スクウェア・エニックスが10月16日より配信中のiOS/Android向けアプリ「ケイオスリングスIII」。シリーズ最新作となる本作について、過去のシリーズ作品を全てプレイしてきた筆者が、その違いや新たな楽しみ方などを紹介していく。

目次
  1. さっそくアプリ起動
  2. 従来の「ケイオスリングス」シリーズとの比較
  3. 「ケイオスリングスIII」新要素について
  4. その他のプレイ感&初めてプレイする人のための小ネタなど

「ケイオスリングス」はスクウェア・エニックスが展開する本格RPGスマートフォン用ゲームアプリのシリーズ作品。2010年に第1作となる「ケイオスリングス」が発売されて以降、2011年に「ケイオスリングスΩ」、2012年に「ケイオスリングスII」と発売されており、今回紹介する「ケイオスリングスIII」は約2年ぶりの発売となる。

ここでは、過去のシリーズ作品を全てプレイしてきた筆者が、従来の「ケイオスリングス」との違いや、「ケイオスリングスIII」ならではの新たな楽しみ方について紹介していく。

さっそくアプリ起動

本作では、まず最初に主人公の名前を自由に設定することができる。ちなみに、デフォルトの名前は「ナスカ」。

ゲームがスタートすると、期待を裏切らない美しいグラフィックが楽しめる。ゲームの冒頭では、とある島で妹と2人で暮らしていたごく普通の少年が、夢の中で不思議な女性に出会ったことをきっかけに、神話の楽園「パラディソス」を目指すため島を出る決意をするというストーリーが描かれる。

従来の「ケイオスリングス」シリーズとの比較

爽やかな少年・少女がメインキャラクターとなり、明るい雰囲気に

今までの「ケイオスリングス」は、集められたキャラクター同士でペアを組まされたかと思うと、唐突に「命をかけて戦い合え」と命じられるところから始まる。そのため、主人公は「理由もわからないのになぜこんなことをしなければならないのか」と常に思い悩み、テーマや雰囲気もどこか重苦しいものだった。

「ケイオスリングス」 「ケイオスリングスΩ」
「ケイオスリングスII」

それに比べ、「ケイオスリングスIII」ではキャラクターそれぞれが「戦う理由」を持って集結。そして何より出会った者同士が「戦い合う」のではなく、チームを組んで「協力し合う」こととなる。

また、キャラクターの年齢層も従来よりグッと低くなっており、雰囲気も「青春」の要素が強まって明るく爽やかだ。世界観をガラッと一新しているため、シリーズ未経験者やこれまでの陰鬱な雰囲気が苦手だった人にはプレイしやすくなったと言えるだろう。

世界観は変われど、ゲームの端々に馴染みのあるワードが…

では、「ケイオスリングスIII」はほかのシリーズタイトルとは全然違うゲームになってしまったのか? そんなことはないということがゲームを進める中で見えてくる。

舞台はどうやらこれまでのタイトルより「はるか未来」のようで、時折過去作品で使用されていたワードが歴史上の単語のように登場するシーンが見られる。

とくに、キャラクターがエクスプローラー試験のために集まる「モダン・コロシアム」は、過去作品でキャラクターが呼び集められた「アルカ・アレーナ」をモチーフにして建てられたようだ。

「ケイオスリングス」で登場する「アルカ・アレーナ」 本作で登場する「モダン・コロシアム」

そのほかにも、「ショコラ」や「ヴァンブリュレ」など、バトルで用いるアイテム名は過去作品と同じであったり、モンスターとして見覚えのあるキャラクターも登場するため、シリーズのプレイヤーも安心できることだろう。

おなじみのアイテム どこかで見たことが…

「ケイオスリングスIII」新要素について

「バトルモード」「シナリオモード」の切り替えが可能に!

本作最大の特徴は「シナリオモード」「バトルモード」という2つのモードを切り替えて楽しめるようになったことだ。「シナリオモード」は従来通りストーリーを追ってゲームを遊ぶタイプのモードであり、「バトルモード」は純粋に戦闘のみを楽しむモードである。

シナリオモード

シナリオモードはストーリーを進めて遊ぶ形となっているが、従来と違うのは「ダンジョン」が解放されるごとにストーリーが進むのではなく、様々な「クエスト」をクリアしてストーリーを進めていく形式だということ。したがって、プレイヤーは「クエスト」をクリアしなければ先には進めない。

基本的にAランクの「キークエスト」と呼ばれるクエストをクリアすればストーリーが進むが、「キークエスト」が存在しない場合はBランク以下の「サブクエスト」のいずれかをクリアすればストーリーが進むので、とにかく迷ったらクエストが集まる「宇宙港」へ行き、どんどんクリアしよう。

バトルモード

バトルモードは「ケイオスリングスΩ」の「Extraモード」を彷彿とさせるものの、オリジナルのストーリーは一切なく、ただ戦うだけとなっている。大会にエントリーし、勝ち抜くと報酬がもらえるというシンプルなシステムだ。

バトルモードの装備やアイテム、ジーンは、シナリオモードと連動しており、バトルモードで獲得したアイテムなどはそのまま「シナリオモード」でも使うことができるのは嬉しいところ。また、勝ち抜くと特別な特典が手に入る「スペシャルバトル」など、期間限定のバトルも実施されている。

現在は「ハロウィンフェス」が開催中。

より奥深くなったバトルシステム

「バトルモード」を紹介したところで、バトルシステムについても紹介する。

戦闘後のHP回復や、形勢の有利・不利を表す「ブレイクゲージ」は踏襲!

エンカウントでバトルが始まるところや、バトル画面のUIや名称など、基本的には従来のものと変わらない。

右側に行動選択、左上には「ブレイクゲージ」というバトル形勢の有利・不利を表すパラメーターがある。プレイヤーに有利であればダメージをより多く与えられ、逆に不利であればより多くのダメージを敵から受けてしまう。

バトル終了後にはキャラクターのHPは自然に回復する点も同じだ。だが、MPについては1分につき1ずつしか回復しないので、慎重に使いたい。

「ソロ・ペア」プレイを廃止。チームで力を合わせて技を繰り出せ!

今までの作品では「2人1組のペアで戦う」という形式をとっていたため、それぞれ単体で攻撃する「ソロプレイ」と2人同時に攻撃する「ペアプレイ」を切り分けて戦っていたが、本作は3人の「チーム」として戦うため、従来の「ソロ・ペア」プレイは廃止されている。

代わりに3人の攻撃方法や条件によって発動する「崩し」や「コンボ」などのテクニック、そして「キメアタック」や「クライマックスアーツ」というチーム技が加わり、よりバトルの戦略に深みが生まれた。

崩し:クリティカルヒットや反属性の攻撃を当てると相手の攻撃を後に遅らせることができる
コンボ:崩し状態の相手に対し、続けて攻撃すること。後に続いた攻撃の威力が大きくなる

崩し コンボ

3人チームとなったことにより生まれた「キメアタック」と「クライマックスアーツ」について少し説明しよう。

先ほど触れた「コンボ」までは攻撃人数が2人でも実現可能だが、この「コンボ」が3人めまで連続で続くと「キメアタック」という技が発動し、敵に大ダメージを与えることができる。

キメアタック

さらに、左上の「ブレイクゲージ」がマックスの状態でコンボがつながると、「キメアタック」より強力な「クライマックスアーツ」という技が発動する。通常のバトルでブレイクゲージをマックスにするのは意外と難しいが、ボス戦などでは積極的に活用していきたい技だ。

クライマックスアーツ

「ジーン」の合成や強化が可能になり、カードバトル風の要素も

前作の「ケイオスリングスII」のみ「スフィア」という名称だったが、過去作品でも馴染みのある「ジーン」もバトルシステムに組み込まれている。

「ジーン」を装備することにより、キャラクターはジーンの特殊な能力をバトルで使うことができる。複数装備はできないが、言うなれば「ファイナルファンタジーVII」の「マテリア」のような存在だ。

従来の「ジーン」システムと違う点は、それぞれのジーンを組み合わせて合成し、強化したり新たなジーンを作り出したりできる点だ。また、ジーンがカード化されていることから、カードバトルのようなコレクション性や育成要素が生まれた。

ジーン合成

ジーンは「バトルモード」か「マリアイブ」のところへ行くと合成することができる。以下は2つのジーンから新しいジーンを作り出しているところ。

しかも、ひとつひとつが高クオリティなイラストで描かれているので、ついついコンプリートしたくなってしまう要素と言えるだろう。

その他のプレイ感&初めてプレイする人のための小ネタなど

圧倒的な美麗グラフィック!

美しい。とにかくこの一言に尽きる。前作の「ケイオスリングスII」でもグラフィックの美しさで話題になったが、それに匹敵するほどにクオリティが高い。

同じ場所でも微妙な光の変化で時間の経過がわかるなど、世界観にすぐに入り込める工夫がされている。また、基本的には今までにない未来的な世界観なので、宇宙を走る乗り物などは見ているだけでも飽きない。もちろん、レトロな街並みも存在しており、色々な場所に行って様々な風景を楽しむことができる。

戦闘中のハイテンション実況がすごい!

注目なのは「バトルモード」で戦う時のハイテンション実況。担当するのはモダン・コロシアム受付にいる「ハニーシュガー」だ。

語尾に「☆」をつけて話すのが特徴

このハニーシュガー、とにかく喋る。戦闘の最中ずーっと喋りまくっている。しかも、言葉のバリエーションが豊富で、それがちゃんと展開にマッチしているのだから驚きだ。ハニーシュガーのとにかくアツい実況をぜひ聴いてみてほしい。

「だいすけ選手が決めたァーーッ!!!」

キャラクターそれぞれの物語にも注目

これまでの「ケイオスリングス」シリーズでは、キャラクターが強制的に集められて戦わされるため、個人的に「負けられない理由」はあっても「戦う目的」というのが特に存在していなかった(もちろん、ストーリーが進行していくにつれて芽生えていくのだが)。

だが、本作ではメインキャラクターが個人的な目的を持った上で戦っており、明るい雰囲気とは裏腹に、それぞれに深い物語が隠されている点に注目してほしい。筆者自身もまだプレイの最中であるため、もっと深くやり込んでみるつもりだ。

できることがたくさん!やり方を忘れたら「説明書」をチェックしよう

本作はここでは紹介しきれないほどゲーム内でできることが多いため、「説明書」の存在は欠かせない。もし、何かプレイの仕方やシステムの仕組みを忘れてしまったりした時は、「キャンプ」→「オプション」→「説明書」を開き、逐一情報を調べよう。

「ケイオスリングスIII」は、iOS、Androidともに2,800円で配信中。普段ダウンロード無料のタイトルを遊んでいるユーザーには高額に感じられるかもしれないが、できることが幅広くボリューム大のゲームなため、金額以上の満足感を得られるはず。

また、PS Vita版「ケイオスリングスIII プリクエル・トリロジー」はパッケージ版が4,800円、ダウンロード版が4,300円(ともに税抜)で発売されている。こちらは過去3作品も収録されているため、これを機にシリーズを全て遊んでみたい人にオススメだ。

重厚なストーリーと壮大な世界観を楽しめる「ケイオスリングスIII」をぜひプレイしてみてほしい。

ケイオスリングスIII

スクウェア・エニックス

iOSアプリiOS

  • 配信日:2014年10月16日
  • 価格:2,800円(税込)

    ケイオスリングスIII

    スクウェア・エニックス

    AndroidアプリAndroid

    • 配信日:2014年10月16日
    • 価格:2,800円(税込)

      ケイオスリングスIII プリクエル・トリロジー

      スクウェア・エニックス

      PSVitaダウンロード

      • 発売日:2014年10月16日
      • 15歳以上対象
      • PS Storeダウンロード版

      ※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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