1月5日、日本ファルコムの歴代ゲームミュージックをライブで演奏するFalcom jdk BANDによる2013年初のライブ「Falcom jdk BAND 2013 New Year Live in NIHONBASHI MITSUI HALL」が、日本橋三井ホールで行われた。

Falcom jdk BAND(以下、jdk BAND)は、ライブでファルコムゲームミュージックを専門で演奏するバンド。メンバーは、さまざまな音楽シーンで活躍しており、その高い技術力とパフォーマンスが融合した、独特のライブが展開されている。

2012年8月に引き続き、日本橋三井ホールで行われたライブの前座を務めたのは、和楽器でゲーム音楽を演奏するというコンセプトで活動を行なっているファミ箏(こと)の3人。箏と尺八で「戦国ソーサリアン」より「雪の五条大橋」、「イースI&II クロニクルズ」より「FEENA」を続けて披露。新年を飾るにふさわしい、情緒ある演奏を見せてくれた。

余韻冷めやらぬまま、静けさの残る会場を爆音とともに突き刺して、jdk BANDのメンバーが登場。早速「THE LAST MOMENT OF THE DARK - FINAL BATTLE」を演奏すると、会場内の観客の多くがそれに応えるようにスタンディングに。その後は、ボーカルのイカルス渡辺さん、小寺可南子さんが登場し、そのまま「英雄伝説 空の軌跡SC」の「Maybe it was fated」を披露し、オープニングを盛り上げた。

その後はボーカル曲、インスト曲を織り交ぜながら、PlayStation Award 2012のユーザーズチョイス賞を受賞した「イース セルセタの樹海」を中心に、「英雄伝説 空の軌跡」シリーズ、「英雄伝説 零の軌跡」などからおなじみの楽曲も演奏。

さらに、小寺さんのボーカル楽曲を集めた「Falcom jdk BAND Dive Kanako sings」収録の新曲「Break the Dawn」「君の風」や、「イース」シリーズの楽曲をアレンジした「イースざんまい」収録の楽曲など、アンコールを含む全26曲を駆け抜けるように披露した。

また、アンコール前には、恒例となる告知も行われ、先日発表となった軌跡シリーズ最新作「英雄伝説 閃の軌跡」、「英雄伝説 零の軌跡 Evolution」の序章が遊べる無料版の配信、2012年に行われた日本橋三井ホールでのライブをBlu-ray Disc化、歴代楽曲のデータを集めた冊子「Falcom Music Chronicle」が2013年3月21日に発売されることなど、情報盛りだくさんとなっていた。

セットリスト

オープニングアクト

雪の五条大橋(「戦国ソーサリアン」より)
FEENA(「イース I&II クロニクルズ」より)

01.THE LAST MOMENT OF THE DARK - FINAL BATTLE(「イースざんまい」版)(「イース I&II クロニクルズ」より)
02.Maybe it was fated(「英雄伝説 空の軌跡SC」より)
03.俺たちのレジェンド(「イース vs. 空の軌跡 オルタナティブ・サーガ」より)
04.RELEASE OF THE FAR WEST OCEAN ~I’m here for you(「イースVI ナピシュテムの匣」より)
05.The Foliage Ocean in CELCETA(「イース セルセタの樹海」より)
06.一陣の風(「イース セルセタの樹海」より)
07.地下遺跡(「イース セルセタの樹海」より)
08.The Dawn of Ys(「イースざんまい版」)(「イース セルセタの樹海」より)
09.Break the Dawn(「Falcom jdk BAND Dive Kanako sings」収録)(「イース セルセタの樹海」より)
10.君の風(「Falcom jdk BAND Dive Kanako sings」収録)(「イース セルセタの樹海」より)
11.I swear…(「英雄伝説 空の軌跡SC」より)
12.way of life -ZERO NO KISEKI Evolution-(「英雄伝説 零の軌跡 Evolution」より)
13.最終決戦(「イースざんまい」版)(「イース セルセタの樹海」より)
14.黒き翼(「イース セルセタの樹海」より)
15.OVER DRIVE(「イース I&II クロニクルズ」)より
16.TERMINATION(「ボスざんまい」版)(「イース I&II クロニクルズ」より)
17.TO MAKE THE END OF BATTLE(「イース I&II クロニクルズ」より)
18.MIGHTY OBSTACLE(「イースVI ナピシュテムの匣」より)
19.銀の意思 金の翼(「英雄伝説 空の軌跡SC」より)
20.パンドラ(「イースVI ナピシュテムの匣」より)

アンコール

21.Get over the barrier!(「英雄伝説 零の軌跡」より)
22.Intense Chase(「英雄伝説 零の軌跡」より)
23.Inevitable struggle(「英雄伝説 零の軌跡」より)
24.Cry for me, cry for you(「英雄伝説 空の軌跡 the 3rd」)

ライブ終演後、jdk BANDおよびファミ箏のメンバーにお話を伺ったので、合わせて紹介しよう。

――ライブを終えての感想をお聞かせください。

Gt.井上央一さん(以下、井上さん):今日演奏した曲数はすごく多い部類に入るのですが、盛り上がっていけたと思います。

Key.上倉紀行さん(以下、上倉さん):終わっての率直な感想として、すごく楽しかったです。曲数も多かったので、見ているお客さんはもちろん、演奏しているこちら側もすごくボリューム感があって、それが楽しさにつながったと思います。

井上央一さん 上倉紀行さん

Gt.寺前甲さん(以下、寺前さん):非常に曲数が多く、リハーサルの時は「長いな~!」と思いながらやっていましたが、終わってみると早くて、それだけ充実したライブになったのではないかと思います。

Vo.小寺可南子さん(以下、小寺さん):正月すぐのライブということで、みんなお正月休み返上で練習していたんですが、この時期体調を崩すメンバーも多く、スタジオではみんなマスクをつけていました。それでもちゃんと体調を整えて、万全のライブができたんじゃないでしょうか。

Vo.イカルス渡辺さん(以下、渡辺さん):今年一発目ですごくいいライブはじめになったのではないかなと思います。僕は休憩が多かったのですが、その分濃縮して頑張れましたし、お客さんのノリもお正月っぽくめでたい感じで楽しかったです。来年もよろしくお願いします(笑)。

Vn.水谷美月さん(以下、水谷さん):普段は1つか2つぐらいの大きな山があるのですが、今回は3つも4つも山があって、その分みんなが楽しんで自由にやれている、前回の三井ホール以上にメンバーが楽しそうに弾いている印象をすごく受けました。私もすごく楽しかったです。

イカルス渡辺さん 水谷美月さん

Ba.榎本敦さん(以下、榎本さん):とにかく楽しかったです。2日からリハーサルをやっていたりと、本番に向けての準備も含めて、今日でやっと2012年が終わったかなという。今日がカウントダウンみたいなもので、明日からお正月です(笑)。

Dr.岡島俊治さん(以下、岡島さん):まさにアメとムチみたいな状態でした。リハーサルの時は非常につらくて、「なんでお正月から俺たちはこんなに頑張ってるんだ」と。1日の時点で、みんなお正月を過ごしている中で、練習したり、楽譜を見たりしていて本当にイジメなのかと思いました(笑)。それが今日実際にライブをやってみて、それが報われるくらいの素晴らしい、楽しいライブでした。本当に充実した気持ちでいっぱいです。

――ファミ箏のお三方は、いかがだったでしょうか。

箏担当 沖政一志さん(以下、沖政さん):ライブの中で僕たちが初日の出的な役割を担っているのではないかと思って演らせていただきました。曲をいただいた時に、特に「FEENA」が好きになったので、これを機会にもっとファルコムさんの楽曲をファミ箏の中で掘り下げていきたいと思いました。

あと、jdk BANDのみなさんが正月休みを返上していると話していましたが、僕らも正月は演奏を求められる機会が多いので、ある種のシンパシーを感じました(笑)。

尺八担当 神永大輔さん(以下、神永さん):海外で演奏する機会も多くて、やはりお客さんの反応もいいのですが、今日は日本で演奏した中でお客さんの反応がダイレクトに伝わってきたので、最初の「雪の五条大橋」を演奏した瞬間に前の方のお客さんで「キター!」と叫んだお客さんがいて、笑いを堪えるのに必至でした(笑)。そういうことも含めて、すごく気持ちよく演奏させていただきました。

箏担当 神谷舞さん(以下、神谷さん):箏や尺八の演奏会ですと、なかなか今回のような反応を受ける機会がなく、先ほどの「キター!」の時が、ことさら最初に弾いてる時だったので、「ここでトチったらどうしよう…」とものすごいプレッシャーでした(笑)。でもすごく新鮮で楽しくて、嬉しかったです。

沖政一志さん
神永大輔さん 神谷舞さん

――「戦国ソーサリアン」の楽曲はライブで初めてやられましたが、こちらは岡島さんが絡まれたりしていたのですか?

岡島さん:まあ、僕の仕業ですよね(一同笑)。

――実際に聴いてみていかがでしたか?

岡島さん:もう感激しましたね。僕も聴いたのは今日が初めてだったのですが、神永くんといろいろと仕事をやったりしている流れもあり、彼もゲームミュージックが大好きなので、「ファルコムの正月と言えば『戦国ソーサリアン』だから」と言って「雪の五条大橋」を渡して、あとは任せました。良い感じにアレンジしてくれて、本当に素晴らしかったと思います。

――ライブの中で印象に残ったシーンや楽曲をお聞かせください。

井上さん:「イース セルセタの樹海」の「最終決戦」で、みんなで前に出たあの空気がすごく好きでした。「戦いに行くぞ!」という気持ちを僕的にはすごく感じられたので、楽しかったです。

上倉さん:ショルダーキーボードで前に出ることもあるのですが、今回、僕はメンバーが前に出てくるのを後ろから見ているのが割と多くて、それを見た時にその絵面がすごくいいなと思いました。自分の位置から見たバンドメンバーの曲によっての移り変わりを見るだけでも楽しかったです。

あとは、「TO MAKE THE END OF BATTLE」で今回もはっちゃけられて、個人的には大満足です(笑)。

寺前さん:僕も上倉御大がアレンジした「最終決戦」ですね。今回は衣装が黒で、割とロックで、すごくハマる感じだったので、演奏している時は「俺たちイケてるんじゃないか」という気分でした。

小寺さん:今回は自分のアルバムに入れてもらった新曲を初披露できて、その中でも「Break the Dawn」は、上倉大先生が素敵なアレンジをしてくださって、インストでも聴いてもらって、その後で歌詞をつけるとこんな風に世界観が広がるという、ファルコムの楽曲の二面のある面白さを見せられたかなと私は思います。難しい曲だったんですけど、ライブでこんなにはまると思っていなかったので、これもいい収穫だなと思いました。

寺前甲さん 小寺可南子さん

渡辺さん:ライブ本編の最後の「パンドラ」はやっぱり、会場が一体となってみんなで歌っていることに感動して、これでようやく年が明けるという気分でした。あとは上倉さんの「デデッ」の間が悪かったなと(笑)。

水谷さん:歌曲では、新曲の「君の風」がものすごく印象的で、会場全体がキレイにサイリウムが揺れていて、気持ちよさそうに歌うコテカナ(小寺さん)の横に行って、バイオリンを弾かせてもらうのがすごく気持ちよかったです。

インストは、リハ中もずっと弾けない部分があったんですが、メンバーが本当に支えてくれて、本番も後ろから支えてもらっているのを感じながら演奏できたので、「TERMINATION」が印象的でした。

榎本さん:「最終決戦」は本当に印象に残っています。あの曲でテルちゃん(井上さん)とアンジェロ(寺前さん)が前でユニゾンフレーズみたいなのをこれでもかと弾く場面があって、あの瞬間が「こいつらやっとる…!」みたいな気分ですごく面白くて、普段見れない姿が見れたので楽しかったです。

岡島さん:ここで違うこと言わないと面白くないと思うのですが、素直に言うと「最終決戦」でした。実際、自分が叩いていてもものすごく叩きごたえのある曲ですし、他のメンバーもすごく大変なことやってるんですけど、そういう大変なアンサンブルをみんなで一緒に作り上げていくのが楽しかったです。リハーサルでも「絶対この曲、時間かかりそうだよね」と合わせたら、いきなり一発で通っちゃったりという感激もありました。最終的には上倉先生の神アレンジがあってこそだと思いますね(笑)。

榎本敦さん 岡島俊治さん

――2013年の抱負を一言でお願いします。

井上さん:曲数増えても頑張ります!

上倉さん:もっといろんな曲をアレンジして、その曲をバンドで演奏して、ライブをしたいです。

寺前さん:次は40曲です!

小寺さん:今年こそ東名阪行けたらいいと思います。

渡辺さん:「ツノざんまい」をぜひよろしくお願いします。

水谷さん:なるべく東京以外のみなさんに、この生音をお届けしたいと思います。

榎本さん:インストばかり、歌ものばかりのライブを連日でやりたいです。

岡島さん:今年はより密度の濃いjdk BANDを出していければいいと思いますので、楽しみにしていただければいいと思います。

沖政さん:実はファミ箏の第二回演奏会が今年の12月23日に決定していまして、演奏会の成功こそが今年の目標なので、それに向けて今年一年邁進していく次第です。

――メンバーを代表して、小寺さんよりファンの方にメッセージをお願いします。

小寺さん:新年の最初に、こんなに熱いライブができたことは、とにもかくにもみなさまのおかげです。これに満足せず、今年もまだまだたくさんのライブを、大小問わず、いろいろなところでできたらと思っております。「まぁでもjdkなんで…」もやっていますし、「jdk TV」も頑張っていますので、ライブ以外のコンテンツにもより注目していただける、jdk BANDをいろいろ楽しめる2013年にしたいと思います!

――ありがとうございました。

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