【CEDEC 2014】モバイル回線で“リアルタイム通信対戦”はどこまで遊べるのか? モノビットによる検証結果が発表

【CEDEC 2014】モバイル回線で“リアルタイム通信対戦”はどこまで遊べるのか? モノビットによる検証結果が発表

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モバイルゲームの関連分野は日進月歩だ。通信回線に関してもLTEが登場し、“リアルタイム通信”によるモバイルゲームも現実的になりつつある。モノビットが検証結果を発表したので紹介したい。

モノビット 代表取締役社長 本城 嘉太郎氏
モノビット 代表取締役社長 本城 嘉太郎氏

ゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC 2014」にて、「モバイル回線でリアルタイム通信対戦がどこまで出来るか調べてみた」と題された講演が行われた。登壇したのはモノビット 代表取締役社長の本城 嘉太郎氏。

モバイルゲームの分野は急成長を遂げており、リアルタイム通信を利用したゲームも現実的なものとなりつつある。では、現在主流の3GやLTE回線において、ユーザーの実環境でどこまでリアルタイム通信が可能なのだろうか。本講演ではこの問いに対し、オンラインゲームの開発業務を行っているモノビットによる検証結果が発表された。少々エンジニア向けの内容だったが、詳しくない読者でも分かりやすいように噛み砕いて紹介したい。

基礎知識についておさらい

登壇した本城氏は、まず最初に基礎知識について簡単な解説を行った。本講演に興味を持つような人なら既にご存知かもしれないが、Gamer読者向けに要点をかいつまんで紹介しよう。

リアルタイム通信の定義

講演テーマとなっているリアルタイム通信の定義とは、「複数プレイヤーの操作結果が、各プレイヤーのゲーム画面に同期して表示される」ということ。例えばMO/MMORPGにおいて、自分のゲーム画面上に他のプレイヤーが操作するキャラクターが走り回ったり、その相手とチャットが行えたりする状態をイメージすればよいだろう。

ゲーム内の同期技術について

ゲーム内の同期技術は、大きく分けて「キー同期による同期方式」と「最低限のゲーム内容だけ通信する同期方式」の2種類がある。前者はキー情報(コントローラの入力情報)が、毎フレーム相手の端末に送られる。通信時に多くのデータを要するので、比較的コストが掛かってしまい、また応答性が悪い回線だと画面がカクついたりするなど、プレイフィールにも支障が出てしまいがちだ。

最低限のゲーム内容だけ通信する同期方式は、MOやMMOタイプのゲームの多くが採用している。必要なときに必要な情報だけを送るため、貧弱な通信回線でも比較的安定してプレイしやすいが、プログラムのロジックが複雑になってしまう。

サーバとクライアント間の伝送方式について

伝送方式は、「P2P(ピアツーピア)型」と「サーバ/クライアント型」の2種類がある。ピアツーピア型とは、通信端末のうち1台がホスト役となり、そこへ他の全端末が接続する。ホスト役は集められたゲーム情報をまとめて処理し、各端末へ返信する。専用サーバを用意せずに済むのでコストを抑えられるが、ホスト役の負担が大きく、仮にこの端末がシャットダウンすると、全員が強制終了してしまう。

サーバ/クライアント型は、全通信端末がクライアントとなり、ネット上にある専用のサーバに接続して通信を行う。専用サーバを立てるコストが発生するものの、各端末にとって安定したプレイ環境となる。

通信制御プロトコルの違いについて

通信制御プロトコルは「TCP」と「UDP」の2種類。端的に言うとTCPは、通信データが確実に相手に届いたかどうかチェックを行ってくれるプロトコルだ。脆弱な回線や途中でパケットロスが生じた場合も再送・補完を行ってくれるので、通信データは相手に確実に届く。

一方のUDPは、チェックを行わない代わりに、通信速度を優先するプロトコルだ。多少データがロスしてもクリティカルな支障が出にくいため、音声通話やビデオストリーミングなどによく使われる。

モバイル回線の通信品質を検証

モバイルゲームを実際に遊ぶ環境では、さまざまな状況が刻一刻と変化する。同社は検証にあたり、こういった各状況を再現するためのテスト環境を構築。具体的にはNTTドコモ、au、Softbankの3端末から、別途用意したサーバに接続させ、その通信状況をまた別の端末からリアルタイムで確認するというものだ。

監視用の端末にはオンラインRPGの風のビューワーを設け、3キャリアの端末がサーバとの間で正常に通信が行われている間は、画面内のキャラクターがクルクル回って視覚的に確認できる。また、3キャリアの通信環境は、“接続人数(4~128人)、回線の種類(3G/LTE)、通信制御プロトコル(TCP/UDP)、通信頻度(30~240FPS)“などを切り替えられる仕組みだ。そのほか詳細の前提条件については、各スライドを確認してもらいたい。

実験その1:平常時のping速度と応答速度を計測
実験結果の要約:LTE回線

3キャリア共にパケットロスはゼロ
応答速度/転送速度に関して、TCPよりもUDPのほうが高速
FPSを30以上に上げても応答速度に大きな変化が無かった
品質は総じて高い

実験結果の要約:3G回線

どの端末もビューワー内のキャラクターの動きがカクつく(パケットロスなどが生じている)
TCPだと応答速度が100msを軽く超えてしまう。UDPが必須
キー同期では満足に遊べない。最低限のゲーム内容だけ通信する同期方式を推奨

実験その2:基地局を移動する場合の変化を検証

続いて今度は、地下鉄などに乗って移動しながら、基地局の切り替えや混雑状況などに応じて、通信環境がどのように変化するのかを検証。端末の環境設定はLTE/TCP/30FPSで固定となっている。検証の様子はムービーで録画されており、講演ではそのムービーと共に紹介された。

実験結果を要約すると、電車の取り替え時や地上から地下への移動など、基地局の切り替え時は不安定な状況になるものの、基本的には安定した通信環境が実現できていたとのこと。これらの実験結果をまとめて本城氏は、「常時接続型のオンラインゲームをモバイル向けに開発しても大丈夫!」「でも応答速度は厳しそう」と締めくくった。講演を拝聴する限り、通信回線の品質は概ねクリアしているようなので、今後はLTEのビジネスモデル、すなわち通信速度制限が掛かる7GB/月への対処をどうするか、といったところなどが争点になるのかもしれない。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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