エンターグラムは、PS Vita用ソフト「id [イド] - Rebirth Session -」を2016年11月24日に発売すると発表した。価格は通常版が5,980円、完全生産限定版が7,280円(各税抜)、DL版が4,980円(税込)。
本作は、12人の男女が織りなす、閉鎖空間(クローズド・サークル)ミステリ劇。廃れた港町の裏通りに佇む一軒のバー、そこは人生に絶望した人が集まる場所であった。集会と称して目的を告げられぬままクルーザーに乗せられ無人島に送られた12名の男女。そして絶海の孤島という閉鎖空間(クローズド・サークル)を舞台にして起こる奇怪な事件。連鎖する疑念と恐怖の果てに彼らが見るのは救いか報いか、それとも――。
PS Vita版ではオリジナル版のヒロイン5名に加え、新たなヒロイン「リリア」(CV:甲賀美月)が登場。PS Vita版のコンセプトから原作のroot nukoが企画監修をしており、加筆シナリオ、修正シナリオに合わせて新規CGが多数追加されている。
また新規オープニング曲および新規ムービーも追加されており、今回の発表に伴い同ムービーが公開となった。下記のゲーム情報と併せてチェックしてみてはいかがだろうか。
楽曲情報
「リリア」
作詞:lily-an
作曲:アッチョリケ
編曲:アッチョリケ
歌:甲賀美月
Guitar:宮崎京一、AYUMU
Bass:大西隆浩
Drums:水城新人
Piano:齋藤 絃太
プロローグ
疑いは、連鎖する――。
そこは閉鎖的な港町。湿り気を帯びた潮風は停滞し、町は錆びた空気で充満している。そんな町の一角に部屋を借り、しがない探偵事務所を営む探偵「長谷川士郎」。
対人関係における面倒事を嫌い、“迷い猫” の捜索をその主な生業にしている彼の下に、新たな依頼人が現れる。彼女の名前は「片瀬桜」。士郎がかつて懇意にしていた旧友、その妹だ。彼女は言う。
――行方不明になった兄のことを探してほしい、と。そこは裏通りの一角。場末にひっそりと佇むその店内は、昼と夜とでは全く異なる二つの顔を持つ。昼間は老若男女で賑わう、カフェとして。夜間は薄暗く照明の灯った、バーとして。
「Cafe seaside」と銘打つその店は、しかしその夜の顔を知っている者は少ない。にも関わらず、その店の扉を叩く者が少なからずいたのには、理由がある。それは単なる噂話。
けれど、町に、ネットに、人を介してその噂はひっそりと息づき。彼女「雨宮希沙」も、そんな噂に引き寄せられた人間のうちの一人だ。彼女は呟く。
――それじゃあさしずめ、「Bar suicide」ってとこかな。
行方不明になった桜の兄。噂を聞きつけ集まる人々。事件の核心はそのバーにあると見た士郎は、桜と共に捜査に乗り出す。しかし、事態は急変。思わぬ方向へと転がり出して……。
集められた12名の男女。彼らを前にして、仮面を身にまとった店の主人は告げる。兼ねてより計画していた“集会”の決行を。目的も、行く先さえ告げられぬまま、夜の闇へと出港する一艘の客船。その行き着く先は、周囲を海に囲まれ孤立した――小さな孤島だった。
彼らはいったい何の為に集められたのか…?? 島で彼らを待つものとは、一体…??
無人島という≪閉鎖空間(クローズド・サークル)≫で起こる奇怪な事件の数々。終わりの見えない、連続殺人。一連の事件の犯人は、彼ら“参加者”の内の誰かなのか?? 渦巻く疑念、信じ合おうとする心。相反する観念がもつれ、歪み、交錯し合い、その行き着く先で彼らを待つもの。
それは救いなのか、報いなのか、それとも――。
ヒロイン
片瀬 桜 (かたせ さくら) CV:風音
士郎の依頼人
行方不明となった兄の探索を依頼する為、探偵事務所の扉を叩く。明るく物怖じしない性格で、その生来の人懐っこさも相まってか、士郎とは初対面にも関わらず互いに打ち解けるのにあまり時間は掛からない。信頼の置けるパートナー&助手役として、共に捜査に乗り出していくことに。
清楚でしとやかな外見とは対照的に我は強く、決めたことは頑として譲らない一面も。その為、時には物事に深入りしてしまい、なにかとトラブルに巻き込まれてしまうことも多い。甘いものには目がなく、食欲旺盛、発育良好。
士郎のことを 「探偵さん」 と呼び、好意を抱くと共に全幅の信頼をよせている。
「だって私、探偵さんの助手ですから」
雨宮 希沙(あまみや きさ) CV:如月葵
ニヒルな少女
インターネット上のとある書き込みを目にし、集会への参加を表明。周囲に対し一貫して無関心な態度で臨み、それが故に一部の人間からは信用を得る。同年代の雫とは行動を共にすることが多く、互いに信頼関係を構築していく。
表向きは気ままで淡白な言動に徹しているが、根は生真面目な思索家。高校は中退しており、現在はフリーターの身ではあるが、元は成績優秀な優等生として通っていた。朝に弱く、胸の小さいことを密かに気にしている様子。
士郎とはなにかと縁があり、警戒と興味を同程度に寄せている。
「単に、無関心っていうだけ。他人にも、それから自分にも」
氷室 紗江 (ひむろ さえ) CV:遠野そよぎ
ミステリアスな少女
父親に連れられて、件のバーへと出入りするようになったらしい。表情の変化に乏しく、人前で口を開くことは滅多にない。とはいえ、気を許せる相手の前では甘えた態度をとることも多く、決して人嫌いというわけではない。基本的には一人でいることのほうが多く、外部の環境に関わらすマイペースな態度を一貫している。
外見とは不釣り合いに達観した考えを持つ一方、その言動には相応の幼さが垣間見れる。人の感情の機徴を読むことに長け、その人並外れた洞察力を、父親である氷室は “人の心を読む力” と評するほど。外見が幼く見えることを気にしており、自分は18歳以上だと執拗に言い張る。
士郎のことを “シロー” と呼び、なぜか懐いている様子。
「……チョコ、くれたから。だからシローはいい人なの」
西園寺 鏡子(さいおんじ きょうこ) CV:桃井いちご
危険なオーラをまとった女性
参加の動機に関しては不明で、危険的な状況を楽しんでいるようにさえ伺える。そのどことなくシニカルで攻撃的な態度は、例外なく人に近寄り難い印象を与える。一方の彼女も他者との友好的な関係を望んでおらず、口元には常に不敵な微笑を絶やさない。
変化と刺激を好み、平穏と退屈を嫌う性格。物事の価値基準・倫理感が常人とは逸脱しており、尚且つそのことに自覚的。自身も含め、人の生死には無頓着で、感情を表に出すことは極めて稀。彼女のそうした態度は人を選ばず、誰にたいしても徹底している。
「だって…… その方が、面白そうでしょう?」
橘 雫 (たちばな しずく) CV:金松由花
逃避願望の強い少女
自傷癖があり、参加動機の背景には強い自殺願望が見え隠れする。暗く引っ込み思案な性格で、他人とコミュニケーションを取るのが苦手。それでも希沙に対してだけは心を開き、明るい笑みを浮かべることも少なくはない。
やや思い込みの激しい性格で、周囲の状況に依らず空想に浸ることもしばしば。探偵趣味そのひとつで、自らを小説の登場人物に置き換え、特殊な環境にも適応しようと努力する。しかし、それも不安や恐怖といった感情の裏返しであることには相違ない。
士郎に対しては好意を抱いており、捜査にも協力的な態度を見せる。
「つまりこれは、所謂ひとつの密室ですね!」
リリア (りりあ) CV:甲賀美月 ※新キャラクター
主人公の妹
死んだものと思われていた、士郎の妹。かつて警視庁に勤務していた士郎の父親である「長谷川秀悟」が、海外赴任時につくった隠し子でもある。妻との死別をきっかけに、秀悟は娘のリリアを呼び寄せて一緒に暮らすことを提案。そうして彼らは家族三人、一緒に暮らすようになったのだったが。
穏やかな日常から一転、彼女は父親の担当する事件に巻き込まれてしまう。誘拐事件に発展したそれは、たしかに不幸な結末を辿ったはずなのだが……?? 長い空白の時を経て、「無人島」という特殊な舞台で再会を果たす兄と妹。
それは果たして偶然か、それとも――。
「はなしはもう、それでおしまい?」
サブキャラクター
佐伯 義男 (さえき よしお) CV:桜坂幸平
周囲に壁を作る謎の男
参加者の一人。常にサングラスを手放さず、得体の知れない人物。なにかしらの意図があって集会に参加したようだが…? 最低限の口しかきかず、意図して周囲との間に壁を作っているようにも思える。
久世 裕也(くぜ ゆうや) CV:ルネッサンス山田
参加者の一人。医師免許を取得しており、現在は研修医の身。理路整然とした物事を好み、理性と秩序を重んじる性格。責任感が強く、事態を打開するために持ち前のリーダーシップを発揮する。
岩谷 淳二 (いわたに じゅんじ) CV:本多啓吾
物怖じしない若者
参加者の一人。高校を中退し、しばらくは地元を離れていた。男性陣の中では最年少にも関わらず、その態度に物怖じしたところは一切ない故に、粗雑で軽薄な印象を人に与えがちだが、考え方に一本芯の通った人物ではある。
辻 美輪子 (つじ みわこ) CV:名取亜紀
人当たりの良い女性
参加者の一人。離婚暦があり、現在は独り身。物腰は穏やかで険がなく、総じて人当たりも柔らかい。とはいえ、時折疲れたような笑みを浮かべることも多く、相応の悩みを抱えていることを伺わせる。
氷室 雄大 (ひむろ ゆうだい) CV:牙羽猛獅
自己中心的な紗江の父親
参加者の一人。紗江の父親で、某有名企業の元重役。強欲で虚勢を張ることに忙しく、自己中心的な志向の持ち主。娘である紗江をまるで道具のように扱い、その愛情は複雑に屈折している。
平林 進 (ひらばやし すすむ) CV:天然才
神経質で感情的な学生
参加者の一人。現在の身分は学生であり、大学に籍を置いている。神経質で感情的になりやすい性格。“虎の威を借る狐” の如く、集団における己の立ち位置を常に意識した上で行動している。
蒲生 昭三(がもう しょうぞう) CV:桜坂幸平
悩みを持つ演出家
参加者の一人。男性陣の中では最年長。舞台の演出家として名の知れた人物ではあるが、近年は表舞台に立つことも少ない。何かしら、根の深い悩みを抱えているようだが…。
完全生産限定版
描き下ろしパッケージ
原画家アマクラ氏、描き下ろしのパッケージになります。
オリジナルサウンドトラック
リリア役の甲賀美月さんが歌う、主題歌「リリア」を含む、ゲームで使用している楽曲を収録したサウンドトラックCDが付属します。
オリジナルボイスドラマ「リリアの一人でできるもん」
オリジナルシナリオライター川石幸宏氏、書き下ろしの新キャラクター「リリア」のボイスドラマCDが付属します。
※CD2枚組となります