バンダイナムコエンターテインメントが2016年8月18日に発売を予定しているPS4/PS3用ソフト「テイルズ オブ ベルセリア」。7月3日にバンダイナムコ未来研究所にてメディア向けの体験会が実施されたので、そのプレイレポートをお届けする。
7月3日のバンダイナムコ未来研究所では、PS4版のユーザー向け最速体験会も実施された。今回筆者が体験できた内容は、基本的にこちらのユーザー向け体験会と同一のものとなっている。
今回体験できた内容は、シナリオ篇とバトル篇の2つ。シナリオ篇では、おなじみのチャットなどを含む本編ストーリーの一部がプレイ可能となっており、バトル篇ではベルベット、ライフィセット、ロクロウ、マギルゥ、アイゼン、エレノアの6人を操作して好きなだけ戦闘を楽しむことができた。
「テイルズ オブ」シリーズの魅力といえば、やはり個性的なキャラクターは欠かせない存在だろう。本作にもきっと、各々のお気に入りのキャラクターがいるはずだ。
本作では、好きなキャラクターをパーティの先頭にすることで、フィールドでもそのキャラクターが表示されるようになっている。操作キャラクターは戦闘とは別々なので、例えばフィールドではベルベットを操作し、戦闘ではほかのキャラクターを使うということもできる。
フィールドで操作するキャラクターは、等身やビジュアルの違いはもちろん、さまざまな所作が各々の個性に沿ったアクションに変更されている。例えば、フィールドで通常よりも早く移動することができる乗り物「レアボード」の乗り方も、ベルベットやアイゼンなどはかっこよく立ち上がって乗りこなしているのに対し、ライフィセットはボードにしがみつくようなかわいい仕草に変化する。
また、キャラクターの外見を楽しむ要素として、本作にも多数のアタッチメントが用意されているようだ。コサージュやサングラスなどのワンポイントアイテムはもちろんのこと、髪形や服装をガラリと変える大胆なイメージチェンジアイテムまで幅広く用意されているようだ。
キャラクターの外見はアタッチメント3種と髪形、衣装を自由に付け替えることができるので、好きなキャラクターをより自分好みにアレンジすることができる。
ちなみに今回の体験版では、フィールドに点在する“ねこスピ”と呼ばれる、シリーズおなみじのマスコットキャラ“ねこにん”のタマシイ的なものを消費して開けることができる宝箱「ねこにんボックス」の中に、アタッチメント“海賊帽子”が入っていた。「ねこにんボックス」の登場で、フィールドを探索する楽しみがまた一つ増えそうだ。
「テイルズ オブ」シリーズおなじみの、キャラクター同士の会話が楽しめるチャットシステムも健在だ。さまざまなキャラクターのカットイン演出を用いたチャットでは、微妙な表情の変化や全身を使った身振りなどから、より臨場感の増した会話劇を楽しむことができる。中には今までにない、大きな一枚のイラストを使用したカットも用意されているので、チャットのパターンはさまざまだ。
なお、チャットの発生するタイミングについては、ストーリーに関わる重要なものは一定の時期や場所で自動的に発生する。そのほかのサブイベント的なものは、特定のタイミングや条件を達成することで発生し、任意で△ボタンを押すことで見ることができる。
ロクロウとアイゼンの女性関係の苦労話が飛び出したり、関心がなさそうにしつつもしっかりとラフィセットのことを気にかけるベルベットの一面が垣間見えるなど、各キャラクターの内面を窺い知ることができるのもチャットのポイントだ。
特に、今回見ることができたチャットでは、まるで末っ子の兄弟の面倒を見るように、とにかくパーティメンバー全員がライフィセットの世話を焼いていたことが印象的だった。ライフィセットの目には、ロクロウとアイゼンは良き兄で、ベルベットやエレノアは姉のように映っているのかもしれない。
バトルシステムについては、ソウルとブラストゲージの追加が大きな要素となるだろう。
ソウルは、アクションを行うために必要なもので、キャラクターアイコンの部分に◆で表示されている。この数が多いほどより多くの術技を連携させることができ、使用したソウルは徐々に回復していく。ソウルは敵を倒したりスタン(気絶)させたりすることで奪い取ることが可能だが、敵からダメージを受けて気絶などしてしまうと逆に奪われてしまうので注意しよう。
このソウルが3つ以上ある状態でR2ボタンを押すと、特殊技である「ブレイクソウル」が発動する。「ブレイクソウル」は、各キャラクターで異なる性能をしており、その発動条件や効果はさまざま。
特に筆者が使いやすく感じたのは、アイゼンの「ドラゴニックドライブ」だ。発動条件はソウル3以上に加えて敵がスタン、もしくはダウンしている時にのみ可能。ターゲットに対して空中から強力な火炎弾をぶつけ、周囲の敵を巻き込んで大ダメージを与えることができる。
発動条件はやや厳しいものの、その分威力は折り紙付きだ。また、ターゲットにしている敵以外がスタン or ダウンしていても発動することができるので、戦闘中は周囲の様子にも気を配っているとより発動の機会が得られるだろう。
さらに、ブレイクソウルを使用するとブラストゲージが溜まっていく。これはキャラクターアイコンの右側に数字で表示されているもので、これを消費することで「スイッチブラスト」やシリーズファンおなじみの強力な必殺技「秘奥義」を発動させることができる。
秘奥義は、ブラストゲージが3以上の時、連携中にL2ボタンを長押しすることで発動する。秘奥義が決まるとキャラクターのカットインと共に専用の演出が始まる。シリーズおなじみの要素だが、今回も非常にかっこいい作りになっているのでぜひ全キャラクターの秘奥義を見てほしい。
「スイッチブラスト」は、本作から追加された新たなシステムだ。方向キーの上下どちらかを押すことでブラストゲージを1消費し、控えのキャラクターと即座に入れ替わることができる。この際、登場するキャラクターは敵に攻撃を行いながら出現するほか、ソウルが+1された状態(控え時ソウル3だった場合、出現時にソウル4になる)で登場する。
これを上手く活用することで連携の幅や戦略が大きく広がることはもちろん、敵にソウルを奪われてしまった際の切り返しとしても優秀な、重要なシステムとなっている。
「スイッチブラスト」の登場により、控えのキャラクターも瞬時に戦闘に参加できるようになったので、1度の戦闘で多数のキャラクターをスムーズに使い回せるようになったのは嬉しいポイントだ。格闘ゲームのようにややボタンの操作が難しくなるものの、上手く連携が繋がった時の達成感や爽快感はこれまでのバトルでは味わえないものとなっているぞ。
このほかにも、右スティックで自在にカメラを操作できるようになった点も地味ながら非常に利便性を向上させている。技によっては激しく動くものもあったり、場所によってはほかの敵を視認し辛い場面もあるので、視点を調整することでよりストレスフリーな戦闘を楽しむことができるだろう。
また、ザコモンスターとの戦闘を終えると、時折強力なモンスターが乱入してくることがある。今回は運よく一度対決することができたのだが、通常のモンスターよりもはるかに高いHPと特殊な攻撃の数々を繰り出す難敵だった。エンカウントするのは完全にランダムなのか、はたまた何かしらの条件があるのかは不明だが、より多くの経験値や報酬がもらえたので、もし遭遇した際は気を引き締めて挑もう。
余談だが、今後実施が予定されている店頭体験会などで本作をプレイする人は、ぜひともタイトル画面に注目してほしい。個人的なお気に入りのポイントというだけなのだが、主人公のベルベットの生き方を象徴するような秀逸な演出となっているので、きっと小さな感動を覚えるはずだ。