ヤフーは、新たなゲームプラットフォーム「Yahoo!ゲーム ゲームプラス」のメディア発表会を、7月18日に開催した。
「Yahoo!ゲーム ゲームプラス(以下、ゲームプラス)」は、HTML5ゲームとクラウドゲームをPCやスマートフォン、タブレットのブラウザ上で楽しむことのできる次世代型ブラウザゲームプラットフォームだ。ブラウザ上で緻密な描写や多彩な動画表現を可能にし、高品質なゲームの配信を行うことができる。
Yahoo!JAPAN IDさえあれば、さまざまなタイトルが、基本無料・インストール不要でプレイ可能。さらにコンシューマー向けの名作ゲームもゲームハードなしで遊ぶことができる。
ここでは、このゲームプラスの特徴や主要タイトルが紹介されたメディア向け発表会の模様をお届けする。
「Yahoo!ゲーム ゲームプラス」参加企業代表者コメント&タイトルをチェック!
冒頭、ヤフー 副社長執行役員 最高執行責任者(COO)の川邊健太郎氏が登壇し、ゲームプラスは構想に3年を費やし、エンターテインメント、そしてゲーム業界を取り巻く環境の変化に対応するためのサービスと紹介した。
今までハードに縛られていたゲームが、いつでもどこでもWebでプレイできる進化、そして挑戦という意味を込めた「新大陸発見」をテーマに、このサービスを通じてゲーム業界全体の未来に貢献したいと語った。
続いてヤフー パーソナルサービスカンパニー 事業戦略本部 ゲームプラス事業部 部長 須藤岳氏は、SNSで友だちや家族からゲームのURLを受取りアクセスすればその場で遊ぶことができる、ブラウザならではの気軽に楽しめるゲーム体験を紹介。
さらに、iOS/Android向けに配信されているアプリ(ネイティブアプリ)のような3D表現や高品質なゲームプレイが可能な「HTML5ゲーム」、家庭用ゲームをゲーム機なしでマルチデバイスで楽しめる「クラウドゲーム」が用意されているのが特徴だと説明した。
これらのゲームタイトルを提供する52社のメーカーが、ヤフー パーソナルサービスカンパニー 事業戦略本部 ゲームプラス事業部 ビジネスプロデューサー 脇康平氏より発表されると、参画ゲームメーカー5社の代表が登壇しタイトル紹介や今後の取組について語った。
スクウェア・エニックス 代表取締役社長 松田洋祐氏は「ファイナルファンタジーXIII」シリーズ3部作、「THE LAST REMNANT」、「ファイナルファンタジーX/X-2 HD リマスター」、「いけにえと雪のセツナ」、さらに完全新作「ANTIQUE CARNEVALE」のサービス開始を発表。さらに「ファイナルファンタジー」の新作ブラウザゲームも開発中であることを明かした。
2020年に向けて5Gが導入されるなど、通信環境の大きな変化が予想される中で、ブラウザが注目を集めることが想像されるとし、ゲームプラスとブラウザの進化に期待を寄せているとコメントした。
タイトー 代表取締役社長 山田哲氏は、全国に150店舗のゲームセンターを展開する“アーケードゲームの雄”として、モバイルゲームのメーカーと競合すると同時に補完しあうことも大事だとコメント。第1弾タイトルとして「パズルボブル」を配信し、老若男女を問わないプレイヤー層の変化に対応、業界を一層盛り上げていきたいとした。
サイバード 代表取締役社長 内海州史氏は、ゲームアプリ市場の成熟化と女性ユーザー比率とゲームの売上高が比例、その伸長率が近年大幅に成長したと近年のゲーム市場を分析。ゲームプラスにてイケメンシリーズ「イケメン戦国 時をかける恋」のサービスを行うと発表し、7月18日より事前登録、8月14日より正式サービスを開始する。
角川ゲームス 代表取締役社長 安田善巳氏は、全年齢の男女に対する新しいゲーム体験として、第1弾タイトルにビジュアルノベルクラウドゲーム「√Letter ルートレター」、第2弾タイトルにアニメ×世界文学 HTML5ゲーム「魔女とネコ」を配信すると発表した。「魔女とネコ」は完全新作タイトルで、世界の文学が追体験できる不思議な図書館を舞台に、魔女見習いの少女「アリス」が、書物に封印された「猫」を救い出す作品となる。詳細は続報を待とう。
コーエーテクモゲームス ゼネラルプロデューサー シブサワ・コウ氏は、コードネーム「Turn」を公開。Yahoo!ゲーム向けに開発するHTML5対応の完全新作となり、同社が得意な歴史ものではなくファンタジー作品になるようだ。
加藤一二三氏と倉持由香さんが真剣勝負!?ゲストによるタイトル紹介コーナー
インパルスの堤下敦さん、板倉俊之さん、倉持由香さんらが登場し、「アンティーク カルネヴァーレ」「揃えて消してマカロン ぽちゃもぐ」「ファイナルファンタジーⅩ」「チョコボのチョコッと農園」をトークやゲームプレイを交えながら紹介した。
「アンティーク カルネヴァーレ」は、チェスやリバーシといった古典的な知的ゲーム要素と王道RPGコマンドバトル要素を取り入れた本格対戦知的ゲーム。ボードゲームといえば…ということでゲストに将棋棋士の加藤一二三氏が登壇。スクウェア・エニックス 第7ビジネスディビジョン プロデューサー 藤川翔氏の解説で加藤氏と倉持さんの対戦が行われた。
Yahoo!ゲーム向けに開発された本作は、対戦をメインとしていながらも、スクウェア・エニックスの世界観が音楽やキャラクター、シナリオにしっかり息づいている。コマンドバトルが組み込まれていたり、一発逆転のカギを握る召喚獣が登場したりと、やりごたえ十分。加藤氏はコーラとバナナで栄養補給をしながら将棋スタイルを貫いたが、リバーシの要素を利用して優位に立った倉持さんが勝負を制した。
加藤さんは負けてしまったものの、本作に搭載されたライブ配信用の自撮り動画機能に写った自身の顔が見れることが楽しいと語り、「魅力的なゲームだ」と満足そうに表現していた。
ここで加藤氏に代わって声優の花江夏樹さん、女優の佐野ひなこさんが登壇。「揃えて消してマカロン ぽちゃもぐ」「ファイナルファンタジーⅩ」「チョコボのチョコッと農園」の3タイトルを紹介した。
描き下ろしのサンリオキャラクターたちが登場する「揃えて消してマカロン ぽちゃもぐ」は、つまれたマカロンタワーからマカロンを引き抜き、色を揃えて消すカジュアルゲームだ。ウィズコープ エグゼクティブ・プロデューサーの中込博之氏がゲームを動画で紹介したところ、佐野さんはその可愛さに「コンプリートしたい」とメロメロになってしまっていた。
ユビタスの春日伸弥氏によって紹介された「ファイナルファンタジーⅩ」。バトルが滑らかに動くのはもちろん、処理落ちすることのない召喚獣のド派手なエフェクトを確認することができた。実際にプレイした花江さんは、据え置き機と全く変わらない操作感とクオリティに感動を露わにしていた。
そして「チョコボのチョコッと農園」には、ゲームプラスだけの新機能として「歩数計」機能が搭載。歩いた歩数でゲーム内コインがもらえるなど、リアルとゲームが連動したお楽しみ要素が用意されている。
また、ゲームプラス未来のビジョンとして、ライフサービスとの連携をすることを発表。すでに配信中のサービス「myThings」を利用して、現在地が雨ならゲーム内にも雨が降ったり、プレイヤーの体重が減ればゲームのアバターも痩せるなど…さまざまな方法で活用することが可能だという。
さらにHTML5の「技術の革新」として、ブラウザ上で3Dキャラクターが滑らかに動く様子が公開され、ゲスト陣だけでなく会場に集った関係者も驚きを隠せない様子だった。最後にヤフー パーソナルサービスカンパニー 事業戦略本部長 米谷昭良氏によるテープカットが行われ発表会は幕を閉じた。