T-MEDIAホールディングスは、本日4月28日よりサービスを開始したゲームプラットフォーム「TSUTAYA オンラインゲーム」に関する記者説明会を実施した。

目次
  1. なぜ、いまCCCグループがオンラインゲームサービスを始めるのか
  2. 今後のスケジュールと3つ目のキーワード
  3. 「TSUTAYA オンラインゲーム」オリジナルタイトル
山内智裕氏
山内智裕氏

本日、東京・渋谷のT-MEDIAホールディングス本社にて、カルチュアコンビニエンスクラブ(以下、CCC)グループのオンラインゲーム領域での新サービス記者説明会が開かれた。

まずはT-MEDIAホールディングス 執行役員の山内智裕氏が登壇し、挨拶に続けてT-MEDIAホールディングスの事業内容を説明した。現在、CCCが展開する事業のうち、インターネット事業を統括するのがT-MEDIAホールディングスだ。実店舗とネット双方の「T-SITE」を運営しており、顧客に対しライフスタイルの提案や拡充を行っている。

本日12時よりβ版サービスが開始された「TSUTAYA オンラインゲーム」は、インターネット上におけるライフスタイル領域のサービス拡充を目的としているという。

なぜ、いまCCCグループがオンラインゲームサービスを始めるのか

山内氏は、CCCがオンラインゲーム事業を展開するにあたり、3つのキーワードを挙げて説明した。

1つ目は「One Stop」。実店舗としての「TSUTAYA」が顧客に支持されたのは、本、ゲーム、CD、DVDがひとつの店舗に統合され、レンタルや購入、買い取りサービスを利用することができたからだ。

インターネットでも同様に、顧客は本や映像、音楽といったコンテンツを、宅配レンタルや通販、ダウンロード販売といった形で利用することができる。しかし、ここに足りないものがゲームだ。ゆえにCCCは、「One Stop」を実現するべく、オンラインゲーム事業に挑戦することにしたのだ。

2つ目は「O2O」。CCCは、3年前に「T-SITE GAME」というプラットフォームを立ち上げている。ここでは「Tの世界」という、ユーザーが実際にTカードを提示して買い物をすると、自分の街がどんどん育つというオンラインゲームが提供されている。

Tの世界

「Tの世界」に登録したユーザーは、実際に店舗に行った回数が登録前に比べて2倍近くになったとのことだが、山内氏が「もっとうれしかったこと」として挙げたのは、例えばこのゲームがきっかけで行ったガスト(ファミリーレストラン)で食べたハンバーグがおいしかった、などといった「ユーザーの声」だった。

ユーザーが「Tの世界」を起点として、生活やコミュニケーションを楽しんでいることが伺えたという山内氏。「O2O」を通じて、視覚や聴覚のほかに触覚、味覚、嗅覚、家族の関係など、生活に密着したゲームのプラットフォームを展開していきたいと述べた山内氏は、“五感で楽しむゲームプラットフォーム”というキャッチフレーズを提示した。

今後のスケジュールと3つ目のキーワード

立山聡瑠氏
立山聡瑠氏

続いてはT-MEDIA ホールディングス プラットフォーム&マーケティングプロデューサー・立山聡瑠氏から、今後のスケジュール、「O2O」の詳細と3つ目のキーワード、そしてクリエイター支援について説明がなされた。

本日よりβ版がサービス開始となった「TSUTAYA オンラインゲーム」だが、プラットフォームとしての追加機能を用意し、それらを実装した正式サービスが7月末頃に提供される予定だ。

「Tの世界」のようなリアルとネットをつなぐ「O2O」タイトルだけでなく、ミドルゲーマー向けのエンタテインメント系作品もラインナップされている。ここでは、コーエーテクモゲームスの「100万人のWinning Post」、コアエッジの「バハムートクライシス ゼロ」、ライオンズフィルムの「メイズミス」が挙げられていた。

「TSUTAYA オンラインゲーム」の特徴は、Tポイントとの連携だ。ゴールド(プラットフォーム上のマネー)を購入するとTポイントが付与されるほか、Tポイントでゴールドを購入することもできる(1ポイント=1ゴールド)。また、リワードでTポイントが当たったり、PF登録や友達招待でTポイントが付与されたりする。さらに本日から5月31日まで、登録するだけで最大10万ptが当たるオープニングキャンペーンが実施される。

ここで話は改めて2つ目のキーワード「O2O」に移り、リアル店舗とオンラインゲームの連動の仕組みが紹介された。

顧客が店舗へ行き、Tカードを利用すると、データがサーバーに蓄積される。それがオンラインゲームプラットフォームに反映され、各ゲームと連動するというメカニズムだ。

例えばCDやDVDをレンタルすることでレアカードがもらえたり、提携コンビニでショッピングすると経験値がもらえたり、スタンプラリーでゴールドが手に入ったり、ネットでCCCのサービスを利用するとアイテムがもらったりといったものが想定されている。

つまり、日常的に買い物をすることで、ゲーム内にもプラスアルファが得られるのだ。しかも、プラットフォームとしてデータを引っ張っているので、「TSUTAYA オンラインゲーム」内で遊んでいる複数のゲーム上で利益が発生する。こうした店舗との連携は、随時キャンペーンとして実施していきたいと立山氏は話した。

また、オンラインゲームのサービス提供とは別に、クリエイター支援として「TSUTAYA オンラインゲーム CREATORS PROGRAM」が企画されている。2014年に実施されたベンチャーパートナーシップ「T-VENTURE PROGRAM」の概念を引き継ぎ、ゲームクリエイターのための企画・開発コンテストを行う予定だという。

こちらは企業だけでなく、さまざまなクリエイターがチャレンジすることができる。2015年夏から秋ごろに開催予定で、詳細は今後発表されるとのことだ。

「TSUTAYA オンラインゲーム」オリジナルタイトル

平岡功臣氏
平岡功臣氏

続いて、T-MEDIAホールディングス ゲームプロデューサーの平岡功臣氏から、「TSUTAYA オンラインゲーム」の新規タイトルについて説明がなされた。

「PROJECT-TO」

まず紹介されたのは、ファイブスターズゲームとの共同タイトル「PROJECT-TO」。こちらは、“おみせやさんごっこ”とソーシャルゲームを組み合わせた作品だ。

プレイヤーはゲーム内で自分のお店を持ち、繁盛させていく。プレイヤーが提携店舗でTカードを提示して買い物をすると、ゲーム内のお店で商品の仕入れができる。それをゲーム内のお店で販売し、売上でさらに商品を仕入れたり、お店を拡張・飾り付けしたりする。

「あのお店で買い物をすると、あんな商品が仕入れられるのでは?」とワクワクしてもらいながら楽しんでいただけたら、と平岡氏は述べていた。

渡邉幹雄氏
渡邉幹雄氏

説明会にゲストとして招かれたファイブスターズゲームの渡邉幹雄氏によると、2014年2月に話を受けた本作は、社内でも非常に盛り上がっているという。渡邉氏は「TSUTAYA オンラインゲーム」について、生活とゲームがシームレスになる唯一かつ非常に画期的なオンラインゲームプラットフォームだと話した。

本作は、他のプレイヤーのお店に行ったり、他のプレイヤーが自分のお店に来たりといったソーシャル要素も盛り込みつつ、スマートフォンとPCブラウザの両方に対応するように現在開発を進めており、2015年冬にローンチされる予定とのことだ。

「にゃんこプレジデンッ!」

モバイルファクトリーとの共同タイトル「にゃんこプレジデンッ!」は、スマートフォン対応の“にゃわばり争奪”位置情報ゲームだ。こちらは本日から遊ぶことができる。

本作のゲーム内では、TSUTAYAをはじめさまざまなお店が「スポット」になっている。プレイヤーはこのスポットの近くに行ったり、「レーダー」などのアイテムを使ってチェックインして縄張りを広げていく。

平岡氏が本作の一番のポイントとして挙げたのは、提携店舗を利用することでもチェックインできるという点だ。例えば、本作でチェックインするべく提携店舗を利用することで、「Tの世界」ではお店の設計図が手に入るなど、他のゲームと連動させることができる。

「メモリア・ナイツ」

クリーク・アンド・リバーとの共同タイトル「メモリア・ナイツ」は、平行世界の日本を舞台とし、人々の記憶の中にある英雄「メモリア」を使って戦う“ライトディフェンスRPG”。

ゲームの世界には各地に「T-FRONT」という拠点があり、プレイヤーはこれを奪い返すことを目的とする。こちらも利用履歴連携が備わっており、例えば地方に行って提携店舗を利用すると、特別なメモリアやアイテムが手に入る。こちらは2015年夏公開予定で開発中とのことだ。

「東京ハーレム」

最後に、連携タイトルではなく「エンタテインメント系タイトル」として、レッド・エンタテインメントとの協力タイトル「東京ハーレム」が披露された。

こちらは2015年夏にPCブラウザ向けにローンチが予定されている、美少女と一緒に東京を制圧していくRPG。イラストレーターのゆーげん氏をキャラクターデザインに迎えている。2014年の春ごろに企画が立ち上がったという本作はかなり精力的に作られているようで、毎日毎日設定画が上がってきてうれしい悲鳴をあげていると平岡氏は述べていた。

名越康晃氏
名越康晃氏

ゲストとして招待されたレッド・エンタテインメント代表の名越康晃氏は、このゲームが遊びたい、このゲームでTポイントが使えるという直接的なモチベーションを軸にして利用してもらえればと話し、将来的にはこのコンテンツのオリジナル映像配信などを相談していきたいと話した。

名越氏に本作の感想を問われた山内氏は、イラストを見た時に「萌えまくり」だったと回答。キャラクターデザインのゆーげん氏は、レッド・エンタテインメントの作品をよくプレイしており、本作のコンセプトを話しているうちにテンションが上がっていたという。さらに山内氏も同社のタイトルが好きとのことで、ゆーげん氏とも「かなり盛り上がった」そうだ。

最後に名越氏は、本作は妥協せずに作るので“遅めの夏”にリリースしたいと付け加えていた。

これからも新しいゲームや楽しみ方を提供していくという「TSUTAYA オンラインゲーム」。最後に山内氏は、リアルとネットを連携させたタイトルを軸に、これからエンタテインメント系タイトルやミドルコア向けのタイトルも作っていきたいと述べ、発表会は幕を閉じた。

TSUTAYA オンラインゲーム
http://game-tsutaya.tsite.jp

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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