Nintendo Switch用ソフト「ウルトラストリートファイターII ザ・ファイナルチャレンジャーズ」が本日5月26日に発売。ゲオ北新宿店にて行われた発売日店頭イベントでは、同作のアシスタントプロデューサー・綾野智章氏がファンとの交流を行った。
当時の懐かしさ、おもしろさはそのままに、バトルグラフィックのリファインやシリーズ初登場キャラの追加がなされた「ウルトラストリートファイターII ザ・ファイナルチャレンジャーズ」(以下、ウルII)が本日発売。
ボタンひとつで必殺技を繰り出せる「LITE操作」や、2人で強敵を倒す「バディファイト」モードなど、Nintendo Switchならではの新しい楽しさも盛り込んだ作品だ。
本日ゲオ北新宿店で行われた発売日店頭イベントでは、本作のアシスタントプロデューサー・綾野智章氏が登場。ソフトの手渡しや記念撮影、そしてファンとの対戦企画を実施した。
May'nさんのカバーバージョン「愛しさと切なさと心強さと」が流れる店内に、春麗のコスプレで登場した綾野氏。平日お昼のイベントに駆けつけた熱心なファンに、笑顔でソフトを手渡していた。ちなみに春麗コスプレは今年2回目だという。
ソフトを手渡したあとは、参加者それぞれとツーショットの記念撮影だ。サイン入りポスターもプレゼントしたほか、ジャケットにもサインを入れるなど、サービス精神も旺盛。参加者のうれしそうな笑顔が印象的であった。
イベントの最後には、参加者の中から選ばれた5人との対戦企画を実施。自身がコスプレをした春麗はもちろん、洗脳されたケンやザンギエフなど、多彩なキャラクターを使って参加者たちを迎えた。
おそらくこの中で一番Joy-Conでの操作に手慣れているはずの綾野氏だが、参加者も善戦し、中には2本立て続けに取ってストレート勝ちする猛者も。それでも最後は綾野氏が3勝2敗と勝ち越し、その実力を見せつけた。
「次の世代に技術を伝承して、未来のプロゲーマーを育ててほしい」
――発売日を迎えて、ローンチPVも公開されました。
綾野氏:本日公開したPVは、「スーパーストリートファイターIIX」からの変更点をお伝えする、ガチガチのコア向けとなっています。例えば「殺意の波動に目覚めたリュウ」の通常技が、レバーを引くと近距離・遠距離で使い分けることができる、という具合です。発売初日に出す情報なのかと思うんですが(笑)。でも「ストリートファイターII」は25年の歴史がありますので、広いユーザー層に向けたものではなく、最初からコア向けの情報を出そうと考えました。
バトルバランスも「ストリートファイターII」と基本的に変わりませんが、公平性を保ちつつ修正した部分もあります。例えば対戦中にバルログの爪が取れることがありますが、今作では拾えません。ダメージ軽減が投げ抜けになるなど、よりe-Sportsを意識した作りになっています。「スーパーストリートファイターIIX」とは違うところを皆さんに楽しんでいただきたいですね。
いきなりプレイしても、25年前のテクニックがそのまま使えるように作っていますので、皆さんの技術を次の世代に伝承して、未来のプロゲーマーを育てていただけたらと思っています。
――家族で遊ぶことがコンセプトになっているのでしょうか?
綾野氏:まず「ストリートファイターII」ブームを体験していた方にアプローチして、その方がお子さんや姪っ子、甥っ子、友達と一緒にワイワイ遊べることをコンセプトに作りました。対戦だけではなく、バディファイトモードなどで「共闘」するという面も達成できていると思います。
――今日は熱心なファンの方々が集まりましたが、交流していかがでしたか?
綾野氏:今朝の新幹線に乗って東京に来たのですが、東に行くと雨が降ってきて、お客さん来てくれるかなと心配していました(笑)。ゲオさんの店舗のお力もありつつ、熱心なファンの方が来てくださって本当にうれしかったですね。そのぶん、僕らも「ストリートファイター」シリーズ30年の歴史を背負っているんだなと改めて感じました。
――対戦会は友達と一緒にワイワイ楽しんでいるような感じでしたね。
綾野氏:ファンの方は皆さん強かったですね! 非常に楽しかったです。格闘ゲームの新作を出した直後は、僕でもプロゲーマーに勝てるくらいの知識差があるのですが、ウルIIは発売してすぐでも実力が均衡していましたね。
僕にアドバンテージがあったとすれば、Joy-Conに慣れていることくらいです。でもNintendo Switch Proコントローラーを使えば、25年前の知識をもって発売日当日に実力を発揮できるので、非常におもしろいタイトルだと思っています。それもあって、友達とワイワイ遊んでいる雰囲気が出たのかもしれませんね。本当は全員と朝までプレイしたいくらいです。
――25年前の思い出などありますか?
綾野氏:当時中学生だったんですが、ゲームセンターで「ストリートファイターII」をプレイ中に先生に見つかって怒られましたね。廊下の雑巾がけを10往復することになったのを今でも思い出します。そういう昔の記憶が思い出されるのも、ウルIIの魅力なのかなと思います。
――オンラインシステムでこだわった部分はありますか?
綾野氏:こだわった部分ではないのですが、対戦格闘ゲームなので、ユーザーにストレスを与えないように作ったつもりです。実はオンライン対戦が上手くいくのかドキドキしていましたが、ダウンロード版でプレイしているユーザーさんの動画配信を見ると普通に対戦できていたので、一安心しました。
――ネットワーク対戦で上級者がLITE操作を使うと強くなりすぎてしまうと思うのですが、どのように調整されたのでしょうか?
綾野氏:ネットワーク対戦では、自分と同じ設定の人とだけ対戦するなど、フィルタリングできるようにしています。また、LITE操作は強すぎないように作っています。例えば溜めキャラですね。今回はボタンを押した後に溜め行動をちゃんと取るようになっているので、上手い方からすると逆にPRO操作のほうが自分の思い通りに動かせると感じるのではないでしょうか。そこは上手くバランスが取れたと思います。
――最後にファンへのメッセージをお願いします。
綾野氏:毎回発売日を迎えるたびに思うことですが、本当に開発者冥利に尽きます。カプコンとしても対戦格闘ゲームを出し続けて、e-Sportsシーンをどんどん盛り上げていきたいと考えています。まずは原点となる「ストリートファイターII」で、さまざまなユーザーさんに遊んでいただきたいと思います。