7月9日と10日に、京都・勧業館みやこめっせで行われたインディーゲームイベント「BitSummit 4th」。気になる作品をピックアップした。

目次
  1. 小規模から中堅までアイデアが光ったインディーデベロッパー
  2. ゲームとしての完成度が高まるVRタイトル

2日間にわたって行われた「BitSummit 4th」には、過去最多となる6,435人(昨年比43%増)が来場し、通路が埋まるほどの賑わいを見せていた。ここでは、筆者が会場で注目したタイトルを紹介していこう。

小規模から中堅までアイデアが光ったインディーデベロッパー

Ninja Egg:KYUB

Xbox One向けのダウンロードソフトとして、7月13日より配信が開始された「KYUB」。本作は、キューブを操作して、さまざまギミックのあるマップを攻略していくアクションパズルゲームだ。マップから転落したり、床から突き出るトゲに刺さったりするとゲームオーバーとなるもので、上位レベルになると相当難解なギミックが用意されているとのことだ。

キューブは移動のほかに、物をつかむ、属性を変更するといったアクションを行うことができる。別のキューブを運んだり、属性を変更して炎の壁を突破したりと、シンプルながらも奥深いパズルを楽しむことができる。隠しステージなども用意されているので、パズル好きにはたまらないタイトルとなりそうだ。

インティ・クリエイツ

インティ・クリエイツのブースでは、「蒼き雷霆 ガンヴォルト 爪」の日本語版とともに英語版も出展。会場のオープンと同時に列ができるほどの人気で、外国人の多かった会場では英語版をプレイする人が多かった。

Broken Desk:MAGICAL×SPIRAL

横スクロール型の魔法アクションゲーム「MAGICAL×SPIRAL」。塔をぐるぐる回りながら登るスタイルで、待ち受けるモンスターを倒したり、飛んでくる岩を避けながら上へ上へと登っていく。スピード感のある軽快なアクションと、ストーリー性のある作品に仕上がっていた。

日活:刺青の国

台北国際ゲームショウ 2016で初出展された「刺青の国」の最新版が公開。抗争を繰り広げつつ勢力を拡大していくことが目的だが、注目は、女の子の背中に刺青を彫ることのできるシステムだろう。今回のバージョンでは、新たなキャラクターが追加されていたり、UIがよりわかりやすくなっていたほか、チュートリアルなども実装されていた。

Berzerk Studio:Just Shapes & Beats

「Just Shapes & Beats」は、音楽にのせて最大4人で遊ぶ弾幕シューティングゲームだ。各プレイヤーは、青やオレンジといった色の自機を操作し、ピンクの弾や図形に当たらないよう逃げるというもの。シューティングと言っても移動とダッシュを駆使して避けるのみで、クリアするよりもみんなでワイワイ楽しむ方があっていると感じた。ピンクの図形は、人やモンスターの形になって動きまわるので、通常の弾幕シューティングとは異なる新鮮なプレイを楽しむことができる。

Oink Games:1000m ゾンビエスケープ!

2016年7月からiOS向けに配信中の本作。操作キャラクターは、両足に軸を持っており、軸足を中心にぐるぐると回転する。タップごとに軸足が変わるので、軸足を交互に切り替えながら前進し、ゾンビから逃げるシンプルなゲームだ。ゾンビがさまざまな方向から登場するほか、車やゴミ箱などの障害物が邪魔でシンプルながらもやりごたえがあった。

Cherrymochi:東京ダーク

鎌倉を拠点にしたインディースタジオ・Cherrymochiが開発するホラーアドベンチャーゲーム「東京ダーク」。2Dのポイントアンドクリック形式となっており、近未来の東京を舞台に会話選択方式で物語が進んでいく。

ピグミースタジオ:ボコスカウォーズII

PS4/Xbox One向けにリリースされる「ボコスカウォーズII」。1983年にリリースされた初代「ボコスカウォーズ」の雰囲気をそのままに、キャラクターやヒーローを追加してパワーアップしている。

主人公を上下左右に操作して、仲間のユニットを助けながら敵を倒し、城を取り戻すのが目的だ。敵を倒すごとに主人公や仲間のユニットがパワーアップするのだが、それは敵も同様で、どの敵にどのユニットをぶつけるのかが重要になる。ルールは簡単だが、障害物を避けていかに味方のユニットを進めていくかや、動き回る敵を捉えるのかなど、奥深いゲームを楽しむことができる。

Coffee Powered Machine:Okhlos

「Okhlos」は、古代ギリシャ神話の世界を舞台にしたアクションゲーム。神話に登場する神々に挑む内容で、プレイヤーはギリシャ市民たちを率いて神々を倒していく。引き連れられるのは市民や戦士、そして奴隷といった人だけでなく、豚といった動物も可能で、それぞれに強さが設定されているようだ。

攻撃の指示をだせば自動で攻撃してくれるのだが、プレイヤー自身は戦うことが出来ないので、てきから逃げたり、新たな仲間を探したりとなかなか忙しい。ガヤガヤしていて楽しいゲームだった。

DotEmu:モンスターワールドII ドラゴンの罠

セガがリリースしていた作品を、DotEmuとLizardcubeがHDリマスター版としてリメイクした本作。オリジナルのストーリーを忠実に再現し、アニメと融合したようなグラフィックで、軽快なアクションを楽しむことが可能だ。

Onion Games:Black Bird

スマートフォン向けアプリ「勇者ヤマダくん」などを手掛けるOnion Gamesが発表したPC向けシューティングゲーム「Black Bird」。黒い鳥になってしまった少女がドット絵で描かれた世界を飛び回りながら的と戦う。会場では、民家や城のようなものが立ち並ぶマップをプレイすることができた。

ゲーム自体はオーソドックスなシューティングであるものの、癖になるような操作感となっていた。また、どんなストーリーが展開されるのかも気になるところだ。

ACKK STUDIOS:YIIK

1990年代を舞台にした、JRPGスタイルの3Dゲームだ。出会ったばかりの8人の若者が、エレベーターの中で突然姿を消した女性の謎を追うストーリーが展開する。現代が舞台のようなのだが、レコードやカメラといった日常品で戦うのがおもしろい。どこか間違った日本文化に触れているような不思議な感覚を味わえる作品になっている。

tomeapp:プリンキピア:マスター・オブ・サイエンス

「プリンキピア:マスター・オブ・サイエンス」は、17世紀のヨーロッパ科学界を題材にしたシミュレーションゲーム。プレイヤーは、アイザック・ニュートンやロバート・ボイルなど14人の科学者の中から1名を選び、研究活動に勤しみ、科学アカデミーの会長を目指すことになる。

科学研究というと馴染みのない人も多いだろうが、研究テーマを選択し、実験を行い、論文を作成するといった行程が必要で、当然知識が足りないと失敗してしまうこともある。他の科学者たちとの競争にもなるので、誰よりも早く研究を完成させるためのシビアな世界を体験可能だ。さらに、交流や誹謗中傷といった生々しいコマンドまで用意されているので、科学者になりきってリアルなプレイを楽しめそうだ。

MidBoss:Read Only Memories

「スナッチャー」などの作品が大好きだというMidBossのメンバーたちの1作目となるアドベンチャーゲーム「Read Only Memories」。すでに、PS4/PS Vita/PCで日本語版がリリースされることも決定している。

本作は、ネオ・サンフランシスコを舞台にしたアドベンチャーで、チューリングと呼ばれるアンドロイドを中心にストーリーが展開する。ドット絵で描かれた懐かしいグラフィックと個性豊かなキャラクターたちが特徴だ。会場では日本語版がプレイアブル出展されており、ローカライズ作業も順調のようだ。

GameTomo:プロジェクト・ニンバス

「プロジェクト・ニンバス」は、タイのGameCrafterTeamが開発するロボットシューティングゲームだ。荒廃した世界を舞台に、武装した人型バトルスーツ「バトルフレーム」を操縦しながら敵機を迎撃していく。タイのゲームというとなかなか想像できないが、本作では、いたるところに日本のゲームやアニメの影響を受けていることが伺える。すでに日本語化されており、日本語ボイスも実装済みだ。

特にロボットでの空中戦の迫力がすごく、各機の機動描写や敵をロックオンしてからの攻撃など、ロボット作品ならではのこだわりを感じることができた。

神奈川電子技術研究所:AGARTHA

ドット絵で描かれた自然豊かな世界を冒険する横スクロールアクションゲーム。水や土、草木などがピクセルで表現されており、キャラクターのアクションによって地形などを崩して進んでいく。8人いるキャラクターはそれぞれ個性的な能力を持っている。たとえば、マグマを冷やして固めたり、水を温めて水蒸気に変えたりと自然現象をいかにうまく使っていくかが攻略のポイントとなる。

ゲームとしての完成度が高まるVRタイトル

Q-Games:DEAD HUNGRY

空腹となったゾンビにハンバーガーを提供するというちょっと変わったVRゲーム「DEAD HUNGRY」。ゲーム内容はいたってシンプルで、ハンバーガーショップの店員となったプレイヤーが、目の前に並ぶ材料を組み合わせてハンバーガーを作成、迫り来るゾンビに投げて空腹を満たしていく。空腹が満たされたゾンビは人間に戻ることができる。

文章にするとこれだけの内容なのだが、ゾンビが迫ってくる中で、トマトやチーズをひたすら積み上げていく自身がシュールで面白く、夢中になってプレイしてしまうのだ。なによりもプレイ方法が直感的にわかることが人気のポイントだと感じた。来場者の注目度も非常に高く、試遊には常に長蛇の列ができていた。

DROOL:Thumper

PS VRに対応したリズムアクションゲーム「Thumper」は2016年10月13日に発売予定で、PS VRのローンチタイトルとなる作品だ。メタリックな曲線が美しい昆虫となって宇宙を高速で走り抜け、独特な音楽とともに世界に没入することができる。なお、本作は2D画面でもプレイ可能だ。

同志社大学電気情報研究会:VR PANZER

「VR PANZER」は、VRを被ったプレイヤー(VRプレイヤー)とコントローラーで車輌を操作するプレイヤー(操作プレイヤー)、2人で遊ぶシューティングゲームだ。VRプレイヤーは戦車から顔を出した状態で、周囲の状況を確認することが可能。操作プレイヤーは戦車の車内から外を小窓から覗くため、正面のみの非常に限られた視界となる。

そのため、VRプレイヤーが操作プレイヤーに口頭で指示を出しながらリアルに連携するアイデアの光るタイトルとなっていた。

VR CYCLING

Unityのマスコット・ユニティちゃんとサイクリングを楽しめるタイトルで、実際に自転車を漕いでプレイする。VRに対応しているので、漕ぐスピードやハンドルの傾きに応じた風景が映し出され、実際に自転車に乗っているかのような錯覚を持ってしまう。スポーツジムに設置したり、なかなか行くことのできないコースを体験したりとさまざまな活用が期待できそうだ。

The Gunner of Dragoon

VRとロデオマシーンを融合させたシューティングゲーム。プレイヤーはドラゴンにみたてたロデオマシーンにまたがり、周囲から押し寄せる敵を撃ち落としていく。

※メーカー発表情報を基に掲載しています。掲載画像には、開発中のものが含まれている場合があります。

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