千葉・幕張メッセにて9月21日より開催中の「東京ゲームショウ2017」。ここでは、バンダイナムコブースにてプレイアブル出展されている「巨影都市」のプレイレポートをお届けする。
本作は「絶対絶命都市」シリーズの制作陣が開発に参加しているサバイバル・アクションアドベンチャーだ。一般市民である主人公が、都市に次々に現れる巨大な影、「巨影」に翻弄されながら生き抜いていくというもので、ウルトラマン、ゴジラ、ガメラ、エヴァンゲリオン、イングラムなど、特撮やアニメでおなじみの巨大ヒーローや怪獣たちが登場することになる。今回、ゲームショウに出展されている試遊バージョンではゲームの冒頭部分をプレイすることができた。
ゲームは小雨の降る日常の街中から始まる。まずは主人公のモノローグにあわせて性別や名前などを設定。現在の自分の立場を選択できる場面もあり、スーツ姿の社会人になったり、チャラい若者風の姿になったりする。ちなみに、男性と女性のどちらの場合でも、待ち合わせをしているヒロインのところに向かうという目的は同じだ。ヒロインとの関係も選択可能で、もちろん女性主人公でも相手が恋人という選択肢を選べるようになっている。
主人公の設定が完了したら本格的にゲームスタート。路上にはいろいろ人たちがいて、それらの人に話しかけたり、途中にあるコンビニに入ったりすることも可能。他の人のプレイを見て確認したのだが、コンビニのレジやバックヤードに入り込むこともできるようになっていて、店員から頼み事されるといったサブクエストも用意されていた。また、フィールドのあちこちに、さまざまな色のコインが落ちていて、集めると新たな髪型やコスチュームと引き換えることができるなど、かなりいろいろなことができるようになっている。
とりあえず、道なりに進んでいくと、早くもにせウルトラマン出現。手の平から光線を発射して街を破壊し始める。思わず近づこうとしたのだが、火災は起きるわ、頭上からガレキは降ってくるわで、ぼーっと見上げていたら、すぐにダメージを負ってしまう。さらに、近づきすて巨大な足に踏まれてしまい、あえなく死亡(今回の試遊版は時間内であれば再プレイ可能)。結局、まともに姿を見ることはほとんどできなかった。なるほど、本編で科学特捜隊の面々が見分けがつかなかったはずである。ウン十年前に「ウルトラマン」第18話「遊星から来た兄弟」を見たとき、なんで科特隊の人たちは分からないんだとバカにしていたものだが、この場を借りて謝罪していこう。
街の人々が逃げ惑うなか、彼女との待ち合わせをしている公園のある方角へ向かう主人公。すると、聞きなれたサウンドとともにウルトラマンが出現。「待ってました!」と言いたくなるところだが、にせウルトラマンと戦い始めたことで、街の被害はさらにひどいものになっていく。一般人にとっては正義の味方のウルトラマンも悪の怪獣も五十歩百歩で、どちらも災害のような存在であるということを改めて実感することができた。
かくして、ウルトラマンたちのもたらす被害の中を進むことになるわけだが、ただの人間である主人公は非常にもろい存在で、当たり前なのだが、ちょっとした爆発に巻き込まれたり、ガレキに当たったりしただけで即死してしまう。そのため、うかつな行動は命取りになるのだが、なぜか、途中でヤクザとおぼしき者たちのあやしい取引場面に遭遇。彼らから追われる身となってしまう。
「絶対絶命都市」のファンにはおなじみだろうが、このシリーズは基本はシリアスながら、思わずずっこけてしまうコミカルなシーンも多く、そこが魅力のひとつになっている。本作でもそうした要素は健在で、例えば避難している途中に交番に入り込めるのだが、そこで警察官の制服に着替えることができる。しかも、男性主人公の場合は女性警官の制服、女性主人公だと男性警察官の制服を着ることになるのだ。このときの巡査たちとの会話もちょっとヌケていて、かなり笑えるので、ぜひ試してみてほしい。
そのほかにも、ヤクザたちそっちのけで空中を舞う1万円札を拾いにいこうとしたり、ウルトラマンとにせウルトラマンをバックに自撮りしようとしたりと、さまざまなおかしな行動が選択可能。こうしたユルい演出には賛否あるだろうが、個人的にはこれこそ「都市」シリーズであると喝采を送りたいところだ。
肝心のゲームの方だが、ヤクザから逃れて歩道橋に上がると、にせウルトラマンの変身が解け、ザラブ星人が正体を現す。なぜかザラブ星人と目が合ったところで今回のプレイは終了となった。なぜ、このような巨影たちが出現し始めたのか。そこに主人公はどう絡んでいくのか。10月19日の発売を期待して待とう。