gloopsからリリース予定の「ラプラスリンク」は、マップ内を自由に動いて探索・2Dキャラのアニメーション演技等のコンシューマRPGが持つ特徴をスマホRPG向けに実現。ベータテストで分かったその魅力を紹介したい。
目次
gloopsからリリース予定のMobage/iOS/Android向けアプリ「ラプラスリンク」は、街やダンジョンなどのマップを自由に動き回って冒険ができるというRPG。スマートフォン向けのRPGでは探索要素をあえてなくし、バトル要素に特化させた作品が多い中で、コンシューマ向けのRPGのような仕様は非常に特徴的だ。
さらにコンシューマRPGのような仕様を持ちつつも、ネイティブアプリとしてではなくブラウザゲームとして作られており、Mobageに対応しているという点がユニーク。そんな本作が、2017年1月25日よりベータテストを開始したということで、その魅力を探るべくプレイしてみた。今回はベータテストをプレイをした結果、見えてきた本作の魅力についてお届けしたい。
「ラプラスリンク」は、敵を倒しながらマップを探索し、目的を達成するというRPGで、コンシューマー向けのRPGではまさに「王道」と呼ばれる正統派RPGだ。敵と遭遇するとマップ画面からバトル画面へと切り替わって、ターン制のバトルを繰り広げる。
グラフィックは2Dで、敵モンスターを除く登場キャラクター達は3.5頭身程度にディフォルメされている。このため、スーパーファミコン世代のRPGをプレイしたことがある人なら、思わず懐かしさを感じてしまうかもしれない。その一方で、最近のスマートフォン向けRPGに慣れた目にとっては、非常に新鮮に映ることも事実だ。
広大なマップを自分の足で移動する臨場感
スマートフォン向けのゲームはどんなジャンルのものであれ、移動中や待ち時間などのちょっとしたスキマにプレイされることが多い。このため、短時間でも気軽にプレイできるよう、極力システムをシンプルにする傾向がある。こうした状況でリリースされる本作の移動システムについても、簡易表示されたワールドマップから場所をタップして選択するだけの、シンプルなものなんじゃないか…。そう疑う人もいるのではないだろうか。
だが、本作の移動システムは実際にキャラクターを移動させ、マップを自由に動き回れるという、まさにコンシューマRPGにおける移動システムが実現されている。マップもシンプルにするため狭くしているなんてことはない。町ひとつとっても移動し甲斐のある広さを持っている。
スマートフォンでここまで本格的な移動システムだと、プレイに時間がかかって逆に楽しさが削がれていないか?という心配もあるかもしれない。しかしそんな心配も無用だ。まず、ミッションや敵の出現位置の配置が考慮されており、長時間えんえんマップを探索し続けるということはない。短時間で気軽にプレイできるというラインと、探索している感覚が味わえるラインの絶妙な点に調整されていると感じた。
さらに、エリアマップやワールドマップなどの移動短縮の仕組みも用意されており、移動周りは非常に快適だ。
キャラクターがちょこまかと動いて演技!
本作のストーリーの演出は、キャラクターがちょこまかとアニメーションして演技を行い、マンガのフキダシ形式でセリフを話すというもの。この演出も本作ならではの特徴と言える。
最近のスマートフォン向けRPGでは、「立ち絵」と呼ばれるキャラクターの一枚絵が表示され、会話のかけあいを繰り返すことでストーリーを描くというのが一般的。キャラクターが最大限大きく表示できるため、キャラクターの表情や服装のディテール等が伝わりやすいというメリットがある。
一方本作の演出は、キャラクターの表情や服装より、アクションやキャラクターの位置関係が伝わりやすいというメリットを持っている。このため、ストーリー上のバトル演出は思わず興奮する仕上がり。また、キャラクター達がその世界のその場所にいるという実在感が強く得られるのも特徴だ。この結果として、キャラクターへの強い感情移入が促される。
ちなみに、まだゲームが今ほどの表現力を持っていなかったスーパーファミコン初期のころのRPGは、本作のようにキャラクターがちょこまか動いて演技をするというものが多かった。このため、筆者のようにスーパーファミコン時代のゲームを経験しているプレイヤーは、本作のストーリー演出によって「何よりもゲームに夢中だったあのころ」を思い出すことだろう。色んな意味で胸が熱くなってしまうのではないだろうか。
バトルシステムも奥深い!位置取りが重要なアクションコマンドバトル
移動中に敵と遭遇したり、ボス戦に突入したりすると画面が切り替わってバトルパートに突入するが、このバトルパートにおいても主人公たちを自由に移動して戦うことになる。
本作のバトル中に使える攻撃には、すべて有効な間合いが設定されており、敵にダメージを与えるためにはこの間合いの中に敵を捉える必要がある。もちろん敵の攻撃にも間合いが設定されているため、攻撃を当てようといたずらに接近すると、ダメージは与えられるものの、敵の攻撃も食らってしまうという羽目に。こちらの攻撃をヒットさせつつ敵の攻撃はなるべく受けない、という位置取りが重要だ。
また、ボス戦ではBPゲージを貯めることによって、ボスを行動不能にした上で自分たちの行動速度をアップさせるという要素が存在。これに加えてヘイト値によって敵が誰を狙うか決定するという要素も存在しており、これらにキャラクターの役割が絡んでくる。役割がブレイカーだとBPゲージを貯めやすく、アタッカーだとより高ダメージを与えやすい。ディフェンダーは防御力高めでヘイトを稼ぎやすいため盾役として機能。キュアラーは回復役といった形だ。キャラクターはいつでも切り替えることが可能なので、状況に応じて適切なキャラクターを活用するのがポイントだ。
なお、バトル時の攻撃はアニメーションによって派手に演出されており、「ブラウザRPG=演出に乏しいシンプルなRPG」という先入観を持っている人がいたら、その先入観は吹き飛ばされることだろう。位置取りや役割を考える戦略性・派手な演出という二本柱によって、本作のバトルは奥深いものになっている。
他プレイヤーと協力して強力なボスと戦うマルチプレイ
本作には他プレイヤーと協力して、1人では倒せないレベルの強さを持った強大な敵と戦うバトル「マルチプレイ」も用意されている。いわゆる「レイドボスバトル」的なバトルだ。
本作はキャラが豊かにアニメーションするため、複数人で楽しむ「マルチプレイ」は非常ににぎやかな楽しさを実感できる。「マルチプレイ」でボスを倒すことによって獲得できる「カケラ」を集めれば、ガチャで強力な武器をゲットすることもできるため、積極的にプレイしたいコンテンツだ。
ファンタジー定番の設定を含みつつも現代的な印象を受けるストーリー
本作のストーリーは、魔法の元となるエーテルエネルギーを生み出す樹「ラプラスの樹」と、魔法を使った反動で生まれる魔物「樹獣(きじゅう)」、そして「樹獣」の討伐を生業とする「樹獣討士」、さらには「ラプラスの樹」から生まれ、人に災いをもたらすと言われる存在「天使」を巡って展開していく。
魔法や天使など、ファンタジーものではよく聞く設定が並んでいるが、剣と魔法の古典的なファンタジーに留まらない現代風の味付けがなされていることもあって、ストーリーから受ける印象は現代的だ。スーパーファミコン世代を思わせる演出をそここに含みつつも、レトロなゲームになっていないのはこの現代的なストーリーがあってのことだろう。
また、ストーリー以外にも、劇場アニメ「ドットハック 世界の向こうに」やスマートフォン向けRPG「チェインクロニクル」等でキャラクターデザインを担当したtoi8氏が本作のキャラクターデザインを手掛けているということも本作の持つ現代的な印象に大きく影響していそうだ。
toi8氏のイラストが直接的に登場するのはキャラクターのステータス画面で、マップ画面やバトルパートで描かれるのはデフォルメされたキャラクターなのだが、キャラクターの服装や髪型に現代的なモチーフが取り入れられているため、作品が醸し出す雰囲気もまた、現代的な印象を帯びているのだろう。
やりごたえのあるRPGを楽しみたいプレイヤーオススメ
本作が持つ、戦略性のあるバトルを楽しみつつ、マップを自由に移動して冒険していく…というシステムは「架空世界での冒険を自分が体感しているかのように楽しむ」というRPGが本来持っていた楽しさを、スマホRPGでも堪能させてくれるもの。なので、ファンタジー世界での冒険を堪能したい! RPGををしっかり遊びたい! というプレイヤーにとって本作はうってつけの作品といえる。
昔RPGにハマったけど、仕事などでゲームの時間が取れなくなってしまった…という人は、特にオススメだ。本作なら「昔RPGが味わわせてくれたあの楽しさ」を、短時間で気軽に味わうことができる。
なお、現在提供されている「ラプラスリンク」はベータテスト版であって、正式リリース版ではない。だが、ベータテスト版でのデータはすべて正式リリース版に引き継がれるとのことなので、興味を持った人は是非プレイしてみるといいだろう。