気合いの入ったバトルと3DCGでTV版を再現!「TRANSFORMERS ALLIANCE」レビュー

プレイレビュー
0コメント 田中一広

TRANSFORMERS ALLIANCE」をレビュー。「トランスフォーマー」が原作の位置情報RPG。初代アニメ版をベースに仕上げた世界観や力の入ったバトルなど、その魅力について紹介する。

「TRANSFORMERS ALLIANCE」は、Snowpipeからリリースされたスマートフォン向けRPG。AR(拡張現実)とLBS(位置情報サービス)を利用した機能が特徴で、ARゲームや位置情報ゲームなどと呼ばれる系統のゲームだ。ただ、一般的なARゲーム・位置情報ゲームが「歩くこと」を重視しているのに対し、本作は「トランスフォーマー」を重視した仕上がりになっている。しかも実写映画版ではなく、初代TVアニメ版である「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー」。筆者のように子供のころ初代アニメを見て育った世代なら、思わずグッとくるポイントが盛りだくさんだ。

サイバトロンVSデストロンの戦いを描く位置情報RPG

「トランスフォーマー」というタイトルからは、筆者のようにTVアニメをイメージする人と実写映画版をイメージする人がいると思う。TVアニメも実写映画も、乗り物や兵器などに変形するロボットがエネルギーを巡って戦うという基本的な設定は一緒だ。ただTVアニメ版では名称が一部異なる部分がある。TVアニメ版では人類の味方となる正義側のロボットたちは「サイバトロン」、そして敵側のロボットたちは「デストロン」。また、「サイバトロン」のリーダーは「コンボイ」。実写映画版のイメージが強い人は、この前提で読み進めてほしい。

本作のゲーム的な目的は、マップを移動して「ブリッジ」と呼ばれる拠点を見つけ、占領すること。位置情報ゲームなので現実の地図がマップとなっており、飲食店や公共施設といった現実世界のランドマークが「ブリッジ」になっている。なお、プレイヤーはサイバトロン、デストロンのどちらの陣営でもプレイ可能。ただし一度陣営を決めたら変更できないので、心して決めよう。ちなみに筆者はもちろん、サイバトロンを選んだ。

「ブリッジ」の占領は縮小・拡大するリングが、中央のリングと重なったタイミングでタップするというミニゲーム的なもの。占領することによってアイテムの入ったキューブが周囲に散らばり、獲得できるようになる。

キューブをタップするとイベントが発生。敵トランスフォーマーが出現してバトルになったり、アイテムの獲得できるミニゲームが発生したりする。また、身の回りの物をスマートフォンのカメラでスキャンすることでもアイテムの獲得が可能だ。

こうしたゲームの流れは位置情報ゲームとして一般的な範囲といえるだろう。歩いて、「ブリッジ」を占領していく…そんなプレイスタイルの作品に見える。しかし、バトルが非常に作りこまれているため、実はプレイすると「歩く」印象よりもバトルの印象の方が強い。「トランスフォーマー」重視と書いた理由のひとつだ。

トランスフォーマーが変形し戦う!アクション要素強めのコマンドバトル

本作のバトルは敵トランスフォーマーと1VS1で戦う、リアルタイム制のコマンド選択式。バトルによっては複数体のトランスフォーマーをバトルに参戦させられるが、その場合でも1体ずつ戦っていくことになる。

コマンドは、移動や反撃などの一般技と、使用中のトランスフォーマーが持っている固有技の中からランダムで4つ選ばれる。コマンドを消費することで、新たなコマンドがランダムで1つ補充されるというかたちだ。

リアルタイム制なので、コマンドをタップすればいつでも即使用可能。とはいえトランスフォーマーが動き出してから実際に攻撃判定が発生するまでは若干のタイムラグがあり、こちらの攻撃判定発動より相手の方が早かったら潰されてしまう。また、コマンドの補充についても若干のタイムラグが発生する。こうしたタイムラグを踏まえて、タイミングよく次の行動を選ばなければならない。

タイミングという点で重要な要素となっているのが移動や反撃、コマンドの強化といった非攻撃系のコマンドだ。相手が攻撃を出したときの回避手段として有効なのが移動や反撃。移動は、相手の攻撃の方向にもよるがタイミングよく正しい方向へ移動すれば敵の攻撃を回避できる。相手が攻撃を空振りしたら、こちらの攻撃コマンドをヒットさせるチャンスだ。回避と攻撃の2つセットになっているのが反撃コマンド。敵の攻撃に対してタイミングよく繰り出せば、防御した後そのまま反撃を行ってくれる。

では、逆に敵が移動や反撃を出してきたら?…その場合に有効なのがコマンドの強化だ。これは、同じコマンドを2つ以上重ねることでより強力な攻撃コマンドへと変えるというアクション。コマンドの強化自体にやや長めのタイムラグが発生するものの、攻撃を繰り出さないので移動や反撃を無効化できる上、自分の攻撃力を強化できる。

コマンド強化→移動・反撃→攻撃という3すくみの関係にあるコマンドをタイムラグとタイミングを踏まえつつ繰り出していく。こうしたゲームスタイルは、対戦型格闘アクションに近いと感じた。実際、本作のバトルで勝とうと思うと敵の一挙手一投足に気を配りつつ、こちらの立ち回りを考えねばならないので集中が必要だ。ただ、コマンド制なので複雑な操作を覚える必要はない。筆者は本作のこのバトルシステム、とても楽しいと感じた。ただ、バトル単体がかなりやりごたえがあるので、位置情報を使った遊びと同等以上の比重に感じる。「歩く」印象よりバトルの印象の方が強いと書いたのはこのためだ。

ちなみに、なにもシステムだけ気合いが入っているわけではない。表現部分にも同等以上の気合を感じた。バトルで活躍するトランスフォーマーたちの3Dモデルは非常に完成度が高い。モデルの造形もさることながら、流れるように変形し、敵を攻撃するモーションの美しさ。これぞトランスフォーマー!といったカッコよさを堪能させてくれる。

ところで、初代TVアニメ「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー」が放映開始したのは1985年。もう37年も前のことになる。なので、自分で「これぞトランスフォーマー!」と書いておいてなんなんだが、当時の表現は本作のバトルほどではなかったと思う。けど、あの時アニメを見ていた筆者のの今の脳内に焼き付いているのは、このゲームの表現のようなビジュアルだ。37年という年月の間、TVアニメもゲームも進化してきた。「トランスフォーマー」だって、実写映画版を経ている。なので当時の感動を筆者の脳内で再生すると、どうしたって現代的なビジュアルになってしまう。そう、ちょうど本作のビジュアルのように。だからこそ本作のビジュアルは、初代TVアニメファンの胸を打つものに仕上がっていると感じた。

シリアスなシーンでもコミカルなセリフ!?これぞトランスフォーマー

「これぞトランスフォーマー!」といえば、外せないのはキャラクター性だろう。本作には各トランスフォーマーごとのストーリーが用意されており、そこでトランスフォーマーたちのキャラクター性を楽しむことができる。

キャラクター性が度を越してコミカルというのが、TVアニメ版の大きな特徴だと思う。実写映画版のトランスフォーマーたちももちろんコミカルな時はあるが、シリアスなときはきっちりシリアスに締めていた。しかしTVアニメ版では、「このシリアスなシーンでそのセリフ言う?」というコミカルさがあったように思う。よく言えばオフビート、予定調和を外す楽しさ。でも人によっては度を越しすぎていてふざけているように見えた人もいるだろう。でも、今から思えばあれはTVアニメ版の魅力となっていた。

本作のストーリーではそんなオフビートなコミカルさというのがしっかり再現されている。サイバトロンとデストロンは、敵味方に分かれてはいるものの、時としてじゃれ合っているだけのよう。でも、これぞトランスフォーマーでしょう!

初代TV版世代には懐かしいファンアイテムとして!映画版世代には新たなトランスフォーマーとしてオススメ

本作は、初代TVアニメ版の持つテイストを気合いの入ったバトルシステムとCG演出によって再現している。このため、初代TV版世代であれば懐かしさで確実に胸を打たれると思う。と同時に、運動不足解消にもってこいだ。初代TVアニメ版の放映時機に小学生だった筆者も今年46歳、運動しなきゃと思いつつ運動不足を重ねている。共犯者を探したいわけではないが、筆者同様、あれこれ理由を重ねて運動不足に陥っている人もきっと少なくないハズ。でも本作なら、懐かしさに浸りながら運動不足を解消することが可能だ。そういう意味でも是非触れてみてほしい。

一方で映画版世代は、自分の中の「トランスフォーマー」像とのギャップに驚くかもしれない。しかしこれもまた「トランスフォーマー」。マルチバース作品を楽しむような感覚で、是非触れてみてほしい。新たな楽しさが味わえるはずだ。

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