているのだ。本作では、敵が近づいてきた時に棍棒型の武器「ブラックジャック」を使って近接攻撃が仕掛けられる。基本的には殴る・殴られるの紳士的な攻防が展開していくが、こちらはワンボタンで回避アクションを取り、相手の攻撃を避けることもできる。体力はライフゲージ制なので、常に安全圏のゲージ量を計っておこう。
なお、敵は一定以上のダメージを与えると膝をついてダウンする。そのまま一方的にボコボコ打撃をくわえるのも一興だが、ここは一流の盗賊らしく「テイクダウン」を使っていこう。テイクダウンはダウン状態の敵前で一定時間ボタンを押し続けると、スタイリッシュなカットインと共に敵を気絶させることができる技だ。これは戦闘時に限らず、潜入時などで敵の背後・高所を取った時にバシバシ使用していくことで、安心して障害を排除することができる。
ただし、気絶させた敵をそのままにしておくと、歩いてきた違う敵に見つかったり、その場で警戒モードに入られてしまうので、目立ちやすい場所で倒してしまった場合は見つかりにくい場所まで移動させ、大胆にぶん投げよう(実際のアクションも放り投げる)。
近接武器による激しい殴打の応酬があまりお好みでない、そんな人はギャレットを象徴する武器の1つ「弓矢」を利用していこう。ただし、矢は無制限でなく、道中で見つけたり、マーケットで購入する必要がある。ゲーム序盤では気軽なアイテムではないものの、ロープ付きの矢、鉄の矢、火矢、水矢などさまざまなバリエーションが用意されているので、攻撃手段としてだけではなく、潜入に用いるためにも準備をしておくと思わぬ打開策が生まれるぞ。
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| ブロードヘッド・アローは汎用性の高い矢。威力が高く、遠距離から相手を仕留めることができる。 ただし、当たる場所によっては一射では終わらないことも。 |
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| 相手が気付かぬようギリギリまで近づいていけば、持ち物を「スリ」することができる。画面は…穏便なスリの場面だ。 | |
自分に合わせた「フォーカス」でプレイスタイルを作り上げよう!
ギャレットのスキル「フォーカス」を発動すると、道中の調べられる扉・鍵や入手できるアイテム、フロア特有のオブジェクトなどが青く光って表示される。反対に、トラップや警戒中の敵などは赤く光って表示される。フォーカスは道に迷った時、拾い残しがないかの確認時に使用していけば、マップやフロアに迷いすぎず進むことが可能だ。
なお、フォーカス使用時は画面左下のライフゲージ(緑)より、さらに外側に備えられているフォーカスゲージ(青)を消費してしまう。フォーカス発動時のゲージ消費量はそれほど多くないものの、継続的にジリジリと減っていくスタイルなので、シビアになりすぎず運用する踏ん切りが大切だ。
なお、フォーカスは専用の「フォーカスポイント」を使うことで、フォーカス発動時のさまざまなメリットをアップグレードすることができる。用意されている全8項目には、希少な宝や指紋などの痕跡を見分ける「直観」、周囲の速度を遅らせてギャレットの行動速度を速める「速度」などがあり、探索や戦闘にとさまざまな能力が付加できる。
ただし、アップグレードに必要なフォーカスポイントは、チャプターで特定のアイテムを手に入れたり、“物乞いの女王”にお金を寄付する必要がある。よし、宵越しのGOLDはいらねえ、とばかりにつぎ込もうとすると、下から新たな魅惑が襲来…。
GOLDを運用する上でもう一方のお得意様となるシティの商人は、ライフやフォーカスを回復する消費アイテムはもちろん、ツールのアップグレードに弓の強化、「足音を消すブーツ」に「矢の所持数を増やす矢筒」など、片っ端から装備したいと思ってしまうような物品が見事に取り揃えられている。
非フォーカス時でも常用できる魅力と圧倒的なスキルに更なる能力の上乗せ、どちらがいいかは全て選択次第。初めて両者に会った時「ああ、ちゃんとお宝拾っておけばよかった…」と思わないために、道中は張り切って盗みにスリにと精を出していこう!
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| 町のことは何でも知ると噂される盲目の老婆“物乞いの女王”。異名通りか否か、気品溢れる姿が目を引く。 | |
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| 何を選択するかは自分次第。ちなみにポイントの消費はいつでもどこでもできるので、保留も一つの手だ。 | |
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| 商人のラインナップも実ににくい。GOLDをどう使っていくかでプレイスタイルにも幅が生まれる。 | |
さまざまな方面のやり込み要素
本作のやり込み要素には各チャプターにおける細分化されたチャレンジ(クリアタイム、敵に見つからない、全てのアイテムを発見など)を攻略していく楽しみに加え、ゲームをどれだけ上手くクリアするかを測ることができる。それはゲーム開始時に選ぶ難易度「ローグ」「シーフ」「マスター」の他に備わっている「カスタム」だ。これは、上記3種類のベースの難易度に加え、「回復を使わない」「フォーカス不使用」といった数々の項目を選択し、ゲームをプレイして最終的な倍率とポイント数をランキングで競うというもの。いわば縛りプレイを自身に課していくので、競技性の高いコンテンツを楽しみたい人にオススメだ。
中には「敵を殺してしまったらミッション失敗」「誰かに見つかったらミッション失敗」「アップグレードなし」など、文面を見ただけでムリムリと首を振りたくなるような高倍率項目も用意されている。ビビッときた意欲的なプレイヤーは挑戦してみてはいかがだろう。
また、本作には「チャレンジモード」という、こちらも全国でランキングを競っていくスコアアタック形式のモードが備わっている。本モードではステージを選択し、さらにスコアやタイムを競う3つのルールの中から1つを選択することでゲームがスタート。本質的にはもちろん“結果”を求める競技コンテンツであるものの、ストーリーとは一味違う純粋な爽快感が味わえるのだ。
一番単純で遊びやすい「チェイン&ゲイン」というルールは、ステージの中に配置されている宝を獲得し、連鎖数を伸ばしながら、持ち時間が切れないよう、ただひたすら宝を探していくというもの。コアなシステムを使ってカジュアルに遊ぶといったモードなので、なんとなく遊びたい時、とりあえず本作をプレイしたい時などにオススメだ。
10年の時を経た「Thief」の新たな世界
本作では、ダークでセクシーなアンチヒーロー・ギャレットと、彼を取り巻く登場人物たち、街という環境が連なり、重厚な物語が描かれていく。スタンダードなFPS系統の操作性でありながら、“盗み”という独自のコンセプトが主軸となっているため、従来のアクションスタイル・RPGスタイルの作品とは一味違う楽しみ方できる。
変わり種でありながら正当なタイトルに仕上がっているので、アウトローの生きざまを体感したい人にオススメだ。
Thief (C) 2014 Square Enix Ltd. All rights reserved. Developed by Eidos-Montréal. THIEF, the THIEF logo, EIDOS-MONTRÉAL and the EIDOS logo are trademarks of Square Enix Ltd. SQUARE ENIX and the SQUARE ENIX logo are trademarks or registered trademarks of Square Enix Holdings Co., Ltd. All other trademarks are the property of their respective owners.
※画面は開発中のものです。
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