8月1日に千葉・舞浜アンフィシアターにて、スクウェア・エニックスのRPG「ドラゴンクエスト」シリーズのファン向けイベント「ドラゴンクエスト夏祭り 2015」が開催された。
ドラゴンクエストシリーズ ゲームデザイナーの堀井雄二氏をはじめ、ドラゴンクエストXのプロデューサー 齊藤陽介氏、ディレクター 齋藤力氏、チーフプランナー 安西崇氏ら「ドラゴンクエスト」シリーズの開発者に加え、タレントのケンドーコバヤシさん、漫画家の地獄のミサワさん、声優の菅沼久義さんといった「ドラクエ」に縁のあるゲスト陣が集結。
トークやバラエティコーナーなど、実にさまざまなイベントが行われた。今回は「Ver3.1情報コーナー」と「ディレクターリアル夜話~これからのDQX」を中心にレポートしつつ、イベント全体の模様にも触れていきたい。
「Ver3.1情報コーナー」では、まず最初にストーリーについて触れられた。紹介されたPVでは、溶岩に囲まれた灼熱を思わせるダンジョンなどもあり、これまでとはだいぶ違った印象を受ける。
齋藤力氏(リッキー氏)曰く、Wiiの限界を超えるレベルで制作されているとのこと。街も当然あり、発表された画像からは、大聖堂のような建物も。また、音楽は過去の「ドラゴンクエスト」で使用されているものも一部用意されており、PVでは「ドラゴンクエストVI」のBGMも確認できた。さらに、新たなモンスターも登場する。ここでは、昔懐かしいモンスターなども確認でき、会場から歓声が上がっていた。当然、新キャラクターも多数するとのこと。
また、転生モンスターが2種類追加されている点も見逃せない。デビルアーマーの転生である「エンゼルアーマー」、バトルレックスの転生である「パラディノス」が登場。こちらの2体は、Vジャンプで連載中の漫画「ドラゴンクエスト 蒼天のソウラ」にも登場しているため、このたび晴れて「ドラゴンクエストX」にも登場することになったわけだ。
さらに会場では、新しい宝珠が50種類以上追加されることや、特訓スタンプの上限が6500個から7000個にアップしたこと、チームレベルの上限がLv45から46になったこと、仲間モンスター転生回数が最大8回まで解放されたこと、仲間モンスターとの装備共有が可能になったことも明らかにされている。
Ver3.1からモンスターを100種類討伐するごとに小さなメダルが50枚もらえるようになったことも発表。さらに、釜錬金の姿を変える「釜錬金プリズム」も登場する。スクリーンショットが公開された瞬間、会場からは笑いが漏れていた。
また、ハウジングに壁掛け家具が登場することも明らかになった。会場では、アンルシア、セラフィといった人気キャラクターの壁掛け家具も確認できた。さらに、ジュレットの街に遊泳エリアが登場することも発表。なんと更衣室も存在するらしく、こちらはリッキー氏の趣味との疑惑も浮上。このほか、すごろくマッチング機能が追加。および新マップ、新職業が追加されることも明らかに。
新武器も登場する。グローリーアックス(斧)、エンシェントタクト(スティック)、魔炎のおおづち(ハンマー)、妖鳥くちばし(ブーメラン)、クロスペンデュラム(鞭)、大鳳の槍(槍)、あやかしの魔弓(弓)、万物流転の杖(杖)、ラヴィアンローズ(扇)、エンシェントククリ(短剣)、戦姫のレイピア(片手剣)、スレイプニール(両手剣)、炎帝の大盾(盾)、星辰の盾(盾)が次々に紹介されていった。なお、ツメは諸事情により発表が見送られた。
リッキー氏がユーザーからの質問に真正面から答える「ディレクターリアル夜話 2015夏」
続いては、恒例となっている「ディレクターリアル夜話 2015夏」のコーナー。これは、ディレクターのリッキー氏が司会となり、プレイヤーの質問に正面から答えていくというもの。
まずは、「Ver3.0スカスカ問題」について。この件についてリッキー氏は、「Ver3.0の内容が、プレイヤーの皆さんのご期待に添えるものではなかったことを痛感しています」とストレートにコメント。踊り子や達人のオーブ、不思議の魔塔などといったコンテンツを追加してきたものの、Ver2.0で追加されたカジノや仲間モンスター、ピラミッドなどと比較すると物足りなかったことは否めないとする。しかし、反省するだけでは前に進めないとリッキー氏。
今後は、仲間モンスターを操って行える協力バトルや、オンラインで学園生活を楽しめるアストルティア学園、自分のスライムを育てて、アストルティア最速のスライムを決めるスライムレースなどをやっていきたいと、今後の予定を述べる。そして、最終的にVer3を振り返ったとき、「Ver2よりも良かった」と言ってもらえるものを目指していきたいと話していた。
また、「メインストーリーで新しい場所を冒険できなかったのが残念だった」という意見に関しては、今後は新しい世界を追加していくと明言。最終的には、レンダーシアを超える規模感を想定しているので、まずはVer3.1のアップデートを期待してほしいと回答した。
続いては、「強くなっても倒す敵がいない」という問題について。ダークドレアム、ピラミッドの第9霊廟、試練の門や達人クエストなど、強さを求めるものを追加してきたつもりではあったが、強さを発揮できるコンテンツがまだまだ不十分だったとコメントするリッキー氏。今後、新たな強敵を追加していくことでこの問題を解消していきたいという。ただ、強さだけを求めていも意味はないので、必ず、やり甲斐のある報酬とセットで登場させることが条件だと話していた。
ここからはユーザーからの質問もいくつか紹介していこう。「人間キャラで、大人と子供を選び直しすることはできるようになるのか」という質問では、現在、技術面や世界観の面で色々な問題があるため、その辺りをクリアしてから検討される予定だと回答。「仲間モンスターの強化について、何かテコ入れはないのか」という質問では、コンテンツの追加に合わせて、仲間モンスターをもっともっと強くできるようにしたいと思っているとのこと。「釣りを忘れていませんか?」とシンプルな質問では、「忘れていません」とキッパリ。Ver3の期間内で新しい魚を釣れる拡張を行うそうだ。
会場からは「プクリポで大きなモンスターと戦うとき、視点が見えづらい時がある。カメラアングルやウィンドウの位置を修正する予定はありますか」という質問が飛び出した。こちらに関しては、描画面での負荷が高いため一度は諦めたとの回答。しかし、もちろんこのまま放置するのではなく、一度、技術チームと相談して、再度答えを出したいと述べていた。続く、「SPふくびきを10枚まとめていくことはできないのでしょうか」という質問では、リッキー氏もすでに同じオーダーをチームに出しているとのこと。しかしタスクの優先順位でこぼれてしまっているため、もう一度プッシュしていて、現在は上位に上がってきているという。
続いては、「仲間募集の時にエリアを設定しなければいけないのだが、エリアを統合することを考えているか」という質問。こちらも開発タスクに乗ってはいるのだが、なかなか実現できていないというのが現状だという。リッキー氏は、「ずれる可能性が高いと思ってほしい」という前置きのもと、こちらは、Ver3.2のタイミングで達成したいと述べていた。