torchが配信中のiOS/Android向けアプリ「おおっと!ダンジョン ~ふしぎなゲームブック~」のプレイレビューを掲載。君は目の前にあるこの記事を読んでもいいし(26へ行け)、読まなくてもいい(14へ行け)。
ゲームブックとは、本のページをめくり、そこに書いてある出来事を読み、用意された選択肢の中から1つを選び、その結果を示す次のページ(もしくは段落)へと進んでいく書籍のこと。本という受動的な媒体にあって、読者に能動的な遊びを提供したゲームジャンルである。
RPGやADVといったTVゲームの遊びを、TV/電源いらずの本の1冊でアナログ感覚に楽しめるという魔法のようなアイテムだが、筆者的には物心ついたときにはゲーム機で遊んでいたので、ゲームブックに関しては後々、“懐かしいと言われているもので遊んた”くらいの接点しかなかった。
しかし先日、このゲームブックをイマドキのゲームアプリに仕立て上げた「おおっと!ダンジョン ~ふしぎなゲームブック~」が、App StoreとGoogle Playにて配信された。私はものすごく興味が惹かれたわけでもないのだが、特に見過ごす理由もなかったので、思わず……
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(1)を選んだ人
勇者様、どうぞ記事の続きへとお進みくださいませ。
(2)を選んだ人
勇者様、アプリは記事の最下部からダウンロードできるようですぞ。
(3)を選んだ人
残念、君のネットサーフィンはここで終了してしまった。はやく勉強や仕事に戻るのです。
まあ、つまり、こういう遊びなわけだ。ゲームブックって。
朝はごはんでもいいし、おにぎりでもいい
今回紹介する「おおっと!ダンジョン」は、物語を読み、選択肢を選んで進む、ダンジョン探検型のゲームとなる。ダンジョンは魔物、アイテム、イベントが挑むたびにランダム生成され、同様にプレイヤーの分身となる「勇者」も名前、性格、職業、レア度が2,000万通りもの組み合わせからランダムで作られるとか。
さっそくゲームを始めてみると、「ダンジョンが危ない」「城のものは社員旅行に」「勇者に短期バイトしてもらおう」と、カジュアルに大胆なストーリーが展開。冒頭を読み進めてゲームのメイン画面へと移ると、そこには勇者の召喚ボタン、ステータスボタン、冒険への出発ボタン、城の者たちの赤裸々な一言が表示されていた。無駄な着飾りもなくてアプリとしては好感。
冒険に挑む勇者だが、本作ではノーコストで呼べるらしい。なので、画面中央の冒険の書チックなアイコンをタッチしてみると、厳かな召喚の儀式がはじまり、まばゆい光の中より勇者様が……
なんだこいつら。名前も二つ名もレア度も、なに一つイミワカンナイ。メニュー画面でステータスのボタンを押してみても、能力値やスキルは見られず。どうやら実際に冒険に出てみなければ各々のステータスは確認できない模様。ふざけてると思いつつも、勇者たちを召喚する指は止まらず。
勇者は1人しか保有できないので、より良さそうな勇者が出るまで、ひたすら呼びまくりが基本となる。気分は“Wizで良ボーナスが出るまで連打してる時”に近しい。ただ、レスポンスが良いのでそれほど苦痛ではない。事前ガチャを回しているときの気分って、こういうものかな?
そんなこんなで、最初の冒険に挑んでもらうことになった勇者が、“次元超越レア”ビューティー盗賊・まきせに決定。別に、次元を切り裂く必殺技とかは持っていない。安心安全なチュートリアルを済ませたあと、まずは最初のクエスト「激突!ゴブリン三兄弟」に出発することに。
ゲームの流れはシンプルで、基本的にランダムで巻き起こっていくイベントに対して、画面上の選択肢をタッチしていくだけ。それだけで、さまざまな展開に発展していく。
冒険中にプレイヤーが選べるのは、イベントの選択肢と手に入れたアイテムのやりくりだけ。冒険していても延々と路頭に迷うことはないし、受け身で画面をポチポチ押しているだけでもゲームが進んでいくので、小難しいことは一つもない。
ただし、攻略に有用な武器&アイテムが入手できるのかも全て運任せとなるため、巡り合わせが悪ければ、ダンジョンに入ったままの状態でボスと対峙することもある。まあ、ダンジョンだしね。よくあることだよね。
あっさりと戦闘不能に陥り、まきせの身柄はいずこかへ消え去った。大望を果たせなかった彼の無念を晴らすため、国の行く末は新たな勇者に託すことにした。それにしても、自由なキャラクタークリエイトができないながら、「たなか」「やの」だとか、よくある苗字が出てくる機会は多い。
自身の手でキャラクタークリエイトがしたかったという人でも、自分の名前が出てくれば愛着が湧くかも? まあ、珍しい苗字の人は難しいかもしれないし、筆者の苗字も恐らく出てこない側なので、なんとも言えないけど。てなわけで次なる勇者は、“すべてのレアを超越したレア”パッション武闘家・あさのに決定。
あっ、今気づいたけど、さっきのまきせとレア度が「超越」被りだった。この言葉に心をくすぐられている気は全然ないはずなのだが、なんかこう、無意識に「超越(マジ カッケー)」とか考えているのかもしれない。深層心理が垣間見れるゲーム、それが「おおっと!ダンジョン」。
しかし 今回の冒険は 死闘の連続だったぞ(以下、スクリーンショットでお届け)。
こうやって地域の平和を守ることが、勇者のお仕事だ。
デジタルなゲームの楽しみを、アナログで遊べるようにしたものを、デジタルのアプリで遊ぶ。そんな時代と技術の二転三転が見られた「おおっと!ダンジョン」。片手間に負荷なく遊べるのは魅力だが、本気でクリアしようとすると意外なランダム性に苦戦するので、人によっては試行錯誤のやり応えを感じるかもしれない。カジュアルでありつつ、ほんわかとダンジョン探索を楽しみたい人にはオススメのアプリである。