不可解な出来事に発狂せずに生き残れるか?「コール・オブ・クトゥルフ」ゲームコレクターインプレッションゲームコレクター・酒缶が直感赴くままに10時間プレイしてみた!

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3月28日に発売された「コール・オブ・クトゥルフ」を直感赴くままに10時間プレイしてみましたので、その状況をゆるく正直に正確に、そして、なんとなくモヤっと伝えていきます。

中学生の頃、放課後に教室で友達数人とテーブルトークRPGを遊んでいました。主に「ダンジョンズ&ドラゴンズ」をやっていたのですが、ある日、友達の一人が新しいテーブルトークRPGを手に入れたのでやってみようということになり、2回ほど遊んだのが「クトゥルフの呼び声」でした。既に30年以上前の話なので、ゲームの内容については正直憶えていないのですが、自分の作ったキャラクターは2回とも発狂してどこかに行ってしまうというどうしようもない展開になってしまったため、今でも「クトゥルフ」=「発狂して失踪」のイメージが頭に残っています。

テーブルトークRPGとは、現在のテレビゲームのRPGの起源となる存在で、ゲームマスターがストーリーや設定を管理して、他の参加者との対話の中でゲームが進行していくゲームになります。そのため、ゲームマスターのさじ加減によって「発狂」も「失踪」も抑えることができるので、あの時、どうして「発狂して失踪」させられてしまったのかは今でも謎として残っているのですが、「クトゥルフの呼び声」といえば「正気度」という概念があるため、精神状態に異常をきたしそうな行動をするときには注意が必要で、多分、自分自身が無意識の内にとんでもない行動をするような発言をしていたのだと思います。

テレビゲームにはこれまでも「クトゥルフ神話」をモチーフにしたタイトルはそれなりに存在するのですが、今作は「クトゥルフの呼び声」の英語表記「Call of Cthulhu」をそのまま冠するタイトルなので、これは注目せざるを得ません。そこで早速ダウンロード版をプレイさせていただくことになりました。

1.現実と悪夢の狭間で2時間経過
2.狂気から逃れながら4時間経過
3.他者の目で事柄を知り8時間経過
4.真実に立ち向かい10時間経過
5.そして、まとまらないまとめ

現実と悪夢の狭間で2時間経過

早速ゲームを起動すると、主人公と思われる人物が巨大な何かと対峙しているタイトル画面のビジュアルからしてかなり意味深。

さらに、普通のゲームであればボタンを押すよう促すようなテキストが表示されるところに「狂気に陥る」とあることがわかり、ゲームを始める前から発狂して失踪させる気満々の意気込みが伝わってきます。メインメニューのオプションから字幕や音などの設定を確認していると、画面右側にちらちらとゲーム内に登場すると思われる場所が次々と表示されるのですが、時たま不気味な状況が映し出されることで、この後何が起こってしまうのが不安な気持ちが助長されていきます。

ロード画面になると「第1章 ボストン、ピアース探偵事務所」と表示され、プレイヤー自身が探偵の「ピアース」ということがわかり、きっとタイトル画面の人物こそが「ピアース」なのだろうと認識するに至ります。

これで精神状態を保てたかと思うと、ラヴクラフトの引用テキストが表示された後、とんでもない場所からゲームが始まります。

なんじゃこりゃ!

「コール・オブ・クトゥフル」ですから、「ピアース」の職業が探偵だからと言って、人と人とのいざこざの訳がありません。血まみれだからって、きっと何らかの心霊現象やクリーチャーが絡んでいるのでは? ともかくよくわからない状況なのですが、それでもあまりよくない状況という事だけは十分に理解できました。逃げ出そうとしてウロウロしていると鉄格子があるのですが、鎖が巻かれていて開けることができません。

探索を続けていると、外らしきところに出ることができ、一艘の舟を発見しました。

もしかしてこの舟に乗って脱出できる?と思って舟に近づいてみると、乗ることができません。どうやら陸地だけで何とか解決しないといけないようなので探索を続けてみると、「ボルトカッター」を発見。

「ボルトカッター」を取って鉄格子のところまで戻ってみると、鎖を切ることに成功。

アイテムを使用するように指定しなくても、怪しいシチュエーションを調べれば、適したアイテムを勝手に使用してくれるようです。その後も薄気味悪い通路をひたすら進んでいきます。

奥へ奥へと進んでいきます。

そして、十分に奥まで進むとイベントが始まり、最悪な事態が訪れるのですが……。

実は夢でした。

しかし、夢だとしても安心してはいけません。これは「クトゥルフの呼び声」なのですから、彼の精神状態がどうなっているか、確認する必要があります。そこで、早速「正気度」を調べてみると……。

まだほとんど何もしていないはずなのに、いきなり「悪夢」という「トラウマ」を抱えています。今の夢が「トラウマ」なのはわかったのですが、何やら薄っすらと見える鍵のマークが多くないですか? コレクター的にはコンプリートを目指さないといけないのではないかと錯覚を覚えるのですが、画面右側にある「正気度」の渦巻っぽいヤツがどうやらゲージのようなので、「トラウマ」の要素が増えすぎるとかなりヤバイことになりそうな予感がします。

しばらく探偵事務所内で調べモノをしていると、電話が鳴り響き、電話に取ると相手は探偵を管理している人のようで「火事で『ピアース』のファイルが燃えてしまったので情報を教えてくれ」とのこと。ここで「ピアース」の初期ステータスに若干補正を入れられるようです。

「ピアース」のスキルは7種類あり、「目星」「話術」「筋力」「調査」「心理学」の5種類のスキルはゲームの進行に合わせて入手した「キャラクターポイント」を割り振ることで上げることができ、「医学」と「オカルト」は関係するオブジェクトを発見した時に上がっていきます。探偵として重要なスキルはある程度自由に割り振ることができ、「クトゥルフの呼び声」としてのアイデンティティが「医学」と「オカルト」にあると考えておきましょうか。

実業家で美術コレクターの「スティーヴン・ウェブスター」が訪問することで、ストーリーが進展していきます。依頼内容は、彼の娘夫婦と子ども、「ホーキンス家」の死について調査してほしい、とのこと。警察は「スティーヴン・ウェブスター」の娘の「サラ・ホーキンス」が家族を殺したと疑っているため、真実を見つけることが目的となります。そして、「サラ・ホーキンス」は画家で、残された1つの作品がカギを握っているようです。

絵画を調べたうえで、「スティーヴン・ウェブスター」とのやり取りが発生するのですが、話す内容が複数用意されています。

これらの内容は、1つだけしか実行できないわけではなく、何個も選ぶことができるのですが、それぞれのセリフのところについているアイコンが重要な意味を持ちます。今回は全部のセリフが選べるようになっているのですが、スキルに該当するアイコンが表示されているときは、そのスキルがある程度ないと選べないようになっています。それゆえ、どのスキルをどのタイミングで上げていくかでゲームの展開が変わってきそうな予感がします。

依頼を受けた「ピアース」は、「ダークウォーター島」にたどり着くと、不気味な港で聞き込みを進めていくことになります。

海の男達にも警察官にも歓迎されていない状況下、まじめに捜査を進めていくと、倉庫の中で画面の四隅が白くなりました。

何とも不気味な状況ですが、このような状況になった時には「再現シーン」に入ることができます。再現シーンでは怪しいところを調べると、その場に何かが再現されます。

ちょっと怖そうに感じるのですが、ここはあまり心霊的な発想はせず、純粋に過去に起きたことを再現して見せてもらっているというスタンスで問題なさそうです。

一通り調べた後、再現シーンから出ると、警察官に見つかってしまうのですが、この倉庫に一枚の絵があったことから話が進展し、警察官と一緒に「ホーキンス邸」の調査をできるようになります。

ここからはちょっと早足になります。「ホーキンス邸」内の調査を進めていると、地下へ行けるようになり、怪しい絵を発見。

その後、襲われてしまって穴に落ちると……。

なんじゃこりゃ!

パニック状態になってしまって「正気度」がどうなってしまうのか大変心配です。早くグロテスクな場所から脱出しないと、狂ってしまうかもしれません。さらに地下に潜っていくと、いつかどこかで見た場所に来てしまいました。

そして、いつかどこかで見た悲劇をまたも見ることになります。

このままではやられてしまうと思い、崩れ行く洞窟を上へ上へと向かうのですが、気絶してしまい、目が覚めると拘束された状態で何をされているのか……。

抵抗してもどうにもなりません。

あ、あなたは死んだのでは??

そして、目が覚めると怪しい部屋に閉じ込められていました。

狂気から逃れながら4時間経過

最初は薄暗い場所や人物表現の不気味さからなんとなく怖いような気になっていたのですが、襲われたり、瓦礫が落ちてきたりと、身の危険という意味の怖さが加わり、ついには眠っている間に何をされているかわからない恐怖や、死んだと思っていた人が生きているような神秘的な現象が加わり、ついには収容所のようなところに閉じ込められてしまい、これがリアルな世界での出来事だったら、確実に精神に異常をきたしそうなところまで追い詰められた状況にあります。

何はともあれ、どこまでが現実でどこまでが幻なのかわからない状況なので、ここからはストーリー部分にはあまり触れずに、特徴的なシーンの紹介をしていきます。

「収容所」に閉じ込められてしまったため、脱出を図ることになるのですが、ここではステルスアクションが要求されます。

出口には見張りがいるので、見張りをどかすために何をすればいいか考えていくことになるのですが、それと同時に収容所内をウロウロしている看守に見つかってしまってもアウトなため、できるだけ隠れて行動をすることになります。

ここでは何度もやり直すハメになったのですが、看守に見つかっても走り回っていると意外と逃げることができることが分かってきました。

一応、隠れられる棚があるので、棚に入って看守をやり過ごすことはできます。

しかし、隠れているときには恐怖が増幅してしまうようです。

折角隠れたのに、棚から出たらフラフラになってしまうんですよ。

こういった狭い場所に入った時にもフラフラになってしまうので、気を付けましょう。

ちなみに脱出に成功しつつあるときに飛び込んだ部屋では……。

助けないと!

えっ?

ええっーーーーーー!!!?

ついに超常現象にぶち当たってしまい、酒のせいか薬のせいか、はたまた夢の中の出来事なのか、その理由は不明ながらも勇気をもって先に進まなくてはいけません。

とあるお金持ちのお宅に伺い、ギャラリーに入るとついに見えなくていいモノが見えるようになってしまいました。

他者の目で事柄を知り8時間経過

ここまでのプレイで、プレイヤー自身は「ピアース」という探偵の視点でストーリーを体験している中で、現実と幻を彷徨っていることは理解いただけるかと思います。「再現シーン」の部分は探偵の推理を視覚化しているのか、神秘現象なのか、解釈で悩むところがありますが、それでも探偵の視点で見ているとみて問題ないかと思います。

そのため、ずっと「ピアース」の視点でストーリーを楽しむモノだと思っていると、突然別の人の視点になることがあります。

例えば、とある医師の立場で目的を達成していくシチュエーションがあります。

この状況では、患者の奇妙な症状を目撃することになります。

当然ながら看護師さんとのやり取りもあります。

例えば、とある画家の立場で目的を達成していくシチュエーションがあります。

絵から現れたクリーチャーを追い払うために、グリフを破壊していきます。

クリーチャーは素早いので、何もしないでいるとやられてしまいます。クリーチャーが近づいてきたら、ランプを点けることで、相手の動きを弱めて安全な場所に逃げ込みます。

とある組織のボスの視点を体験するようなシチュエーションもあります。

死体を確認するだけだったはずが……。

襲撃してくる島民と戦うことになります。

色々な人の視点で物事を見れてしまうことは、「ピアース」の探偵ゆえの能力でしょうか?それとも、これが「正気度」を失わないと見えない真実ということなのでしょうか? あるいは……。

真実に立ち向かい10時間経過

だいぶストーリーを端折っていますけど、佳境に突入しました。「ピアース」は調査をしたり聞き込みをしたりするだけでなく、ステルスアクションで逃げ回るだけでもなく、時には戦うことがあります。

おかしくなってしまった島民に対して取れる行動は倒すか逃げるかの2択しかありません。

そこで、バンバンと銃をぶっ放しながら先へ先へと進んでいたら、あっさりと弾切れしてしまいました。

ゲームオーバーになっても、チェックポイントから再開できるため、再挑戦自体は簡単にできるのですが、このゲームオーバー画面をよく見てください。

「前回のチェックポイント」でセーブされた時の状況からしか再開できないため、弾切れしていたら弾切れのままでの再開しかできず、常にピンチな状況からしかプレイできないことになります。一時はここで今回のプレイは手詰まりになるかと思ったのですが、逃げ回ることでどうにか活路を見出し、「前回のチェックポイント」から再開できる特徴を把握した上で、10時間ギリギリで2つのエンディングを見ることができました。

そして、まとまらないまとめ

オープニングの悪夢がいわゆるチュートリアル的なプレイだったのですが、実際には最初の2時間のプレイで収容所に閉じ込められてしまうあたりまでを、ゲームのシステムを把握するという意味でのチュートリアルだと思ってプレイするといいように感じました。

ざっくりとゲーム内容をまとめると、主観視点のアクションアドベンチャーで、各所を調べて証拠を集め、聞き込みをして状況を把握していくと同時にストーリーが展開していくような感じでしょうか。推理すること自体は大事のような気はするけど、どのスキルを上げておくかで選べない選択肢が発生してしまうことを考えると、スキルの上げ方を気にしておくことが重要になりそうです。

特に、「医学」と「オカルト」は関係するオブジェクトを発見した時にしか上がらないため、ストーリーを急いで進めなくてもいい状況の場合は、ひたすら調査に時間を掛けた方がよさそうです。選べない選択肢があると、結構もどかしいんですよ。

いわゆるパズルっぽい謎解き要素はあるのですが、ある程度の推測が立てられれば、あとは総当たりで何とかなりました。

「前回のチェックポイント」でクリア直前からプレイすると、もはや手帳を開くことができないため、「正気度」のトラウマリストを確認できなくなってしまいます。「トラウマ」の収集(?)状況は適度にチェックしておくことをおすすめします。

ストーリーについては、なるべくネタバレしないようにしましたけど、とにかく人知を超えた現象に対して、「ピアース」がどう対応していくか、もしくは「ピアース」を自分だと思い、自分自身がどんな存在なのか考えながらプレイしていくと、より「コール・オブ・クトゥルフ」にどっぷりと入り込むことができます。

いや、あまり自分だと思い込み過ぎると怖いことになってしまうので、客観的に見た方がいいのかもしれません。

「CERO Z」タイトルゆえに、ゴア表現もそこそこすごいのですが、何よりも設定部分を読み解くのが難しいタイトルゆえに、焦らず悠然と大人のプレイを試みましょう。クリアしてもモヤモヤするのはホラー系タイトルの常ではあるのですが、実のところ、もう一回プレイすれば真実が見えてくるような気がしているので……。

プロフィール

酒缶(さけかん)/ゲームコレクター

15000種類以上のゲームソフトを所有するゲームコレクターをしつつ、フリーの立場でゲームの開発やライターなど、いろいろやりながらゲーム業界内にこっそり生息中。「東京エンカウント弐」にゲームアドバイザーとして協力。関わったゲームソフトは3DSダウンロードソフトウェア「ダンジョンRPG ピクダン2」「謎解きメイズからの脱出」など多数。価格コムでは、ゲームソフトのプロフェッショナルレビュアーを担当している。

公式サイト「酒缶のゲーム通信」
http://www.sakekan.com/
twitterアカウント
http://twitter.com/sakekangame
ブログ
https://sakekan.themedia.jp/

※画面は開発中のものです。

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