声優の三宅麻理恵さんが気になるゲームを実際にプレイして紹介する「マリエッティのゲーム探訪」。第44回はエディアよりNintendo Switch向けに発売中のタイムリープサバイバルホラーゲーム「虧月の夜」を紹介します。

夏休み、冬休みなど、世間一般の長いお休みの期間になると、腰を据えてじっくり読むような本を買いがちです。本屋さんで、読書週間フェアのようにおすすめの本が並んでいてついつい手に取ってしまうのもそうなのですが、出張がちの父親が家に帰ってきて本屋で好きな本を何冊かかってくれる時期と被っていたからその習慣が今も残っているのかなあ。電子書籍で家でも買える時代だからこそ、本屋さんに足を運んで本を選ぶ経験というのも思いがけない出会いがあって大事ですよね。
さて。私流の本屋さんの歩き方というのは、まず平積みの本を見る(流行の本を知れて書店員さんの熱いPOPも見られる)(高校生の頃は新大阪駅にある本屋さんのPOPが熱があって好きでした)、そして気になる分類の棚へ行き、帯の推薦文やあらすじで面白そうなものを探す、という流れになります。その中でも、特に印象に残っている本の出会い方の一つが、自分の好きな作家さんが推薦文を書かれている本は手に取ること。
アニメにもなりましたが、小野不由美さんが書かれた「屍鬼」は、書籍の発売当時、京極夏彦さんが帯にコメントを書かれていて、当時狂ったように京極堂シリーズを読んでいた私は、大先生が薦めるものならぜひ読ませていただきます!!と、購入して読んで見事に夢中になったものです。好きな作家のお薦めから新しい世界を知る、ミーハーだと言われようが、面白い作品に出会えたなら良いのです!
そして屍鬼といえば、世間から隔離された小さな村で起こる不審死からはじまるサスペンスホラー作品。…そう、最近は一ジャンルとしても台頭つつある因習村作品の一つではないでしょうか!?(個人の感想です。異論のある方すみません!!!)
そもそも因習村とは何ぞや?という話なのですが、【古いしきたり=因習】が残っている村の創作物のことを近年そう呼ぶようになってきたようで、都会から遊びに来た若者が祠を壊してとんでもないことが起こる、村独自の習わしで生まれた時から結婚相手が決まっている、等々、幅広い定義で使用され、そのジャンルもホラー、サスペンス、恋愛とバラエティ豊かです。ハリウッド映画の「ヴィレッジ」も、今だと因習村の位置付けになるかもしれませんね。
そんな中、今年の1月に「虧月の夜」という、閉鎖的な村を舞台にした“タイムリープサバイバルホラー”のゲームが発売されました。探訪を読んでくださっている方ならお分かりでしょうが、私の大好物しか入ってない…さらには魅力的な絵柄が後押ししてくるのですからこれは探訪するしかないでしょう!!
ということで、今回は「虧月の夜」を探訪させていただきます。

タイトルにも名づけられている「虧月(きげつ)」。恥ずかしながら、あまりなじみのない言葉だったため、調べてみると【満月から新月に至るまでの間の月。この間のだんだん欠けて細くなってゆく月をいう】という意味合いを持つようです。少しずつ暗闇が迫ってくる様や恐怖がにじり寄ってくる意味合いを持つのでしょうか?ホラーやサスペンスで使われるととても怖そうな言葉ですね!最高!
物語
主人公が遠井 盈として、
昭和13年に起きた大量殺人事件「三十人殺し」が起きた農村に転生。
閉鎖的な村で事件に巻き込まれ、
何度も殺されながらタイムリープを繰り返し、
真相に迫っていく。
忌み嫌われた双子や村の因習、隠された秘密の中で、
生き残りと歴史の改変を目指す。【公式HPより】
予備校の合宿で山村を訪れた主人公。勉強付けで自分の限界を感じた主人公がこっそり合宿から逃げ出すところから物語は始まります。気づけば昭和13年におり、なぜか「遠井 盈(とい みつる)」という男性の体になっている。盈は声が出せないため、手話での会話をすることになります。

パッケージにも大きく映っている、まるでヒロインのような存在の蔓草茜(つるくさ あかね)。彼女は最初から親身に接してくれ、囚われた盈に様々な情報を教えてくれますが、この村の密教に欠かせない人物として存在しています。そのため、この親切は裏があるのかと素直に信じきれないところがあります。

主人公と双子の兄の遠井虧(とい かける)。囚われの盈を助けようと、いろいろ動いてくれているようですが、盈への愛情と執着がとんでもない。プレイ前から格好良くて優しそうなお兄ちゃんだなあとチェックしていたのですが、初対面から(こ、これは…ボーイズラブになるのか…!?)と勘違いしそうなほどの激重の兄弟愛を浴びます。元の人格である盈は、兄の愛情をどう感じていたのかも気になるところです。弟への愛があるからこそ、盈の人格が主人公であることが知れるとどうなるのかわからない怖さもありますね。そしてタイトルである「虧月の夜」の漢字が使われているのは何を意味するのでしょうか…?

昭和13年5月21日未明。蛇塚村では30人殺しという陰惨な事件が起こります。日にちに多少の差はあれど、間近に迫ったこの事件を主人公は回避できるのかというのがこのゲームの一番の注目ポイント。なぜこの事件が起こったのか、なぜ盈は囚われているのか、脱出が一番の解決策なのか…何度もループすればするほど、村の情報は増えるが悩みも増えるという葛藤を抱えてゆきます。果たして主人公は現代に無事帰れるのか…未来はプレイヤーの行動次第です。


振り返れば、様々な作品が当てはまりそうな因習村というジャンル。この機会に、どんな雰囲気なのか触れてみるのにぴったりな「虧月の夜」。ぜひ探訪してみてくださいね!




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