サブタイトルのSonはシリーズ3作目ゆえに「ぷよぷよSun」的な名前の付け方なのかしら?でおなじみ(?)の「inFAMOUS Second Son」のインプレッションをお届けします。
ゲームソフトが集まってしまう特殊能力を持ったゲームコレクター系コンジットの酒缶には、ふと気になるゲームがありました。プレイステーション4向けのタイトルとして2014年5月22日に発売された、プレイステーション3時代から続いている「インファマス」シリーズの最新作「inFAMOUS Second Son」。このゲームをすぐに買うべきかしばらく待つべきか、そんな悩みを持っているところにGamer編集部から「インプレッションで何かゲームをやってみませんか?」という提案を頂いたので迷わず「「inFAMOUS Second Son」をやります!」と即答したのがこのインプレッションの始まりでした。
「インファマス」シリーズは善にも悪にもなれるオープンワールドタイプのアクションゲーム。コンジットと呼ばれる特殊能力者が特殊能力を使いながら戦っていくことになるのですが、プレイステーション3の「インファマス ~悪名高き男~」と「inFAMOUS2」では電気を扱うコールが主人公で、シナリオ的にも2作で完結しているはず。では、「inFAMOUS Second Son」はどんな展開になるのでしょうか?
パッケージを見ると、ニット帽で腕に刺青を入れた若者がいます。彼はデンシン・ロウという24歳の青年でどんな能力を持っているのか期待の目で見てしまうのですが、ゲームを始めてみるといきなりデュアルショック4を縦持ちするよう要求してきて、内部スピーカーからカラカラと音が聞こえてくるのを確認してR2ボタンを押してみると、スプレーでデルシンの兄貴が描かれている看板の上にステンシルアートを描いてしまう程度の、兄貴に対抗心を燃やしているちょっとやんちゃな次男坊だとわかります。
いきなり壁を登ったり空を飛んだりするような超能力を使えるものだと思っていたので、超能力がステンシルアートだったのはちょっと意外だったのですが、ステンシルアートは別にコンジットの能力というわけではなくデンシルの趣味で、デンシン自体は普通の人間でした。しかし、普通の人間を操作しているだけなのに、これまでの「インファマス」シリーズとちょっと操作が違うのに気が付きます。
「何かがおかしいぞ?」と思っていると、今まさにコンジットたちが逃げ出し、D.U.P.が追いかけるという事件が発生。偶然コンジットと出会ってしまったデンシンは、コンジットに触れることでコンジットの記憶と共に、迫害の対象になっていることを知ってしまいます。
コンジットはこの世界ではバイオテロリストとして扱われ、捕獲・監禁の対象とされていることがわかります。コンジットは統一保護局(D.U.P.)という政府機関によって排除もしくは拘束されます。D.U.P.の隊員たちは完全武装しており、コンジットたちを容赦なく襲ってきます。
コンジットに憧れを持っているとこの世界ではまずいようですね。ましてコンジットになってしまうとかなり厄介なようで……。
あれっ? 手から煙が出ているぞ。なんだこれは。どうやらデンシンは触った相手の能力を身に付けてしまう超能力を持っているようで、スモークの能力を使えるようになってしまったようです。いやー、コンジットに憧れていたけど、まさかヤバイと思ったと当時にコンジットになってしまうとは。
デルシンに攻撃を加えてきたコンジットと戦いながらコンジットの能力に慣れていきます。身体を煙に変えて高速移動……いや、これは単なる高速移動じゃなくて、隙間があれば目の前に障害物があってもすり抜けられるスモークダッシュという技でした。敵に対してスモークショットを発射することもできるし……いやいや、この操作、PS3のシリーズ作品とは操作が全然違いますね。
これまでのシリーズ作品はL1ボタンを押して照準モードにした時に電撃を発射していましたけど、今作では常に画面に照準が表示されていて、L1ボタンを押さなくてもスモークショットを発射することができます。L1ボタンを押すとズームになって寄りのカメラで慎重に攻撃することはできますが、移動しながらスモークショットを発射できるので、敵に突っ込みながらスモークショット、近接攻撃でボコボコにしてから、離れ際に再びスモークショットというテクニカルな攻撃をすることもできます。
前作までは、電気を吸収するとき、電気を含んでいるモノの近くでL2ボタンを押して電気を吸収していましたけど、今作では煙の近くでタッチパッドを押すことで煙を吸収していくので、PS4になって大きく操作方法を変更していることを認識できます。前作まではマップのいたるところに電気を含んでいるモノがあったので電気の補給が楽だったのですが、今作では煙がある場所は結構限られているので、その意味でもサードパーソンシューティングっぽい要素が強かった当シリーズがアクション寄りになったような印象が強いです。高速で近づいてくる敵が多いので、慣れるまでは近接攻撃が主体になると思います。
敵対するコンジットを追いかけてみるとD.U.P.に捕まっていました。D.U.P.のボスであるオーグスティンによってそのコンジットはコンクリートにされていました。デンシン自身も疑われてしまい、D.U.P.による村の人々への尋問が行われてしまう。このままだと大変なことになりそうで……ここで2つの考えが浮かびます。
[L2]面白いからゲーム内容をみんなに自白する
[R2]面白いからみんなを犠牲にして遊び続ける
あぁ、これはゲームの中の選択肢じゃなくてボクの心の中の選択肢ですね。ゲーム内では善と悪の2つの選択肢が提示されていてL2ボタンとR2ボタンのどちらを選ぶかで未来の姿が変わっていきます。善の選択肢を選んでいくとヒーローへの道、悪の選択肢を選ぶとインファマスへの道。生来ボクは善の心で満たされているはずなので(実際にはどうだかわかりませんが)、せっかくだからボクはこの善の選択肢を選ぶぜ!
序盤はチュートリアルを兼ねてシアトルまで進む共通のシナリオになっていますが、シアトルに着いてからはオープンワールドでのある程度自由なゲーム展開になります。
シアトルの街はいくつかの区画に分かれていて、それぞれの区画をD.U.P.が支配しています。監視カメラや検問所などを破壊していると、その区画のD.U.P.の支配が弱まっていきます。D.U.P.移動司令部を破壊すると復活ポイントがアンロックされるなどのメリットがあります。そして、エリア決戦でD.U.P.を一掃して支配率を0%にすれば、その区画が安全に。支配率が0%のエリアを2つ以上作ると、ファストとラベルが使用できようになる為、エリア間移動が楽になります。
かといって、ただひたすら街を安全にしていく必要はありません。マップを自由に動き回り、敵を見つけたらやっつけてもいいし逃げ回ってもいい。倒れている人を救ってもいいし、犯罪者をやっつけてもいいし、デモを妨害してもいい。とにかく何をしてもいいのです。このあたりのスタンスはシリーズ作品で継承されています。
ストーリー的に次に進むべき場所については、常にマップに表示されているので、イベントをこなしてストーリーを進めていくことはできますが、その目的地にたどり着く前についつい何かを見つけてしまい、気が付くと寄り道三昧で目的地から遠くに離れていることなんてざらにあります。
スモークダッシュとホバリングを使いこなせばビルからビルへの移動も楽々。空を飛びまくっているだけで楽しいし、空にはたまにシャード(デルシンの能力を強化する為のエネルギー)を持ったヤツが飛んでいるので、スモークショットで狙いながら追いかけていると虫取り網を取った少年が山を走り回るような状態になり、気が付くと知らない土地に足を踏み入れていたりします。
このときうっかり敵の基地に足を踏み入れていると厄介。遠くにいる敵はスモークショットを当ててやっつけていけばいいのですが、ゲージが0になるとスモークショットを出せなくなるので、マップを見てオレンジ色の印のところまで回避しましょう。煙はビルの上の方にあることが多く、ビルの横の排気口に向かってスモークダッシュをすると上のフロアの排気口まで一気に登ることができるので、排気口のチェックは常にしておきましょう。
スモークショットを発射できない時は、スモークダッシュと近接攻撃で敵に対応することができます。敵に近づいて殴って倒していくとたまに降伏行動をとってくる敵がいて「△取り押さえる □近接」と表示されているのですが、周りの敵を近接攻撃で倒しているときにそんな表示が出ても急には止まれないので、正義の鉄拳でついつい息の根を止めてしまってカルマが悪にちょっと傾いてしまって反省。
倒れている人に対しては正義の行動として△ボタンで回復させてあげるため、「このゲームって、△と□が表示されているときは、正義なら△ボタンを押していればいいだな!」と脳内カルマが善の方向に育ってきます。
そして、警察に近づいて「△取り押さえる □近接」の2択が表示されたときに、本当はどっちもやってはいけないのですが、ついうっかり取り押さえてしまって無駄な銃撃戦になってしまって、ちょっとだけカルマが悪に傾いてしまい、再び反省することになるのです。
その後、ネオンの超能力を持つフェッチと出会うことで、ビルを高速で上ることができるライトスピードなどネオン系の能力も身に付けることができるようになり、溜めたシャードを使えば能力をアンロックしたり強化したりできるため、ゲームの広がりを感じながら遊び続けることができます。PS3で好きだった「インファマス」シリーズにPS4でも新しい形で出会えるなんて、これはもうたまりません。
ボクも急いでお店に行きますが、とはいってもボクはスモークダッシュもライトスピードもできないので、スモークを吐いているバスに乗ってネオンの街へ繰り出します。そして、ヒーローになってその後最強のインファマスになる姿をシェアするんだ。
プロフィール
酒缶(さけかん)/ゲームコレクター
1万本以上のゲームソフトを所有するゲームコレクターをしつつ、フリーの立場でゲームの開発やライターなど、いろいろやりながらゲーム業界内にこっそり生息中。ゲーム関係者へのインタビューをまとめた電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション」を展開中。関わったゲームソフトは3DSダウンロードソフトウェア「ダンジョンRPG ピクダン2」など多数。価格コムでは、ゲームソフトとAndroidアプリのプロフェッショナルレビュアーを担当している。
■公式サイト「酒缶のゲーム通信」
http://www.sakekan.com/■twitterアカウント
http://twitter.com/sakekangame■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション1」
http://www.amazon.co.jp/dp/B008GYU7B4/■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション2」
http://www.amazon.co.jp/dp/B00CJ320S6/■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション3」
http://www.amazon.co.jp/dp/B00DI3T160/■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション4」
http://www.amazon.co.jp/dp/B00IXLHLVE/■電子書籍「ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション5」
http://www.amazon.co.jp/dp/B00KA6CZWU/
(C)Sony Computer Entertainment America LLC. inFAMOUS Second Son is a trademark of Sony Computer Entertainment America LLC. Developed by Sucker Punch Productions LLC. The Space Needle is a registered trademark of Space Needle LLC and is used under license.
※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。
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