SUSHI TYPHOON GAMESの第二弾タイトルとして、メビウスが2017年1月18日に配信を開始したニンテンドー3DSダウンロードソフト「CREEPING TERROR(クリーピング・テラー)」のプレイインプレッションを掲載する。
日活のゲームレーベル「SUSHI TYPHOON GAMES」第二弾として発表され、コアなゲームファンに熱い視線を注がれてきた「CREEPING TERROR(クリーピング・テラー)」が、ニンテンドーeショップでついに配信された。
すでにリリース記事や公式サイトなどで紹介されているように、本作は、女子高生の“アリサ”を操作しながら屋敷からの脱出を目指す、緊迫感溢れるホラーアドベンチャーゲームだ。筆者も1人のホラー好きとしてさっそくプレイしてみたので、簡単ではあるが、インプレッションをお届けしたい。本作の魅力が少しでもお伝えできれば幸いだ。
先述したように、主人公は、女子高生のアリサ。お遊びのつもりで、友人らと共に、謎の怪物が現れると噂される屋敷へ訪れるが、途中、ひょんな事故から彼らとはぐれてしまう。出口を探し求めて屋敷内を探索するアリサだが、どうも様子がおかしい。アリサは段々と不安にかられていく。そして現れる、謎の怪物。果たして彼女の運命は……?
というのが、ざっくりとしたストーリーラインだ。ごくごく普通の学生達が、軽い気持ちで訪れた場所が惨劇への入り口だったという、ホラー映画の様式すら感じるオーソドックスな展開から物語は始まる。特に目新しさはないものの、ホラーファンから求められているものを熟知しているような王道の展開は、掛け値なしに心が躍る。かくいう筆者も、第一報を見た瞬間に「買い!」と即決してしまったほど、グングンと来るものがあったのは事実だ。
ゲームデザインは、往年の名作ホラーゲーム「クロックタワー」や「トワイライトシンドローム」へのリスペクトを思わせる横スクロールタイプの探索型アクション。ドットとポリゴンの中間に位置するような独特のグラフィックは、どこか懐かしさすら感じる。決してハイクオリティなグラフィックではないのだが、どこか現実感を感じるのはなぜだろう……。ちなみに、アクションを含んではいるものの、ゲームの腕を過剰に要求されるレベルではないので、複雑な操作が苦手な方でも気軽にプレイできる。むしろ必要なのは、恐怖に打ち勝つ強い心だろうか。
ステージは暗い場所が多い。そのため、探索ではスマートフォンのライトアプリを使って進んでいく。当然だがスマホにはバッテリーが設定されているため、常にライトを付けているとバッテリーが切れてしまう。ライトがなくても進めないことはないのだが、暗いため、重要な部分を見逃しやすい。バッテリーの配分を考えてプレイすることも、重要な攻略要素なのだ。
そして、「クリーピング・テラー」をホラーたらしめる、最大の特徴は、なんといっても謎の怪物の存在だ。ステージを探索していると、どこからともなく怪物が登場するのだが、アリサは普通の女子高生。巨体を誇る「奴」に太刀打ちできるわけもない。怪物に捕まってもボタン連打でピンチを回避できるのだが、体力メーターの最大値が減少してしまうため、出来ることなら捕まりたくない。何度も捕まってしまうと、段々回避しづらくなってしまい、最終的にはスコップで殺されてしまう。もちろん、ゲームオーバーだ。
一番の対応策は、逃げること。怪物は動きが遅く、走って逃げれば思いのほか簡単に逃げ切れる。また、ステージの各所に用意されている避難ポイントに隠れたり、アイテムの「石」を投げてひるませるのも有効だ。
クリアまでのプレイ時間は3時間ほどで、マルチエンディング方式を採用している。ちょっと長めの映画を観るような感覚で、最初から最後まで一気にプレイしてしまうのもいいだろう。価格も990円(税込)と、1000円を切る値段に抑えられているのも嬉しい。ホラーゲームが好きな人なら、一度はプレイしてほしい良作だ。