スクウェア・エニックスは、4月29・30日に幕張メッセにて開催された「ニコニコ超会議 2016」に出展。ここでは、PS4/PS3/PC「ファイナルファンタジーXIV」のブースで行われた「第29回FFXIV プロデューサーレターLIVE」の模様をお伝えしよう。
3.3に登場する新コンテツを一挙に紹介
ステージにはプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏、レベルファイブ代表取締役社長/CEOの日野晃博氏、コミュニティーチームの室内俊夫氏が登場。「パッチ 3.3 実装コンテンツ特集 Part1」では、まず3.3のパッチタイトル「REVENGE OF THE HORDE 最期の咆哮」を発表。ロゴマークには竜騎士の槍がデザインされており、併せてスクリーンショットも公開となった。3.0から始まっていた竜詩戦争編のクライマックスとなるが、「じゃあ、3.4~3.5のメインストーリーはどうなるの?」という疑問はプレイすれば分かるという。
サブクエストには、モーグリ族&ドラゴン族の蛮族クエストが登場。吉田氏は世界中でモーグリへのヘイトが高まったことを受け「少しでもモーグリの株を上げるため」に、ヒトとモーグリ、ドラゴンという3種族の橋渡しをする内容になるとコメント。併せて拠点のスクリーンショットも公開された。
アニマウェポンストーリーは、いよいよサブパラメータの追加がスタート。今回はアイテムレベルが高くなったこともあり、回数も多いためマテリアは「割れない」と明言され、「通常は1ポイントのところ3ポイント入る」といったようなラッキー要素も含まれるという。これまでと同様、パラメータの上げ方にはプレイに応じたさまざまな方法を選べる。ヒルディブランド蒼天編では「一体どうしてこんな状況に?!」という、非常に気になるスクリーンショットが公開された。
新たなインスタンスダンジョン「天竜宮殿 ソール・カイ」はメインストーリーに関連するもので、高地ドラヴァニアを思わせるデザインが多数みられた。冒険者の活躍により、新たに黒渦団の訓練施設として動き出した「黒渦伝説 ハルブレーカー・アイル(Hard)」には最初のテストケースとして挑むという流れ。吉田氏いわく「もうタコとかイカは出てこない」ので、どんなモンスターが出てくるのか楽しみに待っていよう。新たな討滅戦も実装となるが、名称については伏せられた。
新たな24人のアライアンスレイドダンジョンの名称は「禁忌都市マハ」で、霊災で滅んだ古代都市へ冒険者が探索に向かう。初の屋外となる風景やピラミッドのような建物、動力として封じている魔物たちなどの様子が動画で公開された。BGMはまだ仕上がっていなかったためヴォイドアークと同様のものが流れたが、実装時はきちんと新曲になる。
新コンテンツ「宝物庫アクアポリス」は、これまで通称「トレハンダンジョン」と呼ばれていたもの。敵を全滅させると手に入る宝箱からはギル換算しやすいアイテム、装備の素材なども入手でき、一瞬で逃亡してしまうようなレアなお宝モンスターも出現するという。内部はそう複雑ではなくサクサク進むが、最後の部屋にたどり着くには相当の「運」が必要になるようだ。G8の地図を開けて突入できる確率は20%ほど。
3.35の実装を予定している自動生成ダンジョン「ディープダンジョン“死者の宮殿”」は、専用アイテムを強化して先へ進んでいく新しいタイプのダンジョン。専用マップやボスも登場し、内部の「アンク(仮名)」というものにアクセスすると何かが起きるようだ。マッチングに対応し、バランスはあくまでも4人前提となっているので、ソロでも突入自体は可能だがまず勝てない。ソロでのチャレンジは、いずれ強化が整ってからになる。クリア時の報酬は強化したアイテムを外に持ち出せるようになるので、挑戦する価値は大いにあるという。
フロントラインの新マップ「フィールド・オブ・グローリー(砕氷戦)」の追加と2枚のスクリーンショット公開し、土地の価格についてはゴールデンウィーク明け以降に改めてトピックで発表。交雑は出来ないものの花など(素材・プレゼントに利用可)を入手できる植木鉢、花瓶も実装される。「さいきょう装備コマンド」はアイテムレベルに準拠したものが選ばれるので、慣れたらこれまで通り手動で装備を組み替えるのがベスト。HUDレイアウト保存機能は3パターン分と告知されていたが、4パターン保存できるようになった。実機プレイやその他の内容については、引き続き「パッチ 3.3 実装コンテンツ特集 Part2」で発表となる。
日野氏がプレイヤー目線で語る「スペシャルトークセッション」
日野氏と吉田氏がさまざまなトークを繰り広げる「スペシャルトークセッション」では、かねてより伝えていた「レイドファインダー」の実装には「一歩進んだ」と評価するも「サーバを超えたパーティ募集がしたい」とさらなる発展を要望する日野氏。これに対し吉田氏は「3.5にやります」と発言し、すでに見積もりや仕様の決定まで進んでいると答える。これに加え、サーバが別でも入った順にチャットが行えるような仕組みも取り入れるそうだ。トリプルトライアドについても、より手軽に対戦できるワールドを超えた対戦部屋を構想中とのこと。
続いて、話題は「レイドダンジョン」へ。日野氏はプレイヤーの間でも賛否両論あることだと前置きした上で、新たなストーリーやギミックに挑む「大迷宮バハムート」のほうが好みであったこと、現在の「機工城アレキサンダー」ではせっかく零式をクリアしても達成感が得られにくいとコメントする。吉田氏は「一部のユーザーしか挑戦しないような最難関コンテンツにシナリオコストをかけすぎではないか」という意見を踏まえ、ストーリー共通型にしたそうだ。これについては今後も同様の流れになるわけではく、難易度調整やインセンティブについても模索していくという。
ハウジングについては、せっかく一生懸命レイアウトしても誰も来てくれないという日野氏。何か遊びにいくような仕掛けがほしいと要望するが、あまり有用性が高い要素では「行かなきゃいけない」という意識に繋がり、低ければ結局導入しても意味がなくなってしまうと吉田氏が回答する。しかし課題については認識しており、今後「超前向き」に検討していくと約束した。
妖怪ウォッチとのコラボが今夏決定――気になる「じんめん犬」対応ジョブは?!
ここで、2014年11月に実施された「第18回プロデューサーレターLIVE」でも話題となった妖怪ウォッチとのコラボレーションが夏に正式決定。人気の高い妖怪13種のミニオンとウィスパーのマウント、それぞれの妖怪をあしらったジョブ別の武器が手に入る。
なかでも気になるのは「ジバニャン」「コマさん」「USAピョン」「コマじろう」などの人気妖怪が並ぶ中、一際異彩を放つ「じんめん犬」。子どもには不評だが、一部のファンには非常に人気が高いという日野氏。対応するジョブと妖怪が少しずつ発表され、会場内や放送を視聴していたユーザーの間に「一体どのジョブがこの妖怪なんだ?!」と妙な緊張が走り、これまでにない盛り上がりをみせる。対応ジョブと妖怪、武器名は以下の通り。
・ナイト … ブシニャン(妖刀・猫丸/円陣猫盾)
・戦士 … ジバニャン(百斬斧・赤猫)
・暗黒騎士 … フユニャン(同田貫・冬猫)
・竜騎士 … オロチ(蛇鎗・からす丸)
・モンク … USAピョン(宇宙パンチ)
・忍者 … キュウビ(九尾の双剣)
・吟遊詩人 … ウィスパー(知識人の大弓)
・機工士 … ロボニャンF型(F型波動砲)
・黒魔道士 … ふぶき姫(雪姫の杖)
・召喚士 … じんめん犬(憑依教典)
・学者 … コマじろう(朱犬の書)
・白魔道士 … コマさん(白犬の杖)
・占星術師 … ツチノコ(幸運の天球儀)
武器のアイデアや名称は日野氏によるもので、妖怪ウォッチのデザイナーチームのアートをもとに色彩や反射感をかなり調整して再現したという。当初は妖怪の雰囲気が抑え気味のデザインが上がってきたが、吉田氏は「どの妖怪のものかすぐ分かるよう、もっと全面に押し出してほしい」とお願いしたそうだ。なかでも吉田氏は、エオルゼアにはほとんどない朱色にこだわったそう。妖怪のミニオンもレベルファイブからモデルデータを貰って作り上げており、アニメーションのキーフレームまで同じなのでぜひ見比べてみてほしいという。
「何故、妖怪がエオルゼアに?」という疑問はクエスト内で明かされるほか、妖怪のミニオンは比較的簡単に入手可能で、マウントは13種のコンプリートで入手できる。ただし、武器は「思い入れの強いメインジョブで所持する」というコンセプトとなっており、複数所持自体は可能だが労力はそれなりにかかるようだ。
さらに7月16日に発売が予定されている「妖怪ウォッチ3」には「チョコボニャン」「モーグリニャン」が登場。さまざまな展開をする「妖怪ウォッチ」だが、ゲームとのコラボレーションは初だという。ちなみに、今回の出展タイトル「よしだ? 動き理解した? 確認するけど、ここ イフじゃないよね?」には「よ・う・か・い」という文字が隠れていたことも明かされ、イラストにあった「シガクニャン」は、すでに詩学装備のタイミングではないため実装には至らなかったという。プロデューサーレターLIVE後に実施された囲み取材でも本コラボレーションの内容について明らかとなったので、詳しくは後述する。
そして突然、日野氏から「もう1つ」という提案が。吉田氏の誕生日が5月1日ということで、こっそりと贈り物を用意していたというサプライズが待っていた。吉田氏以外のスタッフは知っていたが、イベントのすべてを管理しようとする吉田氏に知られずに動くのはかなり苦労したという日野氏。これまでで最大のリテイクをかけたという「よしP」デザインの特別な「妖怪メダル」が贈られ、吉田氏は言葉に詰まるほど驚く様子をみせる。4月29日最後のステージということもあり、エンディングはステージイベントの出演者全員の挨拶で締めくくられた。
プロデューサーレターLIVE後、吉田氏と日野氏への囲み取材が行われたので、その模様をお伝えする。
――今回のコラボレーションの形はどのように決まっていったのでしょうか?
吉田氏:食事の際にどこまでやろうかと話をして、ミニオンだけではつまらないだろうと。やるなら装備までいこうという流れですね。装備のタイプが武器でというのはこちらから提案して、最初からこういうボリュームでした。
日野氏:やりたいはやりたいと言っていたんですけど、世界観があまりにも違いすぎるのでやっていいのかというのもありますし、やるからにはどこまでやるかとか、色々な問題がありました。でも「妖怪ウォッチ」も人気が出て「ファイナルファンタジー」も人気ですから、人気コンテンツが合わさったからこそできる面白さみたいなものが出ればいいなと思いました。
――突然、妖怪になったお気持ちは?
吉田氏:本当にびっくりしました。全く聞いてなかったんですけど、スタッフは皆知ってたらしいですよね。「ファイナルファンタジーXIV」でイベントをする時に、僕に隠し事をする難易度は尋常ではないはずなんです。
日野氏:これだけイベントを自分自身で仕切る吉Pに気付かれずにプログラムに入れこむのは、かなり大変でした。
――「よしP」の妖怪メダルができたということは、日野さんにいつでも召喚されてしまうのでは(笑)
日野氏:何かあったら飲み屋に呼び出します(笑)
吉田氏:日野さんとお食事するのは楽しいですからね(笑)
――「シガクニャン」もですが、今後「バケツニャン」も実装されることはありませんか?
日野氏:マニアックですね(笑)
吉田氏:今回は1回目ですし、分かりやすい形でということなので。サブネタでもし……。
日野氏:バケツも、元々は「タンクの詩学装備の頭ってどうみてもバケツだよね」という、抗議のイラストだったんですよね。それが思いのほか人気になってしまいましたね。あれもそのうち……。
――コラボレーションは永久実装なのでしょうか?
吉田氏:ある程度の期間は区切りますが、かなり長く開催する予定です。また、需要があれば再度というのも考えます。お客様のフィードバックをふまえ、日野さんと相談しながらやっていければと思います。
日野氏:もちろん、装備自体はずっと使えますけどね。
――「妖怪ウォッチ」のために「ファイナルファンタジーXIV」を始めるユーザーも出てくると思いますが、始めてすぐでも手に入るものなのでしょうか?
日野氏:まず、ミニオンはすぐに取れると思います。武器はレベル60…かどうかはまだ分からないですけど、メインジョブであれば比較的すぐ取れるけど他はかなり取りにくくして「自分のジョブを誇りにしてもらう」みたいな用途に使いたいというのはお願いしました。
吉田氏:日野さんのお話しにあった通り、段階的になっています。ミニオンは可愛いですし、すぐ連れて歩きたいでしょうし。例えば子どもさんにせがまれた方がフリートライアルから始めても、1匹2匹はすぐに連れ歩けるぐらいの入手難易度にしています。そこから武器となると「ファイナルファンタジーXIV」をプレイして、メインのジョブが強くなる過程の中で貯めたレジェンドメダルで武器を……というイメージかなと思います。武器はそんなに簡単には手に入りませんが、日野さんともすごい議論はさせていただいてますけど「武器はそういうものだろう」と。
日野氏:好きなものから順に取っていってもらえれば。1つしか手に入らないというわけでないので。
――お二人のメインジョブに良いデザインが割り振られているように思えますが…(笑)
吉田氏:僕は均等に割り振ったつもりなんですよ。確かに発表では黒魔道士が残ってましたけど、日野さんと最初にどの妖怪かを相談したとき、ふぶき姫が候補に出た瞬間に「黒魔道士で確定だよね」という感じで割り当ててたんですよ。なので、そこまで当たりを引いたという感じじゃないんですけどね……。
日野氏:確かに、タンクはちょっと不公平ですね(笑)
吉田氏:タンクは盛ってますね。これをきっかけに「ファイナルファンタジーXIV」を始めてくれた方がタンクを目指してほしいな……と(笑)
日野氏:白もなかなかです。
吉田氏:タンク・ヒーラーは優遇ですね。
――武器の性能はどの程度になるのでしょうか?ミラージュプリズム用ですか?
吉田氏:それなりの性能はついています。ただ当然、アイテムレベルはどんどん上がっていくので、最終的にはミラージュプリズムでずっと使えるというのが目的です。
――装備レベルはどこからでしょうか?
吉田氏:レベル1にはしていなかったはずです。メインジョブ用の武器なので。
――海外でも同時に行うのでしょうか?
吉田氏:グローバル版のアップデートは一緒なので、同時開催の予定です。韓国版は未定です。
――チョコボニャンやモーグリニャンは、どのように「妖怪ウォッチ3」内に登場するのでしょうか?
日野氏:まだここでは言えないんですけど、そこまで難しいものにはしないつもりです。
吉田氏:こちらは、たくさんコラボのやりとりをするなかで、ぜひ「妖怪ウォッチ3」にもというお話をいただいたので「それはぜひ!」という感じでした。
――「妖怪ウォッチ3」で初めてチョコボやモーグリを知る子どもも増えそうですね。
吉田氏:そういった所から知ってってもらって、こういうゲームが大人に人気で、大きくなったらやってみようとか、お父さんに話してみたら知ってて一緒に遊ぶ機会になったりしてくれたらいいですね。
――これから始める人でも、頑張れば複数所持は可能でしょうか?
吉田氏:めちゃくちゃプレイヤースキルが高くないと取れないみたいな設定ではないので地道に、とくに「ファイナルファンタジーXIV」ではストーリーを追っていけばどんどんレベルが上がっていきますし。難しいイメージがあるかもしれませんが、レベル60にするだけなら簡単なので。ストーリーを楽しみながらレベル60にして、その後に武器を取るのに必要なクエストやメダル集めをやればいいだけなので、めちゃくちゃ頑張らなくても普通にプレイしていけば取れるんじゃないでしょうか。
日野氏:ここでガードしたいのは、皆が全部持ってるみたいな状態です。自慢要素がなくなるので、最初の1つはメインジョブ用として手に入る。そこから段階的にかなりヘビーになっていくという作りなので、2つであればなんとかなるんじゃないでしょうか。
――アニマウェポンとどちらが大変ですか?
吉田氏:まだ何とも言えないです。この手の話を僕がするとワーってなるので。でもアニマほどではないと思いますが……僕から「もうちょっと取りやすくしたほうがいいんじゃない?」と話をさせてもらってます。
日野氏:つまり、まだ決まってないということですね。
吉田氏:そうですね。最終の落としどころにはまだなっていないです。
――コラボレーションの参加に拡張ディスクの有無は関わりますか?
吉田氏:ミニオンに関しては全くありません。
――ありがとうございました。