ソニー・コンピュータエンタテインメントは、2014年3月に発表したバーチャルリアリティシステム「Project Morpheus」の新型試作機を、サンフランシスコにて開催中のGame Developers Conference 2015において発表した。

目次
  1. 新型試作機の改良点
  2. ソニー・コンピュータエンタテインメント ワールドワイド・スタジオ プレジデント~吉田修平氏のコメント
  3. 「Project Morpheus」新型試作機の主な仕様

昨年3月の発表以来、あたかもゲームの仮想世界の中に入り込んでいるかのような体験を実現する「Project Morpheus(プロジェクト モーフィアス)」(以下:Morpheus)には、多くのゲーム開発者から関心が寄せられている。

今回の試作機では、ゲーム開発者やMorpheusを体験したユーザーからの意見も参考にしながら、さらに臨場感のあるバーチャルリアリティ(VR)体験を実現するため、従来の試作機に下記のような改良が加えられたという。

ソニー・コンピュータエンタテインメントは、Morpheusの2016年上半期中の商品化を目指し、今後もさらに開発を進めていくとしている。

新型試作機の改良点

有機ELディスプレイ採用

MorpheusのVRヘッドセットには、従来機の5インチの液晶ディスプレイにかわり、解像度1920×RGB×1080の5.7インチの有機ELディスプレイ(OLED)を採用しました。これにより視野角が向上するとともに、映像の残像感やブレを大幅に低減させることが可能になり、細緻に描き出されたゲームの仮想世界に入りこんでいるような感覚を高めます。

120fpsの映像表示に対応

OLED採用に伴い、120fps(frame per second)の映像表示に対応し、1秒間に120回の画像表示ができるようになりました。さらに、全てのプレイステーション4(以下:PS4)はシステムソフトウェアのアップデートにより、Morpheusに接続して使用する際に120fpsの映像出力が可能になります。これらを組み合わせることで、Morpheusのディスプレイが非常に滑らかに仮想世界を表現し、ゲームの世界の中に自分自身が存在するかのような体験を、より自然に楽しむことができます。

トラッキング性能の向上、遅延時間の低減

従来機のVRヘッドセットに搭載していた6つのLEDの数を9つに増やしたことにより、VRヘッドセットを装着したユーザーの頭部の位置をPlayStation Cameraがさらに正確に検知します。また、検知した頭部の動きを映像に反映するまでの遅延時間が、システム全体の最適化を通じて減少したため、頭部の動きにより一層即したVR体験を可能にします。

着脱しやすく、快適な装着感

従来機のVRヘッドセットで採用した、顔面への圧迫感や疲労の少ないバイザースタイルを継承しながら、一本のバンドだけで頭部に固定する構造にすることで、より簡単にVRヘッドセットを着脱することができるようになりました。また、部品構造の見直しと最適化を図ることで軽量化を実現し、さらに快適にVR体験をお楽しみいただけます。

ソニー・コンピュータエンタテインメント ワールドワイド・スタジオ プレジデント
吉田修平氏のコメント

別世界に自分が存在すると信じてしまうほどの素晴らしいVR体験が、新型試作機に採用した数々の技術により、いよいよ現実のものになってきました。MorpheusとPS4プラットフォームの組み合わせこそ、クリエイターの皆様がご自身のアイデアをVRゲームで表現する際の一つの基準になるでしょう。

「Project Morpheus」新型試作機の主な仕様

構成 プロセッサーユニット、VRヘッドセット
ディスプレイ方式 OLED
ディスプレイサイズ 5.7インチ
ディスプレイ解像度 1920×RGB×1080
(左右の目それぞれに960×RGB×1080の映像を表示)
リフレッシュレート 120Hz、60Hz
視野角 約100度
搭載センサー 加速度センサー、ジャイロセンサー
接続I/F HDMI + USB
機能 3Dオーディオ、ソーシャルスクリーン

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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