【Gamer 夏の6本勝負】と題し、編集部メンバー4名が3週間にわたり、6ジャンルのゲーム大会を繰り広げる。中編となる今回は、Xbox One「Forza Motorsport 5」、PS3「みんなのGOLF 6」の模様を送ります!
先週より始まった【Gamer 夏の6本勝負】とは、6つのジャンルからゲームタイトルを選出し、編集部内の覇を競いあう、夏真っ盛りにあわせた連載企画。前回掲載の前編(まだ見ていない人はぜひともチェック!)では、編集部メンバーがPS4「ぷよぷよテトリス」、iOS/Android「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」で勝負をし、それぞれの勝者が勝ち点を収めた。
現時点での集計は以下の通りで、
勝ち点一覧
参加メンバー 勝ち点の集計 TOKEN 2ポイント ささみ 1ポイント yama 0ポイント ばかいぬ 0ポイント
TOKENが先制パンチを決め、ささみがジャンプアップの気配を見せつつ、yamaとばかいぬが泥臭い最下位を争っている。だが、今回使用するタイトルはレースジャンルより「Forza Motorsport 5」、スポーツジャンルより「みんなのGOLF 6」と、専門的に腕を磨いているメンバーは皆無の状況。低レベルの対戦の中、いかにしてゲームに適応し、一歩先んじるのだろうか?
企画もこれより中盤戦。編集部No.1の誇りと、「肉の万世」の豪華ステーキを手にするのは果たして誰なのか! 気になる人は、これから起こる激戦の模様をその目に焼き付けてほしい!!!
ああー、格ゲーなら全員2タテでボコすのに―。
第3種目「Forza Motorsport 5」
第3種目は、日本マイクロソフトが発売中のXbox One「Forza Motorsport 5」。Xboxハードの立ち上げとともに歴史を重ねてきたカーレースゲームシリーズの最新作で、リアルの追及を御旗に、次世代ゲームというステージをひた走っている。
ルールは、多少難しめなコースを2周するタイムアタックを採用。1位は“勝ち点1”、ビリは“マイナス1点”と盛り上げ上手な進行だ。加減速やガイドに関するサポートは極力カットしているため、ダイレクトに伝わってくるピーキーな挙動を御せるかがポイントとなる。
なお、社内で普段から車に乗るのはyamaだけで、筆者を含めて殆どがペーパードライバー。当然レースゲームにも疎く、筆者も最後にプレイした記憶があるのは「チョロQ ワンダフォー!」という始末。タイムを取ってスピードを出すか、はたまた安全運転を心掛けるかは戦略次第。ゆえに、素人同士の見るも無残な駆け引きが展開していくことだろう。
ちなみに、今回は各自に練習時間を与えるのも面倒だったので、「筆者がプレイする様子を見ながらボタン配置を知ってもらう」という実演形式の取扱説明書を導入。ゲームが始まった瞬間から己の力量で勝負するのがここでの嗜み。「え、これ、どうやって操作するんですか?」などといった、はしたない編集など存在していようはずもない。甘えるな。
筆者は格ゲーを遊んでいる身なので、たとえロケテストや稼働初日であっても、初プレイよりも前の情報収集の時点で勝ち負けが決まることを知っている。本企画でゲームの総合力を試すというのは表の事情である。プレイしたことがなくとも、事前の情報収集とその場の適応力でいかにしのぐか、それが一番勝敗にかかってくるポイントなのだから。
レースで使用する車種はMAZDA「RX-8」。初心者目線でドライビングの癖を語ってみると、リアルな挙動と、直観的に操作しやすいゲーミングな挙動が気持ちよく融合しており、操作しているだけでも十分楽しい。一方、タイヤが地面に噛みつきやすく、グリップもゲージ管理されていることから、タイヤマネージメントの巧拙が勝敗を分かつかも。
ただ、想像以上に初心者でもパッとプレイしやすく、挙動も大崩れしないので、初見+直観での勝負にはもってこいのタイトルといえよう。
出走順によってコースへの知見が変わることから、順番はジャンケンで決めてもらうことに。結果、2番手&3番手から埋まる日本人的ベタを見せつけられつつ、暫定王者のTOKENがファーストランを飾ることとなった。
実演中、再三にわたって「アクセルはココ(RTボタン)だよ、ココ(RTボタン)」とレクチャーしてあげたのにも関わらず、スタートラインで「進まない!進まない!」と一所懸命、R1を押し続けるTOKENには少し憐れみを感じた。が、プレイ自体はそつなくこなし、1週目のタイムもそこそこに最後のコーナーを曲がると……彼は行ってしまったのだ、ピットインの向こう側に―。
本作ではピットインもしっかり作られており、リアルなレース感を味わいつつ、戦略的にゴールを狙うことができる。しかし、今回は走るのはたったの2週。確かに、筆者は実演中にピットに入らなかったし、そもそもピットの存在に気付いていた人も少ないが、彼は導かれるようにスゥー…っと入り込み、ピット内を制限速度でノロノロと走りながら、大幅ロスを抱えて本線に戻った。
約束された敗北のタイム。まさか第1出走者ともあろうものが、誰もが越えられるハードルを設置してくるとは思わなかった。「どうすんだよ、『Forza』出オチじゃねえか…」と記事の心配すらしてしまった。まあ、皆の心は軽くなったけどね。
ドライバー | タイム | 順位 | 勝ち点 |
---|---|---|---|
TOKEN | 05:44.034 | 暫定ビリ | +1 |
ささみ | 未出走 | ||
yama | 未出走 | ||
ばかいぬ | 未出走 | -1 |
「醒めちまったこの夏に…熱いのは…俺達のPLAYING…」とばかりに横浜のウォリアー、ささみが2番手に登場なのさ…。レースゲームにはとんと疎いものの、負ける方が難しそうなタイムを叩き出してくれたTOKENに感謝するように、ニヤニヤしながらコースを走り抜けていく。
コース取りやコーナーの突入角は致命的に下手くそだが、無難な操作とアクセルベタ踏みが功を奏したかラップタイムを稼いでいく。TOKENから「皆、ピットインしよ」とどうもこうもない野次が入るが、耳を傾ける者はおらず。最終的に05:18を記録し、暫定1位となった。
ドライバー | タイム | 順位 | 勝ち点 |
---|---|---|---|
ささみ | 05:18.886 | 暫定1位 | +1 |
TOKEN | 05:44.034 | 暫定ビリ | |
yama | 未出走 | ||
ばかいぬ | 未出走 | -1 |
3番手においでましたのはyama。これまでは筆者も含めてアクセルをガンガン吹かして運転してきたのだが、彼だけは意外なくらい丁寧な速度で走っていく。初見プレイでありながら、コーナーをアウトから入ってインで抜ける位置取りがとても綺麗。コースに刻まれているタイヤ痕をなぞる様に、タイヤが縁石を舐めて走っていく。
流石は車好きというほかない。まだ挑戦していない人を加えたとて、プレイングが月とすっぽんであることがよく分かる。筆者たちが「V8!V8!V8!」と称えてしまうのも無理のないこと。ただ、TOKENだけは未だ怒りのデス・ロードを走っているのか、煽りがもはや罵声に変わってきている。もちろんタイムは暫定1位を記録していた。
ドライバー | タイム | 順位 | 勝ち点 |
---|---|---|---|
yama | 05:10.616 | 暫定1位 | +1 |
ささみ | 05:18.886 | 暫定2位 | |
TOKEN | 05:44.034 | 暫定ビリ | |
ばかいぬ | 未出走 | -1 |
最後はヤキトリの気配が漂っている、ばかいぬ。正直なところ、yamaのタイムを打ち破るには相応の技能を持っていなければ厳しいが、如何せんそんなものは無い様子。しかし、前回の「スクフェス」でチームメンバーとして煮え湯を浴びせてしまったyamaからばかいぬに、お詫びとしてプレイのコツが伝授される。中々義理堅いところがある。
そんな時、たった1人の怒れる男、TOKENより「そこ!教えない!これ勝負なんかだから!!!」とケチが投げかけられる。それも一つの正解だが、盤外戦を含めて勝利に繋げるのも手なので、審判としては別にかまわないんですよ? もはや私怨の塊と化した亡霊に届く言葉はないが。
丁寧にプレイを進めていくばかいぬ。グッドターンを決めるたびに同僚たちから「おお、カッコいい!」と歓声が飛び、ちょっともたつくとヤサグレな先輩から「おおぉ!?おおぉ!?ヘイヘ~イ!」と煽りが飛んでくる。結局タイムは振るわなかったが、パワハラにも負けず、無事にゴールインしたその姿には感動もひとしおだ。
そしてタイムの集計が完了。1位のyamaには“勝ち点1”、ビリのTOKENには“マイナス1点”が計上され、3ジャンルを終えた折り返し地点にて、フラットな様相を呈してきた。たった一人、ばかいぬだけがいまだ0点と苦しい状況だが、ここから先は筆者の采配一つでポイントが上下する魔境。勝ち点なんてものは気付いたら二転三転してしまうのだから。
ドライバー | タイム | 順位 | 勝ち点 |
---|---|---|---|
yama | 05:10.616 | 1位 | +1 |
ささみ | 05:18.886 | 2位 | |
ばかいぬ | 05:23.212 | 3位 | |
TOKEN | 05:44.034 | ビリ | -1 |
勝ち点一覧
参加メンバー 勝ち点の集計 TOKEN 1ポイント yama 1ポイント ささみ 1ポイント ばかいぬ 0ポイント
第4種目:「みんなのGOLF 6」
第4種目は、ソニーコンピュータエンタテインメントが発売中のPS3「みんなのGOLF 6」。デフォルメされた親しみやすいキャラクター、シンプルで分かりやすく、かつ爽快感のあるゲームシステムで、国民的ゴルフゲームの地位を確立している通称「みんゴル」のシリーズ6作品目だ。
ルールは、スタンダードな「メープルリーフゴルフクラブ」の全9ホールを4人同時プレイで進めていき、1位から勝ち点3>勝ち点2>勝ち点1>マイナス1点を計上していく。勝ち点がインフレ気味だが、今回エントリーしているタイトルの中では、みんゴルが最もフェアに楽しめそうなのでジャックポットのチャンスとした。
今回は色物設定にて、「10秒で打たないと+1打」「新いじわるゲージ」を選択。前者はその名の通り、手番が回ってから10秒の間にアクションをしなければペナルティというもの。プレイ側も見てる側も、じっくりコトコトと1打ずつ練られては堪ったものではない。焦れ。はよ打て。
後者は、ショット時のパワー/コントロールを決定するゲージの速度が気まぐれに変動する色物で、波乱の展開が見たかったので採用した。キャラおよび打ち方はジャンケンで決めさせ、女の子キャラじゃないとモチベが上がらない人同士での潰し合いが行われた。浅ましい…。
そんなわけでスタートしたみんゴルだが、意外にも皆手馴れているのか、ゴルフというシステムに心得があるのか、予想外にスムーズなプレイを見せる。yamaは風の流れをみて向きや強弱を調整し、TOKENは一人だけサークルショット(リズムゲームのような打ち方)を選択し、ばかいぬも10秒というタイムをキッチリ使って冷静にプレイしていく。
TOKENはサークルショットのタイミングがほぼ完璧で、やり込みを見せてくる。しかし、いまだ留まらぬ煽りに周囲のヘイト値がグングン上昇していくのも見て取れる。いかん、もっとやれ。一方、yamaとばかいぬはいじわるゲージに若干弄ばれるものの、ショットの方向やマージンをしっかりと差し引いて、ボールを飛ばしていく。安全策が光る。
―しかし、そんな中で悲哀を背負う子が一人いた。「どこで打つんすか?どこで打つんすか?」と嘆きながら最初の手番で「10秒で打たないと+1打」を加算してしまう男、ささみだ。ゴルフ的なモノの見方をできず、とりあえず打って落として打って外して打って打って…。第1ホールで+4打と、致命傷に匹敵する授業料を支払う。
グリーンの読み方を知らぬ者に明日はない。筆者からできる最大限のアドバイスといえば、「自分で這い上がろうとするんじゃなく、相手が落ちることを祈った方が良いよ」。そんな彼にもいじわるゲージの悪夢は降りかかる。ボールは無慈悲にもショッキングな方向へ乱れ飛ぶのであった。
当然、ほかの3人がパーもしくはボギーの時、ささみがバーディーを取れるわけがない。挙句の果てに「チップイン ダブルボギー」なる必殺技めいたカップインを決めてしまい、ほかの3人に笑いを提供する。ごめんね、みんゴルやったことなくて笑い所がサッパリわからない。
中盤に差し掛かると一人燻っていた落ち武者、ばかいぬが頭角を現した。ゴルフは分からないが、ゲーマーの視点から見ていると、ばかいぬのプレイングは他の3人よりも賢く、美しい。“10秒制限”に焦らされず、気圧されず、制限時間をいっぱいに使ってさまざまな項目にアクセスし、ゲーム内の情報を拾っていく。その甲斐あってかバーディを決め、初のアンダースコアを記録した。
一方、TOKENも中盤まではばかいぬと競っていたのだが、風の悪戯に翻弄されて失速。yamaも大崩れはしなかったものの、嫌な位置からのリカバリーに安全策の2打を選択していき、徐々にオーバースコアへと膨れ上がってしまった。まあ、6割以上がパット次第だったが。
最後の第9ホールを前にして、スコアは+2のばかいぬ、+4のTOKENとyama、+13のささみと熱い展開に。大丈夫だよ、ささみ。筆者も小学生まで+10とかの方が何か強そうだと思ってたから。安心して引っ込んでて!
それにしても2位争い、もとより1位の棚ボタ戦争も実に微笑ましい光景だ。相手に「落ちろ!落ちろ!落とせ!」といい大人が貶し合っている。ちなみに本作では、相手の手番中にエールや野次を送る機能も備わっており、それらもふんだんに活用され、足を引っ張り合っている。
負け続けのレールから抜け出すために一歩先を行く者、それに追随しつつ相手をいかに蹴落とそうか考えている者、部外者気取りでのほほんと自分だけのゴルフライフを楽しんでいる者、そしてそれらを俯瞰して一枚の絵にしようとしている筆者。この一室に、もはや在りし日のゲーム小僧の姿は一つもない。荒んだ社会の縮図を表す、餓鬼しかいないのだ。諸行無常。
そんなわけで第9ホールもついに終了。結果は丁寧にリードを守り切り、同時にヤキトリも回避したばかいぬが“勝ち点3”、相手のミスで浮き直したTOKENが“勝ち点2”、悔しいミスに散ったyamaが“勝ち点1”、+15で良いとこ無しの寿司ボーイ・ささみが“マイナス1点”と、世は正にジャイアントキリングの時代。
勝ち点一覧
参加メンバー 勝ち点の集計 TOKEN 3ポイント ばかいぬ 3ポイント yama 2ポイント ささみ 0ポイント
中盤戦を終え、いよいよ終盤戦を残すのみとなった夏の6本勝負。色々な勝敗が付いて周ると、編集部メンバーたちの本性も徐々に露わになってくる。ウザいくらい負けず嫌いなTOKEN、勝敗の先を見ている事なかれなyama、興味のないジャンルには腰を上げないささみ、――そんな中で大人な対応を振りまくばかいぬは偉大やでぇ…。
後編に残されたタイトルは、大流行中の「スプラトゥーン」と、読者の殆どが知らないであろうアナログゲーム「タイムライン」だけとなった今、さらなる一波乱は待ち受けているのだろうか? ささみはwikiだけは読み込んでいると言っているが、果たして? ちなみに、執筆中の今現在はまだプレイしていないので、結果は本当にサッパリだ。
数えても、数えても、増えない夏休みの残り日数。来週8月30日にはいよいよ【後編(完結)】を掲載していくので、残暑の儚さと共に記憶しておいてくれればうれしい限りだ。あ、場所によっては夏休みもう終わってるのか…。筆者も夏休みしたい。