千葉・幕張メッセにて9月17日から4日間にわたって開催された東京ゲームショウ2015。そのカプコンブースにて、ニンテンドー3DS用ソフト「モンスターハンター ストーリーズ」を試遊する機会を得た。そのプレインプレッションをお届けする。

目次
  1. ジャンルが変わっても、随所に詰め込まれたシリーズならではのエッセンスが光る
  2. オードソックスで馴染みやすいコマンドバトルは、モンスターとの連携が重要

ジャンルが変わっても、随所に詰め込まれたシリーズならではのエッセンスが光る

「モンスターハンター ストーリーズ」は、幅広い層から絶大な支持を集める「モンスターハンター」シリーズ初のRPG。従来のシリーズと異なり、プレイヤーキャラクターはモンスター達と共存する「ライダー」と呼ばれる職業となり、言葉を喋る個性的なアイルー「ナビルー」がパートナーとして登場するなど、さまざまな新しい試みが行われているタイトルだ。

今回試遊することができたのは、TGSのために用意された特別な仕様のストーリー。まずモンスターの巣からプレイヤーのパートナーとなってくれる、「オトモン」と呼ばれるモンスターが生まれる卵を運び出すことになるのだが、運搬する途中でイャンクックに見つかってしまい、そこから必死に逃げ回るというシリーズ恒例のシチュエーションを体験できる。卵を抱えて両手が塞がった状態でモンスターに襲われるというハラハラ感は本編そのままで、ジャンルは変わっても「モンスターハンター」をプレイしているということを再認識させてくれた。

そうやって命からがら卵を持ち帰った後は、パートナーとなるオトモンを孵化させることに。今回のバージョンでは、「ババコンガ」「ドスランポス」「イャンクック」の3匹のうちいずれか1匹が生まれるようになっていた。

筆者が引き当てたのはその内のババコンガで、「モンスターハンター」本シリーズ同様、臭いを使ったユニークな攻撃方法が特徴のモンスター。愛嬌はあるのだが、常に一緒に旅をするとなるとあの強烈な臭いは大丈夫なのかなどの不安もあり、やや複雑な気分というのが正直なところだ。

なお、孵化させたあとは主人公達の住むライダーの村の中を見て回ることができる。今回はまだ準備中で利用できなかったが、武器や道具屋といった施設が存在しており、従来のシリーズ同様に素材を集めて装備を揃えていくという楽しみ方も健在のようだ。

その後は村の外に出て、ババコンガと共にフィールドを散策することに。モンスターと共に戦うライダーである主人公は、仲間であるオトモンの背中に乗って冒険することができる。搭乗している間は、しっかりとそれぞれ固有のモーションで移動してくれるので(ババコンガなら、両手を地面につけてドスドスと力強く歩行する)、モンスターと一緒に旅をしている感覚を味わえて非常に新鮮。

フィールド中には採取などを行えるポイントがあるが、モンスターにのったまま採集が行えるため煩わしさもまったく感じない。一緒に冒険していくうちに、最初は微妙な印象だったババコンガにも自然と愛着が沸き始め、なんだか可愛く思えるようになってくるので不思議だ。「モンスターハンター」シリーズが幅広い層から支持を得る要因1つである、モンスター達の魅力をさらに引き出すようなシステムとなっていると言えるだろう。

それぞれのオトモンには特徴があり、特定のオトモンでしか進めない場所などもあるため、様々な種類のオトモンを集めていくのも大きな楽しみの1つになりそうだ。

オードソックスで馴染みやすいコマンドバトルは、モンスターとの連携が重要

なお本作の戦闘は、フィールドを歩いているモンスターと接触すると画面が切り変わる、いわゆるシンボルエンカウント方式。アクションが苦手な人でも安心してプレイできる、王道RPGらしいコマンドバトルが展開される。
しかし、ただシンプルなだけの戦闘というわけではない。基本となる攻撃にはパワー・スピード・テクニックの3種類があり、その内のいずれか1種類を選択して攻撃を行うことになる。3種の攻撃は、パワーはテクニック、テクニックはスピード、スピードはパワーに強い3すくみの相性があり、敵のモンスターもいずれかの種類の攻撃を行い、その相性によって互いのダメージが大きく変動する。ジャンケンの関係性をイメージすると分かりやすいだろう。

また最初に出てくるアプトノスであればパワー攻撃を連発してくるなど、モンスターごとに攻撃の傾向が決まっているため、このモンスターであれば次に何を出してくるかいう読みが重要となってくる。戦いを重ね、それぞれのモンスターの傾向を把握していくことで戦いが楽になるという点は、「モンスターハンター」シリーズで何度もモンスターと戦っていく内に相手の攻撃パターンやモーションの隙を覚える試行錯誤に非常に近く、アクションとコマンドと形式は違えど、その楽しさはしっかりと継承されているように感じられた。

また、主人公であるライダーと一緒にオトモンも仲間として戦ってくれる。オトモンの攻撃にも同じように3つの種別があり、オトモンとライダーの出す攻撃の種別が一致した時には、共に力を合わせて行う強力な攻撃が発動する。オトモンは自分の判断で攻撃を行うほか、ライダーが具体的な行動を指示し特定のワザを使わせることも可能だ。

なお、フィールドには他にも様々なモンスターが徘徊しており、今回の試遊版ではハチミツの近くに座りこむアオアシラ、洞窟を転がって移動するクンチュウの姿などを確認できた。クエストの時間制限がないので、こうしたモンスターの生態をのんびりと眺めることができるのも本作ならではの楽しみ方だ。

そうしてバトルをこなしつつ、フィールドから洞窟の奥へと進んでいくと、今回のボス的な存在となるシリーズの看板モンスター・リオレウスが登場。リオレウスはこれまで出現したモンスター達とは比較にならない強さで、まともに戦ってもと勝ち目は薄い。

そこで重要になるのが、絆ゲージを溜めることでオトモンの背に乗り戦うことができる「ライドオン」だ。ライドオン中は、ステータスが大きく上昇するほか、ライダーとオトモンが協力して行う超強力な攻撃「絆ワザ」を使用できるようになる。ババコンガとの絆ワザは、ライダーが投げたキノコをババコンガが食べ、強烈な臭いの屁をぶちまける「スカンクバースト」というインパクト抜群のもの。絆ワザはオトモンの個性にあったものがそれぞれ用意されていると思われるので、仲間にしたオトモンとの絆ワザを見るのも1つの楽しみとなりそうだ。

そうしてオトモンと力を合わせた攻撃を繰り出していくことで、なんとかリオレウスを討伐することに成功した。

今回の試遊を通じて強く感じたのは、例えジャンルは変われど、しっかりと「モンスターハンター」を遊んでいる気分を味わえるということ。シリーズファンにとってはジャンルの変更というのは戸惑う部分も多いと思うが、フィールドでの操作性は従来の作品にかなり近く、馴染み深いSEなども使われており、プレイして受ける印象は紛れもなく「モンスターハンター」シリーズの一作品だということ。

これまで、アクションが苦手で尻込みしていたというユーザーはもちろん、従来のシリーズファンにとっても、デフォルメされた可愛らしい雰囲気の中モンスターハンターの世界をのんびり堪能できる、違った楽しみが詰まっている作品だと言える。2016年と発売はまだやや先だが、是非アクションではないからと敬遠せずプレイしてみて欲しい。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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