スクウェア・エニックスが、2016年1月に配信を予定しているiOS/Android向けアプリ「予言者育成学園 Fortune Tellers Academy」。配信前にプレイしてみて感じた、本作の特徴を紹介する。
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「予言者育成学園 Fortune Tellers Academy(フォーチュン テラーズ アカデミー)」は、ストーリーおよびゲームデザインを藤澤仁氏(代表作:「ドラゴンクエストIX」「ドラゴンクエストX」(Ver.1)ディレクターなど)、メインキャラクターデザインを越島はぐ氏(代表作:「ビブリア古書堂の事件手帖」など)、主題歌をサラ・オレインさんが担当することでも話題の、スクウェア・エニックスが贈るスマートフォン向け新作ゲームアプリ。
世の中で“これから”起こる出来事を予想していくという、リアルと連動した独特のゲームデザインが特徴的な作品となっているが、これまでに公開された情報だけでは、一体どのようなゲームになっているのかイメージしづらい部分もあるだろう。
今回はリリースに先駆けて本作をプレイしてきたので、ゲームを構成する要素を紐解いていくとともに、筆者が特に印象的だった点をお伝えしていこう。
なお、画面については現在開発中のものということで、配信までに一部変更になる可能性があることは予めご容赦願えればと思う。
予言テストは出来事の“予知”に一喜一憂
本作でのゲームの要素は大きく3つに分けられるが、まずは「予言テスト」について紹介しよう。
予言テストを簡単に説明すると、現代日本で“現実に起こる出来事”の結果を、与えられた選択肢の中からゲーム内通貨のゴールドを投資して予知。見事的中すると、選択肢に書かれた倍率に応じたゴールドが手に入る。
この情報だけを見るとクイズを連想するかもしれないが、クイズは決められた答えを当てるのに対し、予言テストではその時点で誰ひとりとしてわからない結果をさまざまな情報から予知することとなる。
出題されるのは1日数問で、その問題はスポーツ、グルメ、芸能など多岐にわたる。自分自身が興味を持っているジャンルであれば、過去の情報などから予測は立てられるかもしれないが、中には全く知らないジャンルの問題もあるだろう。そんな時に役立つのが、「教えてジャン先生!」と、SNSを活用した友人との情報交換だ。
「教えてジャン先生!」は、すべての問題に用意されており、予言テストの担当教師であるジャン先生がさまざまな情報を細かく解説してくれるので、予知に役立てるだけでなく、自然と知識を蓄えられる一石二鳥の要素となっている。また、出題される問題はどれも時事ニュース的なものとなので、SNS上の友人から有力な情報を得ることもできるだろう。
なお、予知の際にはひとつの選択肢のみ、適用倍率が2倍になる「自信あり!」状態にすることが可能。逆を言えば、複数の選択肢を選んでおくこともできるので、出題内容に応じて投資額に変化をつけてみるのもいいだろう。
予知を完了すると、予知の光に反応するかたちでアルカナが姿を現し、バトルへと突入する。バトルについては次に紹介するとして、その後はその出来事の結果が出るまで待つのだが、普段ならば気にも留めず、結果だけを知るような出来事でも、本作を通ことで深い関心を寄せることになるだろう。そして見事的中させた時の興奮は、普段はまず味わえない本作だけの楽しみにもつながってくる。
バトルで新たな“アルカナ”を手に入れよう
本作におけるバトルは、バトルに参戦するメンバーとなるアルカナを手に入れることが目的となっており、先ほども紹介した予言テストでの予知のほか、ホーム画面上からバトルを選択することで、アルカナに挑むことができる。全ての要素を確率が支配するバトルの流れも独特で、ここでも“予知”がカギを握る。
バトルに参加するメンバーは4人。強化状態にある“臨戦”状態のアルカナの中から、最強のメンバー、敵に対して過不足なく挑めるメンバー、そして自身の持つアルカナから自由に選択したメンバーと、3種類から選択可能だ。ゲーム内で登場するアルカナは、タロットにおける“小アルカナ”に該当する56種で固定となっていて、一度バトルに参加した仲間のアルカナは“臨戦”状態が消えてしまうため、全てのアルカナをバランスよく成長させよう。
バトルはターンごとに戦闘開始を押すことで進行するコマンドバトル。その上で戦局を左右するのが、左下にある“絶対予知”だ。これは次のターンにおける敵の行動を先に見てしまうもので、その的中率は100%。例えば敵からダメージを受けるキャラが分かった場合は、特技でそのキャラをガードしたりと役に立つだろう。
自分の行動に応じて値が上下する画面右上の戦勝確率が100%になると、その時点で勝利が確定。ここをタップするだけで、あとは勝利の瞬間までオートで進行してくれる。
倒したアルカナは、捕獲確率が影響するルーレットで当てると入手可能。こればかりは確率なので運に左右されてしまうのだが、課金アイテムであるアメジストを使うことで捕獲確率を上げることもできるので、こちらも状況に応じて判断したいところ。
なお、アルカナとのバトルは予言テストとの連動性はなく、移動中など、タイミングが悪ければ後で戦うことも可能だ。バトルに敗れてしまったとしてもペナルティはないので、気軽にチャレンジしてみるといいだろう。
56種のアルカナをランクアップさせよう
アルカナのランクはC、B、A、S、SS、そしてS3までの6種類に分類される。また、同一のアルカナを手に入れた場合は自動的に合成され、より高いランクのアルカナへランクアップしていくので、手に入れたアルカナが無駄なく活用されるのが特徴だ。
また、ランクが上がる毎にイラストが変化するのだが、好きなイラストがある場合は、見た目ロックをすることで好きなイラストに固定できる。
そんなアルカナだが、入手方法はバトルだけでなく、召喚でも可能となっている。1日1回、無料で行える通常召喚をはじめ、アメジストを消費して行うランクA以上確定の神託召喚(10連続だとランクSも1体確定)、さらにはイベント報酬などで入手できる“月のかけら”を消費するランクSS確定のアルテミス召喚が用意されている。
アルカナは56種で固定されていることもあり、その構成はとてもシンプル。入手できる機会を逃さずに、アルカナのランクをドンドン上げていこう。
ストーリーは読みやすさを意識したノベル形式に
これまで予言テスト、アルカナによるバトルと本作ならではのポイントをお伝えしてきたが、最後に紹介するのが、小説仕立てで展開するストーリーについてだ。
プレイヤーの分身となる主人公は、学園で起こる不思議な事件を調査するミステリーリサーチ部、通称ミスリサ部に所属し部員たちと共に学園内のさまざまな謎に立ち向かっていく。
ストーリーは章仕立てで構成され、毎日用意されている「本日のプリント」に書かれている課題のクリア報酬などで開放されていく。じっくりと読んでも数分程度で読み終えられるボリュームで、どのあたりまで読み進めたかは左下に%で表示される。
画面上の構成は右側に文章が表示されており、次の文を読みたいときは画面上をタップすることで、次の文がアドベンチャーゲームのように文字送りの形式で表示されるようになる。テキストの流れる速さは4段階から選択可能で、自身の感覚に馴染むような設定で読み進めることができる。
そして左側にはストーリーの場面に応じたキャラクターが表示される。その展開に応じてさまざまなリアクションを見せたり、別のキャラクターが話す時はスライドして表示したりと状況をイメージしやすい演出が入ることで、小説を読むことに抵抗感のある人でもすんなりと読むことができることだろう。
全体的にシンプルな構成ながらも、読みやすさを考慮した作りは好感触。もちろん、文章そのものも作品の世界観に沿うかたちで綺麗な表現でまとまっているので、まずはストーリーのテイストに触れてみてはいかがだろうか。
各要素が独立することでそれぞれの面白みがわかりやすく
そのほか、一日ごとに運勢を占ったり、手に入れたゴールドで自身のキャラクターを着替えさせたり、成績に応じたランキングが用意されていたり、定期的にイベントが開催されたりとまだまだ楽しめる要素は用意されている。
そして今回のプレイを通してひとつはっきりと感じたのは、各要素が緩い連動で独立していることで、逆にそれぞれの特徴を捉えやすいという点だ。それは同時に、どれかひとつでも気になるものがあれば、本作をプレイする動機としては十分ということ。既存の枠組みでは捉えづらいからこそ、興味を持った部分からでもぜひプレイしてみてほしい。