2016年9月30日よりミュージカル「バイオハザード―ヴォイス・オブ・ガイア―」の公演が、東京都の赤坂ACTシアターにて開始された。ここでは、関係者向けの公開ゲネプロの模様をお届けしよう。

本作は、2015年に宝塚歌劇団を退団した、元星組トップスターで「10年にひとりの逸材」と言われた柚希礼音さんが主演を務める。その柚希さんに、ゲネプロの開始前にインタビューを行うことができたので、まずはその模様からお届けしよう。

「バイオハザードという作品を知って、生きているってすごいなと感じた」――柚希礼音さんインタビュー!

――初日に向けて、意気込みなどをお願いします。

柚希さん:8月からお稽古をしてきて、まだまだもっともっとお稽古したいくらいです。今日は今の自分を精一杯出しつつ、千秋楽までの間、さらに成長していきたいなと思っています。

――退団されて初めての主演ミュージカルですが、久しぶりにミュージカルに挑まれてみていかがですか?

柚希さん:やっぱりお芝居をするってすごく楽しいんだなと思いました。柚希礼音としてコンサートに出ることも好きなのですが、柚希礼音として何かの役になることが本当に好きだったのだなと実感しながらやっています。

――役作りで気を付けた点はありますか?

柚希さん:「バイオハザード」というとすごいかっこよくて、アクションがすごいイメージがあったんですけれども、とても人間ドラマを描いてくださいまして、意外とバトルシーンは少ないです。リサ・マーチンの人間性と周りとの関係性をとても大事に作りました。

――柚希さんから見て、見どころはどこになりますか?

柚希さん:見どころは一番最後……うん、やっぱり最後です(笑)。最後の戦いというか(笑)。

――ダンスはいかがですか?

柚希さん:ダンスもところどころあって、頑張っています。スペシャルダンサーのYOSHIEさんとちょっとだけ一緒に踊ったりするシーンもあるので、お稽古で毎回一緒に踊るたびに感動しています。

――お稽古中に大変だったことはありますか?

柚希さん:お稽古中、毎日筋肉痛で。毎日どこか違うところが痛んで、結構みんなそんな感じでしたね。

――「バイオハザード」の出演オファーを受けた時に、「バイオハザード」に対してどのようなイメージを抱かれましたか?

柚希さん:イメージとしては「バイオハザード」というとゾンビと戦うものという感じだったんですが、オファーを受けて、ゲームとか映画とかを見て、今回の台本も見て、ゾンビよりも、むしろウィルスについてすごい考えさせられるところがありました。

細胞とかウィルスとか、普段普通に生きていたらそこまで考えないようなこともたくさん考えさせられる部分がありました。「バイオハザード」という作品を知って、生きているってすごいな、と感じるようになりました。お客様にもそう感じていただけたらなと思います。

――「バイオハザード」のゲームの腕前はいかがですか?

柚希さん:どうしてもうまくならなくて(笑)、すごく上手なお友達がやってくれているのを横で見るのがとても楽しかったです。倒し方だけ教わったり、あと「ここやばい!」というところだけさっと操作を変わってもらったり、それで世界観を見ることができました(笑)。

――ゲームをプレイされてみて、役に反映されている部分はありますか?

柚希さん:銃の持ち方ですね。あと歩き方とかもです。男役の時みたいなのでもだめですし、普通の女でもないというスタンスで、難しかったです。プロの女性の捜査官の動きはまるで違うんだな、とゲームをやっていて学びました。

――カプコンさんは稽古場にいらしたんですか?

柚希さん:はい、いらっしゃいました。ゾンビについて、とっても厳しかったです(笑)。ゾンビの動きなどにはかなりチェックを入れられました。それまではみんな、自分たちがイメージするゾンビでやっていましたが、カプコンさんのおかげで統一感のあるゾンビになったと思います。

――最後にファンの皆さんへ一言お願いします。

柚希さん:がんばりますので、どうぞよろしくお願いします!

完全オリジナルストーリーとなっている本作の片鱗に触れる

今作のミュージカル「バイオハザード―ヴォイス・オブ・ガイア―」は、ゲームや映画などとも全く違う、新たなオリジナルストーリーで描かれている。まずはそのストーリーについて、おさらいしよう。

ストーリー

アドリア海沿岸のとある城塞都市。過去の記憶を失くしたリサ・マーチン(柚希礼音)は、食料調達に出かけた仲間たちの帰りを待っていた。

周りを囲む“奴ら”から逃れ、命からがら戻れたのはたった2人、その片割れのマルコ(KYOHEI)が“奴ら”に噛まれていた。

絶望が広がる中、唯一の生き残りロブロ(平間壮一)が、噛まれても生きている少女が地中海の小島にいるらしいと告げる。医師ダン・ギブソン(渡辺大輔)はその少女の抗体から血清を作ることを提案。ダンとロブロ、空軍オタクのゼルグ(有川マコト)が小島へ向かうことに。

出発の時、“奴ら”の目を逸らすため、音楽家ロベルト(海宝直人/村井成仁)を中心に演奏を行う。3人を上手く出発させたと思いきや、奴らは暴れ出して住民を襲う。

リサと武闘派のチャベス(横田栄司)がどうにか退治するが、チャベスの愛息ジルマが噛まれてしまった。2日以内に血清を打たなければ!リサとチャベスはジルマをつれて小島を目指す。

その途中、空軍基地でリサはモーリス・グリーン大佐(吉野圭吾)と軍医ジョー・ナッグス(壤晴彦)から意外な自分の過去を知る…。果たしてリサたちは血清を手に入れ、世界を救うことができるのか?

※公式サイトより

今作は「ミュージカル」なので、全体的に歌とダンスがふんだんに使用されている。そのため、「バイオハザード」シリーズのファンとしてこの作品に向き合うと、最初は少しばかり違和感を覚えるかもしれない。

ゾンビがダンスを踊り、歌で男女が愛を語る、そんな「バイオハザード」を我々は誰も知らないのだから、それは当然のことだろう。

だがそんな違和感も、舞台が始まってほんの僅かの間のこと。今作が何故「ミュージカル」という形で演じられているのかは、ストーリーの最中で判明する。それは原作の「バイオハザード」シリーズにはない設定だが、ミュージカルの「バイオハザード」として見るならばすんなりと腑に落ちる。

詳細はストーリーの具体的な部分に踏み込んでしまうため語ることはできないが、「バイオ」の新境地を開拓した作品だと思ってほしい。

ストーリーのあらすじでもわかるように、この作品にはアンブレラも関わってこないし、歴代のゲームのキャラクターなどが出てくるわけでもない。その点だけでも、ゲームや映画とも全く違う「バイオハザード」であることが解る。

だが、もちろん「バイオハザード」シリーズには欠かせないゾンビも出てくるし、ゾンビと戦うシーンなども盛り込まれている。「バイオハザード」でありながら「バイオハザード」ではなく、「バイオハザード」ではないように見えて「バイオハザード」である、という、振り返れば振り返るほど「バイオハザード」シリーズのファンとしても珍しい作品だと感じた。

ステージの広さを活かした演出が目白押し!

今作のミュージカルが上演される赤坂ACTシアター(大阪公演は梅田芸術劇場メインホール)は、舞台の広さが通常の劇場に比べて格段に広い。単に横幅が広いだけではなく奥行きもあり、ステージは舞台装置を含め、その広さを活かした大がかりなものとなっている。

また、舞台の音楽は生バンドによる演奏となっており、音による圧力も半端ない。いわゆる「2.5次元」の舞台とは明らかな差となっているのが、「スケール感」である。

プロジェクションマッピング効果、壮大な舞台装置に生演奏、出演者の数の多さとそれだけの人数による歌とダンスの迫力、何もかものクオリティは、まさに一流の劇団の公演に迫ると言って過言ではない。

そもそもこのミュージカルは、ゲームの「バイオ」シリーズとは全く別の作品となっているため、いわゆる「2.5次元」作品とは大幅にその質が違うのだが、逆に言うならば「2.5次元」という世界にまだ少し抵抗がある人にも受け入れやすい作品だろう。

「バイオハザード」20周年を飾るに相応しい豪華なミュージカルだけに、ファンはもちろん新たな視点での「バイオ」を楽しめるし、「バイオシリーズは怖くて…」とちょっと尻込みがちな人や「バイオハザード」を全く知らない人でも楽しめる。

とはいえど、本作は大変事前注目度が高く、既に立見席の販売すら終了している公演がほとんどだ。だがまだ東京公演の一部の日付では立見席がわずかながらに残っている公演もあるので、興味を持った方は、公式サイトからチケット情報をチェックしてみてほしい。

公演概要

公演タイトル

「バイオハザード―ヴォイス・オブ・ガイア―」

公演日程

東京公演

2016年9月30日(金)~10月12日(水)
赤坂ACTシアター

大阪公演

2016年11月11日(金)~11月16日(水)
梅田芸術劇場メインホール

チケット情報
「バイオハザード―ヴォイス・オブ・ガイア―」公式サイト
http://musical-biohazard.com/index.html

スタッフ

脚本・演出=G2
作曲・音楽監督=和田俊輔
美術=堀尾幸男
振付=前田清実
アクションコーディネーター=諸鍛冶裕太
照明=倉本泰史
音響=井上正弘
衣装=十川ヒロ子
ヘアメイク=宮内宏明
歌唱指導=山川高風
稽古ピアノ=國井雅美
音楽監督助手=大塚茜
演出助手=高野玲
舞台監督=榎太郎
原作=CAPCOM(ゲーム「BIOHAZARD」)
監修=小林裕幸(CAPCOM)

出演=柚希礼音
横田栄司 渡辺大輔 平間壮一 海宝直人(Wキャスト・東京)・村井成仁(Wキャスト・大阪)KYOHEI/壤 晴彦/吉野圭吾ほか

Special dancer YOSHIE
中井智彦 Raychell 水希友香 有川マコトほか

企画・制作・主催=梅田芸術劇場

コメントを投稿する

画像一覧

全ての画像を表示(6枚)

(C)GEKKO

※画面は開発中のものです。

関連ワード

あわせて読みたい

  • セール情報
  • Figgy
  • プリコネR特集

人気記事ランキング

定期配信

  • ゲーム発売日・配信日カレンダー
2024-04-15
PERISH
2024-04-16
Grounded
2024-04-16
Harold Halibut
2024-04-16
デイヴ・ザ・ダイバー
2024-04-16
晴空物語 もふもふランド
2024-04-17
HIT : The World
2024-04-17
Sagres
2024-04-18
ARK: Survival Ascended
2024-04-18
BIG SHOTS -ビッグショット-
2024-04-18
EGGコンソール ハイドライドII PC-8801
2024-04-18
Picross -LogiartGrimoire-
2024-04-18
SUNSOFT is Back! レトロゲームセレクション
2024-04-18
UFOロボ グレンダイザー:たとえ我が命つきるとも
2024-04-18
いっき団結
2024-04-18
みんなと街コロ
2024-04-18
ココロシャッフル - Spirit Swap -
2024-04-18
バニーガーデン
2024-04-18
フェイファーム ようこそ精霊の島アゾリアへ
2024-04-18
同級生リメイクCSver
2024-04-18
急げ!運べ!積み込め!
2024-04-18
異世界派遣の係長
2024-04-18
食魂徒 ~百花妖乱~
2024-04-19
SOUL COVENANT
2024-04-19
ウムランギジェネレーション
2024-04-19
ビックリマン・ワンダーコレクション
2024-04-19
ロロパズミクス
2024-04-23
百英雄伝
2024-04-24
ザァオ:ケンゼラの物語
2024-04-24
ニャンダーランド~封印されし女神~
2024-04-25
BEHOLGAR
2024-04-25
Library of Ruina
2024-04-25
SAND LAND
2024-04-25
けもの道☆ガーリッシュスクエア
2024-04-25
わんことあそぼ! めざせドッグトレーナー!
2024-04-25
サガ エメラルド ビヨンド
2024-04-25
ボクらの修学旅行大作戦
2024-04-25
ママにゲーム隠された コレクション
2024-04-25
メガトン級ムサシW
2024-04-25
ヴァガンテ
2024-04-25
重装機兵レイノス2 サターントリビュート
2024-04-25
鬼滅の刃 目指せ!最強隊士!
2024-04-26
Manor Lords
2024-04-26
Miko in Maguma
2024-04-26
Stellar Blade
2024-04-26
トリガーハート エグゼリカ
2024-04-26
剣と魔法と学園モノ。2G Remaster Edition
2024-04-26
剣と魔法と学園モノ。Anniversary Edition
2024-04-26
妄想凶ザナトリウム
2024-04-26
最恐 -青鬼-
2024-04-28
エルシャダイ・アセンション オブ ザ メタトロン