カプコンは、7月19日にサウンドトラックCD「大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險- 劇伴音樂大全集」の発売を記念したミニトークステージ&サイン会をタワーレコード秋葉原店で開催した。今回はイベントの模様とショートインタビューをお届けする。
会場にはプロデューサー・小嶋慎太郎氏とディレクター・巧舟氏が登場。7月9日に発売した「逆転裁判」シリーズ最新作となるニンテンドー3DS用ソフト「大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-」のサウンドについて、巧氏はまず「レイトン教授VS逆転裁判」から生音にしたことに触れ、今回はゲーム内の19世紀のオーケストラのようなサウンドを目指したとコメント。しかし、その中でも「逆転裁判」らしいメロディーラインは崩さず、ずっと続いてきた伝統は守ったという。
収録されたすべての曲が全部好きだという巧氏だが、やはり龍ノ介のテーマが気に入っているといい、キャラクターのテーマはどれも思い出深いが、なかでも制作中に14パターンほども考えられた寿沙都のテーマはどれも気に入っていそうだ。小嶋氏も寿沙都のテーマは日本的な雰囲気があって「らしい曲」だと感想を述べた。
さらに、巧氏描き下ろしのミニ色紙プレゼント抽選も。デザインは成歩堂龍ノ介、御琴羽寿沙都、シャーロック・ホームズといったゲームでお馴染のキャラクターに加え、巧氏が手掛けたミステリーゲーム「ゴーストトリック」のミサイルといった4種類。その後、駆けつけた約90人のファンはサウンドトラックCDへ小嶋氏と巧氏サインを貰うことができた。わずかな時間ながら両氏はファンとの談笑を楽しみつつ、和やかな雰囲気の中でサイン会は終了した。
また、小嶋氏と巧氏に「大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-」のサウンドについてお話を伺えたので紹介しよう。
――サウンドトラックCDの聞きどころについてお聞かせください。
巧氏:シャーロック・ホームズとかナルホドくんが19世紀のロンドンにいるという時代感、空気感と、「逆転裁判」シリーズとして前作から引き続き生音になりますが、それでも逆転らしさを追求していますので、その辺りの変わった部分、変わらない部分を聞いていただけると嬉しいです。
――時代感として意識したのはどのような部分でしょうか?
巧氏:イメージとしてはクラシックな音楽ですが、それだけだと世界が狭まってしまうので、そのイメージがありつつも「そこからどう広げていくか」という部分が難しいというか、最初に考えたところです。
最初にシャーロック・ホームズとの共同推理のテーマから作り始めたんですが、タップの音など、ちょっとスパニッシュな要素も入ってます。当時は弦などが主体というイメージがあるんですが、タンゴが入ったりとか、そこからどう外していくかというか、広げ方に気を付けました。ホームズがバイオリンを弾くとか、皆さんにイメージがあるじゃないですか。そこは大事にしつつ、アイリスちゃんにはシンセサイザーを入れてみたりとか、ブラスバンドっぽい感じがいいんじゃないかとか、太鼓を入れてはどうかとか、そんな感じで作っていきました。
――とくに注目してほしい曲についてお聞かせください。
巧氏:僕はやはり裁判中のナルホドくんのテーマというか…1曲じゃなくなっちゃうんですけど、いつも「逆転裁判」シリーズの法廷で聞こえる曲が今回どんなふうになっているかという、法廷のシーンの曲を聞いてもらえると嬉しいです。
小嶋氏:やっぱり「成歩堂龍ノ介~異議あり!」との一番付き合いが長いというか、PVでも使われてて、これが主人公の曲であり、「大逆転裁判」らしいなという曲調だと思うので、僕は好きですね。
――ダウンロードコンテンツ「ランドストマガジン」の中で未使用曲が公開されていましたが、どういう経緯で決定したのでしょうか?
巧氏:今回、作っていく中で何度も曲のリテイクはお願いしたいんですけど、どうしてもどこかで発表したいようなクオリティの高いものばかりだったんです。ダウンロードコンテンツの配信をどうするかで真っ先に上がったのが、出すならゲーム内で使われなかった曲だろうと。パズルのように組み替えて、違うシーンへ使うようなこともしたんですけど、それでも使用しきれなかったものが生まれてしまって、でも皆さんに聞いてもらいたくて、ダウンロードコンテンツが決まった初期から入れようという話が出てました。
僕は選曲に加わってないんですけど、きっと北川くん(北川保昌氏)の怨念のような情熱のこもった作品が、ここで浄化するんじゃないかなと(笑)。
小嶋氏:ゲームの中で使われなかっただけで、それぞれとてもいい曲なんですよ。「あれっこっち使われなかったんだ…」というのもあって。
巧氏:楽曲は本当にクオリティが高かったんですよ。ナルホドくんのテーマも何パターンもあって。実はエンディングの最後に流したのは、最初のナルホドくんのテーマなんですよ。色々なシーンで使ってますね。
――北川氏をはじめ、サウンド制作ではどのようなやり取りが行われたのでしょうか?
巧氏:フロアは違うんですけど、まず最初に曲が上がってきて、しばらくしてディスカッションしてというのを1曲について5~6回は繰り返しましたね。日々こんな感じで、すごく細かいことも言うんですけど、彼らはしっかり対応してくれて。むしろ、僕をどんなふうに思ってるのか聞いてみたいですね(笑)。
北川くんとは2作目なんですけど、先ほども言いましたが1曲が決まるまでに何パターンも作ってくれるんですよ。ナルホドくん、スサトさん、アイリスちゃん、アソウギなんかはいくつも違うパターンを作ってもらいました。
小嶋氏:北川さんは淡々としたようにみえますけど、すごく情熱をもって制作に取り組んでくれまして。「分かりました。じゃあまた作ってきます!」って、色々と作ってくださいました。
巧氏:会った瞬間、僕の顔色を見るとこれから何を話すのか分かるらしいんですよ(笑)。こちらも作り直しをお願いするのは心苦しい気持ちがあるので、どこか顔に出るんでしょうね。愛想がよかったり(笑)。
――今回はとくに「オーケストラの生演奏で聞いてみたい!」と思ってしまう楽曲ばかりで、ぜひコンサートを開催していただきたいです。
小嶋氏:皆さんから応援していただけるなら、いずれ何かの形でできたらいいなとは思いますね。いいタイミングを考えていければと思います。
――ありがとうございました。
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賞品
アルバム「大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險- 劇伴音樂大全集」
小嶋慎太郎氏と巧舟氏のサイン色紙
提供
株式会社カプコン
当選数
1名(抽選)
応募期間
2015年07月19日 ~ 2015年07月26日